
本を読むわれが姿を樹の下のベンチに置きて人を待ちおり
ぼくがもっとも小説に親しんだのは
ずいぶんと若い時分、と言っても二十歳を過ぎた頃でしょうか。
ぼくはずっとバカですが「本を読め」と言われていた
高校時代は「字が少ないから」という理由で詩集を
開いていました。さらに字が少ないものはないか?
っていうんで短歌に親しんだようなものでした。
考えてみるとバカだから短歌に近づき
歌人になったようなものだな。
ごめんよ短歌。
そうそう読書の話です。二十歳を過ぎたころから
ようやく小説を読めるようになりました。
前にも記事に書きましたが
「なに、読んでるの?」と問いかけられたいがために
本を読むようになったのです。
が、もっぱら短編が得意で梶井基次郎は
教科書にも載っていたし、あの雰囲気が好きでした。
何を書きたい記事なのかというと川西蘭なのです。
『ラブ・ソングが聴こえる部屋』集英社
『ブローティガンと彼女の黒いマフラー』トレヴィル
『聖バレンタイン音楽堂の黄昏』トレヴィル
いずれも、1986年ころに出た短編集です。
当時ぼくは二十歳そこそこです。
ま、気楽に読める短編だったので
ぼくには向いていたのでしょう。
川西蘭は早大在学中から活躍した作家で
4歳年上の憧れの人物でしたよ。
最近、懐かしくなって川西蘭の短編集を読み返しています。
ついでに川西蘭を検索するといまや大学教授にして
浄土真宗の僧侶にもなっていました。
お写真まで出ているものですからちょっとなぁ。
ぼくはもちろん全く名のない歌人ですけれども
名札をつける短歌系のあるパーティで
「あれ?もっとシュッとしている人かと思ってたのに」
とずいぶんなことをお姉さまに言われたことがあります。
ぼくは彼女の夢を壊してしまったんですね。
週末は晴れそうです。が、明日は工場に来ます。