「雪っ!体調悪くないんなら、ちょっとは部屋片付けなさい!
あんたってばいい年して何なのこの部屋は?!ゴミ屋敷みたいじゃないの!
彼氏はあんたの部屋がこんなんだって知ってんの?!
恵ちゃんのお部屋は綺麗で花の香りが‥うんぬんかんぬん‥」
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家に帰った雪を待っていたのは、まるで荒天のような母からのお説教だった。
「もう大学三年にもなるのに全然変わんないじゃないの!無駄に年ばっか食って!」
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ザッパンザッパンと荒ぶる波。帰宅して早々これでは堪らない。
雪はなんとか母を宥めようと、嵐の中に突っ込んで行く。
「分かったって!片付ける!片付けるから!」 「この前も人を呼んだ時片付けたのにー‥」
「もう!私にはこれが使い勝手が良いんだってば‥!」
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雪はそう言って母を部屋から追い出し、ようやく嵐を遠ざけた。
しかしそう言い切ってしまった分、散らかった部屋を片付けなければいけなくなった‥。
「こんなことしてる間にレポート一つ書けるっつーの‥」
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雪はブツブツ文句を言いつつ、顔を上げて改めて自分の部屋を眺めてみた。
「‥確かになんやかんや積み重なってるけどね‥」
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全く部屋を片付ける必要はなくもない‥。
すると、積み重なったそれらを眺める雪の目に、あるものが留まった。
「ん?」
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「これなんだっけ?」
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本の下にある、青色のボックス。
雪はそれを手に取り、蓋を開けてみた。
「自分の部屋なのに知らない物が‥」
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パカっと開けてみると、そこには画用紙やマーカーなど、
どこか見覚えのあるものが沢山入っている。
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雪はそれが何なのかようやく思い出した。
あー‥去年の学祭の時に使った‥ガラクタ‥
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カラフルな画用紙を手に取って、日常では全く使うことのないそれを眺めてみる。
私が処理しとくよって言って持ち帰って、ここに置いといたんだっけ‥。
これも”お人好しバカ”の一環だな‥
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思い出した。学祭の後、皆が引き取りたがらなかったそれらを、去年雪は持ち帰ったのだ。
本当は持ち帰りたくなんてなかったけど、”お人好しバカ”の仮面を外すことが出来なくて。
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箱の中に残った記憶は、去年の出来事を蘇らせる。
そうだ、また思い出した。
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去年の学祭の時が、”お人好しバカ”の絶頂期だったな‥
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特にあの時の先輩には‥
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二人きりの教室で覚えたあの痛みも、味わった気まずさも、全て覚えていた。
雪は箱の中身を見つめながら、あの時のことを思い出す‥。
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<箱の中の記憶>でした。
短めの記事で失礼しました。
雪ちゃんの部屋は散らかっているのですね~。わ、私も他人ごととは思えない‥(^^;)
さて次回は雪ちゃんの回想です。
時系列は去年の秋。学祭準備の為の話し合いだそうですよ。
カテゴリは<雪2年(学祭準備)>に入ります。(新カテゴリ追加しました!)
<雪と淳>開いた距離 です。
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あんたってばいい年して何なのこの部屋は?!ゴミ屋敷みたいじゃないの!
彼氏はあんたの部屋がこんなんだって知ってんの?!
恵ちゃんのお部屋は綺麗で花の香りが‥うんぬんかんぬん‥」
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家に帰った雪を待っていたのは、まるで荒天のような母からのお説教だった。
「もう大学三年にもなるのに全然変わんないじゃないの!無駄に年ばっか食って!」
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ザッパンザッパンと荒ぶる波。帰宅して早々これでは堪らない。
雪はなんとか母を宥めようと、嵐の中に突っ込んで行く。
「分かったって!片付ける!片付けるから!」 「この前も人を呼んだ時片付けたのにー‥」
「もう!私にはこれが使い勝手が良いんだってば‥!」
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雪はそう言って母を部屋から追い出し、ようやく嵐を遠ざけた。
しかしそう言い切ってしまった分、散らかった部屋を片付けなければいけなくなった‥。
「こんなことしてる間にレポート一つ書けるっつーの‥」
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雪はブツブツ文句を言いつつ、顔を上げて改めて自分の部屋を眺めてみた。
「‥確かになんやかんや積み重なってるけどね‥」
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全く部屋を片付ける必要はなくもない‥。
すると、積み重なったそれらを眺める雪の目に、あるものが留まった。
「ん?」
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「これなんだっけ?」
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本の下にある、青色のボックス。
雪はそれを手に取り、蓋を開けてみた。
「自分の部屋なのに知らない物が‥」
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パカっと開けてみると、そこには画用紙やマーカーなど、
どこか見覚えのあるものが沢山入っている。
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雪はそれが何なのかようやく思い出した。
あー‥去年の学祭の時に使った‥ガラクタ‥
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カラフルな画用紙を手に取って、日常では全く使うことのないそれを眺めてみる。
私が処理しとくよって言って持ち帰って、ここに置いといたんだっけ‥。
これも”お人好しバカ”の一環だな‥
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思い出した。学祭の後、皆が引き取りたがらなかったそれらを、去年雪は持ち帰ったのだ。
本当は持ち帰りたくなんてなかったけど、”お人好しバカ”の仮面を外すことが出来なくて。
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箱の中に残った記憶は、去年の出来事を蘇らせる。
そうだ、また思い出した。
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去年の学祭の時が、”お人好しバカ”の絶頂期だったな‥
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特にあの時の先輩には‥
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二人きりの教室で覚えたあの痛みも、味わった気まずさも、全て覚えていた。
雪は箱の中身を見つめながら、あの時のことを思い出す‥。
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<箱の中の記憶>でした。
短めの記事で失礼しました。
雪ちゃんの部屋は散らかっているのですね~。わ、私も他人ごととは思えない‥(^^;)
さて次回は雪ちゃんの回想です。
時系列は去年の秋。学祭準備の為の話し合いだそうですよ。
カテゴリは<雪2年(学祭準備)>に入ります。(新カテゴリ追加しました!)
<雪と淳>開いた距離 です。
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そういや一人暮らしのゆきちゃんの部屋もそこそこ酷かったけどいやな顔しませんでしたよね。
いろいろ価値観の相違があるなか、好きな気持ちだけでカバーされてるぶん、そこに亀裂が入ったときに一気に崩れそう。
その亀裂が、きっと亮の手の真相なのだろうし、、
もしあれを先輩がやったとしても、それ相応の(先輩にとっての)裏切りを亮がやったんでしょうから、私先輩擁護したいですが、ゆきちゃん は許さないでしょうね。
その真相、静香が知っていて淳に見捨てられないために今まで黙ってたとしたら、今の状況恐ろしい… (だってそれ以外、チートラでの彼女の存在意義って思い付かない)
やめて~
二人とも頭よくて繊細で頑張りやさんな共通点もあるだけに、、やっと見つけたオアシスなのに~
次回、先輩がゆきちゃんに歩み寄るきっかけになるエピぽいですが、
現状波乱含みなので複雑な気分…
亮の手の真相‥いい加減知りたいですよね~
やっと過去編と思いきやまた違うエピですし‥
淳の部屋って無駄なものが無いイメージですよね。(うあはんが買った花以外)
部屋のあり方って、生き方が反映されているような気がします。
無駄なものの中にこそ、生きる上での嬉しさや楽しみが含まれるということを、先輩には雪と一緒に見つけて行ってほしいですね‥。