事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

今月の名言 2010年3月号~朝が弱い人

2010-03-31 | うんちく・小ネタ

Ubukata05 2010年2月号~Who are you? はこちら

「朝が弱いから」

小沢一郎を批判して副幹事長を解任されそうになった生方幸夫議員の発言。国対担当なのに、今国会での国対会合29回のうち、3回しか出席していない理由がこれ。
そのくせ解任騒ぎのときは早朝からテレビ出演をこなしているあたり、いいタマである(笑)

要するにこの人は小沢一郎の権力も先が見えた、と判断して“逆目”にはっているわけだ。政治家として、ひとつのあり方だとは思う。冷静な政治家なら、小沢だけに保険を掛けておく愚は避けたいところだ。しかし、小沢叩きのスタンピードの尻馬に乗っているともいえるわけで、どうにも嫌な感じだ。例のスキャンダルにおいては、検察も、小沢一郎も、民主党も、みんな評判を落とした。しかしいちばん落としたのはリークでしか語れない姿勢が如実になったマスコミではないか。やれやれ。

「ラッキー!」

子ども手当によって、外国人登録をしている外国人の親も、母国に子どもを残している外国人も受け取れることに「喜んでいる友だちがいる」イラン人タレント、ランディ・マッスルのコメント。

子ども手当法に問題があることは確かだが、この手の「ためにする」報道の数々にはあきれる。外国人がこんなに喜ぶ法案を通すなんて、やっぱり民主党は国賊だという印象を植え付けたいのだろう。

ばらまきでは経済効果がないという理屈にはこう返しておこう。企業の国際競争力のために、なんて理由で上からじゃぶじゃぶ企業への優遇政策をとってきて、果たしてどれだけの効果があった?みんな内部留保に向かい、そしてリーマンショックでそれが吹っ飛んだだけではないか。小泉=竹中路線に辟易している国民相手に変な報道を続けていると、なめんじゃねーよと思われますよ。

2010年4月号「記憶せよ、抗議せよ、生き延びよ」につづく

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「スタンド・バイ・ミー」Stand by Me

2010-03-30 | 洋画

Standbyme03 酒田港座の3月上映会は、「市民ケーン」の不入りを別にすれば(笑)楽しい会だった。わたしは3時と6時の上映につきあったが、例によって入口で客引きをしていると(向こうの方では酒田唯一のキャバレーが同じようなことをしています。うれしい)、年配の方々が自転車でやってきて

「この『恐怖の報酬』って、あれか?ニトログリセリンの」

「はい、そうです。イヴ・モンタン主演の。観てってくださいよ。」

「そう言われちゃなあ」

てな感じで入場してくれる。終わったあとも

「ん。名作だ。やっぱりこりゃ面白い」

と満足してくれてこちらも満足。もっとも、観客が年輩者だけだとさみしいので、「スタンド・バイ・ミー」には若いお姉ちゃんたちも来てくれたのでホッ。

ほぼ二十年ぶりに観た「スタンド・バイ・ミー」は、やはりほぼ二十年ぶりに泣いてしまった。四人の少年たちはそれぞれに抱えきれない傷を負っていて、死体さがしの旅という非日常のなかでその傷は少し開いてしまう。いきなり泣き出したリバー・フェニックスの告白に泣けない人はいないはず。彼の実人生ともダブるしね。

父親に愛されていないトラウマに悩む少年が、確実にオトナになった瞬間があの鹿との出会いであることも再確認。すばらしい作品だった。

主人公の兄がジョン・キューザック。不良のトップがキーファー・サザーランドと、今だと超豪華キャスト。タイトルを聞いて、誰でもがベン・E・キングの歌を想起するはず。どこでそれをもってくるのかと思えば最後の最後にドン!って感じ。うまい。「ぼくのそばにいてくれ」という歌詞が、悲痛な叫びに聞こえました。

「人情紙風船」は……つづきます

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刑事コロンボを全部観る~Vol.18「毒のある花」

2010-03-29 | テレビ番組

Veramiles03 Vol.17「二つの顔」はこちら

 経営が危うくなっている化粧品会社の社長ヴィヴェカ(ヴェラ・マイルズ)は、起死回生のヒット商品を手にしようとしていた。皮膚のしわを驚異的に取り去るクリームの試作に成功したのである。しかしヴィヴェカの元愛人だった研究員は、もてあそばれた過去を恨んでライバル会社に試作品を売り渡そうとしていた。激昂したヴィヴェカは顕微鏡で研究員を撲殺してしまう……。

 原題Lovely But Lethal(愛らしいけれど致命的な)にふさわしい華やかな事件。に見えて実は地味ぃな化学ミステリでもある。ツバメ的な存在だったであろうことがうかがわれる若き研究員はなんとマーティン・シーン。翌年に出演するのがあの名作「地獄の逃避行」であり、5年後には「地獄の黙示録」で主役をはるまでにキャリアアップ。いまではすっかり大統領役が板についているけれど、このころ(73年)はこんな端役にあまんじていたとは。

 衝動的に顕微鏡をつかみ、ヴィヴェカがふり下ろしたのは巨万の富を生み出すであろう化学式が存在する研究員の頭だった皮肉。そのために、残った試作品は貴重なものとなる。

 この作品の特徴は、犯人と、その犯人を追うコロンボに同じ症状(手がかゆくなる)が出るあたり。追いつめられた犯人は、そのために貴重な試作品を海に投げ捨てるが、コロンボがめざしたものはそれではなかった……。

 虚飾の街ロサンゼルスに、化粧品業界はよく似合う。

「アメリカ中の女が化けるために使う金は、かなりのもんらしいからね」

と朴念仁のコロンボはあきれるが、しかしそのために欲望はうずまき、死者は研究員だけではすまなくなってしまう。二人目の被害者(ライバル社の社長秘書)もたいしたタマであり、毒のある花が、けっしてヴィヴェカだけではなかったことがわかる。

 妖艶なヴェラ・マイルズは、さすがヒッチコックの「めまい」で主役をやる予定だった(妊娠したために降板)だけのことはある美しさ。熟女好きにも、たまらない回です。

Vol.19「別れのワイン」につづく

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龍馬伝~第13話「さらば土佐よ」

2010-03-28 | テレビ番組

Shimazakiwakako02 第12話「暗殺指令」はこちら。まさか今回のタイトルは「さらば友よ」をもじったわけじゃ……福田靖ならありうるか。

前回の視聴率はまさかの17.7%(笑)。ドラマ全体でも「曲げられない女」の最終回におよばず……ってあのドラマにとって最後の最後にそのくらいの勲章はあってしかるべきじゃろ。日テレのあの枠はたまーにホームランかますんだよな。

さて、大河ドラマまでワンクールなんてスパンでドラマをかますのかと思わされるけど第一部終了。確か三谷幸喜も「ワンクールのドラマを四つ書くつもりで」と「新選組!」のときに言っていたので、脚本家として福田靖も同様のことを考えていたのかな。

「ふたりで(こどものときに)雀を見送ったあのときとは、もう違うがぜよ」

同じものを見ていたとしても、人は同じ人生を送るわけではないという武市半平太の述懐。龍馬と半平太は、確かにこれから違う人生を歩むことになる。龍馬は脱藩し、武市は下士の総領として土佐に残って吉田東洋を……

“女性に庇護される龍馬”というコンセプトは全開。家族ひとりひとりに「ごめんちや」と感謝をささげる龍馬の姿は別れの季節である3月末にぴったり。わたしも息子が東京に出ていくのでシンクロされて少ししんみり。

父親である麿赤児の弟子筋である田中泯を暗殺させる武市に大森南朋をキャスティングする冴え。同様に、土佐でさまざまな屈託を抱え続ける女性に奥貫薫と島崎和歌子を選ぶセンス。NHKは、いつのまにこんなに鋭いキャスティングをするようになったのだろう。

裏にフィギュアがあったり、イッテQのスペシャルがあったので視聴率的には苦しい。前回以下ということはないだろうけれど19%前後か。

次回「お尋ね者龍馬」につづく。ついに勝海舟登場。あの人が演じるのだから暑苦しそうだなあ。

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「20世紀少年<最終章>ぼくらの旗」(2009 東宝=日本テレビ)

2010-03-28 | 邦画

20cbmm 原作の特集はこちら

第1章の特集はこちら

第2章の特集はこちら

ようやく最終章を鑑賞。なにが意外だったといって、思ったよりラストが原作まんまだったことだ。そう来るか。

この長大な物語のつらいところは“ともだち”が世界を滅ぼそうとする動機だ。誰もが理解できるはずだし、だからこそ主人公であるケンヂへの感情移入がむずかしいのではなかったか。
しかし映画にはキャスティングという技があるためにそのあたりをうまく処理している。最後の最後に“あいつ”をもってくるとは。

あのライブを実現するためにだけ(でしょ?)、高橋幸宏を起用する無茶ぶりひとつとっても、このプロジェクトがいかに金がかかっているかが理解できる。

三部作をとおして最高のキャスティングが小泉響子役の木南晴夏であることはゆるがないが(笑)、他にも春波夫役の古田新太、コンチの山寺宏一などが泣かせる。そして、こんな馬鹿げた事業の屋台骨を、最後まで支えた唐沢寿明、豊川悦司、常磐貴子は、俳優としてのステップアップを確実に果たしたと思う。“超大作”って、実は大変だったはずだし。

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「ロードショーが待ち遠しい~早川龍雄氏の華麗な映画宣伝術」藤森益弘著

2010-03-27 | 洋画

Theexorcistposter 興味深いエピソードが掲載されている。

出版社のサンリオが(「ガープの世界」の)原作本を邦訳して出版するということで、編集者が試写を観たいと言ってきた。数日後、その編集者ともうひとりの青年が応接室で待っていた。部屋に入ると、その全然知らない青年は、アーヴィングの「ガープの世界」の原書を読んでいた。その映画の試写を観た青年がすごく気に入った様子だったのを見て、試写会のプレス用にコメントを書いてくれるように頼んだ。青年は快く引き受けてくれた。

「その青年が、村上春樹さんでした。とても感じのいい青年でした。村上さんにはそれから試写会の案内状も出すようになりました。時々、奥様といっしょに見に来てくれましたよ。」

ワーナーの宣伝部にこの人ありと言われた早川氏(素人のわたしですら聞き及んでいたぐらいだ)の聞き書き。ワーナーブラザーズは、わたしの世代にとっては「燃えよドラゴン!」「エクソシスト」「タワーリング・インフェルノ」の三連発でおなじみ。ごひいきの会社でもあった。

現在は「ハリー・ポッター」などでメジャー感ありありだが、むかしは準メジャーという立ち位置だったのではないか。作品も暗黒ものやB級が多く、だからこそ宣伝部としても苦労が絶えなかったろう。そんなワーナーが健在で(何度も買収されたりもしたが)、パラマウントとユニバーサルを扱っていたCIC(のちのUIP)が姿を消すとは……栄枯盛衰。

にしても、宣伝部の仕事の大きな部分をスターの接待が占めていて、早川氏がそのあたりが得意中の得意であるあたりは笑えた。勘所には確実に戸田奈津子さんもいるのである(笑)。

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わたし怒ってます~阿久根PART7

2010-03-25 | インポート

PART6はこちら

阿久根市長、県立高の生徒処分に異議唱え介入

 鹿児島県阿久根市の竹原信一市長(51)が、運動部所属の男子生徒を大会出場禁止とした県立鶴翔高(阿久根市)の生徒指導について、「(指導を)変更しないならブログやメディアに出す」と同校に迫っていたことがわかった。

 棈松(あべまつ)和成校長によると、同校は今年2月、校内のトイレでたばこを吸うなどした複数の生徒を処分。問題となった生徒は喫煙生徒と一緒におり、喫煙は否定したが、「周囲の喫煙を黙認した」として、今月下旬から始まる大会への出場を禁じた。

 今月18日になって、同校に竹原市長名で出場禁止撤回を求める県知事あての文書がファクスで届いた。電話で改めて説明を求めた校長に対し、市長は喫煙を否定した生徒を出場禁止にすることはおかしいと主張。「出場禁止を変更するのか、しないのか」と迫り、応じなければ自分のブログへの掲載やメディアへの情報提供をすると告げた。校長は「構わない」と答えたという。

 棈松校長は「校則に基づき、過去にも同様のケースで出場を禁止した。市長が関与してくる話ではないはず」と当惑している。(2010年3月20日19時57分  読売新聞)

……公私混同の典型例。高校の処分について、わたしだってしっくり来ないものを感じる。が、話の筋道がねじれ曲がっている。問題点はまたしてもてんこ盛り。

・市長がこの処分を知ったのはなぜか。

・高校へのファクスが県知事宛になっていたのはなぜか。

・恫喝に応じなかった校長の真意は。

要するにこういう経緯だったのではないか。処分をうけた生徒に関連する誰か、あるいは義憤を感じた誰かが

『市長ならばなんとかしてくれる』

と竹原市長に連絡。その市民と同様に義憤にかられたか利害関係があったかした市長は「設置者である県知事にこういう文書を送るぞ」という意味でファックス。あるいは実際に送ったのかもしれない。

日ごろマスコミを相手にしていないかのようにふるまっているにもかかわらず、メディアに情報提供するとの発言は笑わせてくれるが、つまり阿久根市長は、自身のブログやマスコミを、恫喝のツールとして認識しているのだ。さすが《ブログ市長》。

それ以上に、阿久根市民のあいだで、市長の独裁的ふるまいが一種の権威と映っているのかと哀しい。かくして、市民の常識がねじれ始めていることが知れる。なんてことだ。

……やはりどうしたってPART8につづく。

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「めくらやなぎと眠る女」Blind Willow,Sleeping Woman 村上春樹著 新潮社

2010-03-25 | 本と雑誌

Blindwillowsleepingwoman01 誰もが認める短篇小説の名手である村上春樹の「象の消滅」につづくグレイテストヒッツVol.2。

短篇にはどう“編む”かという楽しみがあることが理解できるお得な本だ。お値段も24篇の傑作が収められているのに1400円!

久しぶりに読む「ニューヨーク炭鉱の悲劇」(初めて読んだハルキ・ムラカミ)「蛍」(「ノルウェイの森」の原型)などに、違った味わいが感じられてうれしい。

初読のときよりもこちらも歳を重ねたので、なるほどこんなシンボライズをやってるわけか(「カンガルー日和」)、とも読めてきた。酒田が出てくる「品川猿」が、小説において固有名詞をどう使うかという実験をやってたんだな、とも。

それにしてもまとめて読むと(平明に見えてあまりに濃密なので一日に2~3篇しか読めませんでしたが)、登場人物たちの住む世界が、あまりにもの悲しいことに驚かされる。お得意の“損なわれてしまった人生”が、実は回復不能であることを前提にしているかのようだ。それでいて、ページを閉じれば静かに世界に立ち向かおうという気持ちにもさせられる。さすが、名手。

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刑事コロンボを全部観る~Vol.17「二つの顔」

2010-03-24 | テレビ番組

Missionimpossible3rdseason Vol.16「断たれた音」はこちら

 今回の犯人はマーティン・ランドー……とくれば「スパイ大作戦」(ピーター・グレイブス追悼)。例によって変装しまくるのかと思ったら、なんと双子として登場。何度もお伝えしているように、ミステリには双子と中国人は登場させてはいけないのである。読者を混乱させてしまうからね。もしもそのタブーを使うとしたら……おっとネタバレになってしまう。

 軽薄な料理研究家と、謹厳実直な銀行家というあざとい色分けの双子を、ランドーは気持ちよさそうに演じている。DVDの特典によると、彼はアクターズ・スタジオに2000倍の競争率を勝ち抜いて入った実力派(同期はなんとスティーブ・マックィーン)なんだとか。「エド・ウッド」の助演男優賞は遅すぎたオスカーだったわけだ。

 今回も寝不足で登場するコロンボ。現場の警官から「お気持ち、よくわかりますよ」と同情されるも「そうかい?自分じゃ何にもわかりゃしない」と言いつつ、勝手に浴室に入ってタオルを使ったことから犯行のヒントをつかむのだからしぶとい。

 計画はこうだ。財産をすべて翌日結婚する若い妻に遺そうとする富豪を、甥(ランドー)は入浴中に電気泡立て器を入れて感電死させる。その後、トレーニングルームのエアロバイクに乗せることで心臓麻痺に見せかける。しかしこの犯行にはある“特徴”があった……。

 若妻が「おヌードじゃなぁい?」と声をかけるあたりの時代性と、なにより額田やえ子の翻訳が泣かせる。

 倒序ものであるコロンボだけれど、めずらしく『双子のどちらが犯人なのか』という興味でひっぱる。オチはルシアン・ネイハムの名作「シャドー81」に……おっとまたしてもネタバレか。

 グラハム・カーがやっていた「世界の料理ショー」(東京12チャンネル)をモデルにしたようなテレビ番組にコロンボがひっぱり出されるシーンはひたすら笑える。どう見てもアドリブなのであり、ピーター・フォークとマーティン・ランドーの実力派ぶりがたっぷりと味わえるのだった。だよなスティーブ(このギャグをわかってくれる人って少ないだろうなあ)。

Vol.18「毒のある花」につづく

Spy02006

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わたし怒ってます~阿久根PART6

2010-03-23 | 社会・経済

PART5はこちら

<阿久根市>公共工事「不自然な入札」 反市長派が批判
3月19日 毎日新聞

 鹿児島県阿久根市の竹原信一市長(51)の親族が経営する建設会社が、市発注公共工事の指名競争入札で、最低制限価格とわずか1円差で落札していたことが19日分かった。最低制限価格は市長が決めるため、反市長派市議らは「不自然な入札だ」と批判している。

 竹原市長は05年12月の市議就任までこの会社の社長で、同社によると、現在も社員。毎日新聞は市総務課を通じて市長に取材を申し込んだが、同課は「市長は何も答えなかった」と答えた。

 工事は市総合運動公園の施設整備で、2月26日に9社が入札。同社が最低価格446万476円を1円上回る価格で落札した。予定価格は公表されるが、これに対する最低制限価格の比率は市長が決める。この工事は85%で、1社は最低制限価格を下回り失格した。

 この問題を巡っては、反市長派市議が一般質問で追及する予定で、通告していたという。しかし、市長の出席拒否で質疑は行われていない。

 市長が指名業者の社員であることについては、これまでの議会で反市長派が「不正の恐れがあり辞めるべきだ」などと追及。市長は「私は不正をしない」などと答弁している。

……竹原市長が“社員”となっている会社の現社長は市長の妹。自衛隊を退官して会社経営にいそしんできたのが竹原市長本人なのだから、どう考えてもこの会社の経営に市長の意向がはたらいていないはずがない。そうでなかったとしても、市長が市の公共工事の入札に“参加している”かのように見えることに問題はないのか。ましてや、入札の結果はご覧のとおりなのだ。それにしても臆面のない金額。他社もかなりきわどい金額だったらしいので、竹原治世下における阿久根のモラルハザードはすごい。

 前から主張しているように、竹原市長に「公」「私」の区別は存在しない。境界線がぼやけているとかそんなレベルではなく、区別しようという意志そのものがないのだろう。これは危ない。

 公私ともにその人間のすべてを仕事に捧げることは確かに美しい。しかし同時に、仕事を私するパターンに陥ると歯止めがきかないのだ。阿久根の現況は、まさしくこのスパイラルに入っているかのよう。議会に出席しないのが、この問題から逃げていると思われても仕方がないところまで来ているではないか。危ない。

 そしてもうひとつ、公私混同の事例をこの市長はかましている。残念なことにPART7につづく。

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