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NHK解説スタジアム、すごい!安倍政権の“御用メディア”NHKが原発政策を批判~「どこに向かう 日本の原子力政策」 〔日刊ゲンダイ2016.8.29〕

2016-08-29 20:46:09 | 福島、原発

日刊ゲンダイ http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/188762より転載

安倍デタラメ原発政策を一刀両断 NHK番組の波紋広がる

2016年8月29日

安倍政権の“御用メディア”NHKが原発政策を批判(C)日刊ゲンダイ 
安倍政権の“御用メディア”NHKが原発政策を批判(C)日刊ゲンダイ

 ライブだったからか、NHKが26日(金)深夜に放送した討論番組「解説スタジアム」は衝撃だった。

 NHKの解説委員7人が、「どこに向かう 日本の原子力政策」というタイトルで議論したのだが、日本の原発政策のデタラメと行き詰まりを赤裸々に語っているのだ。

 番組を見た元外交官の天木直人氏は、翌日のブログにこう書いている。

〈たまたま途中からそれを見た私は、たちまちその議論に引き込まれ、あっという間に見終わってしまった〉〈この番組は国民必見の番組だ〉〈そして、この番組を見た国民は、もはや日本が原発を維持する事は不可能だと知るだろう〉〈NHKの解説委員たちに敬意を表したい〉〈このような番組を作って放映したNHKは捨てたものではない〉

 番組を見た視聴者は、天木氏と同じような感想を持ったのだろう。ネット上では、NHKに対する驚きと称賛の声が上がっている。

〈解説スタジアム、すごい。是非ゴールデンタイムにやってほしい〉〈国会議員は全員観てほしい〉〈これがNHKかと、わが目、わが耳を疑うこと請け合い〉〈各委員の現政権の原子力政策に対する強烈な批判内容に驚いた〉

 7人の解説委員が口にしたことは、当たり前といえば当たり前のことがほとんどだったが、安倍政権の“御用メディア”NHKの幹部が原発政策を批判したことに、視聴者は驚いたのだろう。


■日本の原発政策を完全否定

 実際、解説委員7人の批判は強烈だった。

 ある解説委員は、「アメリカは、地震の多い西海岸には設置しないようにしている。日本は地震、津波、火山の原発リスク3原則が揃っている。原発に依存するのは問題だ」と日本の国土は原発に適さないと指摘。


 再稼働が進んでいることについても、「規制委員会が慎重に審査しているとしているが、審査の基準が甘い。アメリカの基準には周辺住民の避難計画も入っているのに、日本は自治体に丸投げだ。こんな甘い基準はない。安易な再稼働は認めるべきじゃない」と正面から批判した。

 その規制委員会や政府に対しては、こんな言葉が飛び出した。

「規制委員会は(再稼働にお墨付きを与えておきながら)『安全性を保障するものではない』としている。だったら地元住民はどうすればいいのか」「政府は責任を取ると口にしているが、(事故が起きた時)どうやって責任を取るのか。カネを渡せば責任を取ったことになるのか。災害関連死も起きている。責任を取れないのに、責任を取ると強弁することが問題だ」

「もんじゅ」を中核とする核燃料サイクルについても、「破綻している」「やめるべきだ」とバッサリ斬り捨てた。

 そして、最後に解説委員長が「福島原発事故では、いまだに9万人近い方が避難生活を強いられている。安全神話は完全に否定され、事故を起こすと、いかに手に負えないかを知ることになった」と締めくくっている。

 要するに、日本の原発政策を完全に否定しているのだ。改めて天木直人氏はこう言う。

「政治、経済、国際、科学……とさまざまな専門分野を持つ解説委員が、原発の危険性、核燃料サイクルの破綻、原発の高コスト、最終処分場が決まらないこと、さらに政府と官僚の無責任さなど、問題点を次々に明らかにする議論に引き込まれた。日本の原発政策がいかに矛盾しているか浮き彫りにしてくれた。よくぞ、放送したと思いました」

「原発反対」の声が広がれば…(C)日刊ゲンダイ
「原発反対」の声が広がれば…(C)日刊ゲンダイ

安倍首相が方針転換する可能性

 確かに、よくぞNHKは、日本の原発政策を全面否定する内容を放送したものだ。

 深夜23時55分~午前0時49分という視聴者が少ない時間帯だったから、自由に討論ができたのだろうか。あるいは、上層部は腐っていても番組を作る現場はジャーナリズムを失っていないのかも知れない。

 いずにしろ、安倍政権にショックを与えたことは間違いない。本来なら参院選の前に放送すべきだったのだろうが、いったん再稼働した高浜原発が裁判によって止まり、鹿児島県知事が川内原発の停止を九州電力に要請したタイミングで放送した意味は大きい。

 この先、「解説スタジアム」の番組内容が広く行き渡っていけば、国民世論と安倍政権の原発政策に影響を与える可能性もあるのではないか。

「もし、多くの国民が番組を見て原発の実態を知り、“原発反対”の声が広がったら、政府の原発政策が変更される可能性もあると思います。安倍首相は、世論に弱いからです。ポイントは、それほど原発に対して思い入れがないことです。原発にストップをかけた方が支持率がアップすると判断したら、あっさり政策を変えると思う。小泉純一郎は、『なぜ、安倍さんが原発をやめないのか分からない』『やめたら国民は拍手喝采しますよ』と一貫して主張している。日本が原発を放棄することにアメリカが反対しているという声もあるようですが、アメリカが了解したら、安倍首相は決断すると思います」(天木直人氏=前出)

 この5年間、「原発即時ゼロ」をしつこく訴えている小泉元首相の運動も、安倍政権にはボディーブローのようになっているという。


■「即時ゼロ」でも困らない

 安倍首相さえ決断すれば、日本は簡単に「原発即時ゼロ」を実現できる。原発を全面的に廃止しても、まったく困らないからだ。

 この5年間、実質「原発ゼロ」でやってきたが、弊害はひとつもなかった。

「3.11の後、原子力ムラは『原発を稼働させないと電力が不足する』『突然、停電したら医療機器がストップして死者が続出する』と散々、国民を脅してきました。でも、原発を稼働させなくても電力は十分に足りた。国民の節電意識が進み、省電力家電が増えたからです。これから人口が減る日本は、さらに電力需要が減るでしょう。その後、原子力ムラは『原発を稼働させないと電力料金が上がる』と新たな理屈を持ち出したが、その主張も説得力を失っています。原油価格が下落したために、火力発電のコストが大幅に下がっているからです。それに、NHKの解説委員が指摘した通り、『原発はコストが安い』という電力会社の言い分にはマヤカシがある。確かに、短期的なランニングコストは安いですが、建設から廃炉までトータルで考えたら、原発のコストは高い。イギリスでは、原発の建設に対して金融機関が融資しなくなっているほどです」(原発問題に詳しいジャーナリスト・横田一氏)

そもそも、いまだに福島原発事故の原因さえ解明されず、いつ廃炉できるのかメドさえ立っていないのに、危険な原発を再稼働させようという発想が間違っている。

 福島原発は100年後も廃炉できないのではないか。

 それでも、安倍政権と原子力ムラが世界を騙し、危険な原発ビジネスに血道を上げているのは、カネになるからだ。その正体がバクロされれば、安倍政権は窮地に陥り、さらに「原発即時ゼロ」に追い込まれていくだろう。

 NHKの解説委員長が番組の最後に語ったように、原発は人間の手に負えないモンスターである。NHKが正面切って批判したことで、原発という悪魔の退治が始まるのか。政府のデタラメがことごとく明らかになった以上、それを決めるのは世論の盛り上がりなのである。

 

                                                   各写真byNaohisa EndoFB憲法九条の会

 
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★画期的!NHK解説スタジアム 「どこに向かう 日本の原子力政策 LIVE」 - Dailymotion動画

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障害者は「感動ポルノ」として健常者に消費される–難病を患うコメディアンが語った、”本当の障害”とは

2016-08-29 08:00:42 | 福祉 高齢 障がい

 コメディアンでジャーナリストのステラ・ヤングは、たまたま車椅子で生活をしています。ヤングが強調したいのは、この事実だけでヤングが全人類を感化するような気高い存在になるわけではないと言うことです。この面白い講演で、ヤングは私たちの社会が障害者を「感動ポルノ」にしてしまう風潮を批判します。


http://logmi.jp/34434より転載

障害者は「感動ポルノ」として健常者に消費される–難病を患うコメディアンが語った、”本当の障害”とは

私たちが障害者の姿に感動しているのは、心のどこかで彼らを見下しているからかもしれません……。昨年12月に亡くなったコメディアン兼ジャーナリストのStella Young(ステラ・ヤング)氏は、従来の「気の毒な障害者」という枠を破った率直な発言で人気を集めました。健常者の感動を呼ぶために障害者を取り上げる風潮を批判し、障害者問題に対する社会の理解を求めました。(TED2014より)

スピーカー
コメディアン兼ジャーナリスト Stella Young(ステラ・ヤング) 氏
参照動画
私は皆さんの感動の対象ではありません、どうぞよろしく

何も達成していないのに「達成賞」をもらった理由

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ステラ・ヤング氏 私はビクトリア州の田舎の、とても小さな町で育ちました。ごくふつうの、穏やかな家庭です。学校へ行き、友達と遊び、妹たちとケンカし、といった具合にとても「ふつう」でした。私が15歳になった時のことです。

 地元のコミュニティのメンバーが私の両親のところへ来て、私を地域の「達成賞」にノミネートしたいと言いました。そのとき、両親はこう言いました。
「とてもありがたいお話ですが、ひとつ明らかな問題があると思います。彼女は何も『達成』していないと思うんですが」(会場笑)彼らの言った通りでした。私は学校に行き、良い成績を収め、放課後は母の経営するヘアサロンでのんびりとお手伝いをしていました。そして『吸血キラー聖少女バフィー』や『ドーソンズ・クリーク』といったテレビドラマをよく見ていました。「達成」という言葉に対するなんという矛盾。そう思いませんか?

 両親が言ったことはまったく正しかったのです。私は「ふつう」以上のことを何もしていませんでした。何ひとつとして。障害というものを、平均以下の状態であると見なさない限り、「達成」と言われるようなことは何もしていなかったのです。

 

障害者はあなた方を感動させるためにいるわけではない

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 数年後、私はメルボルン高校で2年目の教師生活を迎えていました。法律に関する11年生向けの授業で、20分くらい経った頃でしょうか。1人の男子生徒が手を挙げて、私に尋ねました。「先生、いつになったら講演を始めるんですか?」「何の講演?」と私は訊き返しました。名誉毀損について、20分ほど説明してきた後のことです。

 生徒は言いました。「何か、感動するようなスピーチですよ。車椅子の人が学校に来たら、ふつうは人を感動させるような話をするものでしょう? たいてい大きな講堂でだけど」(会場笑)それが、私が自分の置かれている状況に気付き始めたきっかけでした。その生徒が今まで出会った障害者はみな、「感動的な話をする人」という存在だったのです。

 私たちはそうではありません。もちろん、これは彼の責任ではありません。多くの人にとって、障害者とは、教師や医者やネイルアーティストのイメージではないでしょう。私たちはふつうの人ではないと思われています。誰かを感動させ、鼓舞するための存在なのだと。実際のところ、私がこうやってステージの上へ車椅子に乗って登場した時、みなさんは私が「感動的な話」をするのだろうと、どこかで期待していたのではないでしょうか。(会場笑)でしょ? やっぱり。

 紳士淑女のみなさん、残念ながらみなさんをがっかりさせなければなりません。私はあなた方を感動させるためにここにいるのではありません。障害に関して、私たちがついてきた嘘をお伝えするためにここにいるのです。

 

障害者は「感動ポルノ」として消費される

私たちは、障害を悪いものとしてとらえてきました。障害はマイナスである。そして、障害と共に生きることは素晴らしいことであると。

 障害は悪いことではないのです。そして、障害があるからといって、あなたが素晴らしい人間だというわけでもありません。さらに過去数年間、ソーシャルメディアによって、この手の嘘はより広く伝えられてきました。みなさんも、このような画像を見たことがあるのではないでしょうか。gazou1

「ネガティブな態度こそが、この世で唯一の障害だ」ふーむ……。

または、こんな画像です。「言い訳は通用しない」なるほどね。こういうのもあります。

gazou2

「言い訳は通用しない」なるほどね。こういうのもあります。

gazou3

「諦める前に、やってみろ!」

 これらはほんの一例に過ぎませんが、こういったイメージは世の中にあふれています。みなさんも、両手のない少女がペンを口にくわえて絵を描いている写真や、義足で走る子供の写真を見たことがあるのではないでしょうか。こういう画像はたくさんあり、私はそれらを「感動ものポルノ」と呼んでいます。(会場笑)

 「ポルノ」という言葉をわざと使いました。なぜならこれらの写真は、ある特定のグループに属する人々を、他のグループの人々の利益のためにモノ扱いしているからです。障害者を、非障害者の利益のために消費の対象にしているわけです。

 

社会のほうがより強い「障害」になっている

stella young2

 先ほどお見せした写真の目的は、人を感動させ、勇気づけ、やる気を引き出すことです。つまり、「自分の人生はうまく行っていないけれど、もっとひどい人だっているんだ」と思わせるためのものです。「あんな大変な人もいるんだ」と。では、もし自分がその立場になったらどうでしょう? 私は見知らぬ人に話しかけられたことが何度もあります。彼らは「あなたは勇敢だ」とか「元気をもらった」とか言います。私が人の前に立って話をするようになる前のことですが、毎朝起きて自分の名前を覚えているだけで、おめでとうと言われたものです。(会場笑)これらは、人をモノ扱いしている行為です。

 さきほどお見せしたような画像は、健常者が良い気分になれるように、障害者をネガティブな存在としてモノ扱いしています。自分の抱えている問題が大した困難ではないと、違う角度から見られるようにするためです。障害者の生活には、実際それなりに困難がつきまといます。乗り越えなければならないことはいろいろとあります。でも私たちが克服しなければならないことは、みなさんが考えるようなたぐいのものではありません。身体の障害は関係ないのです。私は「障害者」という言葉を意図的に使って来ました。なぜなら、私たちの身体と病名よりも、私たちの生きる社会のほうがより強く「障害」になっていると感じているからです。

 私はこの身体とともに長い年月を過ごしてきており、自分の身体をとても気に入っています。やらなければならないことは自分でできますし、みなさんと同じように、自分の身体の持つ可能性を最大限生かすことを学んできました。さきほどお見せした写真の子供たちも同じです。彼らは何も特別なことはしていません。彼らの身体でできる限りのことをしているだけなのです。では、さきほどのようなやり方で画像をシェアするのは、本当に正しいことでしょうか?

 

「あなたの姿に感動した」は本当に賛辞なのか?

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 「あなたの姿に感動した」と言う時、人はそれを賛辞として言っていると思っています。私は、どうしてそう言わざるを得ないのか知っています。それは私たち障害者が、障害と共に生きることが素晴らしいのだというイメージを作り上げて来たからなのです。本当は、そんなことはありません。みなさんが今考えていることもわかります。私がここで感動話を否定すると、みなさんはこうお思いでしょう。

 「ええっ、ステラ、じゃああなたは他の人を見て感動することはないの?」実際のところ、します。他の障害者の姿からいつも感銘を受けています。でもそれは、自分が彼らよりも恵まれているから感動するわけではありません。落とした物を拾うのに、バーベキューのトングを使うのは素晴らしいアイデアだということを教えてもらいました。車椅子のバッテリーから、携帯電話を充電できるというカッコいい裏技も学びました。彼らは天才です。私たち障害者は、それぞれの精神力と忍耐力をお互いに学びあっています。身体的特徴や病症に対してではなく、私たちに特別な業績を期待し、モノ扱いするこの社会に対抗するための知恵です。

 

障害が「ふつう」である世界で生きていきたい

stella young4

 私たちが今までつき続けてきたこの嘘は、大いなる不正だと思っています。この嘘が、私たちの人生をつらいものにしているのです。

 「ネガティブな態度こそが、唯一の障害だ」というさきほどの言葉、あれは間違っているだけでなく、この社会における障害の捉え方なのです。どれほど笑顔を振りまいても、階段をスロープに変えることなどできません。決して。(会場拍手)テレビで愛想を振りまいても、聴覚障害者のために字幕がつくことはありません。本屋の中でどれだけ前向きな姿勢を示そうが、全ての本が点字になることはないのです。それはありえないことなのです。

 私は、障害が例外としてではなく、ふつうのこととして扱われる世界で生きていきたいと望んでいます。部屋で『吸血ハンター 聖少女バフィー』を見ている15歳の女の子が、ただ座っているだけで何かを達成したと思われることのない世界に生きたいです。朝起きて名前を覚えているだけで喜ばれるような、程度の低い期待をされることのない世界。そしてメルボルン高校の11年生が、新しい先生が車椅子に乗っていてもまったく驚かない世界で生きて行きたいのです。障害そのものは、何も特別なことではありません。でもあなたの障害に対する意識について考えることは、あなたを特別な存在にします。ありがとうございました。

  

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「24時間テレビ」は障害者の「感動ポルノ」 ~裏番組のNHK生「バリバラ」に大反響 〔J-CASTニュース2016.8.28〕

 

 

 

 


「24時間テレビ」は障害者の「感動ポルノ」 ~裏番組のNHK生「バリバラ」に大反響 〔J-CASTニュース2016.8.28〕

2016-08-29 07:45:55 | 福祉 高齢 障がい

24時間テレビ 裏 バリバラ 生放送「検証!<障害者×感動>の方程式 



「感動ポルノ」というキーワード。
自身も骨形成不全症を患いながら、オーストラリアでコメディアンとジャーナリストとして活躍したステラ・ヤングさんが唱えたもので、
害者を、非障害者などが感動するための「モノ」として扱うような行為を指す言葉だ。

 

 

J-CASTニュース  http://www.j-cast.com/2016/08/28276254.html?p=allより転載

「24時間テレビ」は障害者の「感動ポルノ」 裏番組のNHK生「バリバラ」に大反響

 
 

   「Eテレが本気出してる」「バリバラ攻めすぎでしょ」――視聴者からそんなツイートが相次いだのは、日本テレビの「24時間テレビ」の裏番組として、NHK Eテレが2016年8月28日に放送した「バリバラ」(19時00分~30分)だ。

   24時間テレビをパロディー化して笑いのめしながら、障害者を「感動」の具とする「感動ポルノ」に、障害者自身も含む出演者たちが異を唱える。そんな野心的な内容は、ツイッターで番組名が「トレンド」に入るなど、大きな反響を呼んでいる。

  • 番組公式ページより
    番組公式ページより
番組公式ページより

「検証!『障害者×感動』の方程式」

   障害や難病を持つ人が、さまざまな難題に挑戦する――そうした「感動的」な企画は、24時間テレビのまさに十八番だ。2016年も、下半身不随の少年の富士登山や、目や耳の不自由な生徒たちのよさこいなど、こうした企画が多数放送された。

   しかし、障害者情報バラエティーをうたう「バリバラ」では、同じ28日のオンエアに、「検証!『障害者×感動』の方程式」と題して、こうしたメディアの障害者像に疑問を唱える内容をぶつける生放送と予告し、以前から注目を集めていた。

   NHK広報局は「他局の放送とは関係ない」と事前のJ-CASTニュースの取材に応えていたものの、番組が始まるや、スタジオで大写しになったのはどこかで見たような「24」マーク。出演者はおそろいの黄色いシャツ姿で、その一人、多発性硬化症などを患う大橋グレース愛喜恵さんにいたっては「本家」の「24時間」のシャツをそのまま着ている。そもそも、キャッチフレーズからして「笑いは地球を救う」だ。

   特に徹底していたのは、世間の「感動的な障害者像」を再現したコーナーである。上記の大橋さんが出演するこのドキュメンタリー風映像では、「それらしい」音楽やキーワードで、いかにも「健気な」障害者として大橋さんが描かれているのだが、それをぶち壊すように「病院の先生がイケメンでテンション上がった」「(立ち直ったきっかけを聞かれて)まあ時間が解決したみたいな」と、「使えない」発言を連発し、そのたびにスタッフが「その話いらないっす」「いやそこ大変な感じで行きましょ」などと軌道修正する。要するに、24時間テレビを完全にパロディー化したコントなのである。

   ちなみにチャンネルを日本テレビに変えると、まさにちょうど、そっくりな「感動的」な映像が流れており、BGMも笑ってしまうほどよく似ている。狙って時間を合わせたのかは不明だが、痛烈な皮肉だ。なお、大橋さんは今年の24時間テレビにも出演している。

 

障害者の90%が「感動ドキュメンタリー」嫌い

   こうした「笑い」の要素を織り交ぜながらも、番組全体を貫いていたのは「感動ポルノ」というキーワードだ。自身も骨形成不全症を患いながら、オーストラリアでコメディアンとジャーナリストとして活躍したステラ・ヤングさん(1982~2014年)が唱えたもので、障害者を、非障害者などが感動するための「モノ」として扱うような行為を指す言葉だ。

   番組によれば、これら「感動ポルノ」的な障害者の番組について、当の障害者の90%が「嫌い」と答えたという。番組では「24時間テレビ」という単語は避けられていたものの、たびたび言及され、司会の山本シュウさんは最後に、こう注文した。

「現場のスタッフはものすごいがんばってるし、ただもう上の人がね、『(障害者は)こうなんや、感動なんや』って(決めつけて)やるからね。この辺、みんなのがんばりが空回りせんようにしてほしい」

 

「30分じゃ物足りなかった」「日テレのトップに見せたい」

   単なるパロディーに留まらず、メディア全体に対して「感動ポルノ」を問題提起するという、野心的な内容に、ツイッターなどでは大きな反響が起こった。

「これはすごい番組だった......ただ喧嘩を売ってるだけじゃなくて、こうした真摯な検証番組の存在は、24時間テレビにとってもプラスになるのではないかと思いました」
「30分じゃ物足りなかったー。もっと議論すべき。すごく面白い番組やった」
「たぶんNHKにしかできない番組だし、24時間テレビにぶつけていった勇気を讃えたいし、この番組の考え方が24時間テレビに生かされていくことを願う。もちろん現行の24時間テレビにも放送するメリットはあるだろうから、日テレのトップに是非この番組を観てもらいたい」

   ツイッターで多くつぶやかれた言葉を集計するYahoo!リアルタイム検索では20時台、「バリバラ」が3位、「感動ポルノ」が4位など、24時間テレビを上回る順位をキープしていた。

 

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「五日市憲法草案」起草者の信念を中学生学ぶ〔河北新報2016.8.27〕 / 五日市憲法草案とは?

2016-08-29 06:02:00 | 憲法

河北新報 http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201608/20160827_13036.html

宮城のニュース

「五日市憲法草案」起草者の信念を中学生学ぶ

2016年08月27日土曜日


顕彰碑の前で五日市憲法草案について説明を受ける生徒ら
 

 宮城県栗原市志波姫出身の自由民権思想家・千葉卓三郎(1852~83年)が縁で友好姉妹都市関係にある同市と東京都あきる野市の中学生が交流事業の一環で、栗原市内にある千葉の生家跡などゆかりの地を訪ねた。千葉が起草した憲法私案「五日市憲法草案」の概要などを学び、国民の権利の在り方に関心を深めた。

 生家を訪れたのは栗原市の8校20人とあきる野市の6校31人。3日、千葉が洗礼を受けた金成ハリストス正教会や、生家跡にあるタクロン公園を訪問した。戊辰戦争に従軍して敗れ、自由民権運動に携わる足跡などについて地元ボランティアから聞いて回った。
 五日市憲法草案の一部が刻まれている市志波姫総合支所前の顕彰碑にも足を運んだ。「国民主権や教育を受ける義務、言論の自由といった近代憲法の理念が盛り込まれている」と説明を受けると、生徒たちは碑をじっと見詰めたり写真を撮ったりしていた。
 高清水中3年の沼倉佑弥さん(14)は「すごいことをした人が地元にいたのだと感じた」、志波姫中3年の菅原未来さん(15)は「権利というものは一人の強い人のためにあるのでなく、国民のためにあるという当然のことをあらためて実感した」と語った。
 千葉は仙台藩の下級武士の息子として栗原郡白幡村(現栗原市)に生まれた。自由民権運動が盛んだった現在のあきる野市で教員を務め、仲間と共に民権運動に関わった。両市の友好姉妹都市関係は1985年2月、合併前の志波姫町と五日市町が締結した。

 

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    旧志波姫町(現栗原市)の生家跡にあります。                          仙台市北部の資福寺の境内にある千葉の顕彰碑。     by神田健策

    「時事随想」2008年4月13日付『陸奥新報』に書いたものです。文中の登米市は栗原市の誤りです。(神田健策

   
                   

◆五日市憲法草案とは
https://kotobank.jp/word/%E4%BA%94%E6%97%A5%E5%B8%82%E6%86%B2%E6%B3%95%E8%8D%89%E6%A1%88-887110より引用

明治前期の民間有志による憲法私案。歴史家の色川大吉さんらが1968年に発見し、命名した。起草したのは五日市勧能(かんのう)学校の教員だった宮城県出身の千葉卓三郎(1852~83)。204の条文で成り立ち、人権の尊重や平等権など国民の権利保護が大半を占める。教育の自由地方自治、政治犯の死刑禁止など先進的な内容も含まれた。 皇后美智子さまが2013年に文書で草案にふれ、脚光を浴びた。(2016-02-12 朝日新聞 朝刊 東京都心・1地方)

 

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五日市憲法草案(日本帝国憲法草案)

 

 

 


日弁連は共謀罪に反対します。〔日本弁護士連合会〕 …”合意したら犯罪?合意だけで処罰?”

2016-08-29 06:01:02 | 案内 情報 デモ 集会 逮捕
JFBA 日本弁護士連合会
日弁連は共謀罪に反対します(共謀罪法案対策本部)
 
  パンフレット「思想を処罰?日弁連は共謀罪に反対します!」
 
   
 
 
 

 


 「共謀罪」が、国連越境組織犯罪防止条約を理由に制定されようとしており、法案は、2003年の第156回通常国会で最初に審議されました。その後二度の廃案を経て、2005年の第163回特別国会に再度上程され、継続審議の扱いとなり、第165回臨時国会においても、幾度とない審議入り即日強行採決の危機を乗り越えて継続審議となり、第170回臨時国会においても継続審議となりました。そして、2009年7月21日の衆議院解散で第171回通常国会閉幕により審議未了廃案となりました。

 

今後も予断を許さない状況が続くことが予想されます。

 

日弁連は、共謀罪の立法に強く反対し、引き続き運動を展開していきます。

 

詳細はこちらのページをご覧ください。

→パンフレット「合意したら犯罪?合意だけで処罰?―日弁連は共謀罪に反対します!!―」(五訂版)

 

共謀罪なしで国連越境組織犯罪防止条約は批准できます

日弁連は、2006年9月14日の理事会にて、「共謀罪新設に関する意見書」を採択し、2012年4月13日の理事会にて、新たに「共謀罪の創設に反対する意見書」を採択いたしました。


共謀罪の基本問題

  • 政府は、共謀罪新設の提案は、専ら、国連越境組織犯罪防止条約を批准するためと説明し、この立法をしないと条約の批准は不可能で、国際的にも批判を浴びるとしてきました。
  • 法務省は、条約審議の場で、共謀罪の制定が我が国の国内法の原則と両立しないことを明言していました。
  • 刑法では、法益侵害に対する危険性がある行為を処罰するのが原則で、未遂や予備の処罰でさえ例外とされています。ところが、予備よりもはるかに以前の段階の行為を共謀罪として処罰しようとしています。
  • どのような修正を加えても、刑法犯を含めて600を超える犯罪について共謀罪を新設することは、刑事法体系を変えてしまいます。
  • 現在の共謀共同正犯においては、「黙示の共謀」が認められています。共謀罪ができれば、「黙示の共謀」で共謀罪成立とされてしまい、処罰範囲が著しく拡大するおそれがあります。
  • 共謀罪を実効的に取り締まるためには、刑事免責、おとり捜査(潜入捜査)、通信傍受法の改正による対象犯罪等の拡大や手続の緩和が必然となります。
  • この間の国会における審議とマスコミの報道などを通じて、共謀罪新設の是非が多くの国民の関心と議論の対象となり、共謀罪の新設を提案する法案を取り巻く環境は、根本的に変わっています。

国連越境組織犯罪防止条約は締約国に何を求めているのでしょうか

  • 国連越境組織犯罪防止条約第34条第1項は、国内法の基本原則に基づく国内法化を行えばよいことを定めています。
  • 国連の立法ガイドによれば、国連越境組織犯罪防止条約の文言通りの共謀罪立法をすることは求められておらず、国連越境組織犯罪防止条約第5条は締約国に組織犯罪対策のために未遂以前の段階での対応を可能とする立法措置を求められているものと理解されます。

条約の批准について

  • 国連が条約の批准の適否を審査するわけではありません。
  • 条約の批准とは、条約締結国となる旨の主権国家の一方的な意思の表明であって、条約の批准にあたって国連による審査という手続は存在しません。
  • 国連越境組織犯罪防止条約の実施のために、同条約第32条に基づいて設置された締約国会議の目的は、国際協力、情報交換、地域機関・非政府組織との協力、実施状況 の定期的検討、条約実施の改善のための勧告に限定されていて(同条第3項)、批准の適否の審査などの権能は当然もっていません。

国連越境組織犯罪防止条約を批准した各国は、どのように対応しているのでしょうか

  • 第164回通常国会では、世界各国の国内法の整備状況について、国会で質問がなされましたが、政府は、「わからない」としてほとんど説明がなされませんでした。この点について、日弁連の国際室の調査によって次のような事実が明らかになりました。
  • 新たな共謀罪立法を行ったことが確認された国は、ノルウェーなどごくわずかです。
  • アメリカ合衆国は、州法では極めて限定された共謀罪しか定めていない場合があるとして国連越境組織犯罪防止条約について州での立法の必要がないようにするため、留保を行っています。
  • すでに判明しているだけで、組織犯罪の関与する重大犯罪の全てについて共謀罪の対象としていないことを認めている国が5ヶ国(ブラジル、モロッコ、エルサルバドル、アンゴラ、メキシコ)も存在することが明らかになっています。
  • セントクリストファー・ネーヴィスは、越境性を要件とした共謀罪を制定して、留保なしで国連越境組織犯罪防止条約を批准しています。

新たな共謀罪立法なしで国連越境組織犯罪防止条約を批准することはできます

  • 我が国においては、組織犯罪集団の関与する犯罪行為については、
  1. 未遂前の段階で取り締まることができる各種予備・共謀罪が合計で58あり、凶器準備集合罪など独立罪として重大犯罪の予備的段階を処罰しているものを含めれば重大犯罪についての、未遂以前の処罰がかなり行われています。
  2. 刑法の共犯規定が存在し、また、その当否はともかくとして、共謀共同正犯を認める判例もあるので、犯罪行為に参加する行為については、実際には相当な範囲の共犯処罰が可能となっています。
  3. テロ防止のための国連条約のほとんどが批准され、国内法化されています。
  4. 銃砲刀剣の厳重な所持制限など、アメリカよりも規制が強化されている領域もあります。
  • 以上のことから、新たな立法を要することなく、国連の立法ガイドが求めている組織犯罪を有効に抑止できる法制度はすでに確立されているといえます。
  • 政府が提案している法案や与党の修正試案で提案されている共謀罪の新設をすることなく、国連越境組織犯罪防止条約の批准をすることが可能であり、共謀罪の新設はすべきではありません。

法務省ホームページに掲載されている文書について

法務省ホームページ上に別のページへリンク「『組織的な犯罪の共謀罪』に対する御懸念について」と題するコーナーがあります。
同コーナーの文書で挙げられている点に絞って、疑問点を指摘します。

 

PDF「共謀罪」に関する法務省ホームページの記載について(2006年5月8日)(PDFファイル;129KB)

 

日弁連が意見書などで指摘している点について、法務省が2006年10月16日付けで以下文書をホームページに掲載しています。

これらの文書で挙げられている点に絞って、疑問点を指摘します。

 


 

外務省ホームページに掲載されている文書について

日弁連などの調査により、アメリカ合衆国は、州法では極めて限定された共謀罪しか定めていない場合があるとして国連越境組織犯罪防止条約について州での立法の必要がないようにするため、留保を行っているということがわかりました。


この点について、外務省が2006年10月11日付けで別のページへリンク「米国の留保についての政府の考え方」と題する文書を掲載しています。


この文書で挙げられている点に絞って、疑問点を指摘します。