神楽の道具の一つ、大蛇の胴は、主に和紙と竹でできている。
島根県浜田市の職人さんの手によるもので、竹の輪っかを繋げたものに、和紙を何重にも張り、それを折りたたんでいる。
この胴、操るときは、地面を這うように擦って移動するため、少しずつ擦れて、特に節の部分がはげてくる。
終いには和紙が全てはげ、下の竹が見えてくる状態。
こうなると、見栄えも痛々しくなってくる。
また、舞っていると、どうしても上に乗ってしまうケースが出る。
こうなると、いかに職人さんが組んでいる竹でも折れてしまう。
その部分が表面に突き出し、これまた和紙を破いてしまう。
そればかりか、突き出た竹が他の胴を痛めてしまうという、最悪の状態。
このため、上沼田神楽では、時々胴の点検を行い、
壊れた部分を補修している。
古い大蛇の胴の竹を取り出し、折れた部分にはそれを当て、再度丈夫な節を作る。
破れた部分には、できるだけ近しい色のテープなどで、時に裏から、時に表から破損部分を覆い隠す。
そうして補修した胴は、少しでも活躍してくれることでしょう。
そして経費節減!
