しかし、私が祖母から影響を受けていたのは、上のような呪文ではなく、「こぼしてはいけません。お米は感謝していただくのですよ。お米を作っているお百姓さんに感謝しましょう」という言葉、時には叱正であった。
私が諳んじていた「箸採らば・・・」の言葉を「どんな意味なのかな?」とふと思ったのは、50歳をとっくに過ぎてからのことだった。御代(みよ)とは現人神の天皇のことであり、君とはやはり天皇のことだ問うことは即座に理解できた。「そうだったのか」と昭和の意味が分かった。
森友学園の幼稚園で教育勅語を諳んじさせる・・というニュースは信じられない思いで受け止めた。
1944年、小学校一年の時に毎朝の朝礼で大書されていた明治天皇御製の和歌を唱和させられ、演壇の後方に開かれた軍服姿の天皇と皇后の写真に、一礼だったか三礼だったか忘れたが頭を下げていたことを思い出した。明治天皇の和歌そのものはまったく記憶にないが、明治天皇という漢字だけははっきりと覚えている。
演壇では校長がなにやらお話をしていた(もしかしてこれが教育勅語だったのかな)が、ほとんど耳に入らなかった。まあ、いずれにしても、朝礼は私にとってはお祓いのようなもので、校長のいかめしい話は面白くなく、早く終わらないかとばかり思っていた。
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