【断 大月隆寛】いまどきの「売国奴」 (1/2ページ)
http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/080125/acd0801250308000-n2.htm
数年前まで、私も「脳内お花畑な「善意」がうっかり馬鹿(ばか)正直に煮詰まり切った」ところにいたので、人のことは言えないのですが、
あちこちいたるところでこの善意にあふれた馬鹿正直が巣食っていると最近よく思います。政治家やマスコミ人や官僚までが、だらけきった「善意」をにこやかに差し出している。
戦後の日本人はまるで従順で善意にあふれた子供のようです。世界の現実である食うか食われるかの生存競争は、遠い世界のはなし。戦前のわが祖先を「過ち」「悪」と考えることで、自分たちだけは永久に善意の国に住む特別な人々になったつもりなのかもしれません。
「脳内お花畑な「善意」がうっかり馬鹿(ばか)正直に煮詰まり切ったその果てに、にこやかかつ穏やかに結晶」していても、それにも気づかない。
干からびた「善意」が、複雑にねじれてしまった社会で、どんな仕業を招くのか。表向き幸運で平穏だった時代の裏で、わが国は密かに目立たぬように日本以外の外国の利害にすっかり染め上げられてしまったように思えます。