監督:スパイク・リー
主演:デンゼル・ワシントン ジョディ・フォスター ウィリアム・デフォー クリストファー・プラマー
もうちょっとユーモアがあれば……しかしスパイク・リーがめざしたものは違う映画だ。政治的であることを隠そうともしていない。だからこそすごいオールスターキャストが組めたのだろうし、なにしろスパイク・リー自身がすげーブランドになっているからなあ。クライブ・オーウェンがまことにいい味を出している。題名が意味深。
うちの奥さんもこの映画がお気に入り☆☆☆★★★
監督:スパイク・リー
主演:デンゼル・ワシントン ジョディ・フォスター ウィリアム・デフォー クリストファー・プラマー
もうちょっとユーモアがあれば……しかしスパイク・リーがめざしたものは違う映画だ。政治的であることを隠そうともしていない。だからこそすごいオールスターキャストが組めたのだろうし、なにしろスパイク・リー自身がすげーブランドになっているからなあ。クライブ・オーウェンがまことにいい味を出している。題名が意味深。
うちの奥さんもこの映画がお気に入り☆☆☆★★★
監督:ポール・マクギガン
主演:ジョシュ・ハートネット ブルース・ウィリス モーガン・フリーマン
「お前がいかにも好きそうな映画だ」とすすめられる。いかにもそのとおり。残虐でコミカルな「ユージュアル・サスペクツ」。主演女優がルーシー・リューである必然性は感じられないけれども。
わたしにはブルース・ウィリスの脚本選択方針がよくわからない。とりあえず“ちょっと変”な作品には出ておこうとでも考えているのだろうか。それはそれで立派……かなあ。
どんなに人が死んでも、ハートネットのキャラで現実感なし☆☆☆★★★
監督:塩田明彦 主演 妻夫木聡 柴咲コウ 中井貴一
アジアっぽいCG(皮肉であり、同時に賞賛でもある)は好き。妻夫木と柴咲コウのコンビもいい感じだ。意外なオールスターキャストのなかで、わたしはやはり土屋アンナの化け物っぷりが気に入った。妙にウェットで、しかしドライでもある画調は、文句なく手塚治虫のもの。封切りで観るべきだったか。
原作は子どものころ秋田書店の「冒険王」でリアルタイムに読んでいた。百鬼丸が魔物を倒すたびに失われた身体を取りもどすという設定は、妙にエロチックで怖かったなー。映画はあの“痛い”感じだけは描けなかったようだし、娯楽指向だから描くつもりもないのだろう。続篇はどうなるだろうか。手塚作品は同性愛的性格が強いので、どろろを女性に演じさせたのは娯楽大作として正解なのかも。
よく考えたら柴咲コウって近ごろ普通の役やってないんじゃないか?☆☆☆★★
防災担当者篇はこちら。
「オレの正規の勤務は夜の11時半までなんだ。」
先日までパンチパーマだったオヤジは飲み屋で語り始める。
「だからまだ仕事中なんで飲めないんだよ」ルックスに反して彼はウーロン茶を飲み続けている。
「たいへんだねー。」
「ひどいときは午前4時ぐらいまで働いてる。さあ、オレの商売はなんでしょう」
「うーん……コンビニ?」
「違う」
「……ホテル?飲食店関係?」
「惜しい。正解は『第一興商』の営業でした」
「第一興商?DAMじゃん!」
第一興商もDAMも知らない読者のために解説しよう。第一興商とは通信カラオケの業界最大手であり、そのシステムがDAM(Daiichikosho Amusement Multimedia)なのだ。深夜のテレビなどで土屋アンナのCMがさんざん流れているのでご存じの人も多いと思う。カラオケBOXのビッグエコーが第一興商グループだったのは知らなかったけど。
「でもさ、通信っていうけど、衛星のやつは雨なんかが降るといきなり画面がざらついたりするんだよ。だから実際は電話回線でやってるところがこの辺は多いんだ。するとさ、メンテナンスが必要ってことでオレの出番になるわけ。パソコン使った裏技で修理するもんだから、他人にはまかせられないし。」
「ふーん」
「飲み屋のママさんたちってさぁ、いくら夜が遅くても、たとえそのときに故障を直せなくても“とりあえず顔を”出しておかないとすぐ別の業者に乗りかえちゃうんだよ。」
「なるほど、なるほど。」
「それに前の商売の馴染みでもあるから、どんなにしんどくても『今行く』ってことになるんだよなー」
「前の商売?」
【夜のお仕事Ⅱにつづきます!】
事務職員部報05年11月7日号「丸の内~日教組中央動員特集より」
日比谷公園をもっともいきいきと描いたのは吉田。徹底的に擬体化して描き、そして広告畑出身者らしくそれが何のメタファーかを考えるすきも与えない。野音に次々に吸い込まれていく組合員の群れは、確かに血液に見えました。
それにしても久しぶりの東京では迷いまくった。なんで今オレは聖橋の上でボーッとしていたり(前日に事務職員部長会があったので御茶ノ水に泊まるハメに)、帝国劇場の前をウロウロしてるんだ、とため息。スタバでひと休みしたりする。目的地に到達する“力”が衰えたのかなあ。
「でもあなた、東京に住んでたんでしょう?」
まわりの組合員から思いきりバカにされたけれど、貧乏な学生には帝劇だのティファニーだのはまったく無縁の存在。四畳半と吉野家とマクドナルドと……ううう泣けてきた。
グレタ・ガルボの美しさに文句のある人はいないと思う。ニューヨークのどこかで静かに生きていた彼女は、美女という概念がおそろしく変化した近年の映画を、どんな思いで観ていたのだろう。
「ニノチカ」Ninotchka (‘39 米)
監督:エルンスト・ルビッチ 脚本:ビリー・ワイルダー 主演:グレタ・ガルボ
ソ連からパリにやってきたガチガチの共産党員ニノチカ(ガルボ)は、プレイボーイの伯爵と出会い……テンポが遅かろうがモノクロであろうが、ウィットに富んだ会話の妙は古びない。グレタ・ガルボの美しさには目がくらむ。左翼少年だったころに、このユーモアが理解できただろうか。
反共を主張するなら、このぐらいの余裕がほしいよね☆☆☆★★★
「細雪」(‘83 東宝)
原作:谷崎潤一郎 監督:市川崑 主演:岸恵子、佐久間良子、吉永小百合
邪悪と無垢の共存する三女を演じた吉永小百合がすばらしい。この人、いつもの被害者演技を捨てれば、もっともっと大女優になりえたと思うんだけど。年齢を重ねるにしたがって美しくなる希有な女優。佐久間良子がこんな器用な芝居ができる人だとも思わなかった。つまり、監督がうまかったのだろう。女々しい婿役の石坂浩二もけっこうけっこう。画面の美しさも圧倒的。
要するに『和風の邪悪な若草物語』☆☆☆☆
「レディ・イン・ザ・ウォーター」(‘06 米)
監督:M.ナイト・シャマラン 主演:ポール・ジアマッティ
展開のかったるさに早送りしそうになる。すべてをアパートの住人だけで解決しようとするストーリーにはさすがに無理があるぞ。アメリカ版「めぞん一刻」か。でもなにかこの作品には心惹かれるものがある。おそらくは二十年前ならヒロインに選ばれるはずもないブライス・ダラス・ハワードのくせの強いルックスのせいだろうか。
なさけない独身男をまたしてもポール・ジアマッティ好演☆☆☆★
映画俳優であるということは、作品ごとに自分の顔を記録し、後世に伝えることができるわけだ。美男美女の基準は時代によって変遷するので、具体的な画像が残るのはいいことばかりではないだろう。これが伝説だけなら、今ならただの下ぶくれかもしれない小野小町の美女あつかいは永遠に続くわけだし。しかし、今回特集するのは、死後数十年たっても匂うような美しさで魅了し続ける美男の系譜だ。
「新平家物語」(‘55 大映)
監督:溝口健二 出演:市川雷蔵(清盛)、久我美子(時子)、千田是也(頼長)
三部作の第一部。物語としてちょっとはずまない感じだけれど、平清盛の青年時代がまさしく武家の台頭と軌を一にしてあたり、歴史ものとしては面白い。まあ、吉川英治の原作を読めばすむ話なのだろうが。市川雷蔵の若武者ぶりはいい。
毒婦役の木暮実千代の艶っぽさにクラクラ☆☆☆
「雨月物語」(‘53 大映)
監督:溝口健二 出演:森雅之、京マチ子、田中絹代
いったいどうやって撮ったんだろう、というカットが随所にみられる。大映技術陣のレベルの高さが知れる。それにしても森雅之。亡霊も惚れる色男という設定がこれほど似合う俳優もいない。京マチ子がアイドル顔であることも再確認。
マジで金がかかったに違いないモブシーンなど、映画黄金期でなければ……☆☆☆☆
「ときめきに死す」(‘84 ヘラルド・エース=にっかつ)
監督:森田芳光 原作:丸山健二 出演:沢田研二、杉浦直樹、樋口可南子
捨て駒であることに我慢できずに自決するテロリスト。微妙な題材だけど沢田研二にぴったりな役柄。彼を世話する闇医者に杉浦直樹。絶対に彼でなければならなかった、と思わせるぐらいの演技をみせる。クルミの伏線はみごと。丸山健二の原作とはずいぶんと違ったテイストだけど、こりゃ確信犯でしょ。それにしてもジュリーは綺麗。
「涼しいですね」と連発されるセリフが空気感を伝える☆☆☆★★★
クドカンの脚本集を読み続けている。とにかくこの人のホンは読んでも面白いのが特徴で、脚本単体で読まれることを極端に嫌う三谷幸喜とはそのあたりがかなり違っている。ことの善し悪しではなく。
「鈍獣」
笑わせる。乙葉は何を考えてこの強烈な作品のキャスティングをうけたのだろう。え?映画化は真木よう子と南野陽子で?
女優魂をゆさぶる何かがあるってことなのかなあ☆☆☆★★★
「ロケット・ボーイ」
どうしてこう面白いのだろう。むしろ脚本の姿であることで、映像化されたTV版よりも天才の爆発を実感できる。織田裕二の負傷をものともしなかったあたりの、商売人としての才能(それは演劇人としての才能でもあるはず)もすごい☆☆☆☆
「親ゆび姫×占っちゃうぞ」
天才の片鱗。磯山晶Pがどれだけ太っ腹に宮藤をカバーしたかもよく理解できる処女テレビ脚本集。栗山千明の親ゆび姫って見たかったなあ☆☆☆★★
「七人の恋人」
ライブで阿部サダヲにあのテンションで攻められたら観客は簡単に“落ちて”しまうだろう。読みものとしていつものように面白いかというと……☆☆☆★
「やあ宮藤くん!宮藤くんじゃないか!」
おまけ。宮藤のDJトークを書籍化。下ネタもここまで連発されると一種の芸術(笑)。彼のライフワークがまさかDJだったとは(^o^)
☆☆☆★★★