東京新聞より転載
消費税 来年4月8% 首相決断 社会保障目的どこへ
2013年9月12日 14時34分
安倍晋三首相は十二日、二○一四年四月から予定通り消費税率を5%から8%に引き上げる方針を決めた。最近の各種経済指標が堅調だとして、増税の環境はほぼ整ったと判断した。増税に伴う景気の落ち込みを避けるため、五兆円規模の経済対策を合わせて実施する方向。ただ、五兆円は消費税2%分に相当し、社会保障に充てるはずの増税の目的が大きく損なわれる。
首相が増税の是非を判断するのに重視したのは、四~六月期の国内総生産(GDP)改定値。九日発表の改定値は、名目で年率換算3・7%増、実質で3・8%増。消費税増税法の付則で税率引き上げの目安となっている経済成長率(名目3%、実質2%)を上回った。
政府・与党で予定通り増税を容認する意見が大勢を占めていることも考慮した。また、二〇二〇年東京五輪の開催が決まったことで、一定の経済効果が見込めることも判断材料となった。
首相は十月一日に発表される完全失業率や日銀の企業短期経済観測調査(短観)の内容を確認した上で、同日中にも増税方針と経済対策を表明する方針。
ただ、消費税増税に伴う低所得者対策はまだ決まっていない。
政府・与党は食料品などの生活必需品に関し、税率を低くする軽減税率を導入する準備が整っていないとして、現金を配る「簡素な給付措置」を実施する方針だが、具体的な内容は未定だ。
政府は八月下旬、有識者から意見を聞き、消費税増税を実施した場合の景気への影響を検証する「集中点検会合」を開催。増税を容認する有識者からも、低所得者対策の充実などを求める意見が相次いだ。
菅義偉(すがよしひで)官房長官は十二日午前の記者会見で、消費税率引き上げは正式決定していないとしつつも、増税に伴う経済対策について「規模や中身を麻生太郎財務相と甘利明経済再生担当相で詰めている」と説明。正式決定後には、首相が自ら記者会見して発表することを明らかにした。
(東京新聞)
消費税 来年4月8% 首相決断 社会保障目的どこへ
2013年9月12日 14時34分
安倍晋三首相は十二日、二○一四年四月から予定通り消費税率を5%から8%に引き上げる方針を決めた。最近の各種経済指標が堅調だとして、増税の環境はほぼ整ったと判断した。増税に伴う景気の落ち込みを避けるため、五兆円規模の経済対策を合わせて実施する方向。ただ、五兆円は消費税2%分に相当し、社会保障に充てるはずの増税の目的が大きく損なわれる。
首相が増税の是非を判断するのに重視したのは、四~六月期の国内総生産(GDP)改定値。九日発表の改定値は、名目で年率換算3・7%増、実質で3・8%増。消費税増税法の付則で税率引き上げの目安となっている経済成長率(名目3%、実質2%)を上回った。
政府・与党で予定通り増税を容認する意見が大勢を占めていることも考慮した。また、二〇二〇年東京五輪の開催が決まったことで、一定の経済効果が見込めることも判断材料となった。
首相は十月一日に発表される完全失業率や日銀の企業短期経済観測調査(短観)の内容を確認した上で、同日中にも増税方針と経済対策を表明する方針。
ただ、消費税増税に伴う低所得者対策はまだ決まっていない。
政府・与党は食料品などの生活必需品に関し、税率を低くする軽減税率を導入する準備が整っていないとして、現金を配る「簡素な給付措置」を実施する方針だが、具体的な内容は未定だ。
政府は八月下旬、有識者から意見を聞き、消費税増税を実施した場合の景気への影響を検証する「集中点検会合」を開催。増税を容認する有識者からも、低所得者対策の充実などを求める意見が相次いだ。
菅義偉(すがよしひで)官房長官は十二日午前の記者会見で、消費税率引き上げは正式決定していないとしつつも、増税に伴う経済対策について「規模や中身を麻生太郎財務相と甘利明経済再生担当相で詰めている」と説明。正式決定後には、首相が自ら記者会見して発表することを明らかにした。
(東京新聞)