異教の地「日本」 ~二つの愛する”J”のために!

言論宗教の自由が保障され、ひとりひとりの人権が尊ばれ、共に生きることを喜ぶ、愛すべき日本の地であることを願う。

信仰告白としての闘い 「教会と国家に関する信仰の宣言」 日本キリスト改革派教会(創立30周年記念宣言 1976.4.28)

2016-08-01 23:39:48 | キリスト教 歴史・国家・社会

 

日本キリスト改革派教会の政治スタンスは、1976年4月28日の「30周年記念宣言(教会と国家に関する信仰の宣言)」で表明されています。

教会の信仰告白の闘いとして、「右でも左でも中立でもなく、この岩(信仰告白)の上に立つ」 ー相馬伸郎 日本キリスト改革派岩の上教会牧師


 


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http://calvin.org/30.htmより引用

日本基督改革派教会創立三十周年記念宣言


序 文

 私たち日本基督改革派教会は、創立三十周年にあたって 教会と国家にかんする信仰を内外に宣言し、教会のかしらなる主イエス・キリストのみ前に、悔い改めと新しい服従の道を歩むことを決意しました。

 主は、三十年前、私たちの国に、みことばに忠実に従って生きる教会を形成しようと志す一群の人々を起こし、日本基督改革派教会を創立してくださいました。私たちは今、創立までにあった神の恵みと導きとを思い、さまざまの罪と弱さにもかかわらず、彼らを用いてみ栄えを表わされた神の恵みの選びを賛美し、あらゆる良い賜物の源である主イエス・キリストの父なる神に、言いつくせない賛美と感謝をささげるものであります。

 創立にあたって指導的な役割を果たした教師たちが、戦時中、教会合同にさいし、旧日本基督教会内にあって「聖書の規範性、救いの恩恵性、教会の自律性」という三原則を掲げて反対し、また国家神道体制下における神社参拝の強要にも屈しなかった信仰の戦いは、日本基督改革派教会の創立およびその後の歩みと深いかかわりをもつものでありました。しかし、私たちは、宗教団体法下の教会合同に連なったものとして、同時代の教会が犯した罪とあやまちについて共同の責任を負うものであることをも告白いたします。戦時下に私たち日本の教会は、天皇を現人神とする国家神道儀礼を拒絶しきれなかった偶像崇拝、国家権力の干渉のもとに行なわれた教会合同、聖戦の名のもとに遂行された戦争の不当性とりわけ隣人諸国とその兄弟教会への不当な侵害に警告する見張りの務めを果たし得ず、かえって戦争に協力する罪を犯しました。

 こうした私たちの罪にもかかわらず、歴史を支配される神の摂理により、敗戦とともに宗教の自由が与えられ、日本基督改革派教会が創立されました。私たちの教会は、この神の恵みに感謝し、「キリスト教有神的人生観ないし世界観こそ新日本建設の唯一の確かなる基礎なり」との創立宣言の主張に立って、教会と国家の関係を明確にし信教の自由と教会の自律性を確立することに努めてきました。しかし今、過去三十年の歩みを謙虚にかえりみるとき、私たちの教会はなお、与えられた神の恵みにこたえるには、国家にたいする使命と責任を果たす祈りと努力において足りなかったことを、率直に告白せざるを得ません。

 七十年代の祖国は、靖国神社国家護持法案の強力な推進に一例を見るように、いちじるしく旧日本への回帰の傾向を示しております。この時にあたり、私たちは、かつてあの暗い日々に私たちが陥った罪と誤りを主のみ前に深く恥じ、再びくり返すことのないように主の恵みを求めるとともに、広く日本の諸教会にも、同じ罪に陥ることのないよう呼びかけるものであります。

 日本基督改革派教会は、聖書にもとづいて、ここに「教会と国家にかんする宣言を言い表わし、私たちが主キリストの教会として固く立つ原理を確認し、これに従って新しく戦うことを決意いたします。

 私たちは、今なお小さい群れであります。しかし、「恐れるな、小さい群よ」と呼びかけてくださる主は、歴史においていつも、小さい群れを用いて大きなわざを行なわれました。私たちも、教会と国家の主であるイエス・キリストの教会にふさわしく国家にたいして責任を果たすことができ、それによって主の栄光が教会を通しても国家を通しても表わされるように、と祈ります。

 願わくは、すべてのものを生かしてくださる神のみまえと、またポンテオ・ピラトの面前でりっぱなあかしをされたキリスト・イエスのみまえで、私たちが大胆に、この信仰を国家にたいして言い表わすことができますように。アーメン。


教会と国家にかんする信仰の宣言


一、教会と国家の主キリスト

(一) (主キリストの主権)

 主権的な創造者である聖なる三位一体の神は、あがない主イエス・キリストに、天においても地においてもいっさいの権威を授けて、御自身の支配を宣言し、神の国を樹立された。神は、イエス・キリストの死と復活と高挙とにより、万物をキリストの足の下に従わせ、彼を万物の上にかしらとして教会に与えられた。このかしらによって、神は万物を支配しておられる。(1)

 われわれはイエス・キリストを、もろもろの王の王・主の主・国々の統治者また審判者として礼拝し、彼に服従する。(2)

(二) (教会と国家の関係)

 主イエス・キリストは、父なる神のみこころを行なうにあたって、御自身のよしとする天地のあらゆる権能を用いられる。(3) 彼は教会と国家を、それぞれに固有の働きを委託して、御自身に仕えさせられる。彼は教会のかしらであると同時に、国家のかしらでもあられる。(4)

 したがって、教会と国家は、ともにかしらなるキリストに従属し共同の責任を負うので、相互に密接な関係がある。(5)

 教会と国家は、自己に託された権能と働きにしたがって相互に助け合う義務があるが、それぞれの権限は別個のものであり、キリストにたいする関係も異っているので、いずれも他方の領域を侵害することは許さ
れない。
(6)

 また、教会と国家の関係は、一国内に留まるものではなく、国際的な広がりをもつ。(7)
 


ニ、国家の権能とその限界

(一) (国家の権能)

 主キリストがその一般恩恵のうちに国家を立てておられるのは、国民の福祉を増進し不正を抑制するような立法・行政・司法において御自身に仕えさせるためであり、この目的のために彼は国家為政者を任命された。

 このように、国家為政者は、悪を行なう者を罰し善を行なう者を賞するための神のしもべであって、いたずらに剣をおびているのではない。(8)

(二) (宗教への義務)

 国家は、あらゆる国民の諸権利を公平に守り、公共の平和を確立する義務がある。(9)

 国家は宗教団体に、あらゆる宗派にたいして公平に、宗教儀式・布教・教育などを行なう権利を認める義務がある。

 したがって、われわれは、宗教団体を国家の宗教的機関と考えるいかなる思想をも拒否する。

 また、われわれは、国家を宗教団体の政治的機関と考えるいかなる思想をも拒否する。(10)

(三) (国家権能の限界)

 国のあらゆる権能は、キリストの主権によって委託された権能であって、その権能を託された領域内で行使する場合にだけ、正しくキリストに仕えることができる。(11)

 したがって、あらゆる権能濫用は、信託違反にほかならず、濫用者に破滅をもたらし被造物のうちにある神の栄光を損なう。(12)

 また、キリストに属する権能の全体を、いかなる人・集団・組織にでも帰することは、主イエスにたいする反逆罪であり、教会にとっても国家にとっても致命的である。(13)


三、国家にたいする教会の関係

(一) (教会の権能)

 主キリストがその特別恩恵のうちに教会を立てられたのは、みことばの宣教・礼典の執行・愛によって働く信仰の生活において御自身に仕えさせるためであり、この目的のために国家為政者とは別個の教会役員の手に教会政治を委託された。(14)

 したがって、われわれは、教会を国家の宗教的機関と考えるいかなる教えをも拒否する。また、国家を教会の政治的機関と考えるいかなる教えをも拒否する。教会はその福音を政治的・経済的・文化的・または民族主義的ないかなる信条とも混合混同してはならない。(15)

 同時に教会は、国家為政者がキリスト教に好為的であっても敵対的であっても、国事に超然としていることは許されない。われわれは、宗教的理由にせよ政治的理由にせよ、教会を国家から完全に分離すべきだとするいかなる教えをも拒否する。なぜなら教会は、人のあがないのために人と一つになられた主から託された務めを、国家にたいして果たさなければならないからである。(16)

(二) (国家への使命)

 教会の国家にたいする奉仕と使命は、多様である。
 教会の説教・礼典・訓練は、国民をキリストの恵みとさばきとに直面させる。
(17)

 教会は、すべての人のために願いと祈りと感謝をささげ、特に権威の座にある者のためにとりなしをして、聖霊の支配が国民生活と国際関係において、善をみのらせ悪を根絶されるように、神に祈る。(18)

 教会は、伝道の使命を果たすことにおいて、人々の間に正義と平和と自由を増進する。(19)

 教会は、キリストの律法を果たすことにおいて、キリスト教的愛のわざに従事する。(20)

 教会は、国家を見守る者としての預言者的な務めを果たし、主が促される時には、公に主のみこころを宣言する。(21)

(三) (専制への反対)

 神のみが、からだと良心との主であられる。神は、いかなる国家的権威であれ宗教的権威であれ、彼らが絶対的権能とりわけ良心と思想をほしいままに統制する権能を主張する場合はいつでも、われわれがその権威者にさからって御自身に服従することを要求される。

 したがって、政治・経済・宗教などのあらゆる形の専制にたいし、とくにそれが全体主義的になる時、それに公に抗議することは、教会の義務である。(22)

 しかし、教会の戦いの武具は、究極的にはこの世のものではない。すなわち教会は聖霊に導かれつつ、いかなる状況においても、イエス・キリストこそ主であることと、キリストの義にもとづく自由と、平和の福音とを公に証言する。(23)

(四) (キリスト者の義務)

 あがない主イエス・キリストは、人間生活の全領域にわたってわれわれの主であられる。われわれがこの主のものでないような生活領域は、どこにもあり得ない。(24)

 したがって、キリスト者は、政治・経済・文化・その他の社会活動や社会奉仕に、キリストのしもべとして参加する。(25)

 キリスト者は、主のゆえに国の法律を尊び、財的にも、身をもって直接的にも、あらゆる法定義務を果たすため、常に最善をつくす。(26)

 また、立法・行政・司法における不正、良心の侵害などの弊害を矯正するために常に努力する責任がある。(27)

 さらにキリスト者は、国民として、イエス・キリストの主権を奪おうとする政府や権能機関にたいしては、義務を拒否することばかりか抵抗することをも神のみことばによって求められる。(28)


四、教会と国家の改革と希望

(一) (教会と国家の改革)

 主キリストの支配がいまだ公には現わされず、完全には認められないこの世の続く限り、われわれは公私のあらゆる関係にわたって罪にとり固まれ、われわれの存在は、不安とどん欲と不正と腐敗の傾向に絶えずおびやかされている。そのために、教会と国家はいつも神のみことばによって改革される必要がある。(29)

 それゆえ、教会と国家の改革のために、絶えず目をさましてキリストの恵みを祈り求め、またそのために努力することは、すべてのキリスト者に課せられた義務である。(30)

(二) (終末の希望)

 主キリストの支配は、現世の悪と悲惨のただ中では、キリストにあるわれわれの望みのまったき確信をもって、信仰により見抜かれなければならない。(31)

 キリストは、諸国民のいやしと教会の完成のために再び来られる。(32)

 キリストが新しいエルサレムを啓示されるその日、彼は、すべての君たち、すべての権威と権力とを打ち滅ぼして、国を父なる神に渡される。
こうして、宇宙にたいするその主権と支配は、万人の目にはっきりと見えるようになり、あらゆるものがひざをかがめ、あらゆる舌が「イエス・キリストは主である」と告白して、栄光を父なる神に帰するであろう。
それは、神がすべてのものにあって、すべてとなられるためである。

 アーメン。主イエスよ、来たりませ。(33)
 

一九七六年四月二八日
日本基督改革派教会創立三十周年記念臨時大会


  1. マタ28:18,エペ1:20-23,へブル1:1-2:10,使4:24-28,ピリ2:5-11,Ⅰコリ15:20-26.

  2. 黙1:5,11:17,18,17:12-14,19:11-16,詩22:28,イザ2:4.

  3. エペ1:10,11,コロ1:15-17.

  4. エペ1:20-23,黙1:5,6,エレ27:4-7.

  5. マタ28:18-20,詩2.

  6. マタ16:19とロマ13:4を比較,Ⅰコリ6:1-6,Ⅰテモ2:1-7,歴下26:18.

  7. 列上19:15-18,イザ44:24-28,ヨハネ11:47-52,黙10:11,11:15-18.

  8. ロマ13:1-7,Ⅰテモ2:1-2,Ⅰペテ2:13-15,列上3:5-14,エゼ34.

  9. Ⅰテモ2:2,使19:38-39.

  10. 出5:1-4,アモ7:10-17,使18:12-17,ヨハ18:28-32と使13:27,28.

  11. ロマ13:1,4,6,ヨハ19:10,11,ダニ4:19-27.

  12. 使12:20-23,ダニ5:17-28.

  13. Ⅱテサ2:3,4,黙13:-14:12,17,ダニ6,イザ47,エゼ27-28.

  14. マタ16:18,19,28:8-20,エペ4:11,使20:28,Ⅰコリ12:28,Ⅱテモ4:1-5.

  15. マタ22:15-22,ルカ12:13,14,ヨハ18:28-38,マタ6:24,ミカ2:11,3:5,11,ガラ3:28.

  16. マタ5:13-16,25:31-46,Ⅰぺテ2:9-25.

  17. 使3:12-21,24:25,Ⅰペテ4:1-7,エレ1:5.

  18. Ⅰテモ2:1,2,サム上12:23,エレ29:1-14.

  19. Ⅱコリ5:14-21,アモ5:14-24.

  20. Ⅱコリ8:1-15、使11:27-30.

  21. エゼ3:16-21,33:1-16,サム上8:4-18,下12:1-15,使4:1-31.

  22. Ⅰコリ4:1-5,6:12-20,マタ10:28,使4:18-31,5:27-32,列上21,22:13,14,エレ2:6,ダニ3,アモ7:10-17.

  23. マタ10:16-23,26:51-56,Ⅱコリ10:3-5,列下9とホセ1:4を比較,使2:32-36,5:25-32,7:51,60,26章,エペ6:10-20.

  24. ロマ14:5-9,Ⅰコリ10:31.

  25. ヨハ17:15-18,エペ6:5-9,マタ20:25-28,ルカ10:29-37.

  26. Ⅰペテ2:13-25,テト3:1,2,使24:16.

  27. エペ5:8-16,使25:10,11,コロ4:5,6,ヤコ5:1-6.

  28. 使4:18-31,5:25-42,23:1-3,列上11:28-40と12:23,24,18:4,13,下9章,ダ23章,6章.

  29. マル13:5-23,Ⅱコリ4:3-18,ロマ1:18-22,ヤコ4:1-3,へブ4:12,13.

  30. ヨハ12:35-50,使26:29.

  31. ヨハ5:17-29,ロマ8:18-25,コロ3:3,4.

  32. エペ5:25-27,黙7章,22:1,2.

  33. Ⅰコリ15:20-28,詩2,ダニ7章,ピリ2:10,11,黙1:7,8,13章,19:11-21,20:7-10,21章,22章.

 

 

 

 


苦渋の決断で立候補を取り下げた宇都宮健児氏に、IWJが独占インタビュー!「野党4党も市民連合も、深刻に総括をすべき。これをやらないと、これからも負けっぱなしですよ」2016.8.1

2016-08-01 22:22:34 | 都知事選 県知事選 市長選

IWJ Independent Web Journal

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/322314より転載
苦渋の決断で立候補を取り下げた宇都宮健児氏に、IWJが独占インタビュー!「野党4党も市民連合も、深刻に総括をすべき。これをやらないと、これからも負けっぱなしですよ」 2016.7.31

記事公開日:2016.8.1

(取材:安道幹、記事:城石エマ、記事構成:岩上安身)

 

 7月13日、都知事選の告示日直前に鳥越俊太郎氏が出馬を決定したことをうけ、「苦渋の決断」で立候補を取り下げたという宇都宮健児氏。過去2回の出馬経験をふまえ、今回の都知事選は宇都宮氏の目にどのように映ったのか。昨日、IWJが独占インタビューを行いました。


■ハイライト動画

<!-- 160731 宇都宮健児氏は都知事選をどう見たか ―IWJによる宇都宮健児氏インタビュー -->

 

IWJ「野党統一候補の鳥越俊太郎氏が落選したことをどう受け止めますか?」

宇都宮「選対と一緒に準備してきましたが、(出馬断念という)苦渋の決断をした。その決断が実を結ばなかったのは残念でした」

IWJ「野党共闘のあり方について思ったことは?」

宇都宮「今回は都知事選なので、国政とは頭を切り替えなければいけません。都政を考えるのが一番大事です。候補者選びも、開かれた場所で政策を訴え市民が選ぶスタイルにすべきでした。今回鳥越さんは密室で選ばれたのです。

 その決定に市民連合が入る隙はあったのでしょうか。政党が決め、市民連合がそれを丸呑みするようなやり方は、民主主義的ではなく、独裁的なやり方だと思います。安倍政権を批判しているけど、野党や市民連合のやり方も独裁的と言えますよ。

 参院選を闘いながら、都政独自の問題について時間を設けて候補者選びをやらなければいけなかった。野党4党も市民連合も、深刻に総括をすべき。これをやらないと、これからも負けっぱなしですよ」

IWJ「出馬辞退は野党から働きかけがあったのでしょうか?」

宇都宮「野党からはありません。しかし、市民運動からはありました。立候補する権利は基本的人権の一つ。それを他人が一方的に降りろというのは、どう考えても問題です」

IWJ「市民連合から出馬要請の話も出てきていたという参院選での経緯の中で、共産党からは、参院選ではなく、都知事選に出てくれという話があったのですか?」

宇都宮「『希望のまち東京を作る会』(宇都宮氏の選対)の一部の人々と、共産党系の『革新都政をつくる会』の関係者から、参議院選ではなく都政を目指してもらいたいというような発言があったのは事実です。」

IWJ「鳥越氏の応援に入って欲しかった、という声もありますが、どう受け止めますか?」

宇都宮「入ってもいいかなとは思っていました。しかし、応援に入るための条件を提示したが、どうしても折り合わなかった」

IWJ「どういう点で折り合わなかったのでしょう?」

宇都宮「週刊誌の報道についてです。『事実無根』と言い、名誉毀損で告訴したようですが、あれだけ細かく書かれていて、彼はジャーナリストでもあるので、説明責任をまず果たすべきです。都民に納得のいく説明をすべき。人間の資質に関わる問題。候補者は公人ですから、全人格をかけて説明をすべきです」

IWJ「この問題は誤報の可能性もまだまだありえます。そうした中で、選挙妨害、公職選挙法、そして名誉毀損(きそん)の可能性もまだあります。推定の段階で鳥越氏の人権が侵害される可能性もかかっているかもしれません。このあたりは弁護士のお立場からどのようにお考えですか?」

宇都宮「『事実無根』では誰も納得しないでしょう。『事実無根』言うのであれば細かい説明が必要です。こういう決断をしたのは、たぶん私が弁護士をやってきたからだと思います。人権問題と言うことは非常に重要な問題ですので、単に『事実無根。権力の陰謀だ!』というようなことではすまされないでしょう。『事実無根』で刑事告訴するだけでは、都民は『それで終わりかよ』となると思います。

IWJ「新しい都政にはどのように関わっていきますか?」

宇都宮「今までどおり、引き続き都議会の傍聴、都政の監視をやっていきます」

IWJ「次回もまた都知事選に挑戦しますか?」

宇都宮「選対や市民のみなさんが応援してくれれば。そして私の体力、気力が伴っていることも大事。かえって迷惑をかけないように」

IWJ「改めて、これからの野党共闘に必要なことはなんでしょう?」

宇都宮「日本の運動全体として政党と市民運動の関係を対等なものにすること。ただ安倍政権に一矢報いようという、そんな甘い考えではダメですよ。候補者を選ぶだけではだめ。都議会に毎回張り付いて、傍聴して、そこまでしなければ。こんな腐敗堕落した運動ではいつか崩壊しますよ。市民運動、とくにリーダーと言われる人の考えを変えないと」

 インタビューが行われる直前に出演した、ニコ生の生放送番組でも、宇都宮氏は、小池氏や増田氏ら、自民党候補やその陣営についてはほとんど触れず、鳥越氏と野党共闘のあり方を厳しく批判。野党4党が民進党を中心に、密室で候補者を決め、市民連合がそれを丸呑みにする形は、「市民連合が政党と対等な関係を築けていない状態」。ここが変わらなければ、野党共闘に未来はない、と言い切ります。

 「野党は退き、市民連合が前に出るやり方が良かったのでは」とも。「政党のあり方にこだわらなかったことが、小池さんが勝った原因かもしれない」と述べ、既存政党のやり方に、大きな疑問を呈しました。

 週刊誌報道を受けて、鳥越氏に対し記者会見を開いて説明を求めることを応援演説の条件とし、その条件が満たされなかったため、応援しなかったことについては、賛否が分かれる点であろうと思います。

 応援するかしないかは宇都宮氏の自由であり、応援しないことで責められるべきではないと岩上さんは7月29日にツイートしています。

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 しかし都民に説明するべきであると言うことを条件にした点では意見が分かれるでしょう。この点については改めて考え論じる機会を設けたいと思います。

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これほど不愉快な選挙があったか? 東京都知事選 小池氏圧勝 (ニュースサイトハンター2016.8.1)

2016-08-01 22:00:32 | 都知事選 県知事選 市長選

 

 金子勝認証済みアカウント @masaru_kaneko 7月31日

【首都の死】小池百合子氏に当確が出た。
初の女性知事誕生でなく、極右で新自由主義者で扇動家の都知事誕生である。
ひどく下劣な選挙だった。
鳥越候補の10数年前の女子大生「淫行」疑惑が週刊誌を通じて垂れ流されたが、内閣調査室が動いたという。


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政治・行政の調査報道サイト|HUNTER(ハンター)

http://hunter-investigate.jp/news/2016/08/post-917.htmlより転載

僭越ながら:論

これほど不愉快な選挙があったか?
東京都知事選 小池氏圧勝

2016年8月 1日 09:55

20160719_h01-02.jpg 注目の東京都知事選挙で、元防衛相の小池百合子氏が初当選を果たした。自公推薦の増田寛也氏を112万票、野党統一候補となった鳥越俊太郎氏を157万票あまり引き離しての圧勝だ。
 出馬に至るまでの仕掛け、メディア利用の巧みさ――いずれも見事と言うしかないが、勝因の一つが週刊誌による度を越えた鳥越つぶしにあったことは確か。歪んだメディアが勝敗の帰趨を左右したという意味において、これほど不愉快な選挙は記憶にない。

奏功した小池氏の選挙戦術
 
 猪瀬直樹、舛添要一という都政トップが2代続けて辞任するという異常事態を招いたのは、言うまでもなく「政治とカネ」の問題。背景にあるのは、自民・公明が牛耳る東京都政の歪みだ。小池氏は、出馬に至る過程で巧みに自民党都連や都議会を抵抗勢力に仕立て上げ、巨悪に立ち向かうジャンヌダルクを演出してみせた。かつての親分、小泉純一郎氏の手法を真似た格好だが、選挙慣れでは候補者中一番。堂に入った演説から次々に繰り出される施策の数々、シンボルカラーのグリーンを前面に出した絵になる選挙戦術……。クールビズを定着させた立役者だけに、宣伝戦のうまさは群を抜いていた。

 政策実現力や安定感では実務家の増田氏が一番だったが、担いだのが小池氏によってブラック扱いされた自民党。知名度不足もたたって、二位に甘んじる結果となった。気の毒としか言いようがない。

 当初善戦すると見られていた鳥越氏だったが、日を追うほどに支持は急落。結果的に小池氏から大差を付けられての第三位となった。告示2日前という究極の後出し立候補のため準備不足。訴えの中心に据えた憲法改正や原発という課題が、有権者に都政の課題として受け止められなかったことも大きく響いた。街頭演説の少なさが、やる気のなさを感じさせたのも事実だろう。だが、鳥越氏惨敗の最大の要因が、週刊文春による疑惑報道にあることは疑う余地がない。

かつてない候補者バッシング

 文春・新潮という週刊誌2誌が報じた鳥越スキャンダルが、選挙戦の行方に大きな影響を与えたのは確かだ。7月14日の告示直後、報道各社が伝えた情勢は「小池、鳥越が接戦、増田が追走」。保守分裂の間隙をついて、鳥越氏の善戦が予想される状況だった。政策論争の深まりに期待が集まる中、選挙戦の様相をガラリと変えたのが、21日に発売された週刊文春の記事である。

 選挙の折り返し点で同誌が持ち出してきたのは、ライバル誌である新潮が13年前に没にした鳥越氏の女性スキャンダル。しかも、当事者女性の直接証言はなく、その夫と称する人物や実在が疑われる「関係者」の話だけに依拠した記事だった。常識的なメディアなら掲載自体を躊躇する内容。反論に集中できない“候補者”という立場につけ込んだ、悪質な選挙妨害と言っても過言ではあるまい。

 与太記事とはいえ、甘利明、舛添前知事の疑惑を暴いた「文春砲」の威力は強大。スキャンダル報道以後、鳥越氏への支持は急速に勢いを失っていく。同氏陣営にとって特に痛かったのは、文春の記事が「淫行」という女性がもっとも嫌う内容だったこと。報道各社が行った中盤での情勢調査では、わずか1週間で鳥越氏への女性の支持が急落していた。

 止めを刺すかのように、選挙終盤の28日には週刊新潮が鳥越スキャンダルの後追い。文春も前号の鳥越疑惑を説明する記事を掲載し、右寄り2誌が政権に批判的な候補者をつぶしにかけた形となっていた。この間、橋下徹、東国原英夫などかつて鳥越氏から批判を受けた右寄りの元政治家たちが鳥越批判を展開。金満整形外科医まで加わって、選挙期間中では異例の候補者たたきが続く事態に――。これまで、一人の候補者をここまで叩きのめすような選挙は前例があるまい。

 “右寄り改憲派”による、よってたかっての鳥越バッシング。選挙とは無縁の人格攻撃にうんざりしたが、今後の展開を見据えると、いっそう不愉快な選挙結果と言うしかない。小池氏が抱えるカネ絡みの疑惑、上から目線の同氏の本質、予想される都議会との対立――。東京の有権者は早晩、この選択が間違いだったことを思い知ることになる。