
過去の方が長きと知れば訝しむ「良縁」という言葉そのもの
おみくじを何十年ぶりかでひいてみた。
「大開運御籤」と書いてある包みの中に
小判が入っていて
大開運、厄除、幸運、健康、良縁、必勝、金運
のいずれかが彫られている小判が当たる仕組みだ。
大開運が一番良いらしいので、ぼくの直感として
それはない。
金運か健康、もしくは必勝が出るだろう
いや、出て欲しいとと思いながら
箱の中をかき回して一枚を掴んだ。
良縁
であった。そんな小判があること自体
引いてみるまで知りもしなかった。
こんな年の終わりに
こんな状況に置かれているぼくに
良縁
とは。
仕事上でのいいお客さんとの出会いは
望むべくもないが、しかし、それにしても
皮肉なもんだなと苦笑いすら浮かばず
真顔となった。