今、この事件の”渦中の人”は完全に赤山蓮から清水香織に移行してしまっていた。
今や教室中の人々が清水香織を見て呆然としている。青ざめながら震える、その主人公に。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/d7/a953c548dbf1b78fa8342e2a2bd2b330.jpg)
蓮の”本当の彼女”、小西恵はキョトンとした顔で彼女を見つめ、
我知らず先ほどまで話題の中心だった赤山蓮は、訝しげな表情で彼女を見ている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1e/ee/3cc68942b70f81700868b21ff12d7bdc.jpg)
唯一の味方であると思われた直美も嘘を吐かれたことで愕然とし、
元々彼女をコマとして利用しようとしか思っていなかった横山は、見るからに呆れていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/d8/8d924e2bdd3d37e7f542d9a413b2de76.jpg)
そしてギャラリーの中でも一際冷たい視線を送っていたのは青田淳だった。
まるで罠に掛かった動物を観察するかのような、冷淡な蒼い瞳で。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/93/574380bb4b580295e3fdd378472338c6.jpg)
そして暫し無言のまま香織と相対していた雪だったが、次第に事態が把握出来てきた。
「あんた‥」と口を開きかける。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/96/c05eeb27a704f439011bf1b05bcf22e5.jpg)
しかし次の瞬間、香織は凄い形相で雪へと手を伸ばした。
「返してよ!なに人の携帯勝手に見てんの‥?!」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/16/cd/c7f72448c437f2d7467256d14a128396.jpg)
香織は雪が持っている携帯を取り戻そうと、力の限り雪の手に爪を立てた。
雪は困惑しながらもそれに応戦し、暫し二人はその場で揉み合う。香織の爪が雪の指に食い込み、雪は痛さに顔を歪めた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/30/b3d143708907d8d812988562586eb9f6.jpg)
雪はそこで、これまで抑え溜め込んで来た怒りが完全に限界を迎えたのを感じた。
ブチッと、頭の奥で何かが切れる音がする。膨れ上がる憎しみにまかせて、大声で捲し立てた。
「あんたこそどういうことよ!」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/d2/f4725769a74cead4fffd364ddab94ed0.jpg)
携帯を投げ捨てると、床にぶつかって電池が外れた。どうなろうともう、どうでも良かった。
脳裏に、いつか見た不吉な夢の風景が浮かぶ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/66/6622fb4e3fba000546f4246348a7d16f.jpg)
自分の周りに居る大切な人達が、彼女によって奪われるかもしれないという不安が、色濃く映った心象風景。
そして今その不安な予感は的中し、彼等の中でも最も親しい、いや自分の家族が侵されようとしている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/76/89/da7ac57581e8a2b3488dc5d5d2e5aa47.jpg)
雪は叫んだ。
胸の中で煮え滾る怒りと共に、背筋を凍らせるような恐怖に全身を震わせながら。
「嘘にも限度ってもんがあるでしょ?!うちの弟の写真で何しようっての?!」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/d2/5f9b9ffad5971e495b87ef5b70f2bf24.jpg)
「私の弟!私の弟なのよ!」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/33/a9/eae6182a041d2a3d47d4e71a64c30d92.jpg)
「どうして人の弟を‥!」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/c3/4af2a4f077efd199797aa472ebbca99e.jpg)
「何考えてんのよっ‥!!」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/c9/15bac6adf5be152d529a105d6d80af8a.jpg)
恐ろしいまでの剣幕だった。
普段とは全く別人の雪の姿に蓮は当惑し、相対する香織も完全に気圧されてしまっている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/9b/1716ea03968f7a128e0fe2bac60f49b6.jpg)
水を打ったように静まっていたギャラリーも、暫く経つと徐々にヒソヒソと囁き始めた。
香織は脂汗をかきながら、苦し紛れの言い訳を口にする。
「あ、あれは‥ただの似た人で‥」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/c4/84466436908c405a35f43dce6394aa5c.jpg)
馬鹿の一つ覚えのようなその言い訳に、同期の女子が「プッ」と吹き出した。
その子の隣に居た同期は、思わず笑った子をたしなめていたが。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/94/a113a411a62fca69e2c6b18ca846ce17.jpg)
その嘲笑で我に返った香織は、突然カッと赤面した。
今自分が置かれている状況が、徐々に客観的に把握出来てしまいそうになっているのだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/9f/b023cfd61fe98d49ed8aa698f5f66ca6.jpg)
足がガクガクと震えていた。
固い地面に立っているはずなのに、まるで高く積まれた砂の城の上に立っているかのように足元が覚束ない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/d6/a8a42033bf9b0e18b84ac853110c7140.jpg)
土台の無い砂の城の上は、あっけないほど簡単に崩れて行く。
嵐に壊されるまでもなく、自分の震えでそれはガタガタと崩落して行く。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/0d/35d2aca66d05001ad44f3cdfd3762fdf.jpg)
そしてそれに抗うかのように、鼓膜の奥で響いてくる声があった。
クスクスと聞こえて来るのは、自分に対する幻の嘲笑だった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/06/ef/b645f448b9ff95fde3a618181b3113b5.jpg)
厳しい現実を突きつけられた時、いつも彼女は妄想する。
それは自らに虚像の暗示を掛けて来た彼女が無意識で発揮する、防衛本能のようなものだった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/76/4c/79012fda85001b10ff2e21962960046e.jpg)
物や人の良い所ばかりを掬い取り、その光の部分しか見て来なかった彼女の愚かな癖。
妄想の世界で完結してしまい、厳しい現実と向き合うことが出来ない弱き彼女ゆえの癖。
そして今回もまた彼女は思い込むことで、責任の所在を他人に押し付けることで、闇雲に自分を守ろうとしていた。
「‥満足?」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/89/b30a3dc8b0f9edee454f9024fbd2f09a.jpg)
香織は俯いたまま、低い声で口を開いた。
「あんた知ってたんでしょ?全部知ってて‥それで私を‥」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6e/e1/bac7d3b63b294827eebe753c96e9b02c.jpg)
「皆の前で晒し者にしようと‥あんた‥」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0b/fb/5dcbb4303c87a021550a92f6403a79c3.jpg)
そして香織は雪のことを鋭い視線で射るように睨んだかと思うと、いきなり飛びかかって大声を上げた。
「あんたわざとやったんでしょおっ?!!」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/bd/9c3eb8a926a5a3bef4c89d449c92a942.jpg)
雪は突然襲い掛かって来た香織と、髪の毛を引っ張られる激しい痛みに驚愕した。
すぐに蓮と太一が二人の元へ駆け寄ったが、香織の叫びは止まらなかった。
「発表の時も!新しい服着て来た時も!」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/09/1ad4d61ce817de5cf510b5a7a9fb607d.jpg)
「一体いつまで!いつまで私を困らせる気なのおっ‥?!」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/a1/2a2e756ef9cd88e0dfb5b394a747f352.jpg)
香織の瞳孔は開き、狂ったように雪の髪の毛を掴む手に力がこもる。
自らによって自分の城が崩れ無残な姿に成り果てるのを、雪の非にするため香織は無我夢中だった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/2f/ec5431a55e63de74a973d4bf465ce557.jpg)
雪は掴まれた手の合間から、顔を上げて真っ直ぐに香織を見据えた。
彼女が口にした主張を現実的に受け止め、真っ向から反論する。いや、応戦する。
「誰がよ?!」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/33/eb/48b8f4e0018e960b4f867ce161d3f250.jpg)
雪は香織と同じく彼女の髪の毛を掴むと、その勢いで二人は床に倒れ込んだ。
ギャラリーは騒然とし、どよめきの声がいくつも上がる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/39/4c5c550fa12efe910e81857a853e3ca2.jpg)
マウントポジションに位置した雪が、床に倒れた香織を上から睨みつける。
瞳の奥に紅い炎が燃えていた。香織は瞬きも出来ぬまま、じっとその瞳と相対する‥。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6e/da/50dac0a12ff4156cc154fffe8e131388.jpg)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<砂の城(4)ー崩落ー>でした。
激しい展開になって参りました‥。
さて、香織の城はあっけなくも崩落。残すは雪の城のみとなりました。
次回は<砂の城(5)ー本音ー>です。
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今や教室中の人々が清水香織を見て呆然としている。青ざめながら震える、その主人公に。
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蓮の”本当の彼女”、小西恵はキョトンとした顔で彼女を見つめ、
我知らず先ほどまで話題の中心だった赤山蓮は、訝しげな表情で彼女を見ている。
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唯一の味方であると思われた直美も嘘を吐かれたことで愕然とし、
元々彼女をコマとして利用しようとしか思っていなかった横山は、見るからに呆れていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/d8/8d924e2bdd3d37e7f542d9a413b2de76.jpg)
そしてギャラリーの中でも一際冷たい視線を送っていたのは青田淳だった。
まるで罠に掛かった動物を観察するかのような、冷淡な蒼い瞳で。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/93/574380bb4b580295e3fdd378472338c6.jpg)
そして暫し無言のまま香織と相対していた雪だったが、次第に事態が把握出来てきた。
「あんた‥」と口を開きかける。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/96/c05eeb27a704f439011bf1b05bcf22e5.jpg)
しかし次の瞬間、香織は凄い形相で雪へと手を伸ばした。
「返してよ!なに人の携帯勝手に見てんの‥?!」
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香織は雪が持っている携帯を取り戻そうと、力の限り雪の手に爪を立てた。
雪は困惑しながらもそれに応戦し、暫し二人はその場で揉み合う。香織の爪が雪の指に食い込み、雪は痛さに顔を歪めた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/30/b3d143708907d8d812988562586eb9f6.jpg)
雪はそこで、これまで抑え溜め込んで来た怒りが完全に限界を迎えたのを感じた。
ブチッと、頭の奥で何かが切れる音がする。膨れ上がる憎しみにまかせて、大声で捲し立てた。
「あんたこそどういうことよ!」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/d2/f4725769a74cead4fffd364ddab94ed0.jpg)
携帯を投げ捨てると、床にぶつかって電池が外れた。どうなろうともう、どうでも良かった。
脳裏に、いつか見た不吉な夢の風景が浮かぶ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/66/6622fb4e3fba000546f4246348a7d16f.jpg)
自分の周りに居る大切な人達が、彼女によって奪われるかもしれないという不安が、色濃く映った心象風景。
そして今その不安な予感は的中し、彼等の中でも最も親しい、いや自分の家族が侵されようとしている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/76/89/da7ac57581e8a2b3488dc5d5d2e5aa47.jpg)
雪は叫んだ。
胸の中で煮え滾る怒りと共に、背筋を凍らせるような恐怖に全身を震わせながら。
「嘘にも限度ってもんがあるでしょ?!うちの弟の写真で何しようっての?!」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/d2/5f9b9ffad5971e495b87ef5b70f2bf24.jpg)
「私の弟!私の弟なのよ!」
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「どうして人の弟を‥!」
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「何考えてんのよっ‥!!」
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恐ろしいまでの剣幕だった。
普段とは全く別人の雪の姿に蓮は当惑し、相対する香織も完全に気圧されてしまっている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/9b/1716ea03968f7a128e0fe2bac60f49b6.jpg)
水を打ったように静まっていたギャラリーも、暫く経つと徐々にヒソヒソと囁き始めた。
香織は脂汗をかきながら、苦し紛れの言い訳を口にする。
「あ、あれは‥ただの似た人で‥」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/c4/84466436908c405a35f43dce6394aa5c.jpg)
馬鹿の一つ覚えのようなその言い訳に、同期の女子が「プッ」と吹き出した。
その子の隣に居た同期は、思わず笑った子をたしなめていたが。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/94/a113a411a62fca69e2c6b18ca846ce17.jpg)
その嘲笑で我に返った香織は、突然カッと赤面した。
今自分が置かれている状況が、徐々に客観的に把握出来てしまいそうになっているのだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/9f/b023cfd61fe98d49ed8aa698f5f66ca6.jpg)
足がガクガクと震えていた。
固い地面に立っているはずなのに、まるで高く積まれた砂の城の上に立っているかのように足元が覚束ない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/d6/a8a42033bf9b0e18b84ac853110c7140.jpg)
土台の無い砂の城の上は、あっけないほど簡単に崩れて行く。
嵐に壊されるまでもなく、自分の震えでそれはガタガタと崩落して行く。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/0d/35d2aca66d05001ad44f3cdfd3762fdf.jpg)
そしてそれに抗うかのように、鼓膜の奥で響いてくる声があった。
クスクスと聞こえて来るのは、自分に対する幻の嘲笑だった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/06/ef/b645f448b9ff95fde3a618181b3113b5.jpg)
厳しい現実を突きつけられた時、いつも彼女は妄想する。
それは自らに虚像の暗示を掛けて来た彼女が無意識で発揮する、防衛本能のようなものだった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/76/4c/79012fda85001b10ff2e21962960046e.jpg)
物や人の良い所ばかりを掬い取り、その光の部分しか見て来なかった彼女の愚かな癖。
妄想の世界で完結してしまい、厳しい現実と向き合うことが出来ない弱き彼女ゆえの癖。
そして今回もまた彼女は思い込むことで、責任の所在を他人に押し付けることで、闇雲に自分を守ろうとしていた。
「‥満足?」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/89/b30a3dc8b0f9edee454f9024fbd2f09a.jpg)
香織は俯いたまま、低い声で口を開いた。
「あんた知ってたんでしょ?全部知ってて‥それで私を‥」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6e/e1/bac7d3b63b294827eebe753c96e9b02c.jpg)
「皆の前で晒し者にしようと‥あんた‥」
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0b/fb/5dcbb4303c87a021550a92f6403a79c3.jpg)
そして香織は雪のことを鋭い視線で射るように睨んだかと思うと、いきなり飛びかかって大声を上げた。
「あんたわざとやったんでしょおっ?!!」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/bd/9c3eb8a926a5a3bef4c89d449c92a942.jpg)
雪は突然襲い掛かって来た香織と、髪の毛を引っ張られる激しい痛みに驚愕した。
すぐに蓮と太一が二人の元へ駆け寄ったが、香織の叫びは止まらなかった。
「発表の時も!新しい服着て来た時も!」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/09/1ad4d61ce817de5cf510b5a7a9fb607d.jpg)
「一体いつまで!いつまで私を困らせる気なのおっ‥?!」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/a1/2a2e756ef9cd88e0dfb5b394a747f352.jpg)
香織の瞳孔は開き、狂ったように雪の髪の毛を掴む手に力がこもる。
自らによって自分の城が崩れ無残な姿に成り果てるのを、雪の非にするため香織は無我夢中だった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/2f/ec5431a55e63de74a973d4bf465ce557.jpg)
雪は掴まれた手の合間から、顔を上げて真っ直ぐに香織を見据えた。
彼女が口にした主張を現実的に受け止め、真っ向から反論する。いや、応戦する。
「誰がよ?!」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/33/eb/48b8f4e0018e960b4f867ce161d3f250.jpg)
雪は香織と同じく彼女の髪の毛を掴むと、その勢いで二人は床に倒れ込んだ。
ギャラリーは騒然とし、どよめきの声がいくつも上がる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/39/4c5c550fa12efe910e81857a853e3ca2.jpg)
マウントポジションに位置した雪が、床に倒れた香織を上から睨みつける。
瞳の奥に紅い炎が燃えていた。香織は瞬きも出来ぬまま、じっとその瞳と相対する‥。
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<砂の城(4)ー崩落ー>でした。
激しい展開になって参りました‥。
さて、香織の城はあっけなくも崩落。残すは雪の城のみとなりました。
次回は<砂の城(5)ー本音ー>です。
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若者ではありません(笑)
ごめんなさい!
香織恐すぎです青田先輩どうでるか楽しみです!
ほんとどこまでも香織節続きますね
青田先輩雪ちゃんを助けて~って思いました。
雪チャンがあんな目にあってるのを目の前で見ているのに、淳何も感じてないのかな。
悲しすぎる。。。
毎日こちらのブログを読むのが寝る前の楽しみとなっております。
韓国語は全く分からなくて、本家様でも雰囲気読みしてましたが、やっと内容が分かってスッキリです!
雪ちゃん、怖いです!!笑
でも、頑張れ!とついつい応援してしまいます。笑
先輩ったら、蓮くんをちゃっかり呼んでたんですね~さすが先輩…
この砂の城の話、腹は立つけどそれより雪ちゃんがなんかかっこよくて、やっと彼女に不満をぶつけてくれた!と思えて好きです(笑)
韓国語は読めないので、こちらで読むまでは絵だけで読んでるようなもんなのですけども(´`;)
それにしても青田先輩の策略にはほんと毎回すげーってなります。
ただ彼は雪ちゃんの事をどう思ってるのかまでよくわからないので…雪ちゃんと付き合ったりしてるのもそういう何かの策略のためなんじゃないかと、もしそうだったら悲しいなと思ったり…(´・ω・`)
ホンジュンを巻き込んだソンミンスへの怒りもさることながら、逆ギレして掴みかかってきたミンスに一歩も引かずに応戦するとことなど、相手との力関係など関係なしに許せないことは許さないで挑んでいくホンソルの、一本気なところの強さが前面に出てきています。
AB型には無理です、こういうの。笑。
遅ればせながら淳よグッドジョブ
ライオン丸とか洋服とかは確かに真似してるけど既製品ですからね
言い逃れ出来る余地が残ってしまいますが弟は一人ですし
似てると言うのも正にプッと吹き出すに充分です
それによって今までも全て真似てきたと証明出来ますし
写真渡したりしてたのが淳ならバレそうですけど
これって別に偶然の積み重ねで何とかなりそうですし
バレルとかバレないとかじゃないような
何にせよ皆のまえで事実が晒されたってことでグッドジョブなわけで
暴力沙汰は想定外とは思いますが案外スッキリしたようですし
溜め込むタイプには
あら!てっきり砂の城シリーズが終わってから来られると思っていましたが、毎日見てくださっているようで‥!ありがとうございます。
次回もブチ切れ雪ちゃんが恐ろしいですよ!
さやさん
なんと‥!若者ではないとは(笑)
ここの常連さん達はお姉さま率高いので、どうぞ溶け込んじゃって下さいね‥^^
hiroさん
確かにわざと香織をdisろうとしてるのは先輩ですね(笑)そしてこの雪と香織の激突も、実は先輩の手の平の上なのかも‥。彼は彼なりに意図があって見守っているので、この後の展開にご注目下さい~。
りるさん
はじめまして~!コメありがとうございます。
コメの時間、すごく夜遅いですが大丈夫ですか?!
いつもありがとうございます~!
これからもよろしくお願いします!
山葵さん
確かにここでただ静観する先輩には不信を感じますが、上にも書きましたが彼は彼なりに思う所があってそうしてるのです。砂の城の後の話にその辺がまた描かれますので、乞うご期待‥!
青さん(まだ札幌!)
お仕事お疲れ様です!とうきび食べてリフレッシュして下さい!
「一本気のホンソルの強み」納得です。
良くも悪くもソルちゃんは本当に正々堂々、ですね。
きっとユジョンがここのソルの立場だったなら、一切手を出さず周りの人々が止めに入るまで待ち、一方的に手を出した悪者として周りがミンスを成敗する時を待つと思います。そんなユジョンの計算高さ、私は嫌いじゃないんですけどね^^
むくげさん
「ただの似てる人」の言い訳は笑ってしまいますよね。いっそ号泣記者会見ばりに否定すればよかったのに‥(流行りの話題にのっかる)
そして今までの経緯を考えると、総してここは「香織ざまぁw」なわけですけど、私ここの蓮が絡んでる所のくだりは、ちょっと香織が気の毒なんですよねー。
香織は蓮が雪の弟だとは知らなかったわけで、ただ純粋にドラマのような出会いで恋しちゃってたわけでしょう。蓮が雪の弟だったってのは本当に予想外だったでしょうし、雪は自分の服を真似して自分の立場を取られるという恐れから、「香織が弟を取ろうとしてる」と思い込んでしまってますよね。
そう疑われるような人間である、という点で香織は自業自得なんですけども、ただ純粋な恋心をそういうふうに決めつけられちゃって、ちょっと気の毒だなぁと。
こう思うのは少数派だと思うんですけどね(苦笑)
私は韓国版を読んでないので最近はハラハラしっぱなしです(笑)(良い意味で)
香織もなんでまた雪ちゃんの弟に一目惚れしちゃったんだか…
赤山家に惹かれる何かがあるんでしょうか!?(笑)
Yukkanenさんのおっしゃるように、私も「香織ついにやられたかあ(笑)」と思いつつ、「運が悪かったね(^◇^;)」とも思っちゃいます。
嘘ついて彼氏だと言ったり、悪いと思ってないのは完全に香織の非ですけどね。
でも、ここまでの騒ぎになったら香織はもう大学来れないのでは…?自業自得ではありますが。
それにしてもキレた雪ちゃん迫力ありますね~!
「私の弟!私の弟なのよ!」
とくりかえす所が印象に残りました…。
キレた雪ちゃんの目と、ちらっと前に出てきた?青田先輩の目がそっくりだと思ったのは私だけですかね?(笑)
多分怒った内容は違うでしょうが…。
長々とすみません!
つづきも楽しみにしてます!
って、そんなことを言いにきたのではなく。
師匠、私も少々気の毒だなぁと思ってたんです実は。。発言の勇気なかったです。笑
そりゃ、自分で蒔いた種ですけど…!ざまぁみ~ですけどね、
自業自得に加え、恋した相手がマズかったですね。。
清水っちさん、考えや判断の狂いがどんどんと取り返しのつかない方向へきちゃったと思うんですよね。
翔&直美カップルと仲良く…はないか…絡んじゃったのも結構大きなミスかなと。。
なにより、標的の彼氏、凄腕の策士だし!
運もナシ。
今後、軌道修正して欲しいですが。
誰も望みませんかね…。
しかし、こんな後に学校来れるのかな。ね、気になりますよ私も。
状況お構いなしに『淳さ~ん!』て入っていく弟もすごいなと。。