事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

うまい店ピンポイント地元回帰 ケンちゃんラーメン酒田店

2018-08-30 | 食・レシピ

「ひらま」篇はこちら

あまり大きな声では言えませんが、きのうの給食は

・かぼちゃ

・鶏肉

・パン

という、わたしの苦手な三点セット。いや別にパンは嫌いじゃないけどもの足りないじゃないですか。出勤のときに、こんな日のためにとセブンイレブンでカロリーオフのバターも買ってはいたんだけど、別に外に食べに行って問題はないことに気づく。

だったら冒険しよう。平日でラーメン屋もすいているだろうし。でも外に出るとなったらいろんな買い物を頼まれる。うー。お、近所にそういえばケンちゃんラーメン酒田店があるじゃないか。

県外まで進出するケンちゃんは、その独特の味付けや麺でファンが多い。そのスタートが酒田なので、ファンにとっては聖地。でもわたしは行ったことがなかった。ケンちゃんには独特のルールがあり、濃口とか脂がどうしたとか。だからファンじゃないアーティストのコンサートに行くみたいで敬遠してたの。だいたい、いつもめちゃめちゃに混んでるし。

あ、もうひとつ忘れてた。これまで三川店と余目店に行った経験から習得していたのだ。量が多いんだケンちゃんは!

ということで小盛りをオーダー。やっぱりちょうどよかった(笑)。さすがに席も空いてたし。

このオレが小盛りとは……ブレードランナーにおけるデッカードのように、ヌードルショップでは常に強気のオーダーをかましていたというのに。

普通においしい普通にいいお店でした。伝説が多いので身構えすぎたか。

龍上海東根店篇につづく

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「平城京」 安部龍太郎著 角川書店

2018-08-30 | 本と雑誌

 

平安京のお話が面白かったんだから今度は平城京。

大宝律令、租庸調、壬申の乱……うわああ社会科の教科書を思い出します。えーと平安京は「鳴くよウグイス平安京」だから794年だよな、すると平城京は……

ネットは便利だな、すぐに引っ張り出せる。「なんと見事な平城京」で710年ですって(笑)。

その、みごとな平城京をつくるお話。大和朝廷の支配がまだ万全ではなかったころ、なぜ藤原京を捨てて奈良に遷都しなければならなかったのか。天皇制をめぐる一種のミステリーのようになっている。

先進国である唐や朝鮮からの渡来人が、決して優遇されていたわけではないことや、建築や治水の技術は当時から高い水準にあったことがわかってお勉強になる。そして仏教の伝来が民の生活に大いに影響を与えたことも。ほんと勉強になった。教科書よりずっと面白いですよ。

道誉と正成」にしても、安部龍太郎はそれにしてもうまい時代を選んでいる。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「星夜航行(下)」 飯嶋和一著 新潮社

2018-08-29 | 本と雑誌

上巻はこちら

この作品は9年間「小説新潮」に連載された。上下巻合計1100ページ超。読み応えありすぎ。一週間ぶっ続けで読んでようやくラストまで。

この連載の過程で、おそらく飯嶋のなかで秀吉の朝鮮出兵(というか歴然と侵略)への怒りがふくらんでいったのだと思う。バランスが後半くずれることを承知の上で、この愚行の糾弾に走る。

権力者の誇大妄想的な欲望が、結果として三国の民衆に塗炭の苦しみを与えることになったと指摘。もちろんその矛先は朝鮮や明の権力者たち、無能な政治家、軍人たちにも向かっている。

この、二度にわたる出兵はあまり語られることがないが(そりゃそうだろう。朝鮮の民は秀吉を今でも憎んでいるし、結果的に明は滅亡に向かい、豊臣家の天下は崩れ、朝鮮は荒廃するという勝者のいない戦いだから)、清正の虎退治や、やはり大河ドラマ「軍師官兵衛」におけるエピソードぐらいでしか把握していない歴史音痴のことなので、はてしなくお勉強にはなりました。

・長く続いた戦国のために、銃の使用が一般化していた秀吉軍(日本軍とは形容されない)は、陸戦に強く、築城にも籠城にも長けている。

・ところが水軍には李舜臣という猛将がいて、日本の船は翻弄される。

・明軍は、使い物にならないどころかプライドだけは高く、略奪もし放題。

・秀吉は本気で明を征服しようと考えていたようだが、兵は強くても(特に加藤清正の強さは圧倒的)兵站に難があったあたり、日本の宿命なのか。

ラストがいいんですよ。馬を愛し、馬に愛された甚五郎らしい幕切れ。色恋はまったくなし。妻との関係もほとんど描かれない。これはもう、最初からそう決めていたのだろう。ゴリゴリに硬派な小説だけれども、だからこそ泣かせてくれる。今年もベストは飯嶋和一で決定だ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「星夜航行(上)」 飯嶋和一著 新潮社

2018-08-28 | 本と雑誌

「神なき月十番目の夜」

「始祖鳥記」

黄金旅風

出星前夜

狗賓童子の島

……出れば必ずマイベストに入る飯嶋和一。この作品もまた、同じ山形県出身であることが誇らしく思えるほどすばらしい。

家康が信長におびえていた時代。正妻の築山殿と長男の信康を家康は死に追いやる。大河ドラマ「おんな城主直虎」では、信長の意向を忖度した、忍従の人家康らしいお話に仕立てていた。多くの人たちがその文脈でこの事件をとらえていることと思う。

しかし飯嶋はこの悲劇を、優秀ではあるがこらえ性のない長男と、実家の今川家再興のために策謀をめぐらす築山殿を家康が圧殺したとしている。徳川家が決して(一向宗の一揆などもあって)一枚岩ではなかったことも背景にあったと。

主人公の沢瀬甚五郎は、信康の小姓組のひとり。事件の隠蔽をはかる家康サイドの追っ手から逃れ、荒れ寺に隠れる。

探索する側は、甚五郎が小姓頭の刀を奪って逃走したと偽り、それを知った甚五郎は徳川家への忠心と、武士である誇りを捨てる。

“若侍はそう言って深々と礼をした。周囲にもその音が届くだろう薪割りを申し出たことで、やはりこの男が自らは後ろめたいものを抱えていないことはうかがえた。若侍は大小を台所の柱脇に立てかけたまま、無双窓の方へ箱膳を運んでいった。”

こういう描写がすばらしい。甚五郎に臆するものがないことと、侍に未練がないこと、荒れ寺の坊主にまったく害意のないことのトリプル・ミーニング。最盛期の藤沢周平を思わせる。

飯嶋の作品の主人公は、常に“あらがう人”だ。この作品では、甚五郎がこののち薩摩、長崎、ルソン、そして朝鮮に渡る過程で、おなじように“独立した”“反抗する”人間たちと関わることになる。以下次号

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

うまい店ピンポイント米沢篇 ひらま

2018-08-27 | 食・レシピ

夏休みラーメン祭りは終わったけれど、ラーメンの旅はまだつづく。

娘の住む米沢に行くとメルマガで予告したらこの店をすすめられた。「ひらま」むかしは製麺所だったらしい。ここの冷たいラーメンは絶品だと。

米沢に行く途中で山形のまるぶんを選択するか、米沢に着いてから熊文にするというのもありだけど、「どうするの?」という妻の質問に

「ひらまに行く!」

娘がスマホでナビ。有料道路に入る手前で左折。え、左折?ほとんど亀岡文殊に行くルートをスマホは選択。

「だいじょうぶなのか。もう高畠にもどってるけど」

「だってスマホはこっちだって」

「あ、ほんとだ。こっちに来ても米沢なんだ」

まわりは田んぼだけ。ほんとにここにラーメン屋が……あ、ありました。それどころか行列が!駐車場はほぼ満杯で、はじっこにようやく駐車。県外車も多い。まじ、人気店みたい。

意外にはやく店内に入れてもらえて、わたしたちは数少ないテーブル席に通してもらった。たくさんの色紙が飾ってある。たっぷり観察。朝倉さややテツ&トモといった山形出身タレントや、荒川強啓という山形県人にとっては神様のような名前も見える(世代は限定される)。「おにぎりあたためますか」の色紙があるってことは、HTBの佐藤麻美アナが来たのかな。読めない(笑)

さあ来ましたよ冷たい中華が。

「……」

「……」

「……」

「う、うまいなこれ」

「おいしいねえ!」

「おいしいわ」

おそるべし米沢ラーメン。おそるべしひらま。今度はあたたかいのをいただきにまいりますよ。わたくしは有言実行の男でございますよ。ラーメンに関してだけは

ケンちゃんラーメン酒田店につづく

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「えんの松原」 伊藤遊著 太田大八画 福音館書店

2018-08-27 | 本と雑誌


例によって司書にリクエストしてうちの学校図書館に入れてもらいました。「鬼の橋」が読ませた伊藤遊のもうひとつの代表作。というかこの人はいろんな賞をとりまくっている。児童文学の世界では有名な人なんだろうか。

平安京。内裏のなかに、えんの松原(宴の松原)と呼ばれる地所があり、昼なお暗いそこには、うごめく何者かがいた。

事情があって少女のふりをして宮中ではたらく音羽丸は、憲平(のちの冷泉天皇)というおびえた表情の少年と出会う……

前世紀の作品だけれど、ジェンダーを思い切り意識した作品になっている。心は完全に男なのに女装を強いられる少年と、男を憎む何者かに呪われた少年というコンビは趣深い。

表紙画像でもお分かりのように、どうしてこれが児童文学の範疇に入るのかさっぱり。間口の広い業界なんですねえ。

コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「天子蒙塵 第三巻」 浅田次郎著 講談社

2018-08-26 | 本と雑誌

第一巻、第二巻はこちら

蒙塵(読み)モウジン. もう‐じん〔‐ヂン〕

《「春秋左伝」僖公二十四年から。天子が行幸するときは道を清めてから行くが、変事の際はその余裕がなく、頭から塵(ちり)をかぶる意》天子が、変事のために難を避けて、都から逃げ出すこと。みやこおち。(デジタル大辞泉)

ついに出ました第三巻。主人公は張学良と溥儀。

張学良は、父親(張作霖)が爆殺されながら、故郷である中国東北部を離れ、ヨーロッパに遊んでいる。

溥儀は紫禁城を出て、日本の傀儡である満州国の執政となる。

どちらも、頭から塵をかぶっているわけだ。彼らの独白は鬱々としていて、だから血湧き肉躍る展開というわけにはいかない。その地味な部分をカバーするためか(歴史の必然ではあるが)日本の著名人がこれでもかと登場する。

甘粕正彦……大杉栄を殺した甘粕事件で有名。満州国はこの人物によってコントロールされた。旧米沢藩士の息子。「ラストエンペラー」では坂本龍一が演じていました。

川島芳子……男装の麗人として有名。関東軍のスパイ。終戦後、国民党によって銃殺される。

吉田茂……ご存じ元首相。外交官出身で、その経歴のほとんどは中国大陸だった。

ね、派手でしょ。

この物語は、天下をおさめる人物に伝わる龍玉の争奪戦でもある。持つべき人物の手にないと、その人物も国も不幸になると。

孫文すでに亡く、張作霖は殺され、袁世凱は話にもならなかった。次回は蒋介石が前面に出てきて、そしてあの男も登場することになるだろう。果たして彼らの手にドラゴンボールは渡るのか。はたしてそれで中国は幸福になれるのか……。

現代のトップのことも考える。はたして習近平は龍玉の持ち主なのか。まあ、日本やアメリカのトップが持っていないことは確実だけど。

第4巻につづく

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「銀河鉄道の父」 門井慶喜著 講談社

2018-08-25 | 本と雑誌

母親というのは強いものだと思う。自分の身体から出てきた子どもを、だからこそ身体で理解できるし、愛することもできる(もちろん、憎むこともできる)。

父親はその点、どうもあやふやだ。客体としての自分の子を、どう理解していいかわからないところがある。その不安が、世知を説いたり、強引なしつけを押しつけて自分を安心させるのかもしれない。

ましてや、宮沢賢治という、どうにもこうにも理解不能な息子に、父親としてどう立ち向かえばいいのか……

門井慶喜が、宮沢賢治を描くのに父親の視点をもってきた、この時点で勝負ありだ。直木賞も納得できる。

奇矯な性格、法華経への熱狂、夢想的でおよそ世間というものを知ることのなかった賢治と、時代の流れに敏感で、商売上手な父親の微妙な関係がすばらしい。一種のモンスターである賢治が、はたして「雨ニモマケズ」をどのような気持ちで書いたのか、という考察にはうなった。

でも実はこの本を読むのはあまり気が進まなかったの。宮沢賢治は現代では教科書の定番で、「オツベルと象」を国語の授業で習った人は多いと思う。でもわたしが子どものときは、なんと「永訣の朝」だったのだ。

「あめゆじゅとてちてけんじゃ」(雨雪をとってきてちょうだい)

死の床にある妹の、兄への最後のリクエスト。こんな哀しい話を中学生に読ませるな(笑)。以降、だからわたしは宮沢賢治を読み込んだことはありません。本人が生きているころはまったく作品が評価されていなかったことも含めて、あまりに哀しすぎる。

この作品で、その妹がめちゃめちゃに優秀な女性で、このリクエストが兄を鼓舞する意味合いを持っていたこともわかった。宮沢賢治、読んでみよう。これからは、彼の父親の気分で。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「おろしや国酔夢譚」(1992 大映=東宝)

2018-08-24 | 邦画

あまりに佐藤純彌監督の評伝が面白いので、「敦煌」につづいて「おろしや国酔夢譚」も見てしまいました。こちらは初見。

原作井上靖、監督佐藤純彌、製作総指揮が徳間康快という布陣は「敦煌」といっしょ。その「敦煌」が商売として成功だったかは微妙なところ。徳間は、もう少し低予算で作品を仕上げればどうかと提案。

でも、前回は砂と暑さに苦しめられたのに、今度は極寒のシベリアが舞台なのである。佐藤監督も続投の西田敏行もよくこの話を受けたよな。

主人公は伊勢の船頭、大黒屋光太夫(緒形拳)。彼の船は17名を乗せて江戸へ向かったが嵐のために漂流。たどり着いたのはアムチトカ島。それどこなんだ……アリューシャン列島で、現在のアラスカ!

当時はロシア領で、先住民族と、アザラシなどを求めてロシアの商人が住んでいた。まず、光太夫たちに立ちはだかったのは言葉の壁。そして、肉食の習慣がなかったこと。

彼らは光太夫のリーダーシップのもとに、流木などを使って船をつくり、イルクーツクに渡る。そして、はるばるサンクトペテルブルクに赴き、女帝エカテリーナの許可をえて帰国する。しかし、帰国できたのは3名だけだった……。

世界地図で確認してもらえばわかりやすい。ものすごい距離を彼らは漂流し、踏破している。大冒険である。しかも寒い。実際に、撮影中に西田敏行は死を覚悟したという。

この物語がしかし興味深いのは、大黒屋を演じた緒形拳の静かさだ。冷静に状況を見極め、静かに対処する。真の意味でのリーダーとは、彼のような人物なのだろう。熱さを前面に押し出すだけでは、人はついてこないのだろうなと納得。

ただし、緒形拳には最後に大芝居が用意してある。エカテリーナの前で浄瑠璃の「俊寛」をうなるのだ。流刑の俊寛を使うのはうまい。

しかし緒形は最初、それすらも拒否したのだという。彼なりの演技プランと、この大芝居は相容れなかったのか。しかしこの激発は、静かな男だったからこそ胸をうつ。名演でした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フェーン!~遥かなる台風の影響

2018-08-23 | 日記・エッセイ・コラム

あぢあぢあぢ。

今日は暑くなるだろうという予報だけど、朝はすごしやすかった。チャリで出勤しようかと思ったぐらい。

それがもうお昼前からどんどん気温が上昇。

わたしは毎日何度も気象台のサイトをのぞく。いま何℃なんだ。去年は何℃だっけと。お気に入りに気象台のサイトを入れている学校事務職員はあんまりいないと思う(笑)。

出ました酒田史上2位の記録が。

38.9℃。

どこに出しても恥ずかしくない記録だけど、本日の全国トップテンにも入らないあたりが凄い。このW台風は、超弩級のフェーン現象を伴っていたわけだ。

さて、それでは酒田における史上1位の記録はいつかというと、1978年8月3日の

40.1℃。

当時、戦後最高と騒がれたものでした。セミはバタバタ落ちるわアスファルトの白線は曲がるわと伝説化していますが、セミはバタバタ落ちるもんだし、当時のアスファルトは質が悪かったんでしょう。

それが今では第20位に後退。歴代トップスリーはすべて今年の記録というんだから……

で、車載の気温計の数字はご覧の通り。動いてるときは40.5℃まで上昇。

生徒は早く帰し、わたしも早めに。でもやってることは裏の畑で枝豆をポチってました。だめじゃん。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする