事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「砂漠でサーモン・フィッシング」Salmon Fishing in the Yemen(2011 GAGA)

2013-01-31 | 洋画

Salmonfishingintheyemenposter 監督がラッセ・ハルストレムで脚本は「スラムドッグ$ミリオネア」の人。主演がユアン・マクレガーとくれば、ひとくせもふたくせもありそうに思える。まあ、ひねってあるのは確かだけれど、意外なほどストレートなラブストーリーでした。

イエメンの大富豪シャイフが、この国でも鮭を泳がせて釣りがしたいと所望。お得意様である彼のために、投資会社はそのプロジェクトを推進する。窓口になったのはハリエット・チェトウォド=タルボット(「LOOPER」につづいてエミリー・ブラントがまたしても!)。彼女は水産学者であるアルフレッド(ユアン・マクレガー)に相談するが彼はとりあわない。

中東情勢が緊迫し、国民からの批判をかわすために英首相広報官であるマクスウェル(クリスティン・スコット・トーマス)は、サーモンフィッシングプロジェクトに注目する。いやいや参加するアルフレッドと、有能なハリエットは次第に……

アラブの首長は強欲、というハリウッド式の先入観を裏切ってみせるあたりがにくい。実はシャイフがめざしたものは、目先の国益のために右往左往する英上層部よりも奥が深かったというひねり。その右往左往をキュートに演じるクリスティン・スコット・トーマスがいいのだ。わたし、ファンなんです。同い年だし。

いつまでも相手をファーストネームで呼べず、「ミス・チェトウォド=タルボット」としか声をかけられないぶきっちょな学者と、彼の真心に遠回りして気づく女性。むかし日テレで石立鉄男がやってそうな甘いドラマに、うっすらとビターな調味料をふりかけた上質の逸品です。

とりあえずわたし、エミリー・ブラント二連発のおかげですっかりファンになってしまいました。釣られたなあ。年齢は、だいぶ離れてますけど。

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マイベスト2012~熟女篇

2013-01-30 | 読者レス特集

Jukujocover 2011年篇はこちら

さあいきますよマイベスト2012。「事務職員へのこの1冊」の読者にとっての2012年ははたしてどんなものだったのでしょう。

◇「熟女ホテトルしびれ旅」 東陽片岡著 青林工藝舎

これはすご~い本(漫画)ですわ。絵が濃いです。

東陽さんという漫画家ですが、2年前に、趣味が嵩じて東京で「熟女デリヘル」を開店し、昨年末に経営難で閉店してます。

詳しくは、彼のブログを観てあげてください。

http://kataoka53.blog.fc2.com/

……こ、これはすごいのから始めちゃったな。東陽片岡という漫画家をわたしは全然知りませんでした。出版社でわかるようにガロ出身。絵は完全に青木雄二系。スクリーントーンぐらい使いましょうよ、というぐらい微細に書きこんでいる。わたし、買いますこの人の本。本屋では恥ずかしいからネットで(笑)

次回は一転して高校球児

熟女ホテトルしびれ旅 熟女ホテトルしびれ旅
価格:¥ 1,365(税込)
発売日:2011-01-30
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「LOOPER/ルーパー」 (2012 米=中)

2013-01-29 | 洋画

Looperimg01 ルールはこうだ。

・2044年が“現在”。その30年後の未来とのやりとりが主題。

・現在においては、人口の10%がテレキネシス(念動)の能力を持つ。

・未来ではタイムトラベルは禁止されている。

・その未来では死体を始末するのがむずかしいため(身体になにかしこまれているらしい)悪の組織は殺す際にもちろん違法で30年前(現在)にタイムトラベルさせる。

・そこで待ちかまえているのが始末屋であるルーパー。彼らは“ラッパ銃”と呼ばれる武器で未来から送られてきた人間を射殺する。

・ラッパ銃の射程距離は短い。

・ルーパーの報酬は、未来から送られてきた銀。しかし金のインゴットが送られるときもある。

・金が意味するものは、射殺した人間は三十年後の自分であること。つまり、その瞬間にルーパーは自分の余生があと三十年であることを悟る。

・自分を始末することに失敗すると……

うーん、なんかめんどくさい映画に思えるかもしれない。でもご心配なく。要するに、ターミネーターを裏っ返したお話なのです。突っこみどころ満載のストーリーを、脚本監督を兼ねたライアン・ジョンソンが才気バリバリで描いて気持ちがいい。

若いルーパーを演じているのが近ごろやたらに売れているジョゼフ・ゴードン=レヴィッド。その三十年後がブルース・ウィリス。ふたりの目的がよじれるラストまで一気呵成。伏線をきれいに刈り込み、とても納得できる結末だった。広がった輪(ループ)が、きちんと閉じる。

ある子ども(すごい子役がいたものだ)がキーになる展開は、日本の某漫画の完全実写化かと思えるほど。ヒロインを演じたエミリー・ブラントがセクシーでまたけっこう。わたしがこの映画を愛するのは、最後の理由がメインかもしれませんが。

Emily_bluntimg01

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「ライフ・オブ・パイ 虎と漂流した227日」Life of Pi(2012 FOX)

2013-01-28 | 洋画

Lifeofpiposterimg01 動物が好きな人の書いた物語だと思う。特に、ネコ好きの。

インドで生まれ育った少年パイの両親は動物園を経営している。新たにやってきたベンガル虎に興味津々のパイは、父親に禁じられているにもかかわらず、ひとりで餌をやろうとする。しのびよる虎。彼は(ちょっとした手違いで)リチャード・パーカーという人間の名がつけられている。飛び込んできた父親は激昂し、息子に告げる。

「動物と心が通うことなんてない。彼らの目には人間の感情が映っているにすぎない」

リチャード・パーカーは残忍に餌である山羊を屠り、静かに去る。

カナダに移住することになったパイ一家は、動物を連れて、まるでノアのように日本船籍の船に乗りこみ、しかしその方舟は難破してしまう。救助ボートに残ったのはシマウマ、ハイエナ、オランウータン、パイ、そしてリチャード・パーカーだった……。

ラストは涙ボロボロ。3Dめがねはこういうとき不便。山形フォーラムで同じ回に観ていたオッサンは、あまりに感動したのか

「もう一回、観ていいかな」

と係員にかけあっていました。

「すいません入替制なんでー」

3Dはどうしても明度が落ちる欠点があるけれど、それを逆手にとって監督のアン・リーは過剰な明るさとトリッキーなテクニックで自然を描き、観る者を圧倒する。トビウオの群舞、クジラの飛翔、難破船の描写など、映画館で船酔いするほどの迫力。

そしてそして、なによりもリチャード・パーカーの存在感がすばらしい。残忍な虎であることと、弱っちい猫の同居。

彼の眼に、パイはどう映っていたのか、単なる食材か、それとも……。

帰ってから、うちの猫が無性に愛おしくなり、固く抱きしめる。彼がわたしを単なる食材提供者としか見ていないとしても、それ以上の何かがあると信じたい。パイとリチャード・パーカーの別れにも、何かがあったはずだ。

たとえそれが、永遠の片思いだとしても。

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八重の桜~第四話「妖霊星」

2013-01-27 | テレビ番組

Shikakeninimg01 前回の視聴率は18.1%。ふむ。当たらずとも……

長谷川京子が兄嫁として登場。わたしはこの人を岡本綾とむかし区別がつきませんでした。中村獅童も出演しているこのドラマに岡本が出たら、それはそれですごいことですが。

ひたすらよく出来た嫁と、型破りな小姑の対比が始まる。だから今回、八重は川で魚を獲ることと、畑によくわからない苗を植えることしかしていない。ここまでヒロインがなにもしないのも珍しい。

「あれは……モロヘイヤ?」と妻。

「まさか……大麻じゃないかな」不謹慎な夫婦。

主人公のまわりが無風であるだけ、だからこそ歴史の動きを存分に描いた回でもある。井伊直弼(榎木孝明)と御三家の対立など、あんなにわかりやすい構図だったのだろうか。

水戸家の伊吹吾郎はともかく、尾張と紀州の金子賢と杉浦太陽は……くわえて松平容保役の綾野剛も、少なくとも肩パッドぐらいは入れてほしいくらい藩主としての威厳が(T_T)

演出はどうやら音を中心に攻めたようで、袴、茶筅がたてるシュッとした効果音が前面に出ている。これからは、銃や刀剣のノイズがもっと露骨に出てくるのだろうか。

すっかり藤田まこと化した林与一が島津斉彬の役で。この人のすごいところは、若いころから演技のスタイルがまったく変わらないことだろうか。「必殺仕掛人」の西村左内役の熱さは、「ルパン三世」の石川五右ェ門そのものだった。可憐だ。とつぶやくほどではなかったにしろ。

その島津斉彬が今回しか登場しないのはもったいない。「柔侠伝」(鹿児島出身のバロン吉元の代表作)で、薩摩藩の事情にくわしくなった世代としては残念。

さて、タイトルになっている妖霊星とはなんだったのだろう。ハレー彗星が期待はずれだったので、唯一満足できたヘール・ボップかな?(ここで検索)ドナティ彗星……って知らないなあ。あ、次に地球に接近するのは3811年。うーん、見ることができるかは五分五分ですね。

今回はホームドラマ。むしろ奏効して19%超えもあろうかと思います。

第五話「松陰の遺言」につづく

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表裏一体のオモテの方。

2013-01-27 | 公務員

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YouTube: LOVE PSYCHEDELICO / Beautiful World (Short Version)

PART1はこちら

駆け込み退職8県で460人 最多は埼玉153人

3月末で定年退職を迎える地方公務員の一般職員と警察官、教員のうち、条例改正による退職手当の引き下げを前に退職したか、退職を希望する人は8県で460人を上回ることが26日、共同通信の集計で分かった。国家公務員の退職手当引き下げに合わせて自治体が減額を始める前の“駆け込み退職”とみられる。

共同通信は47都道府県と20政令指定都市の人事課や道府県警、教育委員会を調査。職種別でみると、一般行政職員が54人、警察官・警察職員が約232人、教員・学校職員が177人。都道府県別の集計で、退職者や希望者が最も多かったのは埼玉の153人で、愛知142人、兵庫約90人、佐賀52人、徳島17人、高知5人、宮崎3人、熊本1人と続いた。

一方、減額時期が1~2月の栃木、群馬、東京、山梨、滋賀、大分は「駆け込み退職はない」と回答した。1月から減額した東京都は、3月末以前に退職する場合は支給額を下げる仕組みがあることを理由に挙げた。

稲継裕昭早稲田大教授(行政学)は「職員個人を責めるべきではない。早期退職が得になる制度をつくった政府や地方自治体こそ問題だ」とした。
2013年1月27日 スポニチ

……話をよく聞いてみると、この問題については

・埼玉県には誕生月退職のシステムが前からあった

・現内閣が大嫌いな日教組傘下の組合員の早期退職は(埼玉では)なかった

・退職後にそのまま期限付きなどの立場で年度末まで勤務する県もある

・年度末まで勤務はするけれどもくやしいとする職員もいるし、やはり怒りのために退職を選択する職員もいた

……こんなところだろうか。さて山形県の山場は週明けにやってくる。なにより計算違いだったのは、こんなおおごとになるとは誰も予想しなかったということだろう。報道があってからたくさんの公務員に会ったけれど、みなびっくりするくらい怒っているし、わたしの事務だよりの反響もけた違いだ。

どうやら、公務員は「どうせ辞めないだろうし、辞めても数は少ない」と、要するになめられていたのだ。やれやれである。

大阪の話につづく

本日の一曲は、love psychedelicoと「任侠ヘルパー」の接点がよくわからない「beautiful world」

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表裏一体。

2013-01-24 | 公務員

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YouTube: 斉藤和義- 彼女

「自分がやってきた仕事に誇りや気概はないのか」

……ある県の警察官が定年退職を前に、他県の早期退職の現状を嘆いている。たとえば尾木ママなる人も「教育犯罪」と嘆じているというが(わたしはそのニュースを検索できなかった)、返す刀でこう言うことができる。

「誇りや気概をもってやってきた人間への、これが仕打ちなのか」

と。冷静になってみよう。今回の各県での提案は

『長く勤めれば勤めるほど不利になる』

形だったわけだ。批判する人たちがよく使う

「民間なら考えられない」

というフレーズを敷衍すれば、今回の動きは、民間なら早期退職を促されたに等しい。だけれども、教員の場合は犯罪あつかい。生徒を放り出すのか、と。

皮肉な言い方になるが、会社員だって責任ある仕事をしていたはずなのに、そちらには理解を示すわけだ。

正直に言えば、140万円という数字が一人歩きしているが、2月3月の給与を考えると、そんなにおいしい事態が待っているわけではない。それでも彼らはがまんできなかったという理解がどうしてできないか。一種の異議申し立てではないか。

今回の話であからさまになったのは、霞ヶ関のずさんな指導(恫喝、と言ってもいい)に、地方が盲従したことのツケがまわってきたということだろう。国が金を出さないってんだから!と各県の財政当局の叫びが聞こえる。

マスコミだってそれはわかっているはずなのに(だから追求は及び腰)、世間の「センセイにかぎって」というムードはおいしいから突っ走る。文科大臣がこの時点で「決して許されざることだ」と気が遠くなる発言をしているのは、そのムードをあおりたいのだろう。

駆け込み退職が、じゃあ体罰問題でゆれる大阪で起きていたら(起きていないはずがない)……わたしはその部分の論議が重要だと思う。このふたつは表裏一体だからだ。以下次号

本日の一曲は、近ごろ聴きまくっている斉藤和義「彼女」。アコースティックバージョンがまた素晴らしいんだけどそちらは見つけられませんでした。わたしは検索が甘い。

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「総理と呼ばないで」(フジテレビ)

2013-01-23 | テレビ番組

Sourikunimg01古畑任三郎」成功の余勢をかって、脚本三谷幸喜、主演田村正和&西村雅彦というドリームチーム再結集。枠は「踊る大捜査線」が終了した火曜9時。田村正和を現役の総理大臣にして……盤石の企画、のはずだった。オンエア(1997年春)前の視聴者の期待値もとても高かったと記憶している。

しかし視聴率は下降の一途。ドラマとしての評価も……当時、その原因として挙げられたのが三谷脚本の破綻。たとえば第一回など、本気でやれば90分は必要な分量をぶちこんでしまったと語られている。

でもね、みんな古畑や「王様のレストラン」を基準にして考えるから意外に思うのであって、実は三谷ドラマは視聴率が望めないことで有名だったのである。「竜馬におまかせ」「今夜、宇宙の片隅で」「合言葉は勇気」……死屍累々じゃないですか。

確かに、「総理~」はエンジンのかかりが遅く、面白くなりはじめるまでが長すぎたかもしれない。しかし後半どんどんボルテージがあがり、特に最終回にいたってはそれまでぶん撒いた伏線をきれいに刈り込むみごとな出来。涙涙です。

三谷のねらいは、

「政治家の虚飾を剥いで赤裸々に描く」

ことの正反対、

「どんな政治家だって最初はこの世の中をよくしようと思っていた時期がある」

だろう。能力も人望もない史上最低の総理が、だからこそなしえた政治改革とはどんなものだったか。うまい。

それに、三谷は政治を描くことと同時に、日本における本当の上流階級を描いてみたかったのだと思う。

その意味でわたしが好きなのは総理が妻(鈴木保奈美)と迷子になってしまった夜に、夫婦漫才をやって糊口をしのぐ「カラオケの総理」の回。日本で(架空の国という設定だけれど)「ローマの休日」をやろうと思えば、これほどのしかけが必要なのかと大笑い。

役者はみんないいが、総理失脚の引き金をひいてしまう首席補佐官を演じた小林勝也がひときわすばらしい。こんな俳優がいたなんて知らなかったなあ。

※ある理由があって山形県人が彼女の悪口をいうのははばかられますが、史上最大のミスキャストとでもいえそうな、鶴田真由の存在はちょっとなあ。彼女だけは、このファンタジーの住人ではなかった。

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「96時間 リベンジ」Taken2 (2012)

2013-01-22 | 洋画

Taken2poster1 リュック・ベッソンの映画を観ていて、イラッとくることはありませんか。

とにかくスピード感ありありで、派手な画面がつづくから退屈はしない。でも「おまえ客をなめてるだろ」と、つい言いたくなる。客のレベルに合わせてつくってるんだよ!って雰囲気がどうしても……。

前作につづいてリーアム・ニーソンが敵を殺しまくるこの続篇にしても、90分というタイトな上映時間はいい感じだし、明らかにジェイソン・ボーンシリーズを意識した(特にスプレマシー)小道具をうまく使ったアクションもすごい。アップルがいくら出資したかと誤解したくなるほど見終わった観客はiPhoneがほしくなるはず。

でもさあ。

息子を殺された恨みのために、なりふりかまわず(でもけっこうマヌケに)ニーソン一家に襲いかかるアルバニア人たち。暴力が暴力を生む連鎖の哀しみが……いちおうそんな理屈なんだけど、これはもう絶対に言い訳。ドンパチを成立させたいだけでしょ。

アジアとヨーロッパの接点であるイスタンブールが舞台なのも、単に意味ありげなだけ。いいのかニーソンこんなんで。父親としては娘に過干渉だから最低だし。

とかなんとか難癖をつけながら、わたしはこの映画を楽しんだ。というのも、わたしは大がつくぐらい妻を演じたファムケ・ヤンセンのファンだから。

大柄な彼女の身体に傷をつけ、ひっくり返して失血を待つ……よほどお好きな方でないとこの設定は思いつかないぞ。よかったなー。あ、こんなことだからリュック・ベッソンになめられるのかー。

Famkejanssenimg01

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「JIN -仁- 完結編」(TBS)

2013-01-21 | テレビ番組

Asoyumiimg01 1stシーズン特集はこちら

TBSおとくいの『映画で着地させる』という手をつかうのではないかと噂されながら、2ndシーズンは完結編としておだやかな形でオンエア。礼儀正しいドラマだったから、似合ったフィナーレだろう。

南方医師(大沢たかお)を幕末にタイムスリップさせた神の意志とはどんなものだったのか、ガイドとなる声は明らかに坂本龍馬(内野聖陽)だが、冒頭に登場した謎の患者は龍馬なのか……というような“大きな物語”はそれなりに見せる。

パラレルワールドやタイムパラドックスなどのおなじみのフレーズを、龍馬の船中“九”策によって後世におよぼした影響一発で理解させてくれたのだし。

でも、「JIN」というドラマ自体が後世に残るのは、むしろ小さなエピソードの積み重ねが上質だったからだろう。子役をつかってテンションを上げ、大人たちが耐え忍び、ここぞというタイミングであの

♪チャララ・ラ~ラ~ララ♪

というテーマ曲が重厚にながれ、視聴者の目から条件反射で涙が噴き出す。このドラマは基本的にこのくり返しなのである。

お正月に涙ぐみながらずーっとみているわたしを冷笑していた妻も、チラ見したのが例の中谷美紀の出産シーンだったので……

「毎回こうなの?」

「毎回こうなの。」

「泣けるわよねこれじゃあ」

大沢、内野、綾瀬はるかの主演トリオもいいが、またしても抑えた演技の小出恵介と、めずらしくストレートな(笑)佐藤二朗が渋い。

惜しむらくは麻生祐未(大ファンなんです!)の出番はもっと多くてもよかったんじゃないですか森下佳子(脚本)シェンシェー!

Jinimg03_2

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