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『鬼平犯科帳 血闘』

2024年05月20日 | 映画(あ行)
『鬼平犯科帳 血闘』
監督:山下智彦
出演:松本幸四郎,市川染五郎,仙道敦子,中村ゆり,火野正平,本宮泰風,浅利陽介,山田純大,
   久保田悠来,柄本時生,松元ヒロ,中島多羅,志田未来,松本穂香,北村有起哉,中井貴一,柄本明他
 
109シネマズ大阪エキスポシティにて。
 
池波正太郎の生誕100年を記念して製作、まず公開されたのが2部作“仕掛人・藤枝梅安”でした。
同時期に製作が発表されていたのがこの“鬼平犯科帳”で、このたび劇場公開。
同じキャストで今年初めから時代劇専門チャンネルにて放映中のようです。
TV版は未見ゆえ、話がどう繋がっているのかわかりませんが、これのみでじゅうぶん面白い。
監督はTV版と同じく山下智彦が務めています。
 
火付盗賊改方(ひつけとうぞくあらためかた)の頭、長谷川平蔵(松本幸四郎)は、
盗賊たちから「鬼平」と呼ばれて恐れられているが、
このところそんな平蔵に挑むかのように、躊躇せずに人まで殺す盗みが頻発している。
 
いったいどこのどいつがこのような悪事を働く集団を率いているのか。
どう見当をつければよいのか悩んでいた平蔵のもとへ、
20年前によく立ち寄っていた居酒屋の娘おまさ(中村ゆり)がやってくる。
 
平蔵の役に立ちたいと願うおまさは、盗賊を捕まえるために密偵となることを希望。
そんな危ないまねはさせられないと退ける平蔵。
あきらめきれないおまさは、平蔵が鷺原の九平(柄本明)を探していると知るや、
昔の知り合いをたどって九平のもとへと行き着いてみせる。
 
九平も盗賊ではあったが、決して人殺しはしない。
たまたま盗みに入った屋敷で件の一味を見かけ、その残虐さを目の当たりにしていたのだ。
おまさは引き込み女を装うと、九平と協力して一味を挙げようとして……。
 
芸達者がそろうとここまで面白くなるものなのですね。
というのか、そもそも“鬼平犯科帳”が、そして池波正太郎が面白いのか。
 
たぶん私と同世代の人ならばうなずいてくれるでしょうけれど、
松本幸四郎と聞くと、九代目(現・二代目松本白鸚)のほうの顔が即座に浮かびます。
主演ドラマ『王様のレストラン』(1995)なんて超懐かしい。
そして本作の主演である十代目は、私たちにとってはどこまでも市川染五郎
今井美樹主演のTVドラマ『ブランド』(2000)の役がめちゃよかったのですよねぇ。
その染五郎の名前は今はもうさらに息子が襲名し、若かりし頃の平蔵役で出演しています。
 
九平役の柄本明が良いし、敵役を演じる北村有起哉が迫力満点の酷い奴。
彼の情婦で一味を手引きする引き込み女、志田未来があわれ。
また、かつて平蔵が惚れ込んでいたという遊女おろく役の松本穂香、平蔵の妻を演じる仙道敦子も○。
平蔵の同心、木村忠吾役の浅利陽介とのやりとりには笑わされて楽しい。
 
テンポよく、殺陣も見応えあり、飽きずに観られます。
時代劇が苦手だという人にもオススメしたい。
 
ところでこれは何部作ですか。続きバリバリにおわせてます。早く観たい。

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