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2019年 有馬温泉 入初式(いりぞめしき) 見学記 on 2019-1-2

2019年01月04日 06時17分55秒 | 神戸情報

2019年1月2日に有馬温泉の恒例行事入初式(いりぞめしき)がありました。
神戸には定年後約11年余住んでいますが有馬温泉の入初式を観るのは初めてです。
動画と写真で紹介していきます。
平成最後の入初式を見学できたのは有意義でした。

入初式は江戸時代から約300年続くもので、有馬温泉を発見したと伝えられる大己貴命
(おおなむちのみこと)、少彦名命(すくなひこなのみこと)をはじめ、薬師如来の
お告げで薬師堂(温泉寺)を建立し有馬温泉の興隆に寄与した行基菩薩。天災などで
被害を受けた有馬温泉を再興させた仁西上人への感謝と、温泉の繁栄を祈念する
目的で行われるようになりました。

平成18年(2006)3月戸市地域無形民俗文化財にも認定されています。


平成31年(2019)入初式の要項

1.日時:2019年1月2日(水) 10:00~12:30

2.場所:温泉寺、有馬小学校文化講堂及び道中での練り行列

3.主催者:有馬観光協会

4.進行予定:
 9時50分 「年のはじめ」の歌をうたう 有馬山温泉寺にて
10時00分 練行列、温泉寺出発 先導は有馬温泉旅館協同組合理事長 當谷逸郎氏
10時10分「金の湯」で初湯をいただく
10時30分 入場完了 入初式開式

「入初式」次第
  (1) 開会の辞
  (2) 神式の部 神官 湯泉神社、稲荷神社

    雅楽演奏、お祓い、祝詞奏上、玉串奉奠
  (3) 湯もみ行事 有馬芸妓衆による
  (4) 仏式の部 有馬仏教会7カ寺 
     温泉寺・善福寺・宝泉寺・林渓寺・念仏寺・極楽寺・妙見寺によるご奉仕
     潅仏(初湯で行基・仁西両師の御像に沐浴をしていただく)
  (5) 入初式の歌
  (6) 祓行事 新米を湯女衆たちが若松の枝で掃き寄せる行事
  (7) 挨拶 観光協会長 金井啓修氏
  (8) 来賓祝辞
11時40分 閉式(再び 行列は温泉寺に向かう)
  途中、観光総合案内所前で、「戻せ、返せ」の行事
12時30分頃 温泉寺到着


江戸時代の入初式


上の写真は江戸時代の入初式の様子です。
 出典:有馬古絵図「入初式」

上の写真は寛政年間(1789-1801)に刊行された摂津名所図会で描かれた入初式




上の写真は温泉寺御祖師庵に展示されている江戸時代の入初式の行列模型
 先導、入初式の幟、総指揮官、天狗、楽人、温泉神社の幟、四神旗、神輿、神官
 行基菩薩の幟、仁西上人の幟、錫杖(しゃくじょう)、輿、僧侶、湯もみ、湯女
 芸妓(げいぎ)、供桶、供、一般参列者



当日の入初式行列


有馬温泉「入初式」 on 2019-1-2 その1 行列



上の写真は入初式の行列の温泉寺→有馬小学校の経路を示したものです。

出発前の様子











「年のはじめ」の歌
有馬温泉 入初式 その5 温泉寺で「年のはじめ」合唱

有馬温泉旅館協同組合理事長 當谷逸郎氏の音頭とりで合唱

「年のはじめの ためしとて
 終わりなき世の めでたさを
 松竹立てて 門ごとに
 祝う今日こそ 楽しけれ」


神式の部
有馬温泉 入初式 on 2019-1-2 その6 神式 祝詞奏上

温泉(とうせん)神社の別所宮司他により執り行われました。





湯もみ行事
有馬温泉 入初式 on 2019-1-2 その2 湯もみ



仏式の部
有馬温泉 入初式 on 2019-1-2 その4 灌仏及び法要





ここで温泉寺の御祖師庵に安置されている行基菩薩像と仁西上人像の写真を
添付しておきます。

上の写真は温泉寺の御祖師庵に安置されている行基菩薩像です。
行基(668-749)は湯山=有馬温泉に来て薬師如来を安置して温泉寺を
建立し、有馬温泉の発展に寄与した。
温泉寺の薬師如来は草津温泉の古刹光泉寺、と(山中温泉の薬師院温泉寺
あるいは城崎温泉の温泉寺、あるいは道後温泉の石手寺の中の一つ)
と共に日本の三大薬師の一つとされています。








上の4枚の写真は温泉寺の開基である行基と薬師如来との伝説です。
出典:資料館「御祖師庵」の展示




上の2枚の写真は745年に大僧正となった行基を紹介したものです。
出典:歴史ミステリー倶楽部 地図で読む日本の古代史 三笠書房 知的生きかた文庫
     (2013)Page186-187



上の写真は温泉寺の御祖師庵に安置されている仁西上人像です。
建久2年(1191)吉野の高原寺の僧、仁西上人は熊野権現のお告げに従い
有馬温泉にやってきました。仁西上人に連れてこられた人々(平家の残党とも言われる)
に十二神将にちなんで十二坊を営ませた。
十二坊は下記のとおり。
池坊、奥の坊、角の坊(休所)、二階坊、尼崎坊、中蔵坊、兵衛(北の坊)、下大坊
中の坊、横の坊、上大坊、茅の坊
さらにかの豊臣秀吉は湯山御殿を建てて江戸時代以降の有馬温泉の繁栄の基礎を
固めた人物であります。
このことから行基、仁西上人、豊臣秀吉のことを有馬の三恩人と呼んでいます。

入初式の歌と祓行事
有馬温泉 入初式 on 2019-1-2 その7 入初式の歌と祓行事



入初式の歌の歌詞は下記のとおりです。

枝も栄ゆるわか緑 仰ぐにあかぬ御代ぞひさしき
滝の白糸いとしうてならぬ ゆるせ主あるわが片袂
落葉山こそ名所なり めでたし めでたし 打ちましょ 打ちましょ




上の写真は温泉寺の御祖師庵に展示の入初式の歌の歌詞

挨拶 観光協会長 金井啓修氏
有馬温泉 入初式 on 2019-1-2 その3 金井啓修会長の挨拶


金井啓修会長は約800年の歴史を誇る老舗旅館「陶泉 御所坊」の15代目の主人で
2019年1月1日読売新聞の35面に写真紹介されていましたので下に添付しました。

同じく読売新聞の上記記事に有馬への観光客は2017年に176万人にのぼり2013年と比べ
10万人増えたと掲載されていました。

入初式概略説明


上の写真は温泉寺の御祖師庵の説明板。

関連サイト:
 神戸経済新聞:https://news.kobekeizai.jp/blog-entry-3085.html?sp


 神戸新聞:https://www.kobe-np.co.jp/news/kobe/201901/0011949818.shtml

 サンテレビ:http://sun-tv.co.jp/suntvnews/news/2019/01/02/5519/?fbclid=IwAR1AdaLySZvzh7oIG0-ZvYjkVXbARQjl3Dl9mUL_YRAkrldap5Inlz45azM

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