つぶやき、遊び・仕事・日常

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鈍き刀を使ふ

2019-04-22 18:44:38 | 日記
おそらくは能力が高いのに、なぜか仕事や人間関係がうまくいかない人っています。
もしかしたらそれは、能力を使いすぎていることが原因なのかもしれません。
もちろん能力があることは良いことですが、大事なのはそれをどう使うかです。
そう考えさせる名言が、兼好法師の「従然草」にあるそうです。
明治大学の斎藤教授の紹介です。

◆よき細工は、少し鈍き刀を使ふ
 各段の文章は非常に短いのですが、どれも物事の本質をズバッと言い当てていて、読み手の頭もすっきりします。
 行き詰まったときに開くと、世の中はそれほど難しくないかも、と気楽にさせてくれる不思議な一冊です。
 その従然草には、次のような一段があります。
 「よき細工は、少し鈍き刀を使ふという。妙観が刀はいたく立たず」。
 よき細工とは、器用な仕事をする人のこと。妙観は彫刻の名工の名前です。
 よってこの一文は、腕の良い職人は、鋭い刀は使わない。妙観も切れの悪い刀を使っていた。との意味です。

 これを現代のビジネスパーソンに当てはめるなら、鋭すぎる感覚や独自すぎるアイデアを持っている人は、
 あえて少し鈍くすることによって周りとうまくいく、ということです。
 それでは良い仕事ができないだろう?と思うかもしれませんが、実際は鋭すぎるスキルがかえってあだになることが多いのです。
 例えていえば、論理力が高い人は、議論の場でも相手を論理で追い詰めがちです。
 しかし、論理という鋭い刀で相手を切りまくっても、いいことはありません。
 周囲にいるのは攻撃すべき敵ではなく、協力して仕事をする仲間なのですから、(ここが大事なところですね)、
 わざと刀を鈍らせて、私もここは判断に迷うのですが、あなたはどう思われますか?と議論を進めた方がいいはずです。

 歌手も高い歌唱力があるだけではダメで、聞く人に感動を届けられなければ本物ではなく、
 アナウンサーも、例え滑舌力が非常に高くともあえて原稿をスラスラと読まず、所々で間を置きながら読みます。
 流暢すぎる言葉は聞く人の心にとどまらず通り過ぎていってしまうので、あえてそうするのだといいます。
 これぞ鈍き刀を使いこなしている好例でしょう。
 時には鋭い刀を隠すのが、本当のプロです。
 兼好法師が残した短い一段は、そう教えてくれているのです。

 中身や紹介が完璧すぎて、おいらが付け加えることは何にもありませんや。
 今日はほとんど受け売りで終わっちゃいました。
 いちいちが腑に落ちることばかりでしたね。

 

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