事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

明細書を見ろ!2020年6月期末勤勉手当号 もっけ玉

2020-06-29 | 明細書を見ろ!(事務だより)

2020年6月号PART2「特別徴収税額通知書」はこちら

6月19日、酒田の丸山市長は「市民の皆さまへ」と題するメッセージを発しました。

“新型コロナウイルスという未曽有の困難に見舞われて苦しい今こそ、地域や社会のために支えあう「港都さかたの心意気」を持って、まちの賑わいを取り戻すために頑張っていきましょう。”

具体的には

“これからは積極的に市内・県内での消費や観光を行っていただきたいと思っております。このことが、地元経済の回復につながります。

酒田市や山形県も、地元消費拡大のための事業を行っております。

先払いチケットでお店を応援する「もっけ玉」では、購入金額の20%を市が補助する特別応援チケットがあります。山形県が実施している「県民県内お出かけキャンペーン(第2弾)」「県民泊まって応援キャンペーン(第2弾)」では、県内の観光施設や宿泊施設に限定して、お得に買い物や宿泊ができます。”

……市役所内部でもどのような内容にするのかだいぶもめたでしょう。コロナ対策はなにより優先しなければならない。しかし市内の各方面から経済が動かないことにはどうしようもないと突っこまれた結果、この微妙なメッセージになったのだと思います。

同日、副市長は市職員に向けて行動指針の変更を周知しました。

“誰もが不安を感じ、また誰もが感染者・濃厚接触者になり得る。全ての職員が不安を分かち合い、また差別を許さずに、「市役所だばあったげ頑張ってくっででありがでの~」と言ってもらえるよう、市民と家族のために働いていこう。”

そのなかに、私人として積極的にとるべき行動として

感染予防対策のとられた、市内の飲食店や小売店を率先して利用することによる、地域経済の回復のための積極的な行動

微妙だなあ。でも実際に市役所関係では、幹部級が“社会的距離をとりつつ”宴席の予約を入れたりして“頑張って”いるらしいし、おそらくは顧客との関係もあって金融機関も再開し始めたようです。警察や農協も動いている。しかし学校は?

……うーん、かなりきつい感じがします。この業界は「卒業祝賀会を自粛してもらった」という背景がある以上、なかなかねえ。

さて、市長のメッセージにあった「もっけ玉」はなかなか使い勝手がいい。とにかくその店に行って

「もっけ玉ください。」

と支払えば、その時点で20%酒田市におごってもらったようなもの。わたしの行きつけの店の女将は

「これがあるからって、うちの店にそんなにメリットがあるわけじゃないけど」

でも、わたしはもっけ玉のおかげで確実に20%酒量増量中です(当社比)。

2020年7月号「島にて」につづく

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極私的大河ドラマ史PART46 「武蔵 MUSASHI」

2020-06-28 | 大河ドラマ

PART45「徳川慶喜」はこちら

そっかー、今日の“麒麟をまつ”は「利家とまつ」だったかあ。わたし、これを見てなかったの無理ないなあと。わたし向きでは絶対になかったもの。

「葵 徳川三代」「北条時宗」「利家とまつ~加賀百万石物語」「武蔵 MUSASHI」……2000年代に入ってからも、わたしは大河ドラマから遠ざかっていた。というのも、企画がどうにも煮詰まっているような気がしたの。

「葵」は家康、秀忠、家光の合わせ技、「北条時宗」ってなにをした人?「利家とまつ」は明らかに仲のいい夫婦のホームドラマ(いや別にそれがいけないってわけじゃないけどわたしは邪悪で苛烈な夫婦のほうが好きw)、唯一これは、と思ったのが「武蔵」でした。

おそらく井上雄彦の「バガボンド」人気が背景にあった企画だとは思います。どちらも吉川英治の原作。バガボンドはあれからどんどん離れていますが。しかしなんとこの大河は壮絶にこけてしまったのだった。

近年のことなのでまだ憶えています。1回目のエピソードが、黒澤明の「七人の侍」そのまんまではないかと訴えられ、これが印象を悪くした。

脚本は鎌田敏夫さん。かつて大河の真裏で青春シリーズや俺たちシリーズを書き、「金曜日の妻たちへ」で大ヒットを飛ばした人だ。

主演は市川新之助(現海老蔵)と絶対失敗しない米倉涼子。えーと、何も申しますまい。武蔵の父親役にビートたけし、又八に堤真一、佐々木小次郎に松岡昌宏……鉄壁の布陣に思えたのに人気は低迷した。

思うに、この時期NHKは女性視聴者を意識しすぎたのではないだろうか。もちろん、視聴者の主流は女性であることは事実にしても

「大河ドラマ=オヤジ向け」

という開き直りがあってもよかったと思う。無責任な話ですけどね(笑)。

さて、次回は気合いが入っておりますよ。あの「新選組!」ですから。

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「歌舞伎座の怪紳士」 近藤史恵著 徳間書店

2020-06-28 | ミステリ

こ、ここまで弱っちいヒロインも珍しい。ブラックな職場でパワハラを受け、自己肯定感をかけらも持ち合わせていないニート。小さなことに傷つき、パニック症候群に陥ってしまう。

そんな彼女に、祖母がある依頼をする。自分の代わりに、歌舞伎を見てくれないかというのだ……

歌舞伎座で(他の劇場でも)彼女の前に現れる年配の紳士。彼のおかげで彼女は次第に誇りを取り戻していく。

予想された展開だけれども、歌舞伎の入門書としてもすばらしい。演目と事件がリンクするあたりの技はさすが近藤史恵だ。オペラ座の怪人ならぬ歌舞伎座の怪紳士が、やはり……あ、言えねー言えねー。

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日本の警察 その117 「抵抗都市」佐々木譲著 集英社

2020-06-26 | 日本の警察

その116「政治的に正しい警察小説」はこちら

佐々木譲といえば、いまではすっかり警察小説の専門家扱いだが(彼は少なからずそのことが不満らしい)、わたしにとってはまず「ベルリン飛行指令」「エトロフ発緊急電」「ストックホルムの密使」の、いわゆる新潮ミステリー倶楽部の人。広義の冒険小説の書き手としてすばらしかった。

以降、出身の北海道を舞台にした歴史もの、道警ものでキャリアを積み上げ、到達点は(わたしにとっては)「代官山コールドケース」ではないかと思う。

この「抵抗都市」は、その「代官山コールドケース」に肌合いがとてもよく似ている。冷静な若手と手練れのベテランがコンビを組んで静かに事実を探って行く。

でもおおいに違っているのは、これは大正時代であり、それどころか

“日露戦争に日本が負けていた”

世界における警察小説なのだ。無理にジャンル分けをすれば、歴史改変SF警察小説だろうか。

冒頭はあの有名な大津事件。明治24年、訪日中のロシア皇太子をあろうことか警備中の巡査がサーベルで切りかかって負傷させるという、当時の日本を震え上がらせた一大事。

話は一気に大正に飛ぶ。その間に日露戦争があり、ポーツマス条約によって二帝同盟が日露で結ばれるが、その内容はロシアへの属国化だった。第一次世界大戦で苦戦するロシアのために日本からも派兵されることになるが、世論は割れている……

そんなときに、ある人物が殺される。刑事事件なのにロシアの将校や高等警察まで出てくる。刑事たちは考える。被害者はロシアとつながっていた人物なのではと。

旅順の戦闘で身体と心に深く傷を負った主人公が、ロシアへの苦い思いを抱きながら、しかし警察官として真相究明にひた走る熱意が泣かせる。

ロシアの圧倒的な影響を受けた東京の描写が細かい。ひょっとしたらこうであったかもしれない東京であると同時に、アメリカの属国として生きながらえる現実の東京ももちろん二重写しになる。

佐々木譲の文句なく代表作だと思います。年末のミステリランキングが楽しみです。続編切望

その118「風間教場」につづく

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今月の名言2020年6月号PART2 狂犬

2020-06-25 | ニュース

2020年6月号PART1「稲妻」はこちら

「私の人生のうちで、ドナルド・トランプは、アメリカ国民を団結させようと努力しない、あるいは団結させようと見せかけもしない、それどころかアメリカ国民を分断させようとしている、初めての大統領だ」

“狂犬”とよばれたマティス前国防長官が、反人種差別デモに正しく対応できない大統領を評して。いい大統領のふりすらできないのだから、この評は的確としか。っていうかなんであんたトランプと一時的とはいえ組んだんだ。そこは反省材料でしょ。

PART3「天才」につづく

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今月の名言2020年6月号PART1 稲妻

2020-06-24 | 国際・政治

2020年5月号PART2「球春はまだか」はこちら

「このサンドイッチにミルクティーの量が多すぎるだろ」

「歯を見せて笑うな」

「土下座しろ」

「返事がない」

「報告をするべきだろう」

去年の6月の参院選のさなか、前法相にして現在は容疑者となった河井克行が放った名言の数々。きわめつけはこれだ

「稲妻!」

街宣中に克行がこう叫ぶと車を止めて演説が始まり、運動員は一斉にビラを配るのだとか。子どもか。

あまりに暴君なので秘書の退職はしょっちゅう。しかし菅官房長官のためにはどんなことでも……

つまりは、徳のない人だったわけだが、かわいそうな面もある。普通のサラリーマンの家庭に生まれ、選挙資金に恵まれなかった彼は落選も経験している。そんな悔しい思いが秘書いじめに向かったのかもしれない。向かわないけどね普通は。

が、いくらなんでも今回のバラマキはすごい。これが選挙違反にならないとしたら、公職選挙法って……

それから、勇気を出して告白しますが、わたし奥さんの案里のことがけっこうタイプです。どんどん悪相になっていくのが魅力的です(笑)

PART2「狂犬」につづく

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散髪の1日

2020-06-23 | 日記・エッセイ・コラム

さあ毎年恒例の生け垣の剪定でございます。

わたし、コツをつかみました。要するに角を嫌みなくらいに強調すればかっこいいんだよね。

例によってご近所のみなさんから声かけられまくり。

あ、タイトルは嘘だな。1日じゃ終わらなかったもん。すげー疲れました。

マジックトリマー再登場。重いって(笑)。

でも作業時間は大幅に短縮。はいはい。

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エアコン嫌いPART3

2020-06-22 | 日記・エッセイ・コラム

斉藤和義 Rain Rain Rain 【PV】

PART2はこちら

どうしたもんかなと考えていたら、そこへボーッとした男が登場。高校の同級生だ。

「あ」

「あ」

「買うのかエアコン」

「おう、日立にしようかと」

その男は日立の人間なのだ。販促用の営業マンとしてうろうろ。

「そうかっ!」

「でも6畳用はしばらく入荷しないんだろう?」

「なに言ってんだ。大は小を兼ねる。8畳用をふたつ買えばいいんだよ。値段もたいして変わんないし」

「……まあ、そうかな」

かしこい消費者はあっけなく。

「これ持ってけ」

白くまくんグッズをたいそう押しつけられる。

「で、お前どうしてんだ」

「再任用で働いてるよ。給料はほぼ半額だからつらい」

「なに言ってんだ。おれは4割だ」

なるほどね。高校時代から40年以上たって、同じような嘆き。応援団長は元気でした。

「安くしてくれよな」

「えーとな、それはこの店の人間に言ってくれ」

使えねーなあ(T_T)

本日の1曲は斉藤和義の「Rain Rain Rain」きのう、遊佐の道の駅に行く途中でiPod経由でこの曲が流れ、妻は感動。「すばらしいわねこれっ!」 

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極私的大河ドラマ史PART45 徳川慶喜

2020-06-21 | 大河ドラマ

PART44「毛利元就」はこちら

今日は「麒麟がくる」とネタがまるかぶりの「国盗り物語」で来たかあ。平幹二朗の

「とおとおたぁらりとおたらり」

を数十年ぶりに聞いて満足。織田信長の高橋英樹と明智光秀の近藤正臣があれから会っていなかったというのに驚愕。

さて、毛利元就役に必要だったのは齋藤道三を演じた本木雅弘の邪悪さではないかと前回主張したけれども、その本木が主演したのが翌1998年の「徳川慶喜」。

幕末ものは当たらない、司馬遼太郎原作は視聴率がとれない、が大河におけるジンクス。残念ながらこの作品もそのジンクスを覆すことはできなかったようで、視聴率は低迷。

しかしそれは、慶喜という人物がどうにも一般受けしようがないことも影響しただろう。この人、どうも面白くないんだよね

水戸藩主、徳川斉昭の七男として生まれながら、若くしてその英名さを讃えられ、一橋家を相続。んでもっていろいろあって(桜田門外の変とか前将軍が急死するとか天狗党の乱とか)江戸幕府最後の将軍となる。

というか日本の歴史上最後の征夷大将軍……かなりドラマチックに見えるようだけど、この人が主体的に幕府をどうしたかったかがよくわからないし、それに第一あれがあったでしょう。戊辰戦争のさなかに、兵を大坂城に置き去りにして自分だけ江戸に帰っちゃった件。あれがなんともなあ。この大河ではあれをどう始末したのだろう。

……と勝手に想像していることでおわかりのように、わたし、この年も大河を見ていません。ドラマチックな最期とかが用意されていればともかく、慶喜は貴族として遇されて大正時代まで長生き。大政奉還というアクロバットは倒幕側の、たとえば坂本龍馬あたりの手柄になっているし、どうにも気合いが入らない。

徳川斉昭を演じたのは菅原文太。有栖川家から嫁に来た母親に若尾文子。天璋院篤姫に深津絵里、井伊直弼に杉良太郎、島津久光に江守徹、勝海舟に坂東八十助、近藤勇に勝野洋、新門辰五郎に堺正章。

そしてそのほかに岸田今日子、藤木直人、佐藤慶……おおおなんか面白そうなメンツがそろってるじゃないですか。うーん見るべきだったかなあ。

PART46「武蔵 MUSASHI」につづく

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明細書を見ろ!2020年6月号PART2 特別徴収税額通知書

2020-06-20 | 明細書を見ろ!(事務だより)

リリー・フランキー ゲスト,松野井雅、BABI 2020.04.18 スナックラジオ

2020年6月号PART1「定年延長仕切り直し。」はこちら

今月は、明細書以外にちいさな通知書も入れておきました。

これは、あなたが今年の1月1日に居住していた市町村が発行するもので、簡単に言えば住民税の明細書です。去年1年間の所得を反映した税額が今月から控除。給与明細の中段にある「住民税」の額と、通知書の6月の納付額が一致していることを確認してください。

どうして6月だけ額が違っていることが多いかというと、きっちり12で割り切れない場合、どうしてもそうなってしまうんです。

本日の1曲、というか1番組はリリー・フランキーの「スナックラジオ」。こんな面白い番組がスタートしていたのかっ!土曜16時。お聞き逃しなく。今日も笑ったなあ。

6月期末勤勉手当号「もっけ玉」につづく

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