【証明することなどできない前世物語3】
シリーズ3回目です。
1・2はコレ。
↓
・【追記】夢物語~女帝~。
・夢物語~身代わり~。
よく、どんなに歴史の勉強が苦手な人でも覚えてる歴史上の偉人を
「自分の前世です!」
って言い張る人いるけど、なんかすごいよね。
現実はこんなものだと私は思うんだけどね。
さて、かっこよくもドラティックでもないよと言ってきた私の前世物語、今回はがらっとカラーが変わって、なんというか強いです。
主人公も強いし展開も強い。
もっとも
「本当に私の前世なんか?」
と思う物語です。
宝塚化してほしいくらい(笑)。
今回も怖いので固有名詞はぼかします。
~命より大切な魂と神との対話~
その転生の私は…書くのもはばかられるが書くと、一言で言えば
「美貌の芸術家」
だった。
男性です。
骨骨したスタイル、やたら長い腕(足より腕の長さが目立つ)、そして大きな手、骨格からしてクリエイターって感じ。
顔は某有名俳優さんにソックリなのだが書いたら怒られると思うので秘密。
鼻は細く、耳たぶも小さいっていうか薄い?のが、現実的な金や成功に興味がないんだろうなと思うし、実際そんな人だった。
挑むような、求める瞳がすごく強い。
目からビーム出てるって感じ。
でもそのビームは世俗ではなく、彼の思うところの“大いなる神”“偉大なる自然”に向けられていたらしい。
彼の生まれ育った国は芸術大国で、お隣には宗教国家がある(バレバレやないか)。
神を信じ、求め、神を見たり感じたことを主に絵画で彼は描いていた。
そしてそれはしばしば彼の国、そしてお隣で信仰されている宗教と違うところがあった。
彼に言わせれば
「そっちの方が間違っている」
らしい。
書いてて、表現が強すぎる!!
怖っ!!
しかし私と違って肝が据わってる彼はこういう言い方をするのですよ…。
この彼、変わり者で無口で全然笑わない。
でも美貌の力は偉大で、女に不自由したことはなかった。
たまに笑うと
「私にだけ笑顔を見せてくれた!」
と運命感じちゃうレディーが多発…けっ。(おい)
来る者拒まず、去る者追わず。
酒もギャンブルもやらない珍しいタイプの芸術家だったみたい。
大金にはならなかったけど、美貌と若さが宣伝してくれて
「こういう絵を描く芸術家がいる」
と彼は有名人になっていく。
描いてる絵がねー…これ!って見えるわけじゃないんだけど、おそらく自然現象や、普通の庶民の優しさや愛に神を見出した絵だったんじゃないかと思う。
とにかく伝統的な宗教画に比べて異端だったことはたしか。
そして有名になるにつれ、お隣の宗教国家ににらまれるようになります。
もちろん罪をでっち上げられ投獄されたり、拷問されたりしたようです。
でも彼は全く折れなかった。
「生きてる人間なんか、俺は恐れない」
らしい。
すげー…全然私とは違うんですけど…。
そうなると、当然のことながら攻撃は彼自身から彼の愛する家族に向かう。
この時は独身だったっぽくて、両親兄弟ね。
それに耐えられなくなり、彼は国外追放を受け入れます。
ここにもドラマがあって、お隣の宗教国家には彼の幼馴染みの親友が何人か働いていました。
優しい彼らが必死にかけあってくれたおかげで死罪じゃなく国外追放ですんだことは彼もよく理解してて、感謝してたみたい。
どんな大きい組織にも色んな人がいるよねぇ。
さて、国外追放になった後は近隣の国に行きました。
嫌がらせする人も多かったようで、この国のことはそんなに好きじゃない。
でもその時々に助けてくれる人(おそらく女性…)に助けられ、そして
「自分は絵さえ描ければいい」
という信念に支えられ彼はおじいちゃんになっても、命ある限り描き続けて天寿をまっとうしたのでした。
【勇気は受け継がれなかったが…】
今の私とかするところがホンット~に何もない転生なんですよね(笑)。
タフネス、信念、勇気、技術、美貌…何も受け継がれていないんだけど、これ本当に私の前世か?と思う。
…のですが。
この転生の彼、たまに出てくるんですよ。
降りてくるって言うの?
ふたつ例を挙げると、ひとつは
「芸術家がやりたい表現を妻に反対されて、やめてしまったけれどくすぶってる」
ドキュメンタリーを観てた時に
「女に言われたくらいで信念曲げるやつは、芸術をやる資格無し。
命をかけて魂をこめて創造できないなら最初っからやるな」
的な彼の思いをはっきりと感じた。
芸術って命がけ~…。
もうひとつはミュージカル『1789~バスティーユの恋人たち~』(宝塚版の方です)を観てた時、主人公のロナンが悪役ペイロールに拷問される場面で
「仲間を裏切りはしない」
「国家はみんなのものだ」
「お前たち狂ってる」
「耐えてみせる」
と歌うのを聞いて彼の転生のときの記憶というか体感というか…すごく甦って来る感じがすごかったのだ。
「俺は自分の信じる神を裏切らない」
「神はみんなの中にいる」
「神を暴力の言い訳に使うなんて狂ってる」
「生き残って命ある限り描いてみせる」
だけどね、彼の記憶は。
私は無理だわー…まっさきに逃げたい。
痛いのも怖いのもぜったい嫌だし。
あ、もういっこ思い出したから書きますね。
『ドラゴンクエスト8』に出てくる悪役・マルチェロが私は大好き。
悪役なんで不完全なところ・それはダメだろと思うところがたくさんあるけど、傷みや闇を抱えながら強さを求める生き様が好きなのです。
ですが彼(美貌の芸術家)は全然マルチェロが好きじゃなくて、マルチェロ最大の見せ場である演説場面を見ながら私は感動したけど、彼の魂はいたってドライに、きっぱりと
「その言葉は偽りだ。
偽りに少し真実をまぜて真実かのように見せてるだけで、人間の本質は行動だ。
こいつは自分の残虐性を神をかたって正当化してるだけ」
こんな風に思っていた。
で若かりし日の私は
「た、たしかに…」
と思った。
マルチェロの演説はこのサイトで読めます。
↓
※【法皇就任演説】
やっぱりカッコイイよね~。
あ、今度はめちゃくちゃ低次元な話ですが。
私の入った大学は彼が逃れた国とゆかりのある大学でして、
「大学に入ったら教養科目で○○語とっていっぱい勉強しちゃうぞ!」
と意気込んでいたにも関わらず、嘘みたいに必修科目と○○語の授業の時間がかぶっていてついに学べなかった…ということがありました。
というのはやはり、彼が愛する祖国を追われ母国語を封印されるのが辛かったからなのかもな~と思うのだ。
【もちろん幸せな転生もたくさんある】
さて、3回にわたって前世話を書いてきたわけですが…ふたつは早死にだし、ひとつはやたら波乱万丈で大変だしで
「幸せな転生はないの?」
と思う方もいるかもしれませんね。
もちろん、幸せな転生もたくさんあるみたいです。
でもあんまり甦ることないね。
苦労の中でこそ後世に伝えたい想いができるのかも。
まあでもひとつ例を挙げておくと、どこか雪深い国に生まれた転生は生涯幸せで愛にあふれていたようで、性別や人生を思い出す必要が全くないくらい今でも雪や針葉樹を見ると、温かく優しい気持ちがあふれてきたりします。
ありふれた、そして得がたい転生だったんじゃないかな~。
めったにないよ、ずっと幸せなんてね。
シリーズ3回目です。
1・2はコレ。
↓
・【追記】夢物語~女帝~。
・夢物語~身代わり~。
よく、どんなに歴史の勉強が苦手な人でも覚えてる歴史上の偉人を
「自分の前世です!」
って言い張る人いるけど、なんかすごいよね。
現実はこんなものだと私は思うんだけどね。
さて、かっこよくもドラティックでもないよと言ってきた私の前世物語、今回はがらっとカラーが変わって、なんというか強いです。
主人公も強いし展開も強い。
もっとも
「本当に私の前世なんか?」
と思う物語です。
宝塚化してほしいくらい(笑)。
今回も怖いので固有名詞はぼかします。
~命より大切な魂と神との対話~
その転生の私は…書くのもはばかられるが書くと、一言で言えば
「美貌の芸術家」
だった。
男性です。
骨骨したスタイル、やたら長い腕(足より腕の長さが目立つ)、そして大きな手、骨格からしてクリエイターって感じ。
顔は某有名俳優さんにソックリなのだが書いたら怒られると思うので秘密。
鼻は細く、耳たぶも小さいっていうか薄い?のが、現実的な金や成功に興味がないんだろうなと思うし、実際そんな人だった。
挑むような、求める瞳がすごく強い。
目からビーム出てるって感じ。
でもそのビームは世俗ではなく、彼の思うところの“大いなる神”“偉大なる自然”に向けられていたらしい。
彼の生まれ育った国は芸術大国で、お隣には宗教国家がある(バレバレやないか)。
神を信じ、求め、神を見たり感じたことを主に絵画で彼は描いていた。
そしてそれはしばしば彼の国、そしてお隣で信仰されている宗教と違うところがあった。
彼に言わせれば
「そっちの方が間違っている」
らしい。
書いてて、表現が強すぎる!!
怖っ!!
しかし私と違って肝が据わってる彼はこういう言い方をするのですよ…。
この彼、変わり者で無口で全然笑わない。
でも美貌の力は偉大で、女に不自由したことはなかった。
たまに笑うと
「私にだけ笑顔を見せてくれた!」
と運命感じちゃうレディーが多発…けっ。(おい)
来る者拒まず、去る者追わず。
酒もギャンブルもやらない珍しいタイプの芸術家だったみたい。
大金にはならなかったけど、美貌と若さが宣伝してくれて
「こういう絵を描く芸術家がいる」
と彼は有名人になっていく。
描いてる絵がねー…これ!って見えるわけじゃないんだけど、おそらく自然現象や、普通の庶民の優しさや愛に神を見出した絵だったんじゃないかと思う。
とにかく伝統的な宗教画に比べて異端だったことはたしか。
そして有名になるにつれ、お隣の宗教国家ににらまれるようになります。
もちろん罪をでっち上げられ投獄されたり、拷問されたりしたようです。
でも彼は全く折れなかった。
「生きてる人間なんか、俺は恐れない」
らしい。
すげー…全然私とは違うんですけど…。
そうなると、当然のことながら攻撃は彼自身から彼の愛する家族に向かう。
この時は独身だったっぽくて、両親兄弟ね。
それに耐えられなくなり、彼は国外追放を受け入れます。
ここにもドラマがあって、お隣の宗教国家には彼の幼馴染みの親友が何人か働いていました。
優しい彼らが必死にかけあってくれたおかげで死罪じゃなく国外追放ですんだことは彼もよく理解してて、感謝してたみたい。
どんな大きい組織にも色んな人がいるよねぇ。
さて、国外追放になった後は近隣の国に行きました。
嫌がらせする人も多かったようで、この国のことはそんなに好きじゃない。
でもその時々に助けてくれる人(おそらく女性…)に助けられ、そして
「自分は絵さえ描ければいい」
という信念に支えられ彼はおじいちゃんになっても、命ある限り描き続けて天寿をまっとうしたのでした。
【勇気は受け継がれなかったが…】
今の私とかするところがホンット~に何もない転生なんですよね(笑)。
タフネス、信念、勇気、技術、美貌…何も受け継がれていないんだけど、これ本当に私の前世か?と思う。
…のですが。
この転生の彼、たまに出てくるんですよ。
降りてくるって言うの?
ふたつ例を挙げると、ひとつは
「芸術家がやりたい表現を妻に反対されて、やめてしまったけれどくすぶってる」
ドキュメンタリーを観てた時に
「女に言われたくらいで信念曲げるやつは、芸術をやる資格無し。
命をかけて魂をこめて創造できないなら最初っからやるな」
的な彼の思いをはっきりと感じた。
芸術って命がけ~…。
もうひとつはミュージカル『1789~バスティーユの恋人たち~』(宝塚版の方です)を観てた時、主人公のロナンが悪役ペイロールに拷問される場面で
「仲間を裏切りはしない」
「国家はみんなのものだ」
「お前たち狂ってる」
「耐えてみせる」
と歌うのを聞いて彼の転生のときの記憶というか体感というか…すごく甦って来る感じがすごかったのだ。
「俺は自分の信じる神を裏切らない」
「神はみんなの中にいる」
「神を暴力の言い訳に使うなんて狂ってる」
「生き残って命ある限り描いてみせる」
だけどね、彼の記憶は。
私は無理だわー…まっさきに逃げたい。
痛いのも怖いのもぜったい嫌だし。
あ、もういっこ思い出したから書きますね。
『ドラゴンクエスト8』に出てくる悪役・マルチェロが私は大好き。
悪役なんで不完全なところ・それはダメだろと思うところがたくさんあるけど、傷みや闇を抱えながら強さを求める生き様が好きなのです。
ですが彼(美貌の芸術家)は全然マルチェロが好きじゃなくて、マルチェロ最大の見せ場である演説場面を見ながら私は感動したけど、彼の魂はいたってドライに、きっぱりと
「その言葉は偽りだ。
偽りに少し真実をまぜて真実かのように見せてるだけで、人間の本質は行動だ。
こいつは自分の残虐性を神をかたって正当化してるだけ」
こんな風に思っていた。
で若かりし日の私は
「た、たしかに…」
と思った。
マルチェロの演説はこのサイトで読めます。
↓
※【法皇就任演説】
やっぱりカッコイイよね~。
あ、今度はめちゃくちゃ低次元な話ですが。
私の入った大学は彼が逃れた国とゆかりのある大学でして、
「大学に入ったら教養科目で○○語とっていっぱい勉強しちゃうぞ!」
と意気込んでいたにも関わらず、嘘みたいに必修科目と○○語の授業の時間がかぶっていてついに学べなかった…ということがありました。
というのはやはり、彼が愛する祖国を追われ母国語を封印されるのが辛かったからなのかもな~と思うのだ。
【もちろん幸せな転生もたくさんある】
さて、3回にわたって前世話を書いてきたわけですが…ふたつは早死にだし、ひとつはやたら波乱万丈で大変だしで
「幸せな転生はないの?」
と思う方もいるかもしれませんね。
もちろん、幸せな転生もたくさんあるみたいです。
でもあんまり甦ることないね。
苦労の中でこそ後世に伝えたい想いができるのかも。
まあでもひとつ例を挙げておくと、どこか雪深い国に生まれた転生は生涯幸せで愛にあふれていたようで、性別や人生を思い出す必要が全くないくらい今でも雪や針葉樹を見ると、温かく優しい気持ちがあふれてきたりします。
ありふれた、そして得がたい転生だったんじゃないかな~。
めったにないよ、ずっと幸せなんてね。