生身の人間だから、体も心も傷む。

【おや、あなたは…】

少し前に、一人で飲食店を利用していたらすぐ隣に女性が座った（カウンター席みたいなところだった）。

「？

　なんか誰かに似てるな？」

と思ったけど、もちろんジロジロ見るのは失礼。

できるだけ目を合わさないようにしていました。

たら、あちらの方から

「すみません、それってどのメニューですか？」

と声をかけられたので

「これです」

「ありがとうございます、頼んでみます」

と少しお話をした。

それでわかったんだけど…。

某スター稼業の人気者でした。

気付けばふっつーに街にいらっしゃるんだよなあ、こういう人って。

テレビなどで拝見するのと同じ綺麗な方でした。

でも、なんかこうやって現実で遭遇すると毎度

「当たり前だけど…同じ時代を生きている人間なんだよなあ、あちらも」

としみじみ思ってしまう。

毛穴もあるし表情が変わればシワもよる（彼女は20代だし、老いって意味じゃないです）。

生身の人間なんだよなあ…。

歩き方と姿勢を10代から厳しく叩き込まれるタカラジェンヌはもう常にオーラが違いますが、そうじゃないスター稼業の方って猫背の方や癖のある歩き方される方も多いしね。

あと舞台の人・声優さん以外は声が整えられてない…素材のまま、な感じが

「ああ、普通だな」

とよく思います。

私はね。

みんな生きてる普通の人間だよ。

同じに傷つき悩み生きてるただの人だよ。

…近年のスーパースターがよく主張する言葉達。

そうだね…。

なんか久しぶりに、実感させられた。

遭遇したその女性はとても痩せている人で、

「ふつうのご飯やお菓子なんて、一週間に１、２回しか食べないんだろうな」

とテレビや雑誌で見てた時から思っていました。

そして実際に肉眼で本人を見るとそうだろうなあ、とさらに思った。

しばらくしてから（隣にいらっしゃった時じゃないよ）ネットでなんとなくその方のお名前で検索してみたら

「○○ちゃんは野菜スープしか食べない、美容のためにお水を飲む！」

みたいなファンの投稿とSNSリンクが目に入って

「でしょうねー」

と重ねて納得してしまいました。

余計なお世話だが体に負担は大きそう。

これは確か海外のコレクションモデルさんの話だったけど

「食べられないのは今だけだ、若さが尽きるまでモデルの仕事で稼ぎきったら、好きなだけ食べて太れる生活になれるんだ、そう考えて耐えてきた。

　でもその時にはもう私の胃腸は弱りきってしまって、食べられない体になってしまった。

　生きてるうちに元に戻るのかすらわからない」

…思い出しちゃった。

あの方には健康でいてほしいな…今健康に決まってるなんてとても思えないけれど。







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