「志」の英語教育

英語教育実践について日々の雑感を語ります。

「そんなんだから、あなたはダメなのです」

2010-05-11 19:02:48 | 授業
定期考査直前。一応試験範囲はカバーし終わり時間に余裕のあるクラスもある。以前であれば自習をさせたかもしれないが、今回は音読でダメ押しすることに。

教材は典型的な「文法」問題で穴埋めと三択。B4の左ページに問題を右ページは真っ新にして印刷し、半分に折って右側に答えを書かせる。

生徒は答えを見ずに(   )の空いた問題を見て音読。分からなければ、すぐに答の確認ができる。

が、今日の本題はここではない。
音読の前の答え合わせと解説をする場面での話。

私は文法の問題演習を行うときには、自分から解説をせずに生徒の側からの質問を待つことにしている。正しい文を読み上げるだけで、訳さえこちらからは示さないことが多い。

ひとつひとつ丁寧に解説しても眠くなるだけだと思っているからだ。「知りたい」という思いがないところに、どれだけ素晴らしく説明しても大して効果は期待できない。分からないという思いを生徒から引き出すことによって、説明に命が吹き込まれるように感じるのだ。

ところが・・・

往々にして生徒から質問が出ないことがある。分からないことを恥ずかしいと思ってはだめだとか、教室は分からないことを聞く場所だなどと話をしても埒があかない。

そんなときは生徒の様子から判断して、あっさり次へ進んだり、諦めて全部を説明したりしていた。そして、授業後に生徒の側の学習に対する姿勢の甘さを嘆いていたのである。「そんなのだから、彼らはダメなのだ」と。

今回は、ふと思い立ち質問が出ない状況になったときに、ペアワークで1文ずつ意味を言いあう活動をさせてみた。

反応は予想以上。ペアで意味を確認するだけでなく、自然と学び合いがグループに広がっていった。この活動のあとに、「まだ解決済みでない問題が残った人は質問して」と投げかけると、およそこちらが尋ねて欲しい点はすべて出てきた。本当に基礎的なところを再確認させられた思いだった。

学ぶ者の姿勢を非難することは簡単だ。効果が上がらないことを生徒の責任にするのは楽なことである。しかし、そんなことを繰り返していても事態はけっして改善されない。反省すべきは自分だったのである。

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