事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

青天を衝け 第33回「論語と算盤」

2021-10-31 | 大河ドラマ

第32回「栄一、銀行を作る」はこちら

放映時間がいつもと違うのはさすがに納得。この国の行方はこの選挙にかかっているからだ。

あ、あなた行ってない?自分の一票にどれだけの意味がある?あー、それは残念でしたね。こんなことを言いたくはないけれども、あなたに政治を語る資格はこれから4年間はない

投票に行かないことが自分の意思表示?選挙に行くのは“関係者”だからかっこ悪い?わたしはあの宗教とは関係ないし、あの党とも関係してない、ジジイババアが動いているのも気持ち悪い?……なんかわかるような気も(笑)

しかし、行くべきだった。たとえ間違った選択をしたとしても、そのことに責任を持つべきだった。自分にとって意に染まない候補者しかいないとしても、少しでもましな方に投票すべきだった。それが選挙民の責任だ。

おっと「青天を衝け」のお話。政商、という存在に考えこまされる。冷静に見れば三井と三菱の激突。大久保利通(石丸幹二)は正直に、「自分に経済はわからん」と告白する。ああもう死亡フラッグたちまくり。

わたしの地元でも政商と呼ばれる人はいて、彼の意向が選挙に激しく反映する。投票するとトンカツが半額になるとか。ホントですよ。わたしはそのことにむかしは嫌悪していたけれど、きわめてまっとうな行動になりおおせていると思う。

もうそんなレベルじゃなくて、若い層が投票に行かないことが普通になってることへの異議申し立てとして有効だ。日本の選挙が旧態依然としたものなのは認める。でも、でもさあ……最後まで青天を衝けの話になんなくてごめん。

第34回「栄一と伝説の商人」につづく

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「非弁護人」月村了衛著 徳間書店

2021-10-31 | ミステリ

機龍警察の新作を読む前に久しぶりの月村了衛。

秋霜烈日を信じた気鋭の検事が上層部につぶされて犯罪者に。以降、弁護士としての活動もできずに(資格なしに弁護活動を行うのは犯罪なのだそうだ)、非弁護人として反社の弁護を陰から支えるという生活に。

そんなとき、パキスタン人の少年から、友だちがいなくなったのを探してほしいと3300円で依頼され、彼はその事件にのめりこむ。

マイノリティ、社会的弱者、下っ端のやくざなどを抹殺する“ヤクザ喰い”と称される犯人がえぐい。そして彼らは裁判で対決する。ここは読ませどころでした。徹底的に普通な人間が強烈なサイコパスであるあたり、なるほどと思わせる。そして、意味不明かと思われた表紙の絵が……

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うまい店ピンポイント 2回目の接種の日に

2021-10-30 | 食・レシピ

高級魚もいただきますよ篇はこちら

「伍長、ラーメン哲と米沢屋。なるほど。根源的なことを訊きます。なんでこんなにラーメン屋に通うんですか」

「そこにラーメン屋があるから」

「え」

「今日は2回目のワクチン接種だからめんどくさいことを言うな」

今朝の体温は36.9℃。わたしとしては高い方だけれど、同僚は39.6℃まで上がったらしいのでまだまだ。解熱剤を息子にもらっていたけれど出番はありませんでした。

でも肩が痛い。なんかだるい。水が飲みたい……単なる二日酔い?

「シャツが消える」篇につづく

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今月の名言2021年10月号PART3 団塊の覚悟

2021-10-29 | 社会・経済

小泉今日子 水のルージュ

2021年10月号PART2「またしても退場する人」はこちら

「僕の父は子どもに対して、こうしろああしろ、これは気をつけろとか何も言わなかった。勉強しろもね。ただ、新聞と本は読めと言われて、新聞だけはいつも読んでいたんです。新聞を通して世の中を見てきた人間からすると、今の時代は広く世の中を見ることが難しくなっているのかもしれませんね。」

岸部一徳が、団塊の世代として若者に失望している発言。実は若い世代はまったく新聞を読まなくなっているのだ。へー。あんなに面白いのに。というか、面白いことを知らないのよね。彼はこうも言っている。

「今の若い人たちは、全体を見て大半の人が選ぶ方を選択するんです。100人のうち90人が右だったら、自分は左に行くという人は少ないんじゃないでしょうか。」

逆目にはる判断は、広い視野がなければ確かにむずかしいかもしれない。ネットやテレビの扇情的な報道に一喜一憂するだけでは……

本日の1曲は筒美京平の傑作「水のルージュ」久しぶりに聴いてまいったと思いました。化粧品企業どんだけヒット曲を出せるか戦争の渦中にあった作品。

もちろん松本隆の詞と筒美先生の曲もすばらしいんだけど、大村雅朗のアレンジにクラッと。小泉今日子は違うけどあの頃のCBSソニーの音だなあとつくづく思う。享年46才。なんてことだ。

2021年11月号PART1「紙の本」につづく

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今月の名言2021年10月号PART2 またしても退場する人

2021-10-28 | 国際・政治

元ちとせ「ワダツミの木」 / HAJIME CHITOSE「WADATSUMI NO KI」 MUSIC VIDEO(FULL)

2021年10月号PART2「退場する人」はこちら。

PART1「退場する人」はこちら

「ただ私の国を見守るのみ。党派にはもう関心がない」

先日亡くなったパウエル元国務長官の、トランプ支持者らによる連邦議会乱入事件を受けての発言。彼は共和党の政治家でありながらオバマを支持したし、党派よりもトランプ主義と非トランプ主義の分断というアメリカを憂えていたとも読める。

本日の1曲は元ちとせの「ワダツミの木」

正直に言うと、わたしがクミアイの情宣でデビューしたのはこの曲のおかげもあったと思う。

こんなのを載せたのである。

「凄いのが出てきたなー」

「うん、凄い。」

ロック好きの同年代の教員と飲んでいて、このヴォーカリストの話になる。奄美大島出身。民謡コンテスト最年少優勝。おいおい、民謡ポップスかよ。

若い頃からロックばかり聴いていた我々にとって、民謡だの演歌だのははっきりと唾棄すべき存在だった。

しかし日本人の内には、確実にこぶし、だの節回し、に呼応する部分があるのだろう。そこを不意に一撃された気分。

「何ぬるいことを言っとるか公務員どもがーっ!」

からんできたのは同い年の銀行員。こいつもロック好き。

「入行してすぐに営業のために『ああ上野駅』(by井沢八郎……上野はおいらの心の駅だぁ~♪)を歌わなきゃならなかったオレの無念がお前らにわかるかーっ!」

すまん。しかし何も泣かなくても。

……2021年、あきれるほどのスピードでその銀行(っていうかみんなの)支店統合は進んでいる。うーん。

PART3「団塊の覚悟」につづく

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今月の名言2021年10月号PART2 退場する人

2021-10-27 | 大河ドラマ

庄内空港開港30周年記念事業 ブルーインパルス展示飛行 庄内地方上空

PART1「投票」はこちら

「憲法を大事にしてほしい。国が近代国家として成り立つ根本が憲法だ。これを尊重しなくなった国家はバラバラになる。改正すべきは改正すればいい。戦後の経緯はどうであれ、我々の憲法だ。その憲法を大事にしてほしいと願っている。」

政界を引退した大島理森衆院議長の発言。この人が自民党にいたからこそ、まだ日本の政治の劣化は少なからず押しとどめられたと思う。日教組の集会にもやってきて演説し、その内容に大うけしていたこともあったっけ。わたし、好きでした。

で、この発言が誰に向かって放たれたかは自明。この9年間、憲法をないがしろにする首相が続いたことへの異議申し立てだ。

PART3「またしても退場する人」につづく

本日の画像はブルー・インパルス。庄内空港開港30周年記念。「DUNE」を見て外に出たら、駐車場にいる人たちがみんな上を向いている。ありがたいありがたい。

でもあまりの渋滞に帰るまでに1時間半もかかってしまいました。ありがたいありがたい。

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「八本目の槍」今村翔吾著 新潮社

2021-10-27 | 本と雑誌

秀吉に仕えた小姓組の若者たちが、のちに賎ケ岳の七本槍と呼ばれ、それぞれの道を歩む。彼ら一人ひとりの物語。

加藤清正、福島正則のように歴史に名を刻んだものもいれば、ある事情で埋もれていくものも……そして関ヶ原。彼らすべての心の中に、石田三成という人物がいる。

怜悧で人情がわからないという石田のイメージをくつがえす作品。ま、戦国時代にそこまで先を読んでいた人間がいたとは思えませんが。冒頭、朝鮮帰りの面々が三成への悪罵を重ねているというつくりもうまい。ほんと今村翔吾って面白いなあ。

大河ドラマ「真田丸」でおなじみ、大蔵卿局がどのような設定になっているかにもびっくり。わたしはあのキャストで考えちゃうのに(笑)

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今月の名言2021年10月号PART1 投票

2021-10-26 | 大河ドラマ

VOICE PROJECT 投票はあなたの声 (秋元才加 安藤玉恵 石橋静河 小栗旬 コムアイ 菅田将暉 Taka 滝藤賢一 仲野太賀 二階堂ふみ 橋本環奈 前野朋哉 ローラ 渡辺謙

2021年9月号PART5「気楽な稼業」はこちら

「何しろ、コスパもいい。有権者にとって投票はタダですから。」

五野井郁夫・高千穂大教授が「個人的なことは政治的である」ことを主張。

そして、少なくとも日本映画を愛する人ならこのメンツがこれだけの発言をする時代になったことをうれしく思うだろう。にしてもすごい人たちが賛同したんだなあ。

PART2「退場する人」につづく

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「DUNE デューン/砂の惑星」DUNE:PART1 (2021 WB)

2021-10-25 | 洋画

ドゥニ・ヴィルヌーヴは際立って特異なセンスをもった映画監督だ。近年の作品では

「ボーダーライン」における、空港まわりの凹凸だらけの道路を走るコンボイを組んだハンビーの上下動。

「メッセージ」に登場する「殻」の浮遊感と、同時に異様な物体に見えるヘリコプターの描写

「ブレードランナー2049」における、ひたすらに巨大な女性の映像と人間との対比

……こんな監督が、「砂の惑星」を映画化したというのだ。期待しないほうが無理。さぞや好き放題の画面をつくっているだろうと思ったら、予想以上でした(笑)。

砂に覆われた星アラキス。しかし宇宙飛行に必須の物質である「スパイス」を産することで争いの中心となる。先住の民と共存しようとする新任のアトレイデス家だったが、前任のハルコンネン家や皇帝の策謀により、壊滅させられる。生き残ったアトレイデス家のポールが追いつめられていく過程がこのPART1。

砂の中を猛スピードで進むサンドワーム(砂虫)、浮遊するハルコンネンの当主、宮崎アニメから飛び出たかのような飛行機(下降するときは翼をたたんで滑空する)、そして身体を衝撃から守るシールド……

実はものすごいオールスターキャストです。ついこの間「レミニセンス」で美女ぶりを見せつけたレベッカ・ファーガソンが主人公の母親役(母子相姦的なシーンもある)で、「スパイダーマン」のMJ役のゼンデイヤが謎の少女、顔をあまり見せないけど帝国の黒幕がなんとシャーロット・ランプリング!ドゥニ・ヴィルヌーヴは女優の趣味がいいからなあ。

対して男の方は「牯嶺街少年殺人事件」のチャン・チェン、「アクアマン」のジェイソン・モモア、ジョシュ・ブローリンデイヴ・バウティスタハビエル・バルデムとキレッキレ。満足して映画館を出たら庄内空港開港30周年とかで上空をブルーインパルスが。これもドゥニ・ヴィルヌーヴのお導きでしょうか。

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青天を衝け 第32回 「栄一、銀行を作る」

2021-10-24 | 大河ドラマ

第31回「栄一、最後の変身」はこちら

辞表を叩きつけるお話。実は山形県でも似たような事例があって、当時の(それはそれはひどい上司だったらしい)への異議申し立てとして多くの病院関係の職員が一斉に退職したことがあったの。

わたしはそれを知って「かっこいー」と思いました。公務員として最後にできる手段ってそれだし、わたしはそれを使う機会を逸した。そんなドラマティックな場面がなかったのは幸い。

渋沢栄一と同時期に大蔵省を辞したのが井上馨(福士誠治)。この人よくわかんないんだよなあ。伊藤博文とのコンビでいつも考えられてるから。これから渋沢と彼は深い関係になっていく。んで、「龍馬伝」で弱気な悪党だった三菱の岩崎弥太郎(中村芝翫)が新興の悪役として登場。この役は歌舞伎役者じゃなきゃだめなのか。

母の臨終に立ち会う栄一。

「栄一、寒くないかい?」

んもう、この時点でわたしは泣いています。そして嫁を呼び

「千代、すまなかったねえ」

と謝罪する。その前に千代は妾であるくにを呼んでいる。つまりは、息子の行いすべてに関してあやまっているのだ。

大河ドラマの主人公の母親を演ずるのが和久井映見という時代に至った。およそ家庭向きではない男と結婚したあたりの不幸は本人も覚悟の上だったろう。でも、いい女優になりおおせていることで安堵するところもある。いや向こうもいい役者なんだけどさあ。

で、栄一がつくった銀行がいまひどいことになっているんだけどそれは別のお話。

第33回「論語と算盤」につづく

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