フェンネル氏の奇妙な生活

気付いた世界の中の小さな出来事と水彩画と時たま油絵と思いついたことを爺さんが一人語りいたします。

草の戸

2009-03-09 08:35:11 | Weblog
松雄芭蕉が,東北へ旅立ったのが1689年3月。齢46歳のときだった。いわゆる「奥の細道」のはじまりだ。51歳で死んでるから人生50年の昔なら46といえば、年寄りなのかな。死への旅ではなく,死への自覚の旅だったと言われている。
  草の戸も住替る代ぞ雛の家
  行春や鳥なき魚の目は泪
旅立ちの春なんだ。いよいよ,自分たちも自覚の春なのかもしれない。まだ全然自覚が足りませんけど。自分より年上の人たちと飲んでいると全部健康の話ばかりだ。政治の話でもなく世の中の話でもなく自分の病気や、予防の話に終始する。しまいには、「それで長生きしてどうだっていうの」と言ってやりたくなる。自覚とは,自分で悟るものだから人に言うべきことではないと思ってる身には、この手の話は鬱陶しい。1日1万歩歩いたからドウだって言うのだ。一日位一万個のゴミを拾えと言いたくなる。やはり話しに夢がないせいかな腹立たしいのは。「長生き」って明るい夢のある話のはずなのに何かが、違うんだよな。もっと、こういうことをする為に長生きしたい。そのために1日1万歩歩いていると言われたら納得するんだけど。人の生き死には思いのほかだから話を聞いてあげるほかないのかな。芭蕉のように自覚を持った年寄りにならなくてはという自覚を持った自分の旅立ちの春です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする