チュエボーなチューボーのクラシック中ブログ

人生の半分を過去に生きることがクラシック音楽好きのサダメなんでしょうか?

演奏を最初からやりなおしたジェームズ・ゴールウェイ(1982年)

2015-11-15 23:59:11 | 来日した演奏家

1982年に来日したフルーティスト、ジェームズ・ゴールウェイ(Sir James Galway, 1939年生まれ)が新宿厚生年金ホールでヴィヴァルディ「四季」(フルートとオーケストラのための編曲)を吹き振りしたときの模様です。オーケストラは日本フィル。


↑ 「冬」を演奏中、異常を感じたゴールウェイ。
吹くべき箇所を飛ばして次に進んでしまったらしいのです。日フィルのメンバーのある者は指揮者に合わせ、ある者は譜面どおりに演奏してズレてきてしまった。。

 


↑ 大声で「ストーップ!」。 会場はシーンとなったあと、ザワザワザワ。。。

 


↑ 「やっちまった~!」の表情。その後、「冬」を最初から演奏しなおした。



このときのコンサートマスターの大河内弘氏は「指揮を止めるとは思わなかった。前代未聞のことです。大体、大所の指揮者だったら、こんなことするのはプロとしてプライドが許さない。聴衆にそれと分からせずうまくゴマかしてしまうものです。」と証言していますが、この頃のゴールウェイ氏はまだ指揮者としてはデビューしたばかりで大河内氏によると「テクニック的にはまだシロート」だったようです。

演奏終了後、ゴールウェイ氏は楽団員に向かって「集中力がなくなってしまって、ごめんなさい」と謝ったそうです。

。。。誤魔化すより、よっぽど正直で好感が持てますね!

(フォーカス誌1982年10月8日号より)