皆さんこんにちは。中間考査、よく出来ましたでしょうか。
”良い農夫には悪い土地は無い”という言葉がありますね?努力した分全て、良い結果が出ることを願います。
週末には、気を休めて友達と楽しい時間を送ってはいかがでしょうか?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5c/48/3eda2dd4ff30295c584cde935fb018e0.jpg)
大学中に響き渡る校内放送は、そんな内容で中間考査の最後を締めた。
雪は傷だらけの身体でヨロヨロと廊下を歩きながら、一人その放送に対して物思う。
それじゃ良くない農夫はどうしろって言うんだ‥。週末も勉強しなきゃだし‥
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/43/09894cfd57860ffe717a2c3846f25ff9.jpg)
身体が痛み、心がささくれ、雪はくさくさしながら痛む顔を触りながら息を吐く。
「あー‥痛‥」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/54/10f13ceb6c3937aab4df1ece79331929.jpg)
雪が顔を上げると、そこに彼の姿があった。
青田淳は雪と目が合うと、彼女の帽子と鞄を彼女に見えるように少し上に上げる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/37/05b0787ec0fe1a1720289f4002f48fb9.jpg)
確か聡美が雪の鞄を持って行ってくれたはずだが‥。
そう思い返してみるも、きっとあの二人のことだ。雪の鞄や薬などを先輩に持たせて、トンズラしたに違いない‥。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/1b/1193fc4d4fac71a77214dd768edd8d5f.jpg)
早く仲直りして下さいネ、と言って強引に事を進める二人の様子が、雪には見なくても想像出来る気がした。
彼は真っ直ぐ雪のことを見ている。雪は気まずい気持ちで、彼の視線から目を逸らす‥。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/4d/821c6953838d73c721991ed956433f02.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/1e/5d51bf901a6ad4a1720004a3d03f53b7.jpg)
もう空は夕暮れの色をしていた。秋の深まりと共に、日が落ちるのも随分と早くなった。
外に出た二人は適当な場所を見つけて荷物を置き、淳は雪を座らせ、彼女の名を呼んだ。
「雪ちゃん」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/ff/229cab3593f0ce98b8c4aa1cf890e7d3.jpg)
ちょこんと行儀良く座る雪を前に、淳はテキパキと事を進める。
「薬塗ろう。ほらこっち向いて」 「ちょ‥ちょっと待って‥嫌‥」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/76/68/8a88818b3204e7de72d994faeff6126c.jpg)
雪は彼の手から逃れるように、俯いて首を何度も横に振った。
淳はなかなか正面を向かない雪の顔を覗き込み、「ちょっと顔見せて」と彼女の髪に触れながら声を掛ける。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/33/79/5f747afb6583d789d07e687f0f961ab5.jpg)
しかし雪は彼の手を押しやると、俯いたまま手で顔を覆い、再び首を横に振り続けた。
そんな彼女の様子を見て、淳は目を丸くする。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/da/bc62b8ba7cf6aa024a884dc6daaa22fa.jpg)
彼女は泣いているのかもしれない。
淳はもう一度彼女に手を伸ばし、顔を覆っている手をどかそうとした。
「泣いてるの?どうした?ひどく痛む?」 「そ、そうじゃなくて‥」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/3e/859e4dc24e68ef1a098c002fc626844c.jpg)
雪が彼の手を押しやった拍子に、彼女の顔が露わになった。雪は掠れた声でこう言う。
「は‥恥ずかしくて‥」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/6c/a621c2dd435ae7cf802e383edf158420.jpg)
そう口にして俯く雪の顔は、真っ赤になっていた。
そのまま顔が上げられない雪を見て、淳はぽかんとした後、小さく一人声を漏らす。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/55/ea5627103fe0d7e8df6e2caa2b2d14db.jpg)
雪は恥ずかしくて堪らなかった。
改めて先ほどのことを思い出してみると、顔から火が出るようだった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/f6/56cdb9eafc19324b5b4ada0a1a19794e.jpg)
一応女の子なのに、取っ組み合いの殴り合い‥。しかも先輩の前で‥。
考えれば考える程雪は恥ずかしくなって、彼の前で顔が上げられない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/10/b482ad6897d62e1463ea028bb39a2efb.jpg)
彼はそんな雪を見て、少し意外なそうな顔をして口を開いた。
「ふぅん‥よく分からないけど‥。君はいつも我慢に我慢を重ねて‥」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3f/71/65252f39cf3411cb5cbdf8d3214fbedd.jpg)
「俺はむしろ、今回全て吐き出せて良かったんだと思うよ」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/fe/5a07886ee340e62e9886ebad4fa1cea5.jpg)
雪は暫し手で顔を覆いながら俯いていたが、彼の言葉を聞いて顔を上げた。
彼は全く笑っていなかった。引いてもいなかったし、彼女から目を逸したりもしない。
「終わらせたじゃないか。ウンザリだっただろう?」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/40/990c100c742905bc42e4e3d05569d41f.jpg)
「恥ずかしくなるだけなの? スッキリしてない?」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/ff/ffeb2a17ab379dd0c1de46241d0d2ce3.jpg)
淳は真っ直ぐ彼女の目を見て、彼女の本当の気持ちを引き出す言葉を掛けた。
彼女が抱え込んでいる重い荷物を、下ろしてあげるような心持ちで。
いつの間にか、顔を覆っていた手は膝の上に降りていた。恥じらいもどこかに飛んで行った。
彼の言葉は雪の心に真っ直ぐ届き、雪は本音を口に出す。
「はい、その通りです。スッキリしました」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1e/81/f2afc351ffe093fd08a9be290fbf2318.jpg)
雪は固めていた心の表面が溶けていくような気持ちになって、そのまま心の内を吐露し始めた。
「本当に終わらせたかったから‥。このままあの子と卒業までジリジリすると思ってたから、
ちょっと見苦しいことになったけど、スッキリしてます。もしかしたら内心こうなることを望んでいたのかもしれません。
幸いなことに運も良かったんです、写真を回してる最中に蓮が来て‥」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/f6/a73713dcc5185f6550b8f074f4d03187.jpg)
そう口にする雪を見て、淳はニコリと微笑んだ。運とは巡ってくるものではなく自ら作るものだ、と言わんばかりに。
雪は改めて、自分の気持ちを己の中で眺めてみる。
本当に‥あの子を切り捨てることが出来るなら、恥じらいなんてどうでも良かった。
皆の前で私を傷つけたあの子を、やっぱり私も皆の前で懲らしめたかった‥
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/4f/69a13aaa7997e445f8dbcaffd9d9d18b.jpg)
だけど、と雪は思う。
心に広がる苦い気持ちに押されるように、俯きながら心中を吐露する。
「‥それでも、二人とも極端すぎたというか‥ちょっと酷かったなって思って‥」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/25/11/33eca8c4eb98a6f9f97088bc587f384a.jpg)
苦々しい表情でそう言葉を紡ぐ雪に、淳は躊躇うこと無く自分の意見を口にした。
「そこまで気にする必要あるかな。誰が見ても雪ちゃんは間違ってない」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/9d/fe1a9b706f5b79d019d76e8d3ee17a62.jpg)
自業自得だよ、と言って淳は己の見解を述べ始めた。
「清水香織のような、被害者意識が過剰で、他人のものを自分のものと勘違いするような人間は、
いつもああいう風になってしまうんだ」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/8e/40fae5f3d562270ec9041b26ac39a8a7.jpg)
淳の目は雪を真っ直ぐに見ているようでありながら、少し遠くの記憶を辿るように幾分陰っていた。
「より多くのものを持とうとして、本来自分が持っていたものまで失くしてしまう」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/53/67abb2647a623237ccb49137e3e32fa0.jpg)
淳は言葉を続けながら、傷口を診る為に雪の顎に触れ、彼女の顔を少し上に上げる。
「結局、他人に対する願望だけを噛み締めながら生きることになるんだ。
そんな人達には同情の余地も無いよ。心に溜め込まないで」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/25/02/0212828e3b165da34b6a669681a3f654.jpg)
淳はそう言った後、薬の入った袋の方へと身体を移した。
顔にいくつか付いた擦り傷に塗る薬を探しているのだった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/93/c458a9a6592d4c2e49d2d116b3a1e059.jpg)
雪は彼が口にした言葉の意味を、その横顔を見ながら考えてみる‥。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/f4/301ab23a419d2c755f736ede05b2df52.jpg)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<正直>でした。
どことなく、今回二人の服の色合いが似てますね‥。先輩、またペアルックを狙ったのか‥?!
次回は本家版と題名合わせてます。
<接点>です。
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”良い農夫には悪い土地は無い”という言葉がありますね?努力した分全て、良い結果が出ることを願います。
週末には、気を休めて友達と楽しい時間を送ってはいかがでしょうか?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5c/48/3eda2dd4ff30295c584cde935fb018e0.jpg)
大学中に響き渡る校内放送は、そんな内容で中間考査の最後を締めた。
雪は傷だらけの身体でヨロヨロと廊下を歩きながら、一人その放送に対して物思う。
それじゃ良くない農夫はどうしろって言うんだ‥。週末も勉強しなきゃだし‥
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/43/09894cfd57860ffe717a2c3846f25ff9.jpg)
身体が痛み、心がささくれ、雪はくさくさしながら痛む顔を触りながら息を吐く。
「あー‥痛‥」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/54/10f13ceb6c3937aab4df1ece79331929.jpg)
雪が顔を上げると、そこに彼の姿があった。
青田淳は雪と目が合うと、彼女の帽子と鞄を彼女に見えるように少し上に上げる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/37/05b0787ec0fe1a1720289f4002f48fb9.jpg)
確か聡美が雪の鞄を持って行ってくれたはずだが‥。
そう思い返してみるも、きっとあの二人のことだ。雪の鞄や薬などを先輩に持たせて、トンズラしたに違いない‥。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/1b/1193fc4d4fac71a77214dd768edd8d5f.jpg)
早く仲直りして下さいネ、と言って強引に事を進める二人の様子が、雪には見なくても想像出来る気がした。
彼は真っ直ぐ雪のことを見ている。雪は気まずい気持ちで、彼の視線から目を逸らす‥。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/4d/821c6953838d73c721991ed956433f02.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/1e/5d51bf901a6ad4a1720004a3d03f53b7.jpg)
もう空は夕暮れの色をしていた。秋の深まりと共に、日が落ちるのも随分と早くなった。
外に出た二人は適当な場所を見つけて荷物を置き、淳は雪を座らせ、彼女の名を呼んだ。
「雪ちゃん」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/ff/229cab3593f0ce98b8c4aa1cf890e7d3.jpg)
ちょこんと行儀良く座る雪を前に、淳はテキパキと事を進める。
「薬塗ろう。ほらこっち向いて」 「ちょ‥ちょっと待って‥嫌‥」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/76/68/8a88818b3204e7de72d994faeff6126c.jpg)
雪は彼の手から逃れるように、俯いて首を何度も横に振った。
淳はなかなか正面を向かない雪の顔を覗き込み、「ちょっと顔見せて」と彼女の髪に触れながら声を掛ける。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/51/4e/b13302f14fda3e5e9a5e99ed6531e500.jpg)
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しかし雪は彼の手を押しやると、俯いたまま手で顔を覆い、再び首を横に振り続けた。
そんな彼女の様子を見て、淳は目を丸くする。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/da/bc62b8ba7cf6aa024a884dc6daaa22fa.jpg)
彼女は泣いているのかもしれない。
淳はもう一度彼女に手を伸ばし、顔を覆っている手をどかそうとした。
「泣いてるの?どうした?ひどく痛む?」 「そ、そうじゃなくて‥」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/3e/859e4dc24e68ef1a098c002fc626844c.jpg)
雪が彼の手を押しやった拍子に、彼女の顔が露わになった。雪は掠れた声でこう言う。
「は‥恥ずかしくて‥」
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そう口にして俯く雪の顔は、真っ赤になっていた。
そのまま顔が上げられない雪を見て、淳はぽかんとした後、小さく一人声を漏らす。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/55/ea5627103fe0d7e8df6e2caa2b2d14db.jpg)
雪は恥ずかしくて堪らなかった。
改めて先ほどのことを思い出してみると、顔から火が出るようだった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/f6/56cdb9eafc19324b5b4ada0a1a19794e.jpg)
一応女の子なのに、取っ組み合いの殴り合い‥。しかも先輩の前で‥。
考えれば考える程雪は恥ずかしくなって、彼の前で顔が上げられない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/10/b482ad6897d62e1463ea028bb39a2efb.jpg)
彼はそんな雪を見て、少し意外なそうな顔をして口を開いた。
「ふぅん‥よく分からないけど‥。君はいつも我慢に我慢を重ねて‥」
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「俺はむしろ、今回全て吐き出せて良かったんだと思うよ」
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雪は暫し手で顔を覆いながら俯いていたが、彼の言葉を聞いて顔を上げた。
彼は全く笑っていなかった。引いてもいなかったし、彼女から目を逸したりもしない。
「終わらせたじゃないか。ウンザリだっただろう?」
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「恥ずかしくなるだけなの? スッキリしてない?」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/ff/ffeb2a17ab379dd0c1de46241d0d2ce3.jpg)
淳は真っ直ぐ彼女の目を見て、彼女の本当の気持ちを引き出す言葉を掛けた。
彼女が抱え込んでいる重い荷物を、下ろしてあげるような心持ちで。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/18/c5cdb8beed281550f92f06cf8e768426.jpg)
いつの間にか、顔を覆っていた手は膝の上に降りていた。恥じらいもどこかに飛んで行った。
彼の言葉は雪の心に真っ直ぐ届き、雪は本音を口に出す。
「はい、その通りです。スッキリしました」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1e/81/f2afc351ffe093fd08a9be290fbf2318.jpg)
雪は固めていた心の表面が溶けていくような気持ちになって、そのまま心の内を吐露し始めた。
「本当に終わらせたかったから‥。このままあの子と卒業までジリジリすると思ってたから、
ちょっと見苦しいことになったけど、スッキリしてます。もしかしたら内心こうなることを望んでいたのかもしれません。
幸いなことに運も良かったんです、写真を回してる最中に蓮が来て‥」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/f6/a73713dcc5185f6550b8f074f4d03187.jpg)
そう口にする雪を見て、淳はニコリと微笑んだ。運とは巡ってくるものではなく自ら作るものだ、と言わんばかりに。
雪は改めて、自分の気持ちを己の中で眺めてみる。
本当に‥あの子を切り捨てることが出来るなら、恥じらいなんてどうでも良かった。
皆の前で私を傷つけたあの子を、やっぱり私も皆の前で懲らしめたかった‥
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だけど、と雪は思う。
心に広がる苦い気持ちに押されるように、俯きながら心中を吐露する。
「‥それでも、二人とも極端すぎたというか‥ちょっと酷かったなって思って‥」
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苦々しい表情でそう言葉を紡ぐ雪に、淳は躊躇うこと無く自分の意見を口にした。
「そこまで気にする必要あるかな。誰が見ても雪ちゃんは間違ってない」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/9d/fe1a9b706f5b79d019d76e8d3ee17a62.jpg)
自業自得だよ、と言って淳は己の見解を述べ始めた。
「清水香織のような、被害者意識が過剰で、他人のものを自分のものと勘違いするような人間は、
いつもああいう風になってしまうんだ」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/8e/40fae5f3d562270ec9041b26ac39a8a7.jpg)
淳の目は雪を真っ直ぐに見ているようでありながら、少し遠くの記憶を辿るように幾分陰っていた。
「より多くのものを持とうとして、本来自分が持っていたものまで失くしてしまう」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/53/67abb2647a623237ccb49137e3e32fa0.jpg)
淳は言葉を続けながら、傷口を診る為に雪の顎に触れ、彼女の顔を少し上に上げる。
「結局、他人に対する願望だけを噛み締めながら生きることになるんだ。
そんな人達には同情の余地も無いよ。心に溜め込まないで」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/25/02/0212828e3b165da34b6a669681a3f654.jpg)
淳はそう言った後、薬の入った袋の方へと身体を移した。
顔にいくつか付いた擦り傷に塗る薬を探しているのだった。
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雪は彼が口にした言葉の意味を、その横顔を見ながら考えてみる‥。
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<正直>でした。
どことなく、今回二人の服の色合いが似てますね‥。先輩、またペアルックを狙ったのか‥?!
次回は本家版と題名合わせてます。
<接点>です。
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あのときは淳が心のうちを吐露していましたっけね。
落ち着いて話をしたいときにふたりで訪れるヒミツの場所ってとこでしょうか...いいなそういうの...( º﹃º` )
それにしても先輩、「すっきりしてない?」までは良かったんですけど、その先から(いつものごとく)だんだんと違和感が…。
鋭い雪ちゃんは彼が自分自身の話をしだしたことに気づいたようですが、きっと同調できないんでしょうね。
明日明らかになるであろう会話の内容が気になります~。個人的には「接点」というタイトルを師匠が選んだトコにも注目したいですなっ。
雪ちゃんが香織に対して溜め込んできたものを吐き出してくれて私もスッキリしました。
後半の先輩にはちょっと「…ん?」てなりましたけど…w
そしてウインク太一くんが可愛い…(´`*)笑
もしや若者っぽい何かを使われたのでは‥?!
ここの淳と雪との会話は三回に分けて書いてますので、どうぞ明後日の記事までお楽しみに‥。
山葵さん
ウインク太一カワイイですよね!
喧嘩してる雪と先輩を心配する味趣連があたたかいです。
いくら自業自得であったとしても、ソンミンスを破滅に追い込んだ形になった当事者として、スッキリとした気持ちになんて、なれるもんでしょうかね…?
「敵意をもって突っかかってきた相手を斬り捨てた剣客は、斬ってスッキリしているか?」っていうと、けっこう疑問な気がします。
ttps://www.youtube.com/watch?v=BSz_8KAvgCw
事実、ホンソルとしては降りかかってきた火の粉を何とか払ったものの、決して気は晴れていません。それが普通の反応だと思いますよ。
問題は、そこで声をかけてくるユジョンの側にあります。怪我した顔を見せるのが恥ずかしいという気持ちにピンとこないだけならまだしも、「フリョンハジンアナ?」はあり得ん、と私は思いました。
本編の解釈として違ってきてしまいますが、これは、ホンソルの「本当の気持ち」のように見せかけた偽物の言葉です。あの場でスッキリせいせいしたのは、ユジョンであって、ホンソルではありません。ここでホンソルが心を開いたように見えるのは、彼女の気持ちをユジョンが言い当てたからではなく、ユジョンがホンソルの心の中に土足で踏み込み、ホンソルもついそれに流されて迎え入れてしまったからです。
ですので、一瞬いい雰囲気に見えなくもありませんが、「ユジョンがホンソルの気持ちに寄り添っている」という要素は1ミリもない、というのが私の結論です。
ユジョン的には、精一杯頑張っているつもりなのかもしれませんけどねえ。でも、どう見ても、ホン家の冷え込んだ夫婦仲まで暖めてしまうペクインホの背中は、彼からははるかに遠い天竺の向こうにありますね…。
ttps://www.youtube.com/watch?v=VbO6ToCqS_Q
スッキリしているのは先輩だけで、雪ちゃんはスッキリ半分、でもやっぱりやりすぎというか、もっと他に平和的解決の方法があったんじゃないかと自問している感じもします。むしろ、そうであって欲しい。
雪ちゃんはこの頃清水香織のこと以外にもたくさんのストレスを抱えていて、きっといろいろ限界だったんでしょうね。それら全部がこの時点で香織に向いてしまって、「やらなければやられる、全部奪われる」と思い込んでしまったのかも。
同時に香織のほうも先輩のマヌケ発言からこっち、追い詰められていたんではないでしょうか?結果お互いにあり得ないほどの大暴れ状態になってしまった。お互いにMAXの状態で、今回の先輩が仕組んだ舞台に立ってしまったんですね。
だから、香織ばかりを断罪することはできないと思います。ただ、香織があの状態になってしまっている以上、他にどうしたら解決できるか?と考えると、私には思いつきません。取っ組み合いはやりすぎにしても、結果的には同じような感じになるしかなかったのではないでしょうか?
ただでも、同じ結果になるにしても、それが先輩の誘導によって起こっているというのが問題だと思います。ここは彼が関与していい場面ではないです。彼はただ、雪ちゃんの気持ちに寄り添って見守っていればいいだけだったのに。歪んだ愛情ですね。そもそも愛情なのかも疑問ですが。。。
先輩に誘導されてたというのを除けば、彼女たちが正しいばかりではない行動をしたというのは別にいいと思います。人間だもの←by相田みつお
大切なのは、間違えないように生きることではなく、間違いを反省し、次に生かすことだと思いますんで。そして雪ちゃんはすでに自分を冷静に省みているようです。そして、今回の出来事から派生するでと思われる歪にも、彼女なら真摯に対応していくだろうと思います。
面白くて可愛いからどうでもいいことですけど。
そして「スッキリだろ」そのものは(雪との分かり合いの意味で)問題ないと思います。雪ちゃんも同意してるし。
でも雪ちゃんも先輩のやり方を取るか?と聞くなら話は別です。雪ちゃんは先輩のようにキツくはなれません。先輩ほどの、怒りが積った心の持ち主じゃないですから。
あ、ちなみに2本目は、知ってるかどうかで年齢がバレます。笑
ニンニキニキニキ ニンニキニキニキ
さあ、続きをさかなさん!マチャ彦さん!
てか、なんで青さんが知ってるんだか。
姉さん、まさかの歌い逃げっ。
青さんっスッキリです。
正直、雪ちゃんの言葉と考えがちょっと意外だったものですから。
してやったりな先輩については、省略。
雪ちゃん、今回の結果にまあ満足しているように取れましたし、皆の前で傷つけられたから、自分も同じようにして皆の前で懲らしめたかった…て、そういう気持ちも持っていたところは少し意外でした。
スッキリしたような気分なのは、無意識の中で先輩に流されているのですね…?
めぷさん同様、雪ちゃんには今回の結果に満足はしていないで欲しい…。
こうしてみると、私は雪ちやんにずいぶん求めすぎているのかも。
おにぎりむけないけど、手当はできるのか。
今日改めてこの場面見て最初に思ったことは実はこれでした。
Yukkanen師匠、明日も楽しみにしてますね…!
「言っても言わなくても後悔する」というようなコトを以前言っていた雪ちゃんが、今回、不可抗力(偶然やら感情の鬱積)によって、自分でもやり過ぎたと思える態度に出てしまった。そのシナリオが、実は先輩が用意したモノだと知ったら。
その時、雪ちゃんは、自分のためにしてくれた、と感謝するのかどうか。奨学金の時「お前のためを思って」と言ったように、お前がお前って言うなと怒られそうです。。じゃなくて、それはアンタの独りよがりだろって話になるかもです。思い返せば、空き巣の時、先輩、異常にいたぶりましたよね、細目を。それを見てしまった後の2人の温度差を思い出します。
先輩にとっての正義が、必ずしも雪ちゃんにとってそうとは限らない事例が今までも沢山ありました。
でも先輩は「お前のため(本当は自己満足のため)を思って!」なのです!萌えます!
歌い逃げを反省し、続きをば。
ニシンが三蔵♪
キズの手当ては、亮や静香の面倒をみてきた成果では。