ままちゃんのアメリカ

結婚42年目のAZ生まれと東京生まれの空の巣夫婦の思い出/アメリカ事情と家族や社会について。

BURNS NIGHT

2018-01-25 | アメリカ事情

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1月25日は、スコットランド系アメリカ人も、祝うスコットランドの祝日である。スコットランド?それは遠きにありて思うもの、ではない。日本人にもおなじみの卒業式や年の瀬定番の「蛍の光」や「故郷の空」は、ロバート・バーンズが収集、改作したスコットランド民謡である。スコットランドの有名な詩人ロバート・バーンズは、1759年1月25日に貧しい小作農の長男として生まれ、下には六人の兄弟がいた。父親は貧しいながらも子供達に読み書きを教え、ロバートは農作業をしている時など、詩作に励んだという。

 

バーンズは、同じスコットランド人で国民の英雄、愛国者のWilliam Wallaceウィリアム・ウオーレス(1270-1305)に共感・敬愛し、また合衆国独立戦争にも共鳴して、フリーメイソンに加入した。ウィリアム・ウオーレスも、アメリカのジョージ・ワシントンもフリーメイソンに属していたからである。結果加入によって人脈が広がり、詩人としての成功への手がかりとなったそうである。バーンズは英語で詩作もしたが、スコットランド語でエアシャイアー方言を使っての詩作は、特に1786年のキルマーノック版と呼ばれるPoem-Cheifly in the Scottish Dialect初出版は、成功し、1787年のエディンバラで再び出版され、人気を呼んだ。イギリスのロマン主義先駆者であり、クライズデール銀行発行のポンド紙幣に肖像が使われるほどの、スコットランド文化の象徴的存在で、いまだに人気を誇っている。

 

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このスコットランド詩人の誕生日は、スコットランドだけではなく、世界中にいるスコットランド人やスコットランド系移民のいるところどころで、彼の栄誉を称えるために人々は集まり、祝う儀式となった。バーンズ・ナイトと呼ばれ、伝統的なHaggisハギスを供する。これは、羊の胃に、心臓、肺、肝臓などを細かくミンスして詰めて、蒸したり、ゆでたりしたものである。これをカブに似たルタバガと呼ばれる根菜、ジャガイモを別々に茹で、マッシュした物を添えて出す。近年は羊の胃ではなく、プラスティックで代用したり、詰め物も、ヴェジタリアン用のも作られるようになった。胃でもプラスチックでも、内臓が詰めてある物は、私は遠慮したい。これが会場に持ってこられる時は、通常バグパイプによって持ってこられる。またバーンズナイト夕食に参加する男性は、キルト装着、女性はタータンのサッシュをしなければならない。そしてロバート・バーンズの詩を朗読したり、最も有名な作品、Auld Lang Syne「蛍の光」などを歌う。飲む方は、スコッチウィスキーを楽しむ。


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Haggis (ハギス):羊の胃に詰められた内臓、穀物、香辛料など。これと、アイスランドのMaggot Cheese(ウジ虫の湧いたチーズ)は、私は、食べられない。


ウイリアム・ウオーレスと共にスコットランド人の愛国心を強くさせ、同志感を高揚させるのが、ロバート・バーンズである。彼は、妻との間に、五人の子供がいた上に、数名の愛人女性達との間にも九人の子供を持ったそうだが、1796年37歳で心臓関係の病で逝去した。私生活は別にして、彼の人気はスコットランド人にはいまだ衰えず、ここアメリカは勿論、実は日本でも、彼の誕生日は、祝われている。St. Andrew Society of Yokohama and Tokyo(横浜東京セイント・アンドリュース協会)や日本・スコットランド協会がバーンズナイトサパーを催している。


スコットランド出身の私の友人夫妻のフォーレストとグレースは、毎年出席を欠かさないこの行事を、楽しみにしている。フォーレストが、バーンズナイトについて話し始めると、さまざまなエピソードが、とめどもなく流れ出し、そのスコットランド訛りの英語は、聞いていて、実に楽しいのである。誇り高きスコットランド人よ、ロバート・バーンズの259回目のお誕生日おめでとう!

 

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