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玉津田中遺跡から弥生時代前期のお墓の跡見つかる

2020年09月19日 05時16分07秒 | 神戸情報

9月13日(日)の神戸新聞・週刊まなびーで神戸市西区の玉津田中遺跡で「弥生時代

のお墓の跡見つかる」という見出しで弥生時代前期(約2,400年前)の集落跡から、

当時の墓だった方形周溝墓2基と土器棺墓3基が見つかったとの報道があった。

そこで、発掘調査の概要結果を纏めることにしました。

尚、現地説明会は8月30日の午後に開催されました。

参照資料

 1)兵庫県教育委員会 玉津田中遺跡 現地説明会資料 令和2年(2020)8月30日

 2)兵庫県教育委員会 玉津田中遺跡 現地説明会資料 令和2年(2020)1月26日

 3)兵庫県立考古博物館の展示 2020年9月12日観覧

 

発掘現場遠景

上の2枚の写真は調査区 (No.171地点 2・4・5区及び3区) 出典:3)

 

上の写真は今年度調査区(No.171地点) 2・4・5区調査区全景

 

玉津田中遺跡の概要

上の写真は玉津田中遺跡の遺跡範囲と今回調査個所(No.171地点) 出典:1)

上の写真は玉津田中遺跡と周辺の遺跡 出典:2)

玉津田中遺跡は明石川中~下流域の左岸に位置し、台地になっている地に立地。

縄文時代晩期~室町時代の複合遺跡である。

昭和50年代から土地区画整備事業や圃場整備事業に伴い、兵庫県教育員会や

神戸市教育委員会によって発掘調査が行われてきた。

なかでも昭和57年~平成3年にかけて、ウインズタウン西神戸の区画整理事業に

伴って約80,000㎡もの大規模な発掘調査が行われた。調査の結果縄文晩期から古墳時代

後期の集落と平安時代後期から鎌倉時代の集落・居館跡が確認されました。

弥生時代中期の集落跡(竪穴住居50棟以上)と方形周溝墓(40基以上)が検出され

土器棺墓や土壙墓も見つかっています。水田跡も検出されています。

遺物としては土器、石器、木器、青銅器など多彩なものが出土しています。

 

弥生時代前期の方形周溝墓

上の3枚の写真は玉津田中遺跡、弥生時代前期の方形周溝墓 2基が検出 出典:3)

県内では雲井遺跡(神戸市中央区)2基、東武庫遺跡(尼崎市)18基、駄坂・舟隠遺跡(豊岡市)

8基につぎ4例目である。

尚、昭和63年度調査でも2基の弥生時代前期の方形周溝墓が検出されているので玉津田中遺跡

には弥生時代前期の方形周溝墓は4基あることになります。

 

上の写真は方形周溝墓の説明 出典:1)

 

弥生時代前期の土器棺墓

上の2枚の写真は土器棺墓の検出状況 出典:3)

今回調査で弥生時代前期の土器棺墓3基が出土しました。

神戸市内の土器棺墓は弥生時代中期以降のものがほとんであり弥生時代前期の遺構は貴重

この頃は、生まれてから3歳までに死ぬ乳幼児が多く土器棺墓に埋葬された。

 

大溝

上の写真は大溝(SD67)の検出状況 出典:3)

 

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