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郷土史、登山、スキーなどを写真と共に書き綴っております

Kennyの郷土史:鈎の陣

2013-01-22 10:04:24 | 郷土史

(まがり)の陣 鈎陣所跡を訪ねる
室町幕府衰退と地方権力の発展を背景に
     
=Kennyの滋賀から情報発信=
      
(この日記の掲載期間:2月1日~2月7日)



     足利義尚 鈎の陣ゆかりの地 
(場所は下に地図があります)

銀狐(ブログでのお名前)さんの、なるほど
滋賀県=戦国時代」と思うことなかれ!神社や古刹、古墳から城跡
まで
フルコースで取り揃えてございます」 これは銀狐さんのブログ
の一節です。 いや、ほんまにそうですなー、実感です。今回の講座
でね、なるほど と。


昨年(12年)の夏、滋賀県教育委員会文化財保護課が企画の講座
に参加してお
目にかかり、その講座での体験記を彼女のブログで公
開された時に目に入った言葉です。なんと当時 神奈
川県からその講
座のためにわざわざ滋賀県に来られました。 


              永正寺に今も残る土塁

鈎の陣って?
栗東市のJR手原近くにその時の遺構が残っています。室町時
代、第9代将軍、足利義尚の時代に起きた争乱です (なんやそう
です)。
フルコース、この日記を書くにあたり またその銀狐さんの、
滋賀県人として嬉しいこの
言葉を思い出します。それも神奈川県
の方が滋賀県をそのように表現してくださっています。

            
         鈎の陣所の案内板   今回の見学コース地図
          
 (共にクリックで拡大します)

私、Kennyはこの鈎の陣を今回の講座まで全く知りませんでして、
なるほど滋賀には戦国時代だけではありませんな(そうなんですが)、
と改めて実感した次第です。それでこの事を一番に紹介しました。

さて、簡単にこの争いについて
あくまでも一夜漬けで失礼します。時は室町時代で足利政権は内
紛による分裂状態で衰退がはじまりその機(応仁の乱)に地方の
権力が力をつけてきます。その一つ近江の守護大名、六角氏(高
頼)が幕府にとって無視で
きない存在になっており、討伐に出ます。


 陣跡 この一帯に陣が敷かれたが今はこの場所に目で見える遺構はない
         

近江に出陣し、鈎(栗東市上鈎)に布陣しました。しかし、六角氏の
ゲリラ戦法に苦しめられ、その上義尚が延徳元年(1489)に陣中で

没したため、六角氏を討伐することはできませんでした。その後の討
伐を含め
二度に亘る合戦でしたが六角氏の巧みな(上述のゲリラ戦法:
甲賀に逃げる込む
などの)戦術ではねのけたことで、これ以後 六角氏
は戦国期の守護権力として自立していくこととなります。

室町時代後期の長享元年(1487年)と延徳3年(1491年)の2度に
亘っての事で長享・延徳の乱、六角征伐などとも呼ばれています。

 
     足利義尚の句碑             堀は今は小川として残る

今回の見学遺跡:永正寺
この時義尚が陣を置いた場所については、史料には「真宝館」と書
かれており、現在の永正寺(栗東市上鈎)付近に比定されています。
また周囲には「寺内」の地名が残り、真宗寺内町との関連も指摘さ
れています。現地には今も土塁や堀の痕跡が残っています。
      (この項、文化財保護課からの案内文の抜粋引用)  


        足利義尚の御所跡 (その跡に永正寺は建立された)

現地に今も残っている土塁や堀の痕跡、これらを目にすると、なるほ
ど そうだったんかー、応仁の乱の時代の事までこんな近くで見ること
が出来るんや、と 一つ賢くなった気がして嬉しくなります。更に滋賀県
って これでもか、と時代を遡っても、なんぼでも歴史があるんです。

なお、詳細はネットで「鈎の陣」と検索されますと関連情報がたくさん
あります。どうかご一覧ください。

 
              松下先生        講義        藤岡先生

滋賀は面白い、フルコースです、まだまだあります
今回は、滋賀県文化財保護課の松下 浩先生が「応仁の乱と将軍
の近江親政」と題して鈎の陣の背景を、そして地元栗東市、城郭
談話会の 藤岡英札先生 が「鈎の陣と上鈎寺内」として詳細と現地
を案内下さいました。もう郷土史愛好家にとって贅沢でまた大変あり
がたい講座です。

今年も毎週(県でも趣旨により管轄部署が異なり、滋賀のどこかの地で)のよう
に このような講座(現地見学付も多々)開催されます。是非参加して
みてはいかがでしょうか。お問い合わせは、先ずは滋賀県庁内、文
化財保護課でいいと思います。

    今日もご訪問くださいましてありがとうございます

 

コメント (10)
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