事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

明細書を見ろ!2024年5月号 教職調整額 紙上初任者研修PART2

2024-05-22 | 明細書を見ろ!(事務だより)

2024年4月号「今年の給料袋は……」はこちら

さあ明細書を見てみましょう。左上の「給料・議員報酬・報酬」という欄に記載されているのがあなたの給料額です。管理職でもないかぎり、やけに細かい数字が並んでいるはずです。給料の額は00円ジャストなのに、なぜ端数がついているのでしょう。

これは、教職調整額という存在のためです。その額は給料の4%

どんな経緯でこの調整額がスタートしたかというと、残業代の代わりだと言われています。確かに、教育職員には時間外勤務手当は支給されません。どれだけ長時間勤務してもです。

調整額が支給され始めたのは1972年。この4%という数字はどうやって決まったのでしょう。これは教員給与特別措置法、略して給特法(きゅうとくほう)という法律にもとづき、1966年に教員の時間外勤務の実態を調査して決められたものです。

この調査によれば、当時の教員の平均残業時間は月に約8時間(!)でした。現状との差に愕然とします。だって今は小学校で41時間、中学校にいたっては58時間が平均の残業時間ですから。

これはいくら何でも現実と乖離した数字ではないかと、中央教育審議会(文科大臣の諮問機関。略して中教審)は、教職調整額を10%に引き上げることを素案にした文科省提案を了承したと報じられました。

ちょっと待って、と時間外勤務手当が支給される行政職であるわたしには違和感が。むかし、ある団体の役職にあったとき、「あなたの時給はいくらか」という特集を情宣でかましたことがありました。本当に教職調整額は時間外手当の代わりなのかと。自分の記事を引用すると

さて、教職調整額が時間外勤務手当ではない、と考える根拠は、管理職手当と比較するとよくわかると思います。

1.管理職手当は月の初日から末日まで勤務しなかった場合支給されないが、教職調整額は支給される。つまり勤務の有無に左右されない。

2.同じ意味で教職調整額は有給休職者の給与の算出基礎にもなっている。

3.管理職手当受給者には時間外勤務手当、休日勤務手当、夜間勤務手当は支給できないと明確に規定されているが、教職調整額受給者にそんな規定はない。

4.その管理職手当を受給している3級在職者(つまり教頭)にも、実は3級加算額という教職調整額が支給されている

5.期末勤勉手当、退職手当(!)の算出基礎にもなっている。

要するに教職調整額とはすでに給料の一部ではないかと。

……文科省がやみくもに教職調整額の引上げをもくろんだのは、勤務の実態と額があまりにも見合っていないことと、教員志望者が激減していることが背景にあるはず。

百歩譲って調整額が残業代だとしても、それを10%に引き上げてすむ話なのか、というあたりは来月号で特集します。

画像は「オッペンハイマー」Oppenheimer(2023 ビターズエンド)

クリストファー・ノーラン作品の常連であるマイケル・ケインが出ていないのを忘れそうなほどの豪華キャスト。アインシュタインはあの人、トルーマン大統領はあの人、という具合。

被爆者の悲惨さが描かれていない、という指摘はもっともだと思います。しかし原爆プロジェクトを成功させた人間のその後を描くことに主眼はあったはず。傑作。

この映画を、はたしてアメリカ人自身がどう見たのか、そちらの方がわたしは気になります。

 

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明細書を見ろ!2024年4月号 今年の給料袋は……

2024-04-19 | 明細書を見ろ!(事務だより)

2024年2月号「寒冷地手当」はこちら

三年ぶりに新規採用者がやってきたし、人事異動もあったので、事務部報を使って給与等を中心に基礎から解説することにします。

もっとも、ニューカマーの人たちの半数以上がこの「明細書を見ろ!」という高飛車な事務だよりを読んだことがあることに気づいてびっくり。この業界にわたしは長くいすぎたかも。

さて、2024年の春はなんでもかんでも上がっていることが特徴。

・物価が上がっている

・金利が上がっている

・賃金も上がっている

地方公務員として最後のやつは納得できない、と考える人もいるでしょうが、世の中の賃金が上がることで、公務員の給与は連動して上がることになるのです。年末に通帳を見ると納得できるはず。そのあたりの事情はおいおいお知らせします。裏面には、今年の市費配当表を掲載。いやはや、今年も渋いです。

(わたしは給料袋に画像を仕込んでいるので)このふざけた給料袋はなんなんだとお思いでしょうが、我慢してください。スティーリー・ダン、ビル・エヴァンス、アート・ペッパーに続いては、世界でいちばん有名なアルバムジャケット

最初はエベレストで撮影されるはずだったのに、疲れたから、とアビーロードスタジオのすぐそばの横断歩道で撮影されたのは有名な話。

2024年5月号「教職調整額」につづく

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明細書を見ろ!2024年2月号「寒冷地手当」

2024-02-20 | 明細書を見ろ!(事務だより)

S47 喝采 (ちあきなおみ)

2024年1月号「眼を開く」はこちら

世の中には知らないほうが幸せなこともあります。いっぱいあります。若い職員はそんなものの存在は知らないほうがいいのはわかっていますが、十年に一度の見直しの時期が近づいているので、お伝えしないわけにはいきません。それは、寒冷地手当というものです。

これは、別名「薪炭(しんたん)手当」と呼ばれたことからもおわかりのように(わかんないわな)、寒い地域に居住する職員への寒冷対策で設定されたものです。夏のお安いうちに薪や炭を買いなさいということで、昔は8月10日が支給日でした。

「いったいどうして夏休みの真っ最中にわざわざ登校日なんてものがあって、『宿題ちゃんとやってるか』って説教されるんだろう」と思った人もいたでしょうが、何のことはない、センセイたちはその日しっかりとお金をもらっていたのです。

そんなもの見たことも聞いたこともない、という職員も多いでしょう。だって2004年度から庄内地方のほとんどが支給地域から外されてしまったからです。

今はどの程度の額かというと、11月から3月まで

・扶養親族がいる世帯主……月額17800円

・扶養親族がいない世帯主…月額10200円

・その他………………………月額 7360円

つまり、内陸地方の職員は給料に5ヶ月間これだけ上乗せされているのです。ほら、知らないほうがよかったでしょう?

この手当については、先ほども言ったように十年に一度見直されます。それはなぜかというと、気象庁がメッシュ平年値なるものを発表するからです。その地域が本当に寒冷地なのかをその数字をもとに判断する建前。

アメダスの気象データによる過去30年間の気温・降雪量の調査にくわえて、家計調査なども行われた過去があります。そして、結果として庄内地方は寒冷地ではないと判断されたわけ。

ということで、内陸の職員にわたしは

「いいか、庄内の職員に寒冷地手当の話をするんじゃないぞ」

と脅しています。心の中では「日本のウエストコーストだからしょうがないか」と自分を慰めているのですが。

実は労働組合は、庄内地域への寒冷地手当の支給を求めているのですが、当局は「なかなかいい材料が見つからない」と回答しています。

でも、どうしても寒冷地手当を受け取りたい!とすれば、小中学校職員にはまだ抜け道が。

「鼠ヶ関小」

「櫛引南小」

「あさひ小」

「朝日中」

「温海中」

「田沢小」

のいずれかに勤務し、かつおおむねこの学校から1キロ以内に住めばいいのです(公署指定という制度)。しかしこの条件はいかにもハードルが高い。この条件を緩和してもらうのが、何よりも先決のような気がします。

本日の1曲は、今日のマツコ・デラックスの番組でJUJUが紹介してくれた昭和歌謡の名曲「喝采」

何に驚いたといって、中条きよしとか奥村チヨとか藤圭子(すんげー美人)、昭和歌謡の歌い手がほとんど20代だったこと。そういう時代だったんだ昭和って。

2024年4月号「今年の給料袋は……」につづく

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明細書を見ろ!2024年2月児童手当号 早生まれ。

2024-02-08 | 明細書を見ろ!(事務だより)

児童手当に関して、実は早生まれは不利であることを特集したことがあります。めんどくさい話はすっ飛ばしますが、早生まれの場合は遅生まれよりも手当の受給回数が少ないのです。

というのも、受給はその子が生まれたときから始まりますが、終了は現在「15才の誕生日後の最初の3月31日まで」つまりは中学卒業のときまで。要するに学年ベースなのです。だから3月生まれは同学年の4月生まれよりも11ヶ月分少ないことになります。

話は税金にもかかわります。扶養控除は、その年の12月31日に16才になっている前提でスタート。ですから、遅生まれの場合は高校に入学する年から控除が始まりますが、早生まれはそうはいかない、というわけ。

異次元の少子化対策とか言っている以前に、このような不公平があることを改善してくれないとなあ。もちろんこんな主張をするのは、早生まれのせいで同学年の遅生まれよりも年金支給開始が遅いわたしだからなのですが。

ということで、本日のあなたの受給額は0000円です。

本日の画像は「ミステリと言う勿れ」(2022 フジテレビ)主演:菅田将暉

もじゃもじゃ頭の学生が、その頭脳によって次々に謎を解いていく……原作のマンガを読んだことはないし、大ヒットした劇場版もみていないので、きっとほのぼのしたユーモアミステリだと思っていました。

しかし、登場人物たちは主役も含めて大きなトラウマをかかえていることが多く、意外に重いお話なのでした。しかしそれ以上に、このよくできたドラマを構築した脚本家と、某ドラマの原作者のトラブルで、こっちまで陰鬱な色彩をおびてしまったことがせつない。あ、ちなみに菅田将暉も早生まれです。

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明細書を見ろ!2024年1月号 眼を開く

2024-01-19 | 明細書を見ろ!(事務だより)

Amazon.co.jp: 地雷グリコ : 青崎 有吾: 本

2023年差額号「NYでラーメンを。」はこちら

奇書「ドグラ・マグラ」などで知られる夢野久作に「眼を開く」という短篇があります。

隠遁し、山奥の空き家に住み着いた作家。そこへ毎日郵便を届ける中年の配達人。彼は一日たりとも配達を休むことはなかった。しかし、三日ほど彼が来ないことに気づく。住民たちは、郵便物を持ち逃げしたのではないかと疑う。胸騒ぎがした作家は吹雪のなかを捜しに行き、荷物を抱えたまま凍死していた配達人を見つける。

「その死顔には何等の苦悶のあとも無く、あの人相の悪い、頑固一徹な感じは、真白い雪の中に吸い取られてしまったのであろう。あとかたもなく消え失せて、代りにあの国宝の仏像の唇に見るような、この世ならぬ微笑が、なごやかに浮かみ漂うているのであった。」

郵便配達人の誇りがうかがえる、みごとな作品でした。

その、郵便がピンチです。

日本郵便は今年の秋をめどに、定形郵便物の料金、84円(25g以下)94円(50g以下)を110円に値上げする方針。はがきも63円から85円にすると。その理由として

・郵便物の数がピーク時の263億から144億とほぼ半減している

・郵便事業の3/4を占める人件費が上昇する

・配達に使うクルマやバイクの燃料費が高騰している

ということで、4年後には事業全体で3000億円もの赤字となる見込み。しかし、値上げしたとしても2026年度には赤字になる予想なので、再値上げもありうるというのです。

自分の生活にあてはめてみるとよくわかります。郵便事業でもっとも利幅が大きいと予測されるのは年賀状でしょうか。一気に大量に届くあの存在が重要だったはずなのに、わたしは一枚も出さなくなってしまいました。SNSの浸透はこれからもつづくでしょうから、その意味で郵便はお先真っ暗です。

自治会長として(笑)、地元のコミュニティ振興会の新年会に出席してきました。で、来賓席には市長、市議、小学校長などと並び、郵便局長がいます。必ずいます。

これはどういうことかというと、歴史的経緯があります。

郵便事業がスタートしたころ、財政がきびしかった明治政府は、地元の名士(かつての庄屋や名主など)から土地と建物の一部を無償で提供してもらい、その代わりに彼らを「郵便取扱役」に任命したのです。だから一般的に郵便局長というのは偉い人、というイメージが今も続いているというわけ。

その郵便局は日本全体で2万4千ほど存在します。金融機関としてカウントすると、その多さが際立ちます。たとえば、酒田と遊佐を見てみると支店の数は

・Y銀行 4

・S銀行 5

・K銀行 2

・JA     8

・R金庫 1

・T信金 3

それに比べて郵便局は52もあるのです(某校事務職員調べ)。

どんな地域にも等しく便益を提供するユニバーサルサービスにおいて、誇り高き郵便局はかかせないものですが、はたしてこれからどうなっていくのか。そして、眼を見開けばその姿こそ公立小中学校の未来予想図ではないかと。

本日の1冊は「地雷グリコ青崎有吾著 KADOKAWA

抱腹絶倒のミステリ。なにしろネタが子どもの遊びなのである。表題作はあの「グリコ・チヨコレイト・パイナツプル」のグリコじゃんけん。他にもだるまさんがころんだ、神経衰弱など。異様に勝負強い女子高生が、偶然を排し、徹底して考え抜いて勝ち抜いていく。裏の裏の裏をかく姿勢がたのもしい。

2024年2月号「寒冷地手当」につづく

 

 

 

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明細書を見ろ!2023年12月差額号 NYでラーメンを。

2023-12-25 | 明細書を見ろ!(事務だより)

2023年12月号「ファクシミリ廃止?」はこちら

さあ、差額です。どのような形でこの金額になったかをお知らせします。

こむずかしい話は裏面の、学校事務職員の先輩がつくった説明を読んでもらうとして、いくつかキーとなる点があります。

・改定はほぼ国のそれと同様。

・月例給はすべての級、号給で引上げ

・上げ幅は若年層に厚く、中高年は渋い

・期末勤勉手当は0.1月分引上げ

・しかしそれでも国よりも0.05月分少ない

・その0.1月は、期末手当が0.05月、勤勉手当が0.05月の配分。

・評価制度が影響する勤勉手当にばかり近年は配分されてきたので、一定の改善だとは言える

……こんなところでしょうか。特に若手が大幅に上がったのは、先生になりたくない、どころか公務員全体がなり手不足に陥っていることが影響していることは確実。

ちなみに、いまニューヨークでラーメンがいくらするかご存じですか。

だいたい、3000円だそうです。やっぱり円高の影響が……まあそれもあるでしょうが、ニューヨーカーには3000円を払うだけの所得があるってことです。先進国のなかで日本だけが所得が伸びず、それが失われた30年の遠因になっているのですから、とにかくもっと給料を上げろ!ということを強く言い続けないと。

画像は「RRR
まちキネで二回も満員で入れず、ようやくDVDで拝見。すごいなインド映画。あんなひどいケガをして薬草一発で治るってどういうことだよ、なんてめんどくさい理屈はいいっこなし。面白かったー。

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明細書を見ろ!2023年12月号 ファクシミリ廃止?

2023-12-20 | 明細書を見ろ!(事務だより)

2023年12月期末勤勉手当号PART2「今年の差額を予想する」はこちら

明治の初め、電信が普及し始めたころに冗談のような話があったそう。風呂敷にお弁当を包み、電線にくくりつけて家族に送ろうとした人がいたとか。

まあ、わたしがいくら年寄りでもそんな時代のことは知りませんが、“固定”の“ダイヤル式”“黒電話”のことはよくおぼえています。

マニア(何の)の方はご存じでしょうが、公衆電話などで最後の番号が1だとすると、フックを押すだけでパルスが発生してつながるけれど、電話機は通話終了と勘違いしてお金が戻ってくる……なんていう話もありました。都市伝説だったのかな。

学校も黒電話の時代が長かったわけで、それがプッシュ式になり、子機も登場し、そしてファクシミリが登場。

「こんなものが何の役に立つの?うちの学校だけあっても意味がないじゃない」

と鼻で笑った職員もいたぐらい。

そのファクシミリについて、政府はこう考えているという報道が。

政府は、教育現場におけるファクスの利用を原則廃止する。教育委員会や学校間など、ファクスで行われてきたやり取りをデジタル化し、業務の効率化や教職員の負担軽減を図る。20日に開く「デジタル行財政改革会議」(議長・岸田首相)で報告する。

校務のデジタル化は、自治体によって取り組みに差がある。一部では、入学予定者の名簿を教育委員会が紙で学校に提供し、職員が手入力する事例や、出席簿への押印作業などが残っている。ファクス廃止を打ち出し、業務をデジタル化する「校務支援システム」の活用で効率化を図る。また、各学校のデータを集めた一覧表を公開し、対応の進捗(しんちょく)状況を確認できるようにする。【読売】

……ネットの掲示板でもこのニュースは反響が大きく、賛成派は

「当然の話。まだあんな時代遅れのものを使っているのか」

反対派は

「デジタル化をすすめる手法がFAXの廃止とは、いかにもお粗末な話じゃないか」

……こんなくくりでしょうか。学校事務職員としては、ちょっと待ってくれよというのが本音。守旧派とか時代遅れと言われそうだけど。

確かに学校のファクシミリの稼働率は高いと思います。教育委員会や業者、そして地域住民とのやりとりにおいて、ファクシミリはまだまだ現役。手書きの書類であってもスキャンしてPDF化してメールで送受信することが増えてきたとしても。

だからファクシミリ廃止の方向性は理解できるにしろ、その前にやってほしいのが、逆説的に聞こえるでしょうがより一層のデジタル化の推進です。各校の職員、教育委員会などの個々人が、もっとスムーズにメールのやりとりができるようにしないと。

教育職以外の職種への連絡が、いまだに代表メール経由なのはさすがに時代遅れなのでは?

【次号は郵便料金値上げ関係を】

画像は「絶唱浪曲ストーリー」(2023)
旧平田町のシアターOZの上映会に行ってまいりました。浪曲という衰退した芸能が、いかにしてサバイブしていくかのドキュメンタリー。なんと感動すらしてしまいました。監督の川上アチカさんにサインまでもらってしまった。日本で「スター誕生」をつくるとこうなるんだなあ。

差額号「NYでラーメンを。」につづく

 

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明細書を見ろ!2023年期末勤勉手当号PART2 今年の差額を予想する

2023-12-13 | 明細書を見ろ!(事務だより)

TOKYO No.1 SOUL SET - 全て光 ft. 原田郁子

PART1「税についてもっと考える」はこちら

いわゆる差額の支給は年内に行われることで調整が進んでいるようです。今年の給与改定は

・初任給や若年層を中心に給料額を引き上げ

・期末勤勉手当の月数の引上げ

これだけだと、若手はいいなあ、その点ベテラン組は……とすねる人も出るでしょうが、ひとつだけ強調しておきたいのは、下の号給から上の号給が抜かれることは絶対にないということです。だから若手の給料が上がれば、全体的に(まあ、カーブはゆるやかにしろ)給料は底上げされます。

支給日ですが、今年の十二月県議会の閉会(おそらくここで給与条例の採決が行われます)が12月21日(木)なので、余裕で年内支給が実施されることと思います。

……事務だよりのおまけをここで。開店閉店シリーズです。

開店閉店2023

近ごろの酒田における開店と閉店のペースは驚くほど。ジェイマルエーの謎の閉店があったと思ったら、松原南には「東京の味」、こがね町には風味屋が開店。どんなものだか、近い学校の職員に特攻してもらおう。シャトレーゼと松屋の方はこっちで受け持つってことで。

本日の1曲は「全て光」ああ原田郁子は素敵。

2023年12月号「ファクシミリ廃止?」につづく

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明細書を見ろ!2023年12月期末勤勉手当号 税についてもっと考える

2023-12-11 | 明細書を見ろ!(事務だより)

2023年11月号「税を考える週間2」はこちら

さあボーナス。年の暮れが迫った、と感じるのはサラリーマンとしての生活が長くつづいたせいかも。年の暮れなのでいろんなパターンでお金がとんでいくんですよね。

それはともかく、またしても税金について考えてみます。ちょっとした動きがあったので。

政府・与党が企図する子育て支援税制が報じられました。その内容は……

・高校生世代の扶養控除を、現在の38万円から25万円に引き下げる

・住民税の控除額は33万円から12万円に引き下げる

・住宅ローン控除や生命保険料控除は子育て世代向けに優遇措置をもうけ

……どうして子育て支援を名のりながら、景気の悪い話が多いかというと、児童手当を高校生にも年額12万円支給することの代替措置。

この「明細書を見ろ!」の児童手当受給者向けの号外でもお知らせしたのですが、これはいくらなんでも筋の悪い話です。

いくら児童手当を支給するとはいえ、控除額の引き下げはれっきとした増税です。子育て真っ最中の世代に負担を強いる税制のどこが子育て支援なのでしょう。

それは考え方が偏狭に過ぎる、という反論も聞こえてくるようです。控除額を引き下げるにしても、バランスとして負担が増える人はいないように設定しているではないかと。そして、小中学生以下に控除を設定していないのに、高校生だけを優遇するのは無理がある、とか。

だったら年少者の扶養控除を復活させる方向でどうして考えられないのでしょう。住宅ローン控除や生命保険料控除について、ある程度の温存措置をとるのは、いわゆる“業界”に配慮しているのでしょう。その配慮がどうして子育てに向かわないのかなあ。

そんなところへ出てきたのがパーティ券問題。ああ政治家には数多くの無税の特典があるんだなあとうらやましい限りです。もちろん皮肉です。

PART2「今年の差額を予想する」につづく

今回の画像は「春に散る」(2023 GAGA)

原作の沢木耕太郎の初の国内旅行エッセイ集「旅のつばくろ」はなんと遊佐からスタート。取材も兼ねていたか、こちらにも遊佐は登場。酒田に宿泊していた設定で

「ホテルインという、とても不思議な名前のホテルだった」そりゃそうだけど。

佐藤浩市がいいのはもう当然のこととして、若きボクサーを演じた横浜流星と窪田正孝がすごい。出演は他に山口智子、橋本環奈、哀川翔、片岡鶴太郎。

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明細書を見ろ!2023年11月号 税を考える週間2

2023-11-21 | 明細書を見ろ!(事務だより)

2023年10月号「MONEY」はこちら

年末調整号でお伝えしたように、近ごろは税金について考えさせられることが多いようです。まず思い浮かぶのが定額減税。今のところ伝わっているのは

・令和6年度税制改正において、納税者及び配偶者を含めた扶養親族1⼈につき、令和6年分の所得税3万円、個⼈住⺠税1万円の定額減税を行う

・その規模は、過去2年間の所得税・個⼈住⺠税の税収増と⾒合う額とする。3兆円ぐらい?

……減税というのは政治家にとって究極の人気取り政策。それなのに、現内閣の支持率は釜の底が抜けたように(古くさい表現ですが、ジブリの「天空の城ラピュタ」のおかげで今の子どもたちにも通じます)下降しています。それはどうしてかといえば

・物価高対策と言いながら効果があらわれるのが来年の中ごろなので遅すぎる

・物価高対策と言っているそばから子育て対策だと言い始めて混乱

・いずれ増税することがわかりきっているので国民がニヒっている

・税収が増えたのなら借金返済に回すのが筋ではないかと考える人が増えた

……こんなところでしょうか。しかし最も大きな要因は、身もふたもない言い方になりますが、これが人気取り政策にすぎないことがバレバレだということでしょう。

そしてまさしく税を考える週間の真っただなかに更迭されたのが財務副大臣。文春が報じたのは、彼が経営する会社が、税金の滞納によって何度も差し押さえをくっていたこと。

これは衝撃的でした。税金を集める担当省庁の副大臣が、税金を滞納していたのです。しかも、驚いたことに、滞納したのは固定資産税だったとか。

よく考えてくださいよ。その年その年によって会社は儲けたり損したりするでしょう。そのたびに税金の額は大幅に変動するはず。だからたまに遅れることだってあるだろう……でも固定資産税は違います。額はほとんど変わらないでしょうから、まともな経営者ならその分は最初に納付するように準備します。

ところが、この税理士の資格を持つ(!)副大臣はそうしなかったのです。うがった見方をすれば、税金の知識が豊富だからこそ、このラインまではひっぱれるだろうと認識していたのではないかとすら。

もっとうがった見方をすると、彼のことを現首相はすぐに更迭しませんでした。“辞任ドミノ”をおそれて、とマスコミは解説していました。しかしわたしはひねくれものなので、首相はもっと違う目的で更迭を遅らせたのではないかと思うのです。

それは、副大臣が安倍派の出身だったことが影響しているのではないかと。

単純な見方だなあ、最大派閥だから気を使って辞めさせなかったってこと?……違います。政務三役の候補については、各派閥がリストアップします。身辺調査が甘いと批判されているようですが、この副大臣が札付きであることが、この派閥のなかで本当に知られていなかったのか。

まあ知られていなかったにしろ、あんたたちが推薦したヤツのせいでこんなにおれは苦労しているんだぞ、というところを安倍派に見せつけたかったのではないかと邪推するのです。

現首相の最優先課題は来年の総裁選の再選だとか。とすれば、リーダーすら決められずにいるあの派閥に、少しでも恩を売っておこうと……ほんとに邪推だといいなあ。

さあくどいようですが年末調整の季節です。さんざんモチベーションを下げるようなことを言っといてなんですが、納税は国民の義務です!(笑)きちんと書類は提出してくださいね。

画像は「愛にイナズマ」(2023 東京テアトル)監督:石井裕也 出演:松岡茉優、窪田正孝、佐藤浩市

酒田には追い風が吹いている(○ジ代行は倒産しちゃったけど)。ラーメンは日本一になったし北の若は新入幕だ。がんばれダイスケ

とか言いながら東根や鶴岡でこんな映画ばかり観ているので、東根(二代目高橋商店、龍上海東根店)や鶴岡(龍上海鶴岡店)でしか近ごろラーメン食べてません。佐藤浩市が奇跡の名演。すごい役者になったなあ。

2023年12月期末勤勉手当号「税についてもっと考える」につづく

 

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