静岡のお茶

全国にお茶の名産地は多くある。
だが、ここ名古屋からは静岡が日本有数のお茶の名産地だと思われる。
一方で、「宇治茶」というブランドもある。
そのあたりの事情を掘り下げてみました。

◆静岡がお茶の名産地となったのには理由があった
　江戸時代までは、お茶と言えば宇治の独占だったそうだ。
　とりわけ、将軍家で飲むお茶は宇治から運ばれてくるのが常だったそうだ。
　静岡茶が名を挙げたのは、明治以降の話しらしい。
　しかも意外なことに、その発端は失業対策事業だったという。

　江戸幕府が倒れると、静岡県には失業の嵐が吹き荒れた。
　交通の要所だった大井川の人足たちが大量に失業したからだ。
　徳川幕府は、江戸防衛のために大井川には橋を架けなかった。
　そのため、大井川には多くの人足が働いていた。
　ところが、明治時代になって渡し船が登場し、そんな人足たちは失業してしまった。
　
　さらには、徳川将軍家に仕えていた家臣も失業し地元静岡に戻ってきたのだ。
　そこで奨励されたのが静岡茶の栽培という事。
　元川越えの人足や元武士の多くが茶の栽培に転職したのだ。
　もちろんそこには、静岡がお茶の栽培に適した土地であったこともある。
　結果、この失業対策？によって、静岡茶は飛躍的に生産量を伸ばしたということなのだ。

　そっかそんな理由があったのか。もしかしたら、ミカンやイチゴでも同様のことがあるのかもしれませんね。