ままちゃんのアメリカ

結婚42年目のAZ生まれと東京生まれの空の巣夫婦の思い出/アメリカ事情と家族や社会について。

メディカルな系図

2017-09-08 | 系図のこと

 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/projects/pmh/PMH_Authoring/media/Images/medium_thumbs/NHGRI-85164.jpg

家族のメディカルな系図とは、そのものずばり、家族や先祖や親戚の重要な医学的な疾病記録である。貴方の息子が、赤毛であれば、それは貴方の祖母からのDNAが伝わっている、と言うように、子孫に受け継がれるのは、それだけではなく、疾病原因となる遺伝子もある。多くの遺伝する医学的症状は、アルツハイマー症、アルコール中毒症、糖尿病、前立腺癌、乳癌、心臓疾患など、その他多数ある。


歴史の重要な効用は、過去の間違いを避け、将来をある程度予測できることだが、医学的見地に立った家系図や、家族の疾病記録は、もう少し具体的に、いつか子孫の命をも救う手立てになるかもしれない。遺伝や先天的な原因がなくても、家族や親戚に、ある種の病気の疾病者が多いとすれば、子孫は、後天的な原因;環境、食事、生活習慣などに目を向け、将来の健康改善を図れる。


ある科学調査によると、人口の40%に、癌、糖尿病、心臓病などを疾病する遺伝子学的なリスクの増加があるという。(参照:ここ)そうなるとますます家族の疾病歴史を調べることは大切になる。予防医学の範疇である。ただし、私は、ここで夫婦のライフスタイルにとって不都合な胎児を堕胎するという極端な遺伝子検査利用等を述べているのではない。


その医学的家系図を作成するには、まず、合衆国などの欧米を対象にすると;1)死亡証明書を集める。ただし最近発行された死亡証明書のうち、ニュージャージー州発行のものは、死亡要因の欄は黒く塗られている。年数が経ったものは、死因がわかる。2)差し支えのない程度に、遺族をインタヴューして、死因となった病気がはっきりしていなくても、ひどい頭痛に悩まされていたとか、胃痛がしょっちゅうあったなどの症状は知っているかもしれない。3) 新聞の訃報欄を読む。少し前までは、訃報欄で死因を記したものだが、最近は、書かないことが多い。しかし訃報の最後のほうで、香典のかわりに病中お世話になった場所、癌研究所センターや、心臓病協会へ寄付を、ということも書かれているので、そこから察することも出来る。4)死亡時にはまだ判明していなかった病気は、没後明らかになることもある。リンカーン大統領には、存命時にはわからなかったMarfan Syndrome(マルファン症候群)と言う遺伝病があったらしい、という仮説は、没後百余年以上経って、暗殺時に大統領の衣服に付着した彼の血痕からのDNA検査で結論が出されるはずだ。


さて情報を収集したら、次のステップは何だろう。単純にある病気になる素因があるとわかれば、多くは、警戒の域に留まるだろうが、過激なケースもある。それは、非常な頻度で母親や女性家族・親戚に起こる乳がんや卵巣癌があれば、疾病する前に、まだ健康そのものであるうちに、乳房切除や子宮摘出手術をすることである。


これは、実際に私の知人のケースである。この若い女性は、祖母と母親を卵巣癌で失った。まだ19歳で、結婚したが、産婦人科医から30歳までに子供を生み終わり、卵巣除去や子宮全摘出を勧められている。今年の初めに第一子を無事出産したが、これで終了ではないから、毎日本当に体の状態に気をつけている。


こうした遺伝病に関しての勝算は、実は遺伝カウンセラーに相談することで、かなりはっきりとした正確な予想が立てられる。日本における遺伝子医療は、2005年認定遺伝カウンセラー制度が正式にスタートしている。詳細は、日本遺伝カウンセリング学会へどうぞ。


続きは又明日。

健康で意義のある長い人生を歩んでほしい。

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