昼行燈とは、役に立たないものの例示だと思う。
行燈は夜に点けてこそ、周りを明るく照らすものであって、明るい昼に点いていてもまったく役には立たないはずだ。
転じてボーッとしていて気の利かない輩のことも指すのかな。
だが、作家の三浦朱門氏が父上に言われたという言葉をこう紹介してくれた。
そんな考え方もあるようだ。
◆討ち入りより昼行燈が幸せだ
その言葉をかけられたのは、私が忙しくあくせくしていた時だった。
男は一生に一度、あの人がいてよかったと思われればいいので、その日のために勇気を養っておけばいいと。
私は、もし生涯にただの一度もそういったチャンスがこなかったらどうするのかと質問した。
父の答えはこうだった。
「それは平和ということで、そんな幸せなことはない。
大石内蔵助は討ち入りなどせずに、一生昼行燈でいられたほうが、
赤穂藩にとっても周囲の人々にとっても彼にとっても幸せなことだったはずだ。」
→う~ん 一生に一度のくだりは受け入れやすいのですが、昼行燈が幸せとは腹落ちするのに時間がかかりそうです。