事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

今月の名言2021年9月号PART3 クールな声

2021-09-30 | アニメ・コミック・ゲーム

【予告】10/1公開『ルパン三世 カリオストロの城』4K+7.1ch〈同時上映〉『ルパンは今も燃えているか?』│"LUPIN THE 3RD "THE CASTLE OF CAGLIOSTRO"

2021年9月号PART2「Nスタ!」はこちら

「ルパン。俺はそろそろずらかるぜ。あばよ」

「ルパン三世」の最新テレビシリーズから、次元大介役を降りることになった小林清志さんのコメント。ああ、さみしい。ファースト・シーズン(そんなしゃらくせえ呼び方はなかったけど)を日曜19:30から見ていたのでつくづく。

思えばこのシリーズのレギュラーは、

ルパン三世……山田康雄→栗田貫一

石川五エ門……大塚周夫→井上真樹夫→浪川大輔

峰不二子……二階堂有希子(柳生博の奥さん)→増山江威子→沢城みゆき

銭形警部……納谷悟朗→山寺宏一

と変遷しているが、次元役だけは小林さんが一貫していたのである。

彼が次元役に選ばれたのは、モンキーパンチの原作においてジェームズ・コバーンをイメージしていたため、「荒野の七人」でコバーンを吹き替えていた縁。あの映画でのコバーンは、「七人の侍」の宮口精二がスライドしたもの。クールな感じや死に方が共通。

縁といえば、新しい次元役の大塚明夫は、初代五エ門だった大塚周夫の長男。攻殻機動隊のバトーうん、ぴったりかも。

にしても、名作「カリオストロの城」におけるルパンとのやり取り。

「どっちにつく?」

「女ぁ!」

「だろうな」

……は不滅。

PART4「配信の背信」につづく

コメント (4)
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「ヴィンテージガール 仕立屋探偵 桐ケ谷京介」 川瀬七緒著 講談社

2021-09-30 | ミステリ

目打ち貸してくださーい」社会科教師が事務室に来て。

「メウチ?」

「これですよこれ」

「これ……千枚通しじゃないか」

「それはそうだけど、目打ちって言いません?業界用語かなあ」

お裁縫関係でよく使う言葉らしいのだ。かくのごとくわたしは家庭科全般に弱い。学校事務職員になっていなかったら、ピンキングばさみだのボビンだのチャコだのの存在すら知らずにいただろう。だいたい運針すらできないぶきっちょ野郎ですから。

そんなわたしが「仕立屋探偵」なるサブタイトルのミステリを読む……無謀でしょうか。いやいや、とても面白かったです。

考えてみれば、その世界に通じていないと面白がれないようだと医療ミステリや、あらゆる犯罪小説が楽しめなくなってしまう(わたし、犯罪は確かやってないと思います)。特に、川瀬七緒は法医昆虫学捜査官シリーズでおなじみ。あの圧倒的な昆虫学への傾倒を、お裁縫方面に敷衍したら……

というより、川瀬は文化服装学院の出身でデザイナーでもあるので、むしろ本領を発揮するエリアなのかもしれない。

小さな仕立屋を営む(うさんくさい本業は別にあるのだが)桐ケ谷京介は、該博な服飾の知識と、美術解剖学によって、その人物が着ている服の様子で病気や暴行の有無まで見抜く能力をもっている。そんな桐ケ谷は、テレビの公開捜査番組に映し出された10年前の少女殺害事件において、被害者が着ていたワンピースを見て不審を抱き……

ファッションの変遷、織りの様子などから警察が気づかなかった少女の身元に迫っていく桐ケ谷。用語のほとんどをやっぱり理解できませんでしたが、こりゃすごい。続篇を希望します。今年、家庭科教師の要望でミシンを買うことになったのはそのせいではありません。

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今月の名言2021年9月号PART2 Nスタ!

2021-09-29 | テレビ番組

Daryl Hall - Dreamtime

PART1「ばか負け」はこちら

「ま、ここまで一挙手一投足、生中継で伝える必要があるのかという皆さんの懐疑的な声もこちらに届いてきそうではありますが」

27日放送の「Nスタ」(TBS)における井上貴博キャスターのコメント。まったくである。よそんちの結婚話に一喜一憂(というより一憂一憂だが)してどうしようというのだろう。

にしてもNスタはすばらしい。井上貴博とホラン千秋に山内あゆ(ハーフだったとは知りませんでした。回文づくりが趣味なのは知ってたけど)がからむと独特の雰囲気が生まれる。星浩や今村翔吾などのコメンテイターも充実。意味がよくわからない泉ピン子のエネワンや、どこの訛りかよくわからない(福島らしい)夢グループの社長のCMまでが愛おしい。本気ですよ。

ま、それでもご愛敬なミスはしょっちゅうで、嵐のW結婚報告の第一報の字幕が「嵐の櫻井翔と相葉雅紀が結婚!」……日本でも同性婚が認められたかと思いました。

本日の1曲はダリル・ホールの「ドリームタイム」。

ソングライターとして絶対の自信がある人物が、別の人間にプロデュースを依頼する……デイブ・スチュワートはその期待に応えています。

PART3「クールな声」につづく

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「任侠学園」(2019 エイベックス)

2021-09-29 | 邦画

やくざの方法論で学校を経営したらどうなるか。今野敏の原作を、西島秀俊(代貸)と西田敏行(組長)で映画化。

ことなかれ主義の職員たちと、それに反発する生徒。その間に“本音しか言わない”やくざが介入することでさまざまなトラブルが。しかしなんと丸く収まっていく。

もちろんこれは一種のファンタジーだけれども、そういえば熱血教師の方法論とやくざのそれって似てるかもな、と気づかせてもくれる。意外なほどに学園ドラマ的色彩が強かった。

生瀬勝久と池田鉄洋のTRICKコンビが再現されていてうれしい。監督はそのTRICKや「99.9 刑事専門弁護士」「屍人荘の殺人」の木村ひさし。拾いものです。

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今月の名言2021年9月号PART1 ばか負け

2021-09-28 | 国際・政治

What's Your Name_××× - LUV 2 SHY

9月号PART7「二刀流」はこちら

にかく言葉にしない、語らない。菅義偉首相からは何を目標にしているのかということを全く聞けない1年だった。それは菅首相が単に口下手なのではなく、そもそも理念やビジョンがなかったからだと思う。」

京都大学の落合恵美子教授。

「『安全安心』なんて、本来当たり前ですよね。あまりにもそればかりだから、周囲はばか負けしてしまうんです」

コラムニストの能町みね子氏。ちなみに、ばか負けというのは相撲用語で、相手にあきれはててこちらがばかばかしくなり根負けする、という意味。

「官僚そして国民にとって、菅義偉政権以上に悪い政権は、今後、生まれないだろうと思いたい。」

ご存じ、元文部科学省官僚の寺脇研氏。

……いやはやボロクソに言われております現首相。

それでもついこの間まで、わたしは再任されるのだろうと思っていたし、世間もそう読んでいたわけじゃないですか。それがもう坂を転がり落ちるように支持率は下がり、地元の横浜市長選では惨敗。強気で攻めていた人間が弱みを見せるとここまで叩かれるか。

この人の特徴は(そしてそれは前首相の特徴でもある)、あからさま、という点だ。官僚の人事に露骨に介入し、「パンケーキを毒見する」でも活写されたようにマスコミにも恫喝的に接する。オトナのたしなみとしてそういうことは恥ずかしくてできないはずだが(あるいはオモテに出ないようにやるか)、安倍~菅体制は恬として恥じることはなかった。

自民党の総裁選にわたしはあまり興味はないが、どう考えてもいちばんまっとうな候補が最下位に終わりそうで、極右と言っていい候補が前首相からプッシュされている状況を見ると、ああこの党はすっかりゴリゴリの保守党になってしまったんだなと思う。

きっとあからさまなことがこれからも続くんだろう。とりあえず、ばか負けしないように気をつけよう。

本日の1曲はLUV 2 SHYの「What's Your Name×××」

m.c.A.Tこと富樫明生の才能が爆発した曲。スナックでこれをひとりでカラオケで歌っていた女性がいたのには本気で驚いた。やるなー。

PART2「Nスタ!」につづく

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「吉田豪の巨匠ハンター」毎日新聞出版

2021-09-27 | アニメ・コミック・ゲーム

プロインタビュアーとして絶妙の冴えを見せる吉田豪。今回はアニメ界の巨匠たちにディープに語らせている。ちょっと前に「吉田豪と15人の女」(白夜書房)というアイドルインタビュー集も読んで、んもうおじいちゃんも娘っ子もなんでも来いだなこの人は、と堪能。

とにかく相手のふところに飛び込んで、その本音(語りたくて仕方がないけれどもこれまで黙っていたこと)を引き出すテクニックたるや。だいたい、タイトルからして巨乳ハンターのもじりなのだから泣かせる。

さて、わたしが驚いたアニメ業界の(往時の)事情とは……

富野由悠季

「かすかに僕のやろうとする意味をわかってくれる人が出てきたときも、その人と僕は馬が合わなかったために、結局は手を組めなかったんです。それが鈴木敏夫さん」

「(「海のトリトン」のラストを原作から変えて)シナリオライター全員と大ゲンカして、それ以降彼らとは一切仕事ができなくなりました。」

「テーマ曲のほうもとんでもない歌手を(プロデューサーの西崎義展が)連れてくるわけです」

それが翌年に「神田川」が大ヒットしたかぐや姫。

……そうだった。なぜかエンディングテーマはかぐや姫だったんだよな。ボーカルはのちの「すどうかづみ」としてウィークエンダーで有名になった須藤リカだったの。

松本零士

「昔、朝日新聞西部支社の前に住んでて、で宣伝部に松本清張さんがいたんですよ。『おまえ、漫画描いてるんだって?これやる』ってサザエさんもらったんですよ。その斜め前には萩尾望都さんの家があるんですよ」

「短気なことは短気ですけど、我慢するときは我慢します。」

その昔、宇宙戦艦ヤマトがオールナイトニッポンで特集されたとき、明け方にやってきた松本は「こんなところに来たくはなかったんだ!」と激怒していました。短気です(笑)。

っていうかみんな西崎義展を恨んでるんじゃないか。

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青天を衝け 第28回 篤太夫と八百万の神

2021-09-26 | 大河ドラマ

第27回「篤太夫、駿府で励む」はこちら

かつて「新選組!」で共演した勘定方河合役の大倉孝二と、武田観柳斎役の八嶋智人が、収録中にしみじみ語り合った話はもうしましたね。

「考えられるか。NHKの大河ドラマで、俺たちのツーショットだぞ……」

なんとキャストのトメが今回は大倉孝二ですっ!

いい時代になったなあ。大隈重信役の彼と、渋沢篤太夫の二人芝居がメイン。へらず口において初めて栄一を上回る人物の登場。早稲田大学出身のみなさんは納得してくれましたか(笑)。

大隈だけでなく、新政府がらみの有名人たちがこれから大挙して登場するはず。前島密(まえじまひそか)って郵便の人だよね。1円切手のあの人。

それからね、見逃せないのは大隈夫人を演じたのは朝倉あきという女優なんだけど、どっかで聞いたことのある名前……「かぐや姫の物語」でヒロインの声をやった人じゃないですか。こんなに綺麗な人だったのかあ。他にも、慶喜の正室の美賀君のお付きの者がやけに色っぽいとか、大河ドラマの底力を感じさせる。すみませんそういうことばかりが気になって。

幕臣の誇りをもって新政府に出仕する篤太夫。それは慶喜の後押しがあってのこと。そしてついに篤太夫という一橋家から与えられた名前を捨てて渋沢栄一という名で生きることを宣言する。

実際にはこんな展開ではなかったことが容易に想像できるんだけど、これから渋沢の「どてらい男(やつ)」篇が本格的にスタート。明治政府が“儲ける”人材を切望していたのは確かだと思います。そしてそれはいつの時代でもいっしょなんでしょう。

次回からはようやく栄一の名で語られるお話になる。篤太夫って名は、やっぱりどうだかなあ。いや今でもいたら申し訳ないんだけど。

第29回「栄一、改正する」につづく

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「ぼくのおじさん」(2016 東映)

2021-09-25 | 邦画

「コタキ兄弟と四苦八苦」がむやみに面白かったので、山下敦弘監督作品をチェックしていたら、なんと北杜夫原作のこれを見逃していた。しかも主演は松田龍平。どうして見ていなかったんだろう。

生活力も運動神経もまるでなく、兄の家に居候する哲学者。甥っ子をだしにお小遣いを稼いだりする知恵はある。まあ、高等遊民である。明治期の高等遊民を描いた夏目漱石原作の「それから」に主演したのは龍平の父、松田優作だったなあ。

あちらの主人公は壮絶な悲恋に突き進むが、こちらのおじさんは日系四世のエリー(真木よう子)にひとめぼれ。金もないくせにハワイまで追いかけていき……

ひたすらにゆるい物語。気持ちいいです。どうやら主人公は北杜夫自身がモデルらしい。子役たちがいい味をだしているし、兄夫婦が宮藤官九郎と寺島しのぶという無駄な豪華さ(笑)

北杜夫にしても、井上ひさしにしても、どうにも山形ゆかりの巨匠たちが忘れられがち。そういえば自分も読んでいない。久しぶりに読んでみようか。

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うまい店ピンポイント 墓参りはいきました きよ

2021-09-25 | 食・レシピ

お留守番の「仁」篇はこちら

「昨日はお墓参り。妻の父方の墓のすぐ近くにあった『きよ』へ」

「伍長、わたくし申し上げてもいいですか」

「なんだ」

「そういう親戚づきあいとかもできる人だったんですね!」

「たまにね」

……そういうことが苦手だからなあ。

にしても、寺がどのように仕舞うのかがこんなに如実に現れるなんて。母方の方は寺自体がまったくなくなり、

「駐車場だいじょうぶだったっけ」

「それどころか」

敷地のほとんどが駐車場。ちゃんと除草している人がいるみたいで安堵。

逆に、父方はすんげー威容を誇っている。いろいろと考えさせられます。

あ、「きよ」はもちろんおいしかったです

ってことで函太郎最新篇につづく

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「レミニセンス」Reminiscence(2021 WB)

2021-09-24 | 洋画

環境破壊と戦争のために水没しつつある世界。退役軍人のニック(ヒュー・ジャックマン)は、かつては拷問の道具だった記憶(レミニセンス)潜入装置を使い、記憶を再現する商売で糊口をしのいでいる。ある犯罪者の捜査に協力し、記憶を探っていると、そこにはニックにとってのファム・ファタル(運命の女)の姿が……

水浸しのマイアミという設定がまず泣かせる。水しぶきをあげて疾走する列車は「千と千尋の神隠し」のようだし、乾いた土地が金持ちに占有されているという世界観もSFではおなじみのものだ。タンクのなかで水(羊水的なツール)にひたり、深層心理にたどり着くのはケン・ラッセルの「アルタード・ステーツ」を想起させます。

しかしこれらのSF的意匠をはぎとってしまえば、この映画はきわめてまっとうなハードボイルドミステリだ。

生活に疲れた探偵が、性悪かもしれない美女を探す過程で理不尽な暴力に遭遇する。卑しい街を行く孤高の騎士。ヒュー・ジャックマンはまさにはまり役。おまけに彼を愛する助手の女性が射撃の達人というのも憎い。

製作は兄のクリストファー・ノーラン作品で脚本を書いていたジョナサン・ノーラン。脚本と監督はジョナサンの奥さんのリサ・ジョイ。冒頭のつぶやきがラストに効いてくるあたり、この夫婦は周到。

運命の女を演じたのはレベッカ・ファーガソン。凄腕の助手はタンディ・ニュートン。どちらも美女でなければ成立しないお話なのでこのキャストは正解。で、この二人はどちらも「ミッション・インポッシブル」でヒロインを演じている。トム・クルーズはそのあたりしっかりしてるもんなあ。

さて、このお話にどんな決着をつけたかと言うと……うわ、そう来たかあ。なぜ、「記憶」というタイトルにしたかが判明し、観客はしみじみ。もちろんわたしもしみじみ。

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