手焼きせんべい処相模原風林堂のおせんべい日記

神奈川県相模原市の手焼きせんべい屋風林堂店主が、おせんべい作りとその周辺について日々のよしなごと書いて参ります。

おせんべいの化学

2011年12月03日 | おせんべい日記

おはようございます。手焼きせんべい風林堂 酒井浩です。

今日もとても冷たい朝です。先ほど今日の焼きを終えましたが、もうあまり汗をかかなくなりました。外気は10℃に満たないとの予報ですね。

今日はお煎餅ができる仕組みについてがテーマです。
おせんべい生地は、米が100%原材料なので、その性質は米に含まれるでんぷんの特性をうまく利用することで食品として成立します。 でんぷんにはアミロースとアミロ ペクチンという2種類があり、おせんべいになるうるち米にはアミロースが20%アミロペクチンが80%の割合で含まれます。 一方、お餅として生で食べたり、おかき・あられの生地になる糯米(もちごめ)はほとんどがアミロペクチンです。両者の粘りが違うのは、これら澱粉の性質のためです。

 生のでんぷんは、そのままでは食べられません(消化されません)が、加水・加熱することで膨張し粘りがでて、味・香りともによ くなり、食べられるようになります。これを糊化(こか)またはα化(アルファか)といいます。 生の米をお釜で炊くことでご飯として食べられるようになる のもこの原理を利用したものですね。

 一旦α化したでんぷんも、そのまま放置すると、もとのでんぷんの構造に戻ってしまい、固くなったり味が落ちたりします。 これをでんぷんの老化(ベータ化)といいます。ご飯が冷めるとおいしくないのは、β化のせいです。しかし、α化したものを急速に乾燥するとβ-デンプンには戻らずにα-デンプンが保存されます。おせんべい生地作りも同じ原理で、蒸した団子を伸して成型した後、急速乾燥させることでアルファ状態を保ち、原材料として使えるようになるわけです。

最近は、食品の保存に色々な技術が導入され、この老化を抑えることで、寿命を長くすることが可能となってきていますが、食物の廃棄を少なくし、大切に扱うという意味では大変役に立つ技術と言えるでしょう。

次回に続きます


手焼きせんべい風林堂のオフィシャルホームページ
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