頭が空っぽになる。だからか。長いこと座り続けて仕事をしていると、短時間のうちに、頭脳の受け入れ量よりもたくさんの情報を入れるため、ぎくしゃくして処理能力も落ちる。すなわちリズムを失い、それが積み重なるとストレスをためて、もしかして病気を得るかもしれないね。歩いているとき景色がいいとそれに魅かれて頭が空っぽになる。だから突然アイデアが浮かぶ。昨日は美しい満月を見ながら歩いていた。1時間もするとそれが、武蔵小杉の超高層マンション群の間にかかっていた。そしてさらに30分すると、マンション群は視界から消え、富士山ろくの山々のかかる位置に落ち着いていた。瞬間、万葉集の和歌が突然思い出された。若い時、大和盆地の山の辺の道を繰りかえして歩いていた時、この月が三輪神社の上にぽっかりと浮かんだ月とだぶった。“飛ぶ鳥の 明日香の里を おきて 往かば 君が あたりは 見えずかもあらん”これは政争に明け暮れていた孤独な女帝(持統天皇)が,疲れ果てた時、昔の人(草壁皇子)を偲ぶ歌であるが、60年も忘却していた。これが突然思い出された。
思えば、我が人生、いつも時間に追われ、走ってばかりいた。新幹線だ、飛行機だ、そして最近また変なウルトラ新幹線がものすごいお金を使って着工されるとか。なんとしたことか。昨今は、人々に対して、「時間だ、効率だ、市場原理が・・・」「お前は遅いし、走り足りない、ぼやぼやしていると負け組になるぞ」という脅しが氾濫し、多くの若者がすくみ上って、未来の夢が描けなくなっている。トランプだ、プーチンだ、習欣平だ、アベだ、・・みんな若者を煽りあてている。こんな狂想曲はそう長続きはしないから。若者よ負けるな、立ち止まって深呼吸してごらん。未来を作るのは、時間でも効率でもない、ゆっくり歩いたらどう?
自然と同調する健康リズムが君の財産だ。好きな人と結ばれてかわいい子供に恵まれる、「足るを知る生活:」とは何か、自然を見つけて考えてみな。人間がいかに偉大でも所詮自然の部品なんだから。誇りを持って「時間と効率の負け組になりなさい」
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