銀座数寄屋橋の目抜き通り一等地にある「東芝ビル」が、東急不動産に売却されるというニュースが伝わった。ソニービルの向かいの阪急百貨店が入っている、あのビルを1500億円で手放すという。
日立が多角化で手を広げすぎ苦戦しているのに対し、東芝の大胆な「選択と集中」戦略は際立っている。半導体、原子力発電、薄型テレビなどデジタル製品へ、経営資源を集中し、シナジー(相乗効果)の薄い事業を売却する戦略だ。
これに対して、不動産業界では、都心の商業ビル開発を成長戦略として位置づける動きが目立つ。三菱地所の丸ビル、新丸ビルを核とする街づくり、三井不動産の日本橋三井タワー、六本木東京ミッドタウン、森ピルの六本木ヒルズ、表参道ヒルズ、東京建物の錦糸町オリナスなど…。一方、大手不動産の一角を占めると見られる東急不動産は、渋谷地区に小型ファッションビルが集中しているというイメージである。地下鉄副都心線開通に合わせて、駅を含む大開発構想はあるだろうが、銀座一等地にこれだけの規模の建物が手に入るとなれば、“一流”の箔がつき、今後の事業展開に弾みがつくという思惑であろう。
東芝ビルは、商業施設とテナントの複合ビルで性格が半端なイメージもあり、建物も古く、いずれは新築という事になる可能性が高い。この再投資が重荷になるという見方もあるようだが、両者の「選択と集中戦略」、「立地戦略」という思惑は流れに合致していると思う。成長のための戦略と決断という点に学ぶ所がある。
日立が多角化で手を広げすぎ苦戦しているのに対し、東芝の大胆な「選択と集中」戦略は際立っている。半導体、原子力発電、薄型テレビなどデジタル製品へ、経営資源を集中し、シナジー(相乗効果)の薄い事業を売却する戦略だ。
これに対して、不動産業界では、都心の商業ビル開発を成長戦略として位置づける動きが目立つ。三菱地所の丸ビル、新丸ビルを核とする街づくり、三井不動産の日本橋三井タワー、六本木東京ミッドタウン、森ピルの六本木ヒルズ、表参道ヒルズ、東京建物の錦糸町オリナスなど…。一方、大手不動産の一角を占めると見られる東急不動産は、渋谷地区に小型ファッションビルが集中しているというイメージである。地下鉄副都心線開通に合わせて、駅を含む大開発構想はあるだろうが、銀座一等地にこれだけの規模の建物が手に入るとなれば、“一流”の箔がつき、今後の事業展開に弾みがつくという思惑であろう。
東芝ビルは、商業施設とテナントの複合ビルで性格が半端なイメージもあり、建物も古く、いずれは新築という事になる可能性が高い。この再投資が重荷になるという見方もあるようだが、両者の「選択と集中戦略」、「立地戦略」という思惑は流れに合致していると思う。成長のための戦略と決断という点に学ぶ所がある。