全国どこででも、訪れた人達が「ここに住んでいる人は幸せだ」と思わせる町、実際に誇りをもって生きている人達が居る町・・・当たりまえだけど、これが豊かな国のはずなのに。お金をたくさん儲けていることとか、目もくらむような近代的な建物がどんどん建っていることとかではなく・・・これが子孫を幸せにする道ではあるまいと。
その口ぶりから、同年の私たちのあいだでは、もしかして「おかしい日本」のなりかかっていることに静かな危機感を共有しているわけだ。
いま、年間1000万人を超える外国の人が日本に観光に来ているそうだが、日本の魅力がどこにあるのかな?話がそこから始まる。
彼「外国ら来る人は、我々が感じることが難しい日本の魅力にひかれている」
私「そうだろうね。」
彼「実ははっとしたことがあって。若い頃、メキシコ上空を通ったんです。山というのは木が生えているものなのに、そこは全く裸。日本は小さいけれども、すごいと。」
私「日本はどこへ行っても木や草が生えている。そしていつもある程度雨が降る。南の方へ行けば、1回の台風で降る量ぐらいしか年間降らない国が多い。」
彼「海外暮らしが多かった私には、故郷の暮らしとはかけ離れた世界を見てきた。」
私「アメリカにいたの?」
彼「アメリカは太陽が昇って太陽が沈むまで俺の国だと。これを誇りにしているような人達の国だ。大国は得てしてそうなんだろう。農業を見ると見渡すかぎりトウモロコシや小麦、そして大豆。何万頭という牛が一つの農場に集まって集団飼育されている。国の面積の半分が放牧牧場という国でもある。国民はそんなに食べないのに。食べることには関心のない物を作る農業だ。彼らは枝豆を知らない。ビールを飲むには枝豆がないとだめだよと言ってもわからない。日本とはぜんぜん違う文化で。とにかくでかい、すごい」
私「私もブラジルによく行ったけど、同じように感じた。よその国へ行くと、土が全然ダメなところがあるね。私がセラードというところ、ブラジルの真ん中にある、1億8千万haの土地を見たけれどほとんど使われず牛を放してあった。」
彼「どうして農業ができないのか?」
私「そこはアルミニウムが多く、地球の古くからある古い土でできている。掘っても掘っても石は出て来ない。土は水で洗い流されて酸性になっている。アルミが酸化陽イオンだから溶けないで残っている。アルミニウムはタンパク質の形成を阻害するから、生えている木はグニュグニュと盆栽みたいになっていて、草がぱらぱら生えている。」
彼「そういう、それテレビで見た、でも最近はどんどん使えるようになったでしょう」
私「主に日本人農学者が知恵を貸して農業に使えるようになり、今や世界第一位の巨大な大豆畑になった。まさに日が沈み日が昇るところまで大豆を作っている。」
彼「恩恵を受けたのは中国?」
私「そうだ。日本じゃない。国際農業貿易なんて、でかい話は別にして、現場の暮らしにとって農業は規模の大きさじゃない。大規模化だとか機械化だとか言って、それで勝ち負けが決まるなんて考えている人がおかしい」
彼「そうそう、暮らしが大切。農村を壊してしまうのは悲劇。」
私「みんなが行動を起こすかどうかだ。農家は自分で作ったものを地場に出して、地場の人がみな買って。新鮮なものはいいよと胸を張れる。そんな地域では、中国のものもアメリカの物も歯が立たない。村全体をそんな風にしてね」
彼「カジノに躍起になっている人達は、それでもっと観光で人が来ると考えているのかな?」
私「勘違いだよ」
彼「そしてTPP、それで日本の農村がより豊かに、この国の魅力が増すのかな?」
私「日本は農業に関しては、国の素質は自然大国ですね。私も世界を見た限りは、日本は自然の恵みは世界一と自慢しています。森林大国、豊富な循環、水もある。肥料資源は無限。どこでも物はできる。ある程度面倒をみれば、ちゃんと物ができる土になる。芸寿品を作るようなウデもある」
彼「そんなところが日本の魅力。」
私「しかも地方に行けば個性的な魅力がばらまかれているね。特に温泉と風景と食べ物は絶品」
彼「最近知ったフィリピンやインドネシアの留学生は、日本はすごいと言う。中国でも西の方から来た学生は特に。中国は広いけれども砂漠。」
私「タクラマカン砂漠にゴビ砂漠・・・それなりに暮らしがある、魅力もあります。」
彼「それなりにね。留学生が言っていた。フィリピンの木を全部日本人が伐ってしまったと。初め日本は木がないのかと思っていたら、なんだ、たくさんあるではないかと。」
私「世界の人から見れば日本は木の国なんだ。日本の森林を放任し、世界の森林を荒らす。これはいけないね。」
彼「海の国でもあるよ。最近行ってきた城之崎温泉の和牛と小魚の佃煮、これ絶品。今度お裾分けする」
私「お返しに、トマトの会で行ってきた十日町の味噌作り体験味噌を少し持参しよう」
彼「今度、飲むか?」
私「良かろう」
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