自分探し ＝ 宝探し

最近は、新型コロナでいろいろな制限が発生して大変だ。
だが、そうは言っても、なんだかんだ言って余裕のある人が多いように感ずる。
そしてその極めつけは、若者の「自分探しの旅」だ。
自分が何者で、何をしたいのか、何ができるのか、何をすべきなのかを探したり見つめたりするそうだが、
毎日の生活で必死のおいらからすると、ただふらふらと遊んでいるようにしか見えない。
そんな若者に、曹洞宗のご住職がアドバイスをしていた。

◆「自分探しは宝探しのようなもの」
　自分探しはおやめなさい。
　わざわざ探しに行かなくとも、いまここに居るのがあなたなのですから。
　自分探しは宝探しのようなものです。
　宝探しで、発見したという話はとんと聞きません。
　自分探しも、そのくらい見つからないものです。

　自分は何をすべき人間なのか、と気にかけはじめると、目の前のやるべきことが見えなくなってしまいます。
　ますます自分を見失うだけなのです。
　それよりも大事なことは、「自分磨き」。
　どんな玉も、磨けば光るものです。
　たとえ今は泥まみれでも、自分という原石をきれいに洗ってしっかりと磨けば良いのです。
　仏教ではそれを「行」と言います。

　たしかに、蓮は泥の中から育ってもきれいな花を咲かせます。
　葬式や法事の時しか意識をしない仏教なのですが、やはりその教えは役に立つものですね。