「何でそんなこと、したんですか?」
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一度そう口に出すと、雪はだんだんと怒りが込み上げてくるのを感じた。
「何でそんなメール、横山に送ったんですか?!」 「雪ちゃん‥」
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声を上げる雪を前にして、淳は何度も彼女の名を口に出して窘めようとした。
「あれは形式的な内容を送っただけだよ」
「いくら形式的って言ったって、”あの子はお前が好きらしい”なんて、
それはちょっと無いんじゃないですか?!何で先輩が私の気持ちを‥!」
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それは‥と淳は口を開きかけて、やはり噤んだ。眉間に手を当てながら、深く息を吐く。
「‥それは本当に悪かった。俺のミスだ」
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淳は彼女の方を見つめながら、真摯な態度で謝罪した。
「そんなことすべきじゃなかったのに、その方が楽だからってその状況に甘え続けてしまったんだ。
こんなことになるとは予想も出来なかった」
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「ごめんね」
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雪は俯いたまま、彼の謝罪を聞いていた。その表情はだんだんと曇って行く。
「‥‥‥‥」
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心の中に充満する、彼への不信。
開け放たれた扉から流出したそれが、雪の心を覆って行く。
「‥本当に予想出来なかったんですか? 横山がああいった行動に出ることを‥。
本当に全く分からなかったんですか?」
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俯いたままの雪からの質問に、淳は即答する。
「うん」
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雪は彼の方を見ないまま、もう一度質問した。
「分からなかったんですか?」
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再度された彼女からの質問に、淳は少し思案するが、
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「ああ。分からなかった」
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変わらない答えを返答する。
雪は俯いたまま、呟くようにこう漏らした。
「分からなかった‥」
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雪はそれきり黙り込んだ。
彼女を前にした淳は、呟くようにこう質問した。
「なんで‥」
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「なんでそんなこと聞くの‥」
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雪は俯いたまま、目だけ上げて彼を見た。
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そこで雪が目にしたのは、あの瞳だった。
暗く沈んだ色を帯びた、あの瞳。光の消えた、警戒色。それ以上進むことを許さない、レッドシグナル。
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あの瞳を知っている。
雪の脳裏に、あの瞳と共に言い渡された警告が響き渡る。
”これからは気をつけろよ”
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ドクン、と心臓が跳ねた。
ズクズクと胸を抉るような、鋭い痛みと共に。
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脳裏に数々の場面が蘇って来た。
書類を蹴られた夕暮れの廊下、怪我した翌日の自販機の前、そして今立っている秋の夜道。
”気をつけろって言っただろ” ”怪我して損するのは自分だろう?” ”俺が使ってた携帯をそのまま譲ることになって‥”
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雪はグッと力を込めて拳を握った。
真実を確認しなければならない、強い使命感が彼女を奮い立たせていた。
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目を見開いたまま、呟くように再度こう口にする。
「本当に分からなかっ‥」
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しかし最後まで言い切ることは出来なかった。
見開いた目に入って来る風景が、暗く歪んで行く。
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心臓が、痛いくらいに跳ねていた。
心の膜のどこかが破れて、黒い血液が幾粒も落下する。
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頭からつま先まで、ドロドロしたものが流れ行く。
溜まりに溜まっていた彼への不信が、今全て放たれて流出する。
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雪はギッと歯を食い縛った。
ドロドロしたものの正体が、徐々に明らかになって行く。
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鼓動は早く、そしてとても強い。
歪んで行く世界の中、全て崩れ落ちていくその瞬間、心の中に一つのキーワードが浮かび上がる。
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”悪意”
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そして雪は気づいてしまった。
なぜ彼への不信を溜め込んで、今まで見ないふりをして来たのかを。
心に浮かび上がったそのキーワードが、そもそもの根源だったということを。
”悪意は無かったのか”と質問したならば、それがどんな答えでも、
その瞬間私達の関係は崩れ去ってしまうだろう
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雪は、去年彼が悪意を持って横山をけしかけたことに気がついていた。
けれどそれを質問することは、二人の関係を終わらすことを意味していた。
YESであれば勿論THE END。
NOであっても、そんなの容易く嘘だと分かってしまう。THE END。
真実の在処に気づいているのに、それを明示するための質問が出来ないのだ。
すると、淳は再びハッキリとした口調で返答した。
「うん。分からなかったよ、俺は」
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その彼の表情を見て、その一貫した答えを聞いて、雪は気づいてしまった。
先輩もそれを知っているんだ‥
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先輩もそれを知っているから、今こうして答えているんだー‥。
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もう聞かなくても分かってしまった。
真実が何であるかを。彼への不信の正体が、自分への悪意にあったということに。
雪ちゃん
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すると鼓膜の奥の方から、自分を呼ぶ彼の声が聞こえてきた。
目の前の彼じゃない。記憶の中で嬉しそうに微笑み自分を呼ぶ、青田先輩の声。
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なぜその質問が出来なかったか? それは関係が破綻するのを拒んだためだ。
なぜ関係が破綻するのを拒んだのか? ‥その答えが、雪の脳裏に次々と浮かぶ。
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悩んでいた雪の本音を、引き出してくれた緑道の道。
からかうように耳元で囁かれた、雑多な居酒屋。
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時計をプレゼントした、一人暮らしの家の前。
前髪が触れ合って、彼の息遣いを感じた夏の夜。
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悩みを聞いてくれた彼と、距離が縮まった布団の上。
仲直りの印に、初めて手を繋いだ夜の町。
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全身で自分を抱き締めてくれた、色づいた木々の前。
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少し酒臭い彼に突然キスされた、秋の夜の路地。
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笑っていてね、と微笑んだ先輩。彼の印象を変えた初夏。
その瞳の奥に温かいものが見えた。
知れば知るほど好きになるという、それは好意だった。
今雪の脳裏に浮かんだ場面は間違いなく、彼がくれた好意、そして‥。
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自分が、先輩に対して抱いている好意だー‥。
それこそが、雪にその質問をさせることを拒んだのだ‥。
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力なく、雪は拳をだらんとその場に垂らした。
真実を追及する強い決意が、悪意と好意の真ん中で、宙ぶらりんのまま揺れている‥。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<流出(3)>でした。
なんか記事を書いていて泣きそうになりました‥。
雪ちゃん、知らない間に先輩のこと好きになっていたんだねぇ‥。
そして今回の「YESと答えてもTHE END、 NOと答えても THE END」というのは、
以前姉様の所でるるるさんに教えて頂いた訳にもとづき記事を作成いたしました^^
ありがとうございましたーー!
次回は<流出(4)>です。
流出シリーズ、続きますね‥。
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一度そう口に出すと、雪はだんだんと怒りが込み上げてくるのを感じた。
「何でそんなメール、横山に送ったんですか?!」 「雪ちゃん‥」
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声を上げる雪を前にして、淳は何度も彼女の名を口に出して窘めようとした。
「あれは形式的な内容を送っただけだよ」
「いくら形式的って言ったって、”あの子はお前が好きらしい”なんて、
それはちょっと無いんじゃないですか?!何で先輩が私の気持ちを‥!」
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それは‥と淳は口を開きかけて、やはり噤んだ。眉間に手を当てながら、深く息を吐く。
「‥それは本当に悪かった。俺のミスだ」
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淳は彼女の方を見つめながら、真摯な態度で謝罪した。
「そんなことすべきじゃなかったのに、その方が楽だからってその状況に甘え続けてしまったんだ。
こんなことになるとは予想も出来なかった」
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「ごめんね」
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雪は俯いたまま、彼の謝罪を聞いていた。その表情はだんだんと曇って行く。
「‥‥‥‥」
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心の中に充満する、彼への不信。
開け放たれた扉から流出したそれが、雪の心を覆って行く。
「‥本当に予想出来なかったんですか? 横山がああいった行動に出ることを‥。
本当に全く分からなかったんですか?」
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俯いたままの雪からの質問に、淳は即答する。
「うん」
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雪は彼の方を見ないまま、もう一度質問した。
「分からなかったんですか?」
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再度された彼女からの質問に、淳は少し思案するが、
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「ああ。分からなかった」
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変わらない答えを返答する。
雪は俯いたまま、呟くようにこう漏らした。
「分からなかった‥」
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雪はそれきり黙り込んだ。
彼女を前にした淳は、呟くようにこう質問した。
「なんで‥」
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「なんでそんなこと聞くの‥」
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雪は俯いたまま、目だけ上げて彼を見た。
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そこで雪が目にしたのは、あの瞳だった。
暗く沈んだ色を帯びた、あの瞳。光の消えた、警戒色。それ以上進むことを許さない、レッドシグナル。
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あの瞳を知っている。
雪の脳裏に、あの瞳と共に言い渡された警告が響き渡る。
”これからは気をつけろよ”
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ドクン、と心臓が跳ねた。
ズクズクと胸を抉るような、鋭い痛みと共に。
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脳裏に数々の場面が蘇って来た。
書類を蹴られた夕暮れの廊下、怪我した翌日の自販機の前、そして今立っている秋の夜道。
”気をつけろって言っただろ” ”怪我して損するのは自分だろう?” ”俺が使ってた携帯をそのまま譲ることになって‥”
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雪はグッと力を込めて拳を握った。
真実を確認しなければならない、強い使命感が彼女を奮い立たせていた。
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目を見開いたまま、呟くように再度こう口にする。
「本当に分からなかっ‥」
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しかし最後まで言い切ることは出来なかった。
見開いた目に入って来る風景が、暗く歪んで行く。
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心臓が、痛いくらいに跳ねていた。
心の膜のどこかが破れて、黒い血液が幾粒も落下する。
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頭からつま先まで、ドロドロしたものが流れ行く。
溜まりに溜まっていた彼への不信が、今全て放たれて流出する。
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雪はギッと歯を食い縛った。
ドロドロしたものの正体が、徐々に明らかになって行く。
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鼓動は早く、そしてとても強い。
歪んで行く世界の中、全て崩れ落ちていくその瞬間、心の中に一つのキーワードが浮かび上がる。
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”悪意”
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そして雪は気づいてしまった。
なぜ彼への不信を溜め込んで、今まで見ないふりをして来たのかを。
心に浮かび上がったそのキーワードが、そもそもの根源だったということを。
”悪意は無かったのか”と質問したならば、それがどんな答えでも、
その瞬間私達の関係は崩れ去ってしまうだろう
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雪は、去年彼が悪意を持って横山をけしかけたことに気がついていた。
けれどそれを質問することは、二人の関係を終わらすことを意味していた。
YESであれば勿論THE END。
NOであっても、そんなの容易く嘘だと分かってしまう。THE END。
真実の在処に気づいているのに、それを明示するための質問が出来ないのだ。
すると、淳は再びハッキリとした口調で返答した。
「うん。分からなかったよ、俺は」
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先輩もそれを知っているんだ‥
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先輩もそれを知っているから、今こうして答えているんだー‥。
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もう聞かなくても分かってしまった。
真実が何であるかを。彼への不信の正体が、自分への悪意にあったということに。
雪ちゃん
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すると鼓膜の奥の方から、自分を呼ぶ彼の声が聞こえてきた。
目の前の彼じゃない。記憶の中で嬉しそうに微笑み自分を呼ぶ、青田先輩の声。
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なぜその質問が出来なかったか? それは関係が破綻するのを拒んだためだ。
なぜ関係が破綻するのを拒んだのか? ‥その答えが、雪の脳裏に次々と浮かぶ。
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悩んでいた雪の本音を、引き出してくれた緑道の道。
からかうように耳元で囁かれた、雑多な居酒屋。
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時計をプレゼントした、一人暮らしの家の前。
前髪が触れ合って、彼の息遣いを感じた夏の夜。
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悩みを聞いてくれた彼と、距離が縮まった布団の上。
仲直りの印に、初めて手を繋いだ夜の町。
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全身で自分を抱き締めてくれた、色づいた木々の前。
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少し酒臭い彼に突然キスされた、秋の夜の路地。
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笑っていてね、と微笑んだ先輩。彼の印象を変えた初夏。
その瞳の奥に温かいものが見えた。
知れば知るほど好きになるという、それは好意だった。
今雪の脳裏に浮かんだ場面は間違いなく、彼がくれた好意、そして‥。
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自分が、先輩に対して抱いている好意だー‥。
それこそが、雪にその質問をさせることを拒んだのだ‥。
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力なく、雪は拳をだらんとその場に垂らした。
真実を追及する強い決意が、悪意と好意の真ん中で、宙ぶらりんのまま揺れている‥。
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<流出(3)>でした。
なんか記事を書いていて泣きそうになりました‥。
雪ちゃん、知らない間に先輩のこと好きになっていたんだねぇ‥。
そして今回の「YESと答えてもTHE END、 NOと答えても THE END」というのは、
以前姉様の所でるるるさんに教えて頂いた訳にもとづき記事を作成いたしました^^
ありがとうございましたーー!
次回は<流出(4)>です。
流出シリーズ、続きますね‥。
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いや~面白いですね~^^
流出シリーズは、次回の(4)で終わりなのですが、
(4)を読み終わった後、また皆様の感想も変わってくるorいくつかシックリクルんじゃないかな?と思います。
雪ちゃんがなぜここまで愕然としてしまったのかがモノローグで書かれていますので‥。
そしてかにさんの「共感する、しない」の話面白いですね~。
それって個々人の価値観が基準だから、正解が無いですもんねぇ。
私は主人公達誰にも共感できなさそうですわ‥。
敢えていうならやっぱり柳‥(出た)
コメ一度に書けって話…すみません~。
以前るるるさんのコメントにありましたが、イマイチピンときていなくて。
当時、先輩は雪の事が嫌いで、悪意を持って横山を仕向けたってお互いわかっていて、改めて悪意ありの答えだと、なぜ関係が崩れるのか、と。
で、そのところを自分なりに理解できたのが、流出1のかにさんのコメなんですが。
で、話はいったんソレるのですが
私はこの2人のやりとり、男と女らしいなぁと思いながら見ていました。
今までの積もり積もった事をここぞと過ぎたことひっぱり出して問う女、面倒なことになった、これ以上は事を大きくせず切り抜けたいと思う男。
上にあるめぷさんのコメ、文句をたくさん言って、泣きまくって、ぎゅ~ってしてもらいながら死ぬほど謝らせたら終わり…っていうの、雪ちゃんがそれ出来ていたらこんな風にならずに済んだでしょうね。。きっと
ずっと、心のどこかにあった先輩へのわだかまりを拭えないまま、先輩へ好意が芽生えてしまった。
その場その場で感情を吐き出すことが出来ないからグツグツとわだかまりが大きくなって、その今までなにかわからないがシックリこなかったものが、今、自分の中で“悪意の有無”という根源に結びついて、ようやく全てが見えてきて、そして、悪意と好意との中で揺れている…そんな状態と思いました。
そして、話は戻ってかにさんのコメから、
『どんな場合でも、悪意ありで人を利用したり陥れたりすることを良しとしない雪の根本の価値観』が、悪意の有無の質問が2人の関係を崩すことになるのかなと捉えたのです。
私も共感できるのは、雪ちゃんですね。
そして、理解できるからもどかしくもある。
最初に向けられた「悪意」が強烈すぎると、その後いくら好意をもらってもやっぱりスルッと流すことはできないですかね?
でも、私だったら雪ちゃんほどかたくなではないかもです。たぶん文句をたくさん言って、泣きまくって、ぎゅ~ってしてもらいながら死ぬほど謝らせたら終わりかも?だって、なんだかんだ言ったって、「惚れたほうの負け」やないか~!(あ、すみません、大阪の血が騒ぎましたw)
淳先輩が思ってるだろう通り、雪ちゃんもこの時点で「結局は許してしまうだろう自分」を知っている気がします。そんな自分にも腹が立つ、みたいな。
先輩みたいに悪意をもって誰かをけしかけたりはしなかったものの、雪ちゃんだって相当の悪意を持って先輩を眺めてたし、本人の目の前であざ笑ったりしてたわけでしょ?先輩の専売特許じゃないけど、「過去のことは過去のこととして」、お互いを許して、早く前を向いてほしいな、と思います。私が雪ちゃんより相当おばちゃんだからそう思えるのかもですが。
淳派なので、単純に「雪ちゃん、もうええやんか!許したり。あんたかって相当やったで?」と言いたいです。
悪意と好意という両極端の強い感情をいっぺんにくらったら、真面目な雪ちゃんは耐えられずつぶれちゃいますよね。
ただ、かにさんに便乗して…共感、という意味では私は青田先輩に共感します~。
邪魔者を遠ざけたい!都合悪いことは隠したい(気づかなきゃラッキー)!好きなひとを独り占めしたい!て、誰にでもある普通の感情ですよね?(あれ?)
もちろんモラルの問題で実行はしませんけど、そうゆうのを抑制する自制心というのは、家族の愛情であったり、心のおける友達がいたり、尊敬する師がいたり、、自分以外の他人と交流を深め、対人関係を築いて初めて芽生えるのかな、と。
だから、心開いた雪ちゃんには愛情表現がドストレートの独占欲塊になるのかな、と。
自分が、亮さん、雪ちゃんの立場だったら…こんなに前向きに頑張れるのか?もっと楽なほうにズルしちゃうくない?と思いまして。
もっとも純粋に人間っぽい青田淳がやはり好きなのです~共感の話なのに結局。
つまり…がんばれ、じゅん。
どちらに共感し易いかという点では、やはりバックグラウンドや思考が近いの人間の方が理解し易いのでしょうね。
物質的に真逆の二人だから共感し合えない可能性は高いのですよね。
私は、亮は青田家に引き取られた際に心から青田家の人間や淳と仲良くなろうと思っていた(そして支援してもらう家の人間に愛嬌を振りまくのはある意味当たり前で、天性の愛される性質とは異なる部分で嫌われない努力があった)と考えているんですけど、一方で淳はいくら親の期待に対して従順になれど満たされず、求めてもいない充てがわれた友人に自分が手にしたいと考える親からの愛情が与えられることに不快感を覚える。
ある意味で奪われたという被害意識が芽生えたというか。
実際には他人だからこそ優しく対応されたりする場合が多いと思うんですけどね。
やられたらやり返す性質を持つ淳は、自分が一番欲しいと願う家族の愛情を得た(と思っている)亮の一番大切にしている物(唯一の心の拠り所でもある)を未だ明かされていない「何か」がきっかけで奪うことにしたのかもしれませんね。
ただ、それが結果的に被害意識による思い違いだった場合は…(気付くに至るのか)
雪ちゃんがレポートの時も今回の時も結果的にどちらの場合も理解を示さないのは、淳と同じく努力しても家族に認められないという共通点がありながら、他人を利用したり陥れることを良しとしないという価値観を持っているからなのだと思います。
私は雪ちゃんに一番共感できるんですが…皆さんはどうなんでしょ?(←と、ザックリ振ってみる)
私もこの回では先輩に肩をもつかな、と思いました。
でも、やっぱり淳派ではないです。
「共感できるか」でいうと、私も亮さんではなく先輩ですが、
私は、子供の頃にあんなに人間の嫌なところをたくさん見たのに裏表なく人を暖かくすることができる、亮さんにひかれます。
環境のせいと言ってしまえば、それで終りですが、それなら先輩が今の性格になってしまったように、亮さんもひねくれてしまってもおかしくないです。(静香さんは、だいぶひねくれてしまっていますし)
でも、そうならないってところが、亮さんに惹かれる理由かなーと思います!
あくまでも、私が惹かれる理由なので、
「なんやこいつ、めっちゃ亮さんすきやん」
ぐらいでスルーしていただいて構いません( ̄▽ ̄)
なんだか…うーん…雪ちゃん、一方的すぎないかな、と…思いました。
確かに、横山の事件があったときは、回想のとおり先輩から色々威圧があったとは思いますが、先輩の言う「その方が楽だから」をスルーで自分で結論づけた「悪意」100%は…ないでしょう…
怒ってる時は、それが普通でしょうけど…
あと、先輩に悪意が全然なかったってわけでもないでしょうけど…(悪意とめんどくさいが重なって)
でもやっぱり、なんかしっくりきませんでした。
それとも、先輩のあの暗く沈んだ目が、悪意100%を表しているんでしょうか?
それと、今回の本家の佐藤先輩が、ピアノくん(なすび??)と、かぶります…まだ過去のピアノくんの事件のことは明らかになっていないはずなんですが、なんででしょう(^_^;)??
佐藤先輩、これ以上不憫になったらホントにかわいそうすぎますー(´・ω・`)
でもどうしても亮派ではなく淳派に向いてしまうのは、
彼の持つ悩みが共感しやすい類の物だからです。
読者がキャラクターに共感できるかどうかは
キャラの人気を決める大事な理由だと思います。
だから和美より香織の方がもっと読者たちの悪口を浴びてるんでしょ。
和美の子供っぽい嫉妬は誰にも分かりやすいけど、
香織の悩みを分かる類の読者は限られてるから。
ここで亮と淳のストレス源を比べてみようと思います。
亮は「夢の挫折」、淳は「対人の疲れ」じゃないですか。
前者は共感しない人も多いですが、
後者は現代人なら誰でも少しは抱いてる問題だと思います。
ちなみに、私も亮に共感できない類の一人です。
だからコメントでどれだけ淳を責めても、結局は淳の肩を持ってしまいます。
実はね、この記事のエピソードを読む時、私は雪に腹が立ちました。
完全に淳の立場になって「あんたレポート事件の時正直に打ち明けたら怒ってたんじゃない!今度は嘘ついたと怒ってるの?淳がどうしろって言うんだ!」と、雪に逆ギレましたね。
・・・こんな意見は少数派でしょうか?
じーんときました。
いつの間にか二人の思い出がいっぱい出来てたんですね…
今回の青田先輩のあの目、雪ちゃんに向けられているというよりは、雪ちゃんを透かして横山を見ている気がします。うまく説明できないですが。
大好きな雪ちゃんを不安にさせる横山、雪ちゃんとの仲を邪魔する横山、自分に少しでも汚点を残させようと足掻くうざったい横山…。あれだけじゃ(教室でのやりとりや木の下で雪ちゃんをハグしながらさりげなく横山に向けた言葉など)ハエを追い払えなかったのか。今度はハエ叩きでも使うしかないかな。
みたいなことを雪ちゃんとのやりとりをしながら考えていそう。もちろん雪ちゃんとの関係も手放さないようにしながら。
本家を見ていないのでこれからどうなるか、楽しみです!
明日の更新も待ってます!