年を取って、どうにも出来ない時です。
(お金に余裕のある人はこの中に入りません。
もっといい方法があるでしょうから。)
こんな方法があるそうです。
(い)救急指定病院の玄関先で倒れること。
(ろ)記憶喪失を演じること
(は)具合が悪いところは適当に言うこと
こうすると、どうなるか。
(い)が起こると病院側は必ず中に入れ診察します。
病院側は訪れた人を診察する義務があるからです。
(ろ)で身寄りのないことを装います。従って名前、年齢、住所、本籍
いづれも答えてはいけません。
(は)病院に入れば必ず具合い悪い所を尋ねられます。頭が痛い、腹が痛いなど
どこでもいいから適当に答えます。
そうすれば必ず医者が診察します。
こうやって病院に収容されると、市町村の保護課の担当者が飛んで来ます。
仮の名前、推定年齢を付け、現住所は病院として生活保護の手続きを取ります。
(い)、(ろ)、(は)はいづれもある人が教えたのです。
そして最後にこう締めくくります。
「どんな場合でも日本の国家は国民を助けてくれます。国と医者を信じ
ましょう。決して行き倒れの患者さんを見捨てたりしません。」
日本は生活保護法25条で国民を守っています。
生活保護法25条 保護の実施機関は要保護者が急迫した状況にあるときは
すみやかに職権をもって保護の種類、程度及び方法を決定し、保護を開始
しなければならない。
これを覚えていてお婆さんがある病院の前で倒れたのです。
でも、いづれ、嘘(仮病等)はバレます。
検査をしてもどこも悪くないからです。
最後に根負け。
そして白状。
「3年前、先生の公演を聞いたんです。そうしたらお金がなくて病気になったら
病院の前で倒れて記憶喪失になれって教えてくれました。それを覚えていたのです。本当に助かりました。」
私が最後に思ったことを付け足します。
たとえば、倒れるのは3連休前の夕方が一番いい。
休日に入るので他の病院にも移せません。検査が始まるのは連休明けから。
検査して結果が出るまで時間がかかります。
そうすると、運がよければ1週間くらい、ひと息つけます。
最後にこの告白を聞いた看護師長は血相を変えて院長室に飛び込んで来た
そうです。
「医者ともあろう者がなんたる知恵をつけるのだろうか」と腹を立てたのです。
院長はこういってにっこり笑ったそうです。
「私がいざとなったら、・・・。本当に困ったらこんなこともありうる、
という例え話をして講演会でしゃべったことを覚えていて訪ねて来たのか。
私の話も人助けになるのか」
聞いていた看護師長はもちろん、「呆れた」という顔をして院長室を
出て行ったそうです。
そいうえば、こういう話(似たような話)、テレビドラマで出てくる
ことがあります。
たとえば、「無影灯」。
あったような。
おわり。