小田原周辺のマイナースポットや些細な出来事を少しずつ
小田原の端々



小田原市の前川地区では毎年正月明けの週末に道祖神祭りが行われ、国道沿いの3ヶ所で独特の人形飾りがお披露目される。夕暮れ時に、灯りに照らされた人形がなんとも妖しい雰囲気で、個人的に毎年出かけるのを楽しみにしている。前川の道祖神祭りは1月11・12日の二日間行われたが11日の夕方に写真を撮りに出かけた。 1月11日午後5時過ぎに前川地区へ。毎年自転車で訪れているのだが今年は午前中のトレーニングで疲れてしまっていたので車で出かけた。市境にある知人宅に車を停めさせてもらい二宮側から3ヶ所の飾りつけを巡る。最初に立ち寄ったのは向原道祖神の祭典本部。向原の祭典本部横には山車が置かれ人形飾りに明かりが灯っていた。この日没間近の薄暮の明るさに浮かび上がる人形飾りがなんとも堪らない。向原道祖神の今年の飾りつけは「甲斐姫物語」。甲斐姫は現在の埼玉県生田市にあった忍城城主成田氏長の長女。父が小田原北条氏に見方していたので、秀吉の小田原城征伐の際に小田原に詰めた為、留守となった忍城を一族郎党と共に預かり、豊臣軍の総大将石田三成が忍城に侵攻したした際に武勇を発揮したと伝えられている。右が甲冑姿の甲斐姫で左が石田三成。向原道祖神を後にして、続いて訪れたのが中宿道祖神の祭典本部。中宿道祖神の飾りつけは毎年結構力が入っていて、昨年は目の光る龍がなかなかの出来栄えだった。駐車場に設けられた祭典本部の横には、照明の灯った人形飾り。中宿道祖神の飾りつけは毎年夕方くらいに訪れると微調整が続けられていて写真を撮るのが大変なのだが、今年は飾りつけもぴったり決まったようで役員の方々ものんびりと過ごされていた。中宿道祖神の今年の飾りつけは「本能寺」。歴史の教科書で必ず習う明智光秀の謀反により織田信長が本能寺で自決に及んだ事件。槍を持って応戦する織田信長と明智光秀が対峙するシーン。背景の本能寺の壁面に矢が刺さっていたりと今年もなかなかの迫力。中宿道祖神を後にして最後に訪れたのが西道祖神の祭典本部。新聞店の駐車場が祭典本部になっていて、西道祖神の飾りつけは例年時流に乗ったものが多い。今年は何だろう。西道祖神の飾りつけは山車ではなくトラックの荷台を舞台にして飾りつけられている。トラックはレンタルとのこと。西道祖神の今年の飾りつけは「八重の桜」。説明するまでもなく昨年の大河ドラマの主人公である山本八重が新政府軍に立ち向かうシーン。右が銃を持った山本八重で左が槍をもった川崎尚之助。背景の満開の桜と桜吹雪が見事だった。写真を撮っていると役員の方から後ろも撮ってよと声をかけられたのでトラックの裏側にまわってみるとパネルに八重と尚之助が描かれていた。この絵はなんと声をかけてきた役員自らが昨晩3時間がかりで描いたもの。3時間でこれほど大きな絵が描けるのはなかなかすごい。西道祖神の役員の中に絵の得意な方がいるとは知らなかった。毎年、中宿の飾りつけを一番楽しみにしているのだが、来年からは西道祖神の壁画にも期待したい。今年の前川地区の道祖神祭りも面白かった。

コメント ( 8 ) | Trackback ( 0 )