全国知事会が今月15日「少子化非常事態宣言」を採択したが、少子化で日本の人口が減っていくのは当然である。今さら非常事態宣言を発したからといってどうなるのか。国や地方は本当に少子化対策をとっているのか!? あやしいものだ。
例えば第2子から30万円、第3子からは50万円、第4子以降は年間100万円の補助を行なうなど、思い切った対策をとる覚悟はできているのか! そういう具体的な方策もなく、ただ少子化は良くないと言うだけでは何の効果があるだろうか。何の効果もない。
人口減少は当たり前で、日本は今の半分の6000万人ぐらいになって当然だと言う人もいる。だいたい、今は子供に金がかかり過ぎるのだ。わたしらが子供のころは学習塾なんかほとんどなく、パソコンもスマホもゲーム機もなかった。外で遊ぶレジャー施設もほとんどなかったし、習い事と言ってもせいぜい算盤や習字程度だった。
だから、親は子供に金がかからず、けっこう産むことができた。一家に子供が8人や10人いても、何らおかしくはなかったのである。ところが今や、前述の例でも分かるように嫌でも金がかかるのだ。そうなると当然、子供は少なくなるし、少ない子供を大切に育てようということになる。
こんなことは常識だが、そうは言っても、やがて全国の市町村の半分が消滅するとあって、地方自治体は危機感を深めている。その気持は分かるが、それは避けられないのだ。そうと分かれば人口減少を当然として、今のうちから地方行政をどうするか考えた方が賢明である。
例えば「道州制」を導入すれば、無駄な県単位の施策も減るだろう。地方制度も変わる。例えば、中国地方の県議会は今の5つから1つの「州議会」に統一される。今よりもずっと進んだ“広域行政”が可能になるのだ。
もちろん、道州制についても良い面と悪い面があるだろう。それをここで詳しく述べる時間はないが、いわゆる「平成の大合併」でだいぶ見通しが開けてきたと思う。21世紀の初頭に、多くの有識者は「人口30万の中核都市」構想を提言したはずだ。そうすると、人口1億2000万の今の日本なら、約400の都市に再編成される。
この中核都市が「道州制」の柱になり県は消滅するのだが、話が道州制のことに飛んでしまった。この話はもうやめるが、われわれは“少子化”と人口減少を当然のことと受け止め、将来の日本のことを考えていかねばならない。ただいたずらに、非常事態宣言を出しても何の効果もないのだ。
もう1つだけ問題提起をしよう。人口減少となれば当然、労働力の確保がテーマになってくる。そうなれば、外国からの「移民」を全面的に受け入れるのか。移民の無制限な受け入れは秩序を乱すから、相当な歯止めをかけなければならないのか・・・など、新たな問題を今から考えておく必要がある。
話せば長くなるのでもうやめるが、タイトルの「少子化は当たり前だ!」を深く受け止め、われわれは21世紀の施策をいろいろ考えていこうではないか。