事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「アリータ:バトル・エンジェル」Alita: Battle Angel(2019 FOX)

2020-08-31 | 洋画

「フォール」と呼ばれる地球と火星との間の没落戦争から300年。地球は、かつて数多く存在した空中都市のなかでただひとつ現存するザイアと、その廃棄物で埋もれる地上との分断された世界となっていた。

医師ダイソン・イド(クリストフ・ヴァルツ)はその廃棄物のなかから少女の頭部の部品を見つける。そのなかでは、脳がほぼ完全な形で機能していた。

イドはさまざまな部品を寄せ集めて……な展開はもちろんフランケンシュタインの怪物をいただいているし、夜中に出かけて血を浴びて帰ってくるイドは切り裂きジャックのようでもある。だいたい、イドという名前からして、娘を愛しすぎた「禁断の惑星」の自我を引用しているのだろう。

ジェームズ・キャメロン製作、ロバート・ロドリゲス監督というこの豪華な布陣の映画は、このような映画的お遊びに満ちている。ラストはほとんど「タイタニック」だし、ザイアに迎え入れられる唯一の方法であるモーターボールというスポーツ、というか格闘技は「ローラーボール」(75年……02年のリメイク作は大コケ)そっくりだ。

イドの死んだ娘の名前、アリータと名付けられた少女は、そのモーターボールにおいて頭角を現わし……

とにかく画面が派手。スピード感もはんぱない。これは映画館で見るべきだったなあ。北米の興行成績がいまひとつだったのは、わたしが映画館で観なかった理由といっしょだろうか。アリータ、ちょっと気持ち悪くないですか?

原作は日本の漫画。そちらのビジュアル的引用にちょっと失敗したのではないだろうか。にしてもこれだけ面白い作品はめったにない。

グリーンブック」「ドリーム」のマハーシャラ・アリ、「ノア」のジェニファー・コネリー、そしてノンクレジットだけど大物も出ていますよ。

 

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麒麟がくる 第二十二回 京よりの使者

2020-08-30 | 大河ドラマ

第二十一回「決戦!桶狭間」はこちら

え、再開?NHKのアナウンスって少なかったような。まあ、あれから首相の辞任表明とかいろいろあったからなあ。現首相の治世において、確実に低下したのはNHKの価値。“信用できない語り手”なのがあまりにもあからさまに。

でもNHKには大河がある。簡単な客ですわたし。前回が桶狭間だったのでちょうど区切りはよかった。さあこれからどんな展開に?

うわ、そこへ飛びこんできたのが地元出身の眞島秀和(小泉進次郎そっくりです)のコロナ陽性報道。だいじょうぶなのかなあ。米沢に帰省しないでね眞島、とかリクエストされているんだろうな。

これから出番は減っていくのか。いやいや、光秀の娘を抱きかかえるという設定は、のちの細川ガラシャの登場を予感させる。光秀の次女であるお玉はちゃーんと後の舅になついてるのね。

さて、その細川藤孝の要請にしたがい、剣豪将軍義輝(向井理)に会う光秀。無力であることを嘆く彼に、光秀はある提案を。

越前で飼い殺しのような立場にいる明智光秀が、どのようにして歴史の表舞台に出てくるのかはよくわかっていないらしい。

脚本の池端俊策さんはそのあたりを強く意識したのだろう。家族に豊かな暮らしを提供できず、しかし志だけは高い、よく考えればこのまま埋もれていっても不思議ではない男をどう浮上させるか、うまく考えてあります。

はっきりと無名に近い存在である光秀よりも、無名そのものであるお駒の展開はドラマ的に自由。門脇麦はいつものように師匠の堺正章とケンカし、大和に向かう。なぜかというと、伊呂波太夫(尾野真千子)が大和に行くのでついて行くことにしたから。なぜ伊呂波がそうなったかと言えば、松永久秀(吉田鋼太郎)が伊呂波を口説いたときに

「だれか“みついで”おる男がおるのか?」

おー、これは“みつひで”のことかと思わせて(笑)、大和で地味なお坊さんが登場。のちの足利義昭(滝藤賢一)だ。駒は彼と出会い……なるほど。

第二十三回「義輝、夏の終わりに」につづく

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福田雄一で酷暑をしのぐPART2 「新解釈・日本史」(2014 MBS)

2020-08-30 | テレビ番組

PART1「斉木楠雄のψ難」はこちら

ひょっとしたらこうであったかもしれない(と福田雄一が考えた)日本史のエピソードの数々。すべてムロツヨシが主演しているのでどのような具合かはご想像のとおり。

織田信長は本能寺で切腹したくなくてグズグズしているし、西郷隆盛桂小五郎(木戸寛治と改名したことでひとギャグあり)の会談の場で、坂本龍馬はコーディネーターとしてまったく無能だったとか……

笑ったのは石川五右衛門の処刑前日の回で、釜茹での刑を五右衛門は熱湯コマーシャルと同じレベルでしか考えてなかったあたり。しかも釜に入っているのはお湯ではなくて油らしいと聞いて

「……から揚げ?」

あはははは。まあ、衣をつけたりしたらそれはそれで怖いけどね。

非常に濃いキャラの予備校講師、金谷俊一郎さんの解説がDVDにはついてて「そうであったかもしれない」度を星の数で採点。10回でこのドラマが終わったことをこの人がいちばん残念がってました(笑)。

PART3「聖おにいさん」につづく

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ふたたび、退場

2020-08-29 | 国際・政治

井上陽水 最後のニュース

最初の退場はこちら

・消費税率を10%に引き上げ

・集団的自衛権の限定行使を認める安全保障関連法を整備

・特定秘密保護法の成立

・テロ等準備罪法の成立

・平成の天皇陛下の退位を実現

・環太平洋経済連携協定(TPP)の発効

今日、首相退陣表明を受けて読売新聞が一面に掲げた安倍内閣の「成果」だ。7年8ヶ月に及んだ第二次安倍内閣がやったことってこんなこと。

保守派メディアとして、ここはどうしてもアベノミクスを筆頭に挙げたかったところだろうが、そのすべてが雲散してしまったのでさすがに無理だったか。異次元緩和と称してのちの世代に巨額の負債を残し、実現したのは株高だけという経済政策(その名に値したのか)を、歴史はどう評価するだろう。

スキャンダルの連続の日々でもあった。モリカケはもちろん、この米中緊迫の時期に防衛大臣が稲田朋美だったらと思うとぞっとする。主要閣僚に重鎮を常にあてたので、入閣待機組を、その能力もないのに登用したつけがどうしても回ってきた。

病気の人を悪く言いたくはない。しかしこの治世で最悪だったのは役人の質を低下させたことだ。忖度、という言葉が独り歩きをはじめたが、要するに政治家におもねり、平気で嘘をつき、記録を残さなければそれでいいとする風潮は確実にこの内閣によって醸成されたものだ。

そして、日本人は何度も何度もこの人を選挙で勝たせてきた。

その要因は彼のわかりやすさにあると思う。堅牢な霞が関とタッグを組んだわかりにくい政治に飽いていたとしても、もう少し質のいい政治家を選択する道はあったはず。

遠い太平洋の向こうで、やけに威勢のいいことしか言わない大統領と日本の首相がとても仲がいい(少なくとも安倍晋三はそう思っているはず)のは、どんなに拙劣な政治をおこなっても支持が底堅い共通項があるからだろう。今度は、アメリカがどんな選択をするかだ。

にしてもこれだけは。少し、息苦しさが薄れました

今日の1曲は井上陽水の「最後のニュース」。安倍晋三を支持する人たちは、この歌や筑紫哲也に代表される何かを壮絶に嫌っているだろうが。

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検診結果2020 あるいは首相辞任のことなど。

2020-08-28 | 健康・病気

2019年バージョンはこちら

そうですか首相が辞任ですか。病気なら仕方ない。ゆっくり養生してください。まかりまちがってもまた復帰しようなんて考えないでね。

この人の治世についてはあらためて特集するけれど、この人は「子どもみたいな人」じゃなくて「子どもそのもの」だったんじゃないだろうか。

オトナとしての“ため”がないのがどうにも。

さあわたしの検査結果。悪化の一途。去年の中性脂肪の値が66で、今年は850ってどういうことだよ。

それに血圧の高いのには我ながら呆れる。ん、待てよ。これはすべて問診票を忘れたので大急ぎでうちに帰ったりしたからの異常に違いない。そうだそうだそうに決まった。まあ、毎日ウィスキーをボトル半分飲むような生活のせいだけどさ。医者、行きたくないなあ。子どもか

2021年バージョン「小っちゃくなってますわたし」につづく

 

 

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福田雄一で酷暑をしのぐPART1 「斉木楠雄のψ難」(2017 SONY)

2020-08-27 | 邦画

あっつー。こんなときは、福田雄一の脱力的世界が最適ではないでしょうか。ムロツヨシ的佐藤二朗的というか(笑)。

ということでまずは映画「斉木楠雄のψ難」を。

マンガの実写化に出すぎと自分で言っていた山崎賢人が主役。そしてもちろんムロツヨシと佐藤二朗も登場し、ゆるーいギャグが連続します。

ほとんど表情を見せない楠雄が盛大につっこむので、まわりが遠慮なくボケております。特に橋本環奈のはじけっぷりは「銀魂」の神楽級。この子、本当に美人なのにどこまでやってくれるんだか。

あぶない同級生役で新井浩文が登場。あぶないあぶない。そして、実はヤンキーという役で賀来賢人。「今日から俺は!」の種はまかれていたんだなあ。

PART2「新解釈・日本史」につづく

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「兵器を買わされる日本」東京新聞社会部 文春新書

2020-08-26 | 国際・政治

第2次安倍内閣になってから、防衛費は肥大化し続けている。それはみんな知っていることだし、内閣のタカ派的体質が背景にあるのだろうと誰だって思う。東京新聞で「税を追う」とする調査報道キャンペーンを開始した取材班のトップもそう考えていた。

ところが、数字を追っていくと、どうも内情はもっと情けないことに気づかされる。FMSという存在が大きかったのだ。

Foreign Military Sales 「対外有償軍事援助」

民間の商社を介在せず、アメリカ政府が窓口となる政府間取引。特にトランプが米大統領になってから増額の一途。現場が要望していない兵器をアメリカの言い値で買い、おまけに維持費も高額。自動車の関税引き上げをちらつかせるトランプのご機嫌をうかがうために、むしろ日本の首相のほうが意欲的でもあるようだ。

その結果、どうなったか。

防衛費が硬直化し、自衛隊員の待遇は悪化。なにしろトイレットペーパーを使用する長さまで制限し、超過分は自費で購入する例まであるそうだ。

おまけに、防衛省はアメリカへの支払いに汲々とし、“兵器ローン”のために当初予算だけではまかないきれず、補正予算に支払いを忍びこませるという裏技が恒常化……

つまりは、愛国的な装いが特徴の現政権が、実に売国的であることがあからさまになっている。日本人の税金が、毎年じゃぶじゃぶとアメリカに渡っているのだ。

ん、するってぇとFMSの代表選手であるイージスアショアの配備をよく断念できたよな。河野防衛相の決断だったにしても、アメリカべったり、というかトランプべったりの首相がそれを認めたということは……どうやら日本もようやくトランプ落選の可能性に思いが至ったということか。

にしても、この本に登場する役人たちの姑息なこと。だいたいFMSのSalesを「有償援助」と訳すセンスが……

東京新聞はほんとうにいい仕事をしている。「税を追う」は2019年日本ジャーナリズム会議大賞を受賞。取材班には「新聞記者」の望月衣塑子も。

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「ジャニーズと日本」矢野利裕著 講談社現代新書

2020-08-25 | 芸能ネタ

日系二世であるジャニー喜多川が、GHQ関係者として日本に持ち込んだのがまずは野球であり(ジャニーズは少年野球のチームから生まれた)、そしてショービジネス。つまり、ジャニーズとは第一にアメリカそのものだったという記述に賛同する。

だからこそ、日本への誤解もあり、奇天烈なグループ名や、コミックソングすれすれの曲の多さが理解できる。所属タレントをあまりにもおしゃれな存在にしないあたりの案配はおみごと。

そこからはみだしたのがSMAPであり、だから彼らはジャニーズへの批評として大きな存在だったわけだ。

この書が出たのは2016年。SMAPの解散騒動の渦中。その後、彼らは離散し、なんと嵐までが……そして、ジャニー喜多川も逝ってしまった。これからあの事務所はどうなるのだろう。わたしはハングリーな滝沢秀明を後継者にしたことを妙手だと思うが。

さて、音楽的な部分についての考察は著者がDJなのでさすが。ただ、どこかに違和感は残る。おそらくジャニーズとはどんな批評もうけつけない部分があり、だからこそ強いのだと思う。あそこのタレントが次々に意思を持ち始めたことに懸念を抱く向きも多いようだが、わたしはさほどの影響はないだろうと思う。

ん、そうでもないのかな。嵐という巨大な存在がなくなると、少なくとも音楽業界での影響力は低下するだろう。ちょっと心配。心配する義理はないけれども。

今回の亀梨和也山下智久への扱いには批判も多い。ちょっと言わせてもらうと、同じようなことをやった手越には何も同情しない。タレントに道徳を求めないわたしの判断基準は彼らが魅力的かどうか、話はそれだけです。がんばれ修二と彰

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うまい店ピンポイント 饗応とか接待とか海鮮丼の食べ方とか。 八角

2020-08-24 | 食・レシピ

とみ将篇はこちら

わたしも年令を重ねたので接待とかを受けることもある。

土曜日は新庄の八角。和食のお店。

ほんとうは新庄名物の鶏モツラーメンをいただくはずだったんだけど、わたしはチキンが食べられない。

「鶏モツラーメンのお店に行って、鶏モツラーメンを食べなきゃいいじゃないですか」

そりゃそうだけどさあ。んで、実際に行ってみたら鶏モツで有名な一茶庵とか末広とかは、おいしいんだけどエアコン効かせてないんだって。どんな伝統だよ(T_T)

というわけかどうかは知らないけれども八角に変更。海鮮丼メインの定食をいただきました。

非常においしい。で、みなさん海鮮丼ってどう食べます?お醤油をダーッとかけてワシワシ食べるのって礼儀知らずなんですのよ。

ちゃんとネットで紹介されてました。

海鮮丼には、必ず醤油やタレを入れる小皿が提供されます。ここに醤油やタレをまず注ぎ入れ、その後、海鮮丼に載っているネタを順番に取り皿の醤油につけた後、もう一度丼の上に戻してご飯と一緒に食べるのがマナーです。この方法で、ご飯に醤油やタレが浸らず、ネタにしか付着しないので醤油やタレを吸いすぎずに味が損なわれません。

ああめんどくさい(笑)。いや確かに他の人がいっしょの時はそうしてるけど、ひとりの時はお醤油ぶっかけてます。どうもすみません。

運動会の代休は味龍だ篇につづく

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コード・ブルーその4

2020-08-23 | テレビ番組

その3はこちら

山下智久の祖母は、自分が育て上げた孫を見ても認識することができない。そして、金銭に異様に執着している。

車椅子に祖母を乗せ、病院の売店に連れていく山下。祖母は狂ったようにお菓子を買い物かごに入れ続ける。

「ばあちゃん、そんなに食べられないだろ?」

「耕作(山下のこと)はひとりでがんばってるんだよ!がんばったらいっぱいお菓子を買ってあげるって約束したんだ!耕作はがんばってるんだよ……ばあちゃんは、こんなことしかできないんだよ」

絶句する山下。仲間たちもふたりのやりとりを遠くから見ている。

常にクールで、それまでニコリともしなかった山下は、祖母を抱きしめて泣き崩れる……ここで泣けない奴は人間じゃねえ!

こんな感じで、毎回毎回泣かせの連続。

ん、こんなパターンのドラマ、前にもあったぞ。そう「JIN-仁-」だ。あの精緻な森下佳子脚本は、ワンパターンとのそしりをおそれず、堂々の泣かせドラマを構築していた。あのテーマソングが流れると自動的に涙が流れるほど(マジ)。

さあコード・ブルーはどうだろう。脚本は林宏司。これまで「医龍」や「離婚弁護士」「ハゲタカ」などのヒット作を書いた人だ。このドラマではミスチルの「HANABI」が流れ

♪もう一回もう一回♪

で条件反射的に涙が。簡単な客だよおれはよ。

林宏司は近ごろ話題になった朝ドラ「エール」の降板劇でも有名。実は「コード・ブルー」も途中で降りているんだけどそれはまだ先の話。

シーズン1を見終えて、まだリリー・フランキーは出てこない。早くシーズン2を見なくっちゃ。ちょっと待っててね。

ということで2nd シーズンにつづく

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