事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

港座通信~ニュー・シネマ・パラダイス

2009-05-31 | 港座

Nuovo_cinema_paradiso それでは今回から6月12日(金)13日(土)の港座復活祭で上映する作品を紹介していきます。

ニュー・シネマ・パラダイス」Nuovo Cinema Paradiso(1989 伊=仏)
脚本、監督:ジュゼッペ・トルナトーレ 音楽:エンニオ・モリコーネ 主演:フィリップ・ノワレ

おくりびと」に先立つこと20年前のアカデミー賞外国語作品賞受賞作品。シチリアの小さな村にある映画館パラダイス座。そこで青春時代を過ごした映画監督サルヴァトーレが、当時、慕っていた映写技師アルフレード(ノワレ)の訃報を聞き、故郷に帰ってくる。そして、少年時代、青年時代の思い出に浸っていたサルヴァトーレが受け取ったアルフレードの形見には、映画への愛とアルフレードの想いがぎっしり詰まっていた……。

 映画が、上映した劇場と分かちがたく存在するという見本のような作品。少年トトの愛くるしさもあって日本でも公開当時大ヒット。観客動員27万人、興行収入3億6千万円。これは現在でも単館系興行記録の第一位を誇っています。酒田における劇場上映は今回が初めて。問い合わせが最も多い作品でもあります。人生の師である視力を失った映写技師が、「自分のすることを愛せ」とトトを送り出すシーンは必見。

次回は「赤いハンカチ」のはずだったけど「大怪獣ガメラ

※上映会当日に配付するパンフ用の原稿。ネタバレになるので載せないけれど、ラストの“キスの嵐”は絶妙に編集されている。エンニオ・モリコーネのあのテーマとのカップリングに泣けない人はいないだろう。あざといといえばこれほどあざとい映画もないわけだが、サルヴァトーレが映写室で真ん中に座らないあたり、お行儀のいい作品でもある。泣いた泣いた。

港座オフィシャルブログはこちら↓

http://minatoza.exblog.jp/

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港座再建計画PART5~犬神家の一族(76年版)

2009-05-31 | 港座

Minatoza03_2 PART4はこちら

 前にも「ラストショー」のときに特集したように、わたしにとっての港座とは、なによりも東宝の封切館だった。「ゴジラ」も「日本沈没」も百恵映画もすべてここで観ているのだ。

 でも、“上映会”という形では東宝はなかなか興行をうたせてはくれないのだという。同じような意味で、「寅さん」をかかえる松竹も渋い。プログラムに「男がつらいよ」があるのとないのとではインパクトに天地の開きがあるよなあ、とみんなで話していたのに。それでは仕方がない。邦画は大映、日活、東映、独立系から選択するしかないわけか。

 おや?仲介業者のリストを見ると、76年版の「犬神家の一族」はオッケーじゃないか。

「これは……どうして?東宝なのに」

「権利は角川が持ってるからじゃない?」

なるほど。それでは、とわがままを言って上映作品に加えてもらった。6月12、13日に決定した上映会で、唯一東宝の匂いがする作品になっております。結果として決定したのは

Inugami76ニュー・シネマ・パラダイス

赤いハンカチ

犬神家の一族」(76年版)

麦秋

ローマの休日」

大怪獣ガメラ

汚名

十二人の怒れる男

第三の男

素晴らしき哉、人生!」

の十作品。それぞれの解説は次回に。

上映時刻は港座オフィシャルブログでチェック!

http://minatoza.exblog.jp/i6/

PART6「まちなか映画館」につづく。

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今月の名言09年5月号~高慢なあやまち

2009-05-30 | うんちく・小ネタ

Rohinwrightpennandherhus_2  09年4月号「世界で最も美しい女」はこちら

「河上センセー。河上センセー……」

なんとあの(日テレ専属の)河上和雄元東京地検特捜部長が、あの「折鶴」の千葉紘子と結婚してしまったニュースに仰天した「ズームイン」の羽鳥アナのつぶやき。

いやーわたしも驚いたなあ。別に妻を亡くした76才のおじいさんが、61才の女性と結婚しても普通なわけだけど、なんせそのおじいさんがコワモテ河上センセーで、芸能人が千葉紘子ですから。今の若い人は知らないだろうけどねぇ(はじまったぞ中年の繰り言が)、千葉紘子は男性誌のグラビアなんかにもけっこう出ていたし、わりと美人だったんすよー。やるなー河上センセー。

「高慢な過ちだった」

ショーン・ペンが妻のロビン・ライト・ペンとの別居申請を取り下げたときのコメント。なんだよショーン、期待させといて。おれがロビンのファンだって知ってて気を使ってくれたと思ってたのになあ。

「プリンセス・ブライド・ストーリー」から20年以上たったが、彼女の美しさはここにきて凄みをましている。気が変わったらいつでも電話して。

「実は昨年か一昨年、ホテルで給仕の仕事をやりました。」

あの「ゆれる」で映画ファンを驚かせた西川美和監督が、新作「ディア・ドクター」の原作小説発売の記者会見で。映画監督の日常って……。美人だからできるバイトではあるだろうが。

にしても、笑福亭鶴瓶瑛太が共演したその新作は傑作の匂いがプンプンする。はたして田舎で見れるかどうかが問題なんだけど。

09年6月号「処世術」につづく

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「フロスト×ニクソン」 FROST/NIXON (2008 ユニバーサル)

2009-05-30 | 洋画

Frostnixonpo  わたしは今月、順序は逆になったがロン・ハワード監督作品をつづけざまに観たことになる。「天使と悪魔」のサービス精神旺盛さとは対照的に、「フロスト×ニクソン」はひたすら小癪なつくりになっている。

 まず、成り立ちが複雑だ。映画「フロスト×ニクソン」は、ウォーターゲート事件で失脚し、しかし政界復帰に色気むんむんのリチャード・ニクソンが、政治生命を完全に絶たれるきっかけとなった「TVショー」の裏面を描いた「舞台劇」の「映画化」なのである。

 ストーリーはほぼ史実に基づいている。1972年、ワシントンDCのウォーターゲートビルにあった民主党オフィスに不法侵入した男たちの逮捕により、当時のニクソン政権の高官たちが盗聴に関与したことが明るみに出る。ニクソンと彼の腹心たちは事件のもみ消しをはかり、しかしそれも露見して1974年、ニクソンは合衆国史上初めて任期半ばで辞任する大統領となった……

情報提供者のことを「ディープスロート」と呼んだり、疑獄があると接尾語に「~ゲート」がつくのが通例となったりしたほどの大事件。中学生だったわたしはあまり理解できなかったけれど、米国人にとって、一種の夢の象徴である大統領が(それはオバマへの熱狂でも理解できる)、卑怯な手段で政敵を追い落とそうとしていたことはよほどショックだったらしい。

 アメリカでの成功を夢見て自腹を切ってTVショーを企画したデビッド・フロストをマイケル・シーンが絶妙に演じる。それまで強欲でまぬけに見えたニクソンが、収録の開始とともに怪物化することに慄然とするあたり、うまい。

 しかしそれ以上にニクソンが入りこんだかのようなフランク・ランジェラがすごい。わたしの世代にとっては「ドラキュラ」(79)で色男ぶりを発揮していたあのハンサムが、「大統領は法を超越する」と失言してしまう、哀しくて、しかし恐ろしい男を「グッドナイト&グッドラック」に続いて繊細に演じてみせる。政界のプリンスであるケネディとのトークバトルにつづき、ニクソンはテレビに二度殺されたのである。

 ちょっとネタバレになるけどラストでニクソンはフロストにこう質問する。

「君のパーティの映像を見たよ。君は、パーティを心から楽しんでいるのか?」

「?……もちろん」

「そうか。わたしはパーティを楽しんだことなど一度もないが」

人生で一度も好かれたことのない努力と反骨の男は、二度と晴れ舞台に立つことなく消え去る。

誰からも好かれ、インタビューによって名を高めた男はサーの称号をうけ(エンドタイトルを観ていて気づいた)、今も幸せに暮らしている。

二度と交差することのなかった対照的な男たちのドラマ。傑作。

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古畑任三郎を全部観る Vol.42~古畑中学生

2009-05-28 | テレビ番組

Ishidayuriko05 第41話「ラスト・ダンス」はこちら

「古畑任三郎、生涯最初の事件」とサブタイトルがついているスピンオフ作品。古畑の少年時代を演じるのはジャニーズ事務所の山田涼介。ドラマが進むにつれて確かに古畑に見えてくるのだから演技がうまい子なのだろう。

「ちょっと、よろしいですか?」

こんなセリフをかます中学生が嫌みに見えないだけでもたいしたものだ(笑)。

内容は牧歌的探偵物語。むかしの少年ドラマシリーズのようなテイスト(ラストにみごとな教訓~「古畑、必要なのは経験と知識だ」~が存在することも含めて)。廃屋に探偵事務所をかまえた古畑のもとに持ち込まれる事件の数々が楽しい。すべて、シャーロック・ホームズの事件簿が元ネタになっているのね。「美しき自転車乗り」(のちに古畑がセリーヌの自転車を愛用する伏線)とか「赤毛連盟」とか。

少年時代にエラリー・クイーンを読んだ人間は本格マニアになり、シャーロック・ホームズ好きは“不可解な依頼人たち”を心待ちにするようになる。わたしはホームズ派だったから探偵ごっこを始める古畑の気持ちはわかるなあ。

このドラマ全体も「赤毛連盟」をひねったつくりになっていて、ネタバレぎりぎりだけど、なぜ都会からやってきたひねくれた少年探偵のもとに数々の事件がもちこまれるのか……古畑好きの視聴者なら最後のオチは読めたでしょうが、古畑シリーズのなかでもかなり上位にくる脚本ではないだろうか。

はすっぱでだらしない母親を演じた石田ゆり子がセクシーですばらしい。古畑任三郎の奇矯な性格が、母親への反発と愛情から生まれたのが歴然。

そしてラスト。古畑任三郎にとっての“父の出現”が高々と歌い上げられ、長大なシリーズの幕は下りた。はたして、田村正和と三谷幸喜が古畑の次作をどう考えているかはわからない。でも、視聴率13%台という地味な結果のままで終わらせる連中ではあるまい。ファンとしては時が熟すのを待ちましょう。経験と、知識をたくわえながら。

【最終話 「古畑任三郎の最高傑作はなにか」につづく

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明細書を見ろ! 09年5月号~通勤の謎PART1

2009-05-25 | 明細書を見ろ!(事務だより)

Mapfannet01  09年2月号はこちら

転勤しても、いつもどおりの「明細書を見ろ!」シリーズ。
ネタが使いまわせるので楽っちゃ楽ですが。

 明細書をじっくりと読みこんでもらうために、みなさんの給与がどんな具合になっているのか検証していきましょう。

 第一回は年度始めだから通勤手当。異動がからむのでこの時期に認定は集中します。

 むかしから山形県職員だった人(気を使った表現)は気づいているかもしれませんが、前の通勤届は「山形県教育委員会教育長」に向けて書かれるものでした。ところが今は「学校長」宛です。

 これは、こむずかしい理屈はともかく、認定権が学校に委譲されたためです。前は学校を経由して教育事務所の給与係に通勤届が送られ、審査の結果「オッケーです」の連絡があってはじめて手当がもらえるルール。でもいまはそんな手間もなくなりました。学校で直接端末入力します。

 ところが。

 権限が学校に下りてきたために、やたらに監査でチェックされるようになったのも事実なのです。わたしも何度か経験がありますが、監査会場で監査委員が例外なく持ち出すのが電子地図ソフトを使った計測結果。知事部局で試しにそのソフトを導入したら、通勤手当の返納が相次いでしまったのは(事務職員の業界では)有名な話です。

 さて、それではネットで検索した結果が正しいとするなら、どうしてわざわざ職員に計測させるのでしょう。

 このあたりの、コクのある話は次回に

※読者によれば、どうやら同じ山形県内でも通勤届の扱いは違うらしい。教育事務所の考え方の違いが反映しているのだ。コクがあります。

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港座再建計画PART4~赤いハンカチ

2009-05-24 | 港座

Minatoza02_2PART3はこちら

朝日新聞は港座復活をどう報じたか。

映画館「港座」シネマの灯7年ぶり復活~2009年05月13日

 映画「おくりびと」(滝田洋二郎監督)のロケ地の一つになった酒田市の旧映画館「港座」が来月、閉館から7年ぶりに復活する。米アカデミー賞など国内外の数々の映画賞に輝いた作品のおかげで酒田に注目が集まったことを追い風に、地元の人々が「映画の上映を通して地域を盛り上げよう」と結集した。(柳沼広幸)

 港座は、映画の主人公(本木雅弘さん)がオムツ姿で出た業務用ビデオ「納棺の手引き」の撮影をした場所。もともとは1887(明治20)年に建てられ、「東北一」とも称された芝居小屋だ。映画上映は大正時代から。スクリーンが大(180席)、中(80席)、小(30席)の三つあり、滝田監督は「昭和のシネコン(複合映画館)だ」と評したという。

 隣町にできたシネコンの影響もあり、港座は02年1月、115年の歴史に幕を閉じた。3カ月後に別の映画館も閉館し、市内のシネマの灯が消えた。そんな状況をがらりと変えたのが酒田市各地でロケをした「おくりびと」だった。港座を所有する阿部剛さん(47)は言う。

「おくりびと効果でたくさんの人が酒田に来ている。地域の魅力を世界に発信できただけでなく、ここで暮らす人々が地元の良さを見直す機会にもなった。映画上映で台町を盛り上げていきたい」

……なんか、大騒ぎになってます。最初にオーナーと話し合ったときは、まさかこんな大ごとになるとは思わなかったのだ。むしろ夢を語るのがオーナーの方で、素人であるわたしの方が「そりゃ、むちゃでしょー」と火消しにまわっていたぐらい

しかし「おくりびと」がベストテンをにぎわせ始めた時期だったので、

『港座で、「おくりびと」を観る』

は絶対条件だと話し合っていた。まさかその後日本アカデミー賞につづいて本場のアカデミー賞まで受賞してしまうとは思いもよらずに。

Redhandkerchiefdvd  このことで港座への注目度が上がったのは確かだが、同時にまたまた「おくりびと」は観客を集めまくり、上映開始から半年もすぎてから動員数のトップに躍り出ることになったのである。こうなると松竹も強気になりますわね。ここでは明かせませんが、ちょっとびっくりするようなお値段がついてしまったのだ。

まいった。以下次号

港座オフィシャルブログはこちらです。

http://minatoza.exblog.jp/

画像は上映予定作品「赤いハンカチ
石原裕次郎の二十三回忌にちなんで……なわけはありません。7月に石原プロはとんでもない法事(笑)をやるようだけれど、わたしが驚いたのは裕次郎も曹洞宗だったこと。
上映会の実行委員には、曹洞宗のお坊さんもいるんですよ。

わたしにとっては裕次郎映画というより、若き浅丘ルリ子を味わう映画か。

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「聖女の救済」 東野圭吾著 文藝春秋

2009-05-23 | ミステリ

Seijo_no_kyuusai_obi 推理作家協理事長に東野圭吾氏を選出

日本推理作家協会は21日の特別理事会で、作家の大沢在昌理事長(53)の任期満了に伴い、後任に作家の東野圭吾さん(51)を選出した。就任は6月1日付で、任期は2年間。

ZAKZAK 2009/05/22

……えらくなっちゃうなあ東野。でもきっと大沢在昌とか北方謙三あたりに「いま売れてるのはお前だけなんだから責任とれ」とか脅されて引き受けざるをえなかったのかも(^o^)。性格よさそうだし。

 正真正銘の美男で、関西人らしくユーモアのセンスもある。直木賞もとってベストセラー連発とくれば、もてないはずがない。前に特集したこともありましたね

器用貧乏を絵に描いたように作風を変えていた東野も、読者サービスを意識してガリレオものを一挙二作刊行。ワトソン役は、当初の草薙からドラマのファン向けに内海薫にシフトしてある。「ガリレオの苦悩」の方は“いつものガリレオ”路線だけれど(苦悩してないです)、この「聖女の救済」は、「容疑者Xの献身」パターンの驚愕のトリックが用意してある。

このトリックにはほんとうに驚いた。「こう来るかぁ」とまたしても脱帽。ただね、「容疑者~」と同じように、探偵が物理学者である必要性はないし、“虚数解”である真相を背負うには、聖女の“異様さ”が描き切れていない。なにゆえに犯人はそれほど強靱でありえるのか、という解答を用意してくれれば、「容疑者~」を凌駕する傑作になれたかもしれないのに。まあ、そのあたりが性格のよさなのかもしれませんけどね。

福山雅治、柴咲コウ、北村一輝トリオでふたたび映像化するとすれば、聖女にはよほど強力なオーラをもった女優を用意しなければならないだろう。わたしのキャスティングでは、椎名林檎にノーメイクでやってもらうというのはどうでしょう。若いときの新珠三千代だと……違ったドラマになっちゃうか(笑)。

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「待ち伏せ」(1970 三船プロ) 稲垣浩監督作品

2009-05-22 | 邦画

Machibusedvd 五社協定に抗う面々のオールスター映画。ミフネ裕次郎勝新、錦之助とそろうと確かに壮観。浅丘ルリ子の美貌が華を添え、お腹いっぱいになる。

軽さが心地いい錦之助の演技は、わたしたちの世代には意外。なんせ拝一刀と「柳生一族の陰謀」で刷りこまれてますから。

峠の茶屋からほとんど移動しないので、まるで舞台劇。誰も死なせられないから仕方がないのだろうが、誰かひとり、徹底した悪役をやって無惨に死んでみせても面白かったろうに。でも撮影が楽しかっただろうことがうかがえて(監督は地獄だったろうが)うれしい一本。

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49才のハローワーク~東京ボンバーズ

2009-05-20 | 社会・経済

Rollergame02_3   レジ係篇はこちら

 わたしが知り合った職業人に、その道の極意をうかがう(与太話に終始してしまいますけど)ハローワークシリーズも49才篇に突入。今回はすごいですよ。わたしの世代にとっては超有名人ですから。

 ある飲みの席で

「知ってる?あの○○さんてさ、むかし東京ボンバーズのメンバーだったんだって。」
と知り合いが小声で。

「ふぅぅん………………な、なにーっ!」

 ○○さんは気になる人だったのだ。スキンヘッドで、ガタイもよく、なにより話が面白い。んもう最初からキャラ立ちまくり。

 東京ボンバーズとは、おおげさではなく一世を風靡したローラーゲームのチーム名。ローラースケートを履いた日米のプレイヤーが疾走しながら肉弾戦を演じる、まことにテレビ向きのスポーツ。特に佐々木ヨーコというお転婆娘が人気爆発。60年代末から70年代初めにかけて、東京12チャンネル随一の人気番組に成長したのだ。こっちでは土曜の午後のオンエアだったと思う。そんな人気者の一員が、こんな田舎でクルマの整備工場を経営しているのだ。

「○○さぁん」
ここはぜひともお話をうかがわなくては。

「東京ボンバーズにいたってホントですか?」

最初はごまかそうとしていた○○さんも、わたしの“つぶらな瞳で無邪気に質問する”攻撃に耐えかねてか(実はしゃべりたかったのかも)、当時の思い出を語る。

「おれはさ、アイスホッケーをやってたわけ。でもリーグの1部と2部を行ったり来たりでさ。なんかこのままじゃなあ、と思ってたときに(ボンバーズの)募集があったんだよ。場所は後楽園だったのは知ってるだろ?まあ、人気があったといってもさぁ、時代の徒花だったというか……。ヨーコにしても、その辺にいたスケートの上手な子のなかからたまたま選ばれただけなんだよ」

としみじみする○○さんに、しかしまわりの連中はこれだけはきいておかなくては、と意気込む。

「で、それでヨーコはいま何をしてるんですかっ!」

「知らね」そ、そんなぁ。

次回は「客室係」

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