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『あまろっく』

2024年05月07日 | 映画(あ行)
『あまろっく』
監督:中村和宏
出演:江口のりこ,中条あやみ,松尾諭,中村ゆり,中林大樹,駿河太郎,紅壱子,
   久保田磨希,浜村淳,後野夏陽,朝田淳弥,高畑淳子,佐川満男,笑福亭鶴瓶他
 
久々に仕事帰りになんばパークスシネマまで行ってみました。
 
聞くだけで「えーっ」とゲンナリしませんか。
だって、笑福亭鶴瓶(72歳)の再婚相手が中条あやみ(27歳)という設定ですよ。
私のいちばん苦手な、大嫌いな、オッサンの妄想でしょ。
それでも江口のりこ主演で尼崎が舞台ならスルーするわけにはいかず。
 
タイトルの「あまろっく」とは「尼ロック」、尼崎閘門(こうもん)のことで、
尼崎市の海抜ゼロメートル地帯に海水が流れ込むのを防いでいるそうです。
 
尼崎で小さな鉄工場を営む家に生まれた近松優子(江口のりこ)。
いたって能天気な父親・竜太郎(笑福亭鶴瓶)のようにはなるまいと、
幼少時から勉強にもスポーツにも勤しみ、見事京都大学に入学。
ボート部では優れた成績を残し、東京の一流企業に就職。
会社でもトップの営業成績をあげていたが、人格が災いしてリストラされる。
 
致し方なく尼崎の実家に戻り、無職のまま8年が経過した頃、竜太郎が突然再婚すると宣言。
しかも相手の女性・早希(中条あやみ)は20歳の美人。
アラフォーの優子の継母が年齢およそ半分の早希とは唖然呆然。
 
戸惑う優子の気も知らず、一家団欒に強い憧れを抱く早希のペースで毎日が進むが、
ある日のジョギング中に竜太郎が急逝。家には優子と早希が残されて……。
 
ネイティブばかりをそろえた関西弁映画の気持ちのよいことよ(笑)。
江口のりこにあまり関西弁のイメージはなかったのですけれども、
さすが播磨国出身、ガラが悪すぎてドン引き、笑いました。
 
駿河太郎は優子の幼なじみで今は屋台おでんの店主の役。鶴瓶の息子だから関西弁は当たり前。
優子の見合い相手役を演じる中林大樹のことを私は本作で初めて知りましたが、
そうでしたか、彼が竹内結子の再婚相手だったのですね。ちょっと宅間孝行似のイケメン。
 
竜太郎の会社の社員役の久保田磨希、ベテラン職人役の佐川満男、
若手職人役の朝田淳弥(彼もイケメン)などなど、み~んな関西人で、
竜太郎と死別した先妻役の中村ゆりまで大阪出身だったとは。
 
何でもよく出来るけれど、常に人を見下した態度で接してきた優子。
自分とは真逆のタイプの早希に嫌悪感を抱いて悪態をつくけれど、
早希はまったく動じないどころか、家族で喧嘩できることを幸せにすら感じています。
こうして振り回されているうちに絆ってできあがっていくものなのですねぇ。
 
オッサンの妄想的設定が嫌だったとはいえ、
早希のほうが竜太郎を押し倒したというくだりはあっけらかんとしていてOK。
生々しい話にならなくてよかった。そんなだったらゾッとする(笑)。
 
阪神・淡路大震災の映像も出てくるので、つらい人にはつらいかもしれません。
それでも、関西人ならばぜひ。

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