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「水田の害虫を食べてくれるのに、どの魚とどの魚を組み合わせたらいいかを研究しているのです。」
水田に害虫が増えないようにするには、害虫が嫌う雑草とそれを好む魚の共生関係を調べるのだという。
・・・フーム。お米を作らないベルギー人のあなたがそのテーマを選んだわけは?
「テーマは自分で探していいのです。私たちは若いですから、世界中私を必要とするところがあれば、どこへでも行って何でもしてもよいといわれていますので」
・・・これから国に帰るの?それからどうするの?
「いえ、ロンドンへ帰って、大学でドクターになり、そしてまた、世界中どこへ行くかわからない」
A君は、後日私にこの話をしてくれた。
自分は日本から派遣されて米作り農家を応援しているが、現地で自分が自由に研究課題を見つけて取り組むことはできない。国には縛りがある。ところが、アメリカやヨーロッパには、ベルギーの青年研究者のような人達をちゃんと育てるようなシステムがあり、それを指導する先生もいる。
A君はそう言って苦笑いしていた。グローバル化というのなら、国際貢献をする人材を意識的に育てるべきだ、日本にもそういう人材は沢山いるが、なかなかメシが食えない、大学でもそういう研究者はメシは食えないから学科も学会もない。国際協力のできる人達、実際に活躍できる人材をきちんと評価し、金を払って仕事をさせるという制度が日本にはまだできていない。
最後は寒い話になってしまった。
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