「志」の英語教育

英語教育実践について日々の雑感を語ります。

リーディングとはどういうことか

2008-04-18 20:03:46 | リーディング
3年生向け授業、第1時間目はオリエンテーションである。受験英語の手ほどきのつもりで、学習に向かう姿勢・態度などについて覚えておいて欲しいことを一通り話した。

その中で最後に話したのが「リーディングの力とは何か」についてである。いわゆる行間を読むこと、つまり直接的に表現されていないことを読み取る力の大切さを説く。

例えば、「メスを握る山田の額に汗が光る。それを見た花子はそっとハンカチを持つ手を伸ばした」といった文からは、おそらく山田は医師で花子は看護師であること、二人は手術の最中であり簡単な手術ではなさそうだということが推測されよう。

このように想像力を活用しながら英文を読む力は、決してリード&ルックアップやシャドーイングなどのトレーニング系指導法だけでは育たないというのが私のスタンスである。

授業から帰ると机上には数研出版さんのCHART NETWORKが。実は、このジャーナルは私の密かなお気に入りだ。

巻頭の記事は「リーディングとはどういうことか」というタイトル。筆者は早稲田大学の松坂ヒロシ先生だ。

「なんという偶然」と思いながら読んでみるとこれがとても素晴らしい記事であった。特に、「リーディングは文字を追うことでも、音読でも、暗唱でも、訳読でもない」というあたりに大いに感銘を受けた。流行に翻弄され本質を失った英語教育に対する痛快な批判である。

すぐにメールを送りたいと思い早大のサイトを見たものの、残念ながらアドレスは見つからず。いつかじっくりお話を伺いたいものである。