夜の翼

オーディオ、音楽、車、ケータイなど好きなことを気ままに綴るブログです。

車の履歴 Part3~Like “A” Rolling Tire~

2010-01-31 05:39:31 | 
タイヤ交換をして間もない12月のある日、
その頃はまだ車で通学できていたので、いつものように学校へ車で向かうと、
フロアのあたりからカタカタ音がするのに気づきました。
最初はそれほど気にもとめていなかったのですが、
「カタカタ」が「ガタガタ」に、さらに「ガタンガタン」と音が大きくなっていくのです。
車をとめて確認しようかと思いましたが、目的地まであとわずか、
朝の通勤ラッシュ時で車も多く、迷惑にならずにとめられる路肩もなかったので、
スピードを落としてそのまま進むことに。

しかし、音と振動は激しくなるばかり。
ガタンガタン」が「ガッタンガッタン」になってきました。
この時点で原因はうすうす気がついていたのですが、目的地はすぐ目の前、
目の前の坂を上りきればもう到着です。
「あと100mなので何とか・・・」と思った瞬間に、今まで一番大きい音がしたと思ったら、
音と振動がなくなりました。
そして、U-Phileがフロントガラス越しに見たものは・・・
見てはいけない光景、
「自分の車」から外れた左前のタイヤが自分の車の前を転がってゆく姿でした。
「あっ」と思ってからは、すべてスローモーションの世界。
ゆっくりと車が左斜め前方に傾きだす、傾く、傾く。
そして、鈍く激しい衝撃とともに車は停止しました。
とまった場所は、通勤ラッシュ時で交通の多いY字交差点のど真ん中。
ほかの車のドライバーの好奇と失笑の視線が突き刺さって痛い、痛い!

なんとか気を取り直して、ほかの車にひかれないように自走不能となったインテグラから降り、
10メートルほど先にゆっくり転がってからパタンと倒れていた右フロントタイヤを歩道に上げました。
幸いなことに外れたホイールナットは車の近くで4本とも見つかりました。
ただ、挟んでいたホイールスペーサーは見事にバラバラ。
ほかの車のタイヤをパンクさせてもいけないので、それを拾い集め、
近くの公衆電話からJAFに電話してヘルプを求めました。
JAFの車が到着するまでの時間がおそろしく長く感じたことは言うまでもありません。
そうしたら、通勤途中の自動車修理工場にお勤めと思われるつなぎを着たおじさんが、
見かねて声をかけてくれ、外れたタイヤをつけてくれるというのです。
しかし、交差点のど真ん中、しかもちょっと上り坂、
さらにタイヤが外れているので車と道路の間にジャッキを入れる隙間がない状態。
が、なんということでしょう!その親切なおじさんは、
車載のジャッキを本当はジャッキをかけてはいけない車の中央部に無理矢理ねじ込み、
ジャッキアップを始めたではありませんか!
驚く自分を尻目に、あっという間にタイヤ取り付け終了。
お礼を言って、車を近くの邪魔にならない場所に移動しました。
本当は一刻も早くその場を立ち去りたかったのですが、JAFを呼んでしまった手前、
いなくなるわけにもいかず、そうこうしているうちにJAF隊員到着。
事情を話して、おそるおそる料金を聞いてみると、
「あ、いまJAFに入会してもらえばいいから。」とのお答え。
その場でJAFに入会しました、というかせざるを得ない状況でした。
入会金2000円也。それ以来ずっとJAF会員です。

とにかくへこみまくって、その日の学校の帰りにベルノに直行。
二度とこんな目に会いたくないので、純正のホイールを購入しようと思ったのです。
その旨を伝えると、なぜか結構待たされる。
おかしいなと思っていると、店の人が「オイル交換終了しました。」と声をかけてきました。
「あのぅ、お願いしたのはオイル交換じゃなくてホイール交換なのですが・・・」
ホイールの方は店に在庫があるわけもなく、新品の純正スチールホイールを注文して帰りました。
値段は、純正品のためアルミホイール並、それ以上の値段でしたが。
オイル交換ですか、料金は取られませんでした。
その直前にそのディーラーで左のドアパネル1枚丸ごと交換をしていたので、
そのサービスでタダということにしてもらいました。

そんなオチもついたこの一件以来、友人からしばらく「マンセル」と呼ばれていました。
(なぜ「マンセル」と呼ばれたのか興味のある方は、F1グランプリ1991年のポルトガルGPの記録を調べてみてください。)
この「U-Phileマンセル事件」は、相当インパクトがあったらしく、最近久しぶりに会った大学時代の友人にこの話をされました。


なぜホイールナットがゆるんでタイヤが外れたのか。
単純な話しで、ホイールスペーサーを挟んだ分ホイールナットのかかりが悪くなって、
緩みやすくなっていただけでした。
あとで調べたら、スペーサーの厚みが3ミリ程度なら大丈夫のことが多いようですが、
自分が使ったのは5ミリだったので、ホイールの緩みがないかまめにチェックして、
緩みがひどいようであれば、ホイールナット自体を換えなければいけなかったのです。
そんなこと言われなかったしー(涙)。


そんなキャブレター仕様のインテグラで大学の卒業旅行と称して、
北海道一周岬巡りツアーを友人と二人でやってみたりして、
この車は、学生時代の思い出そのものだったような気がします。

就職してからも1年間乗っていたので、通算で4年間乗っていたことになります。
夏タイヤが減ったので、タイヤをライケンからファルケンジークスへ交換して、
「グリップが良くなったー。」とか言って、峠道をブンブン走っていたら、
抜けかけていたショックアブソーバーが完全に抜けてしまい、
プヨンプヨンと揺れが収まらない車になってしまいました。
さらに、キャブ仕様の車だからなのか、使い方が悪いのかわかりませんが、
マフラーに排気ガス中の水分が結露した水がたまって、マフラーが錆びてしまうのです。
このインテグラには4年乗りましたが、4年間に2回もマフラーを交換する羽目に。

その後は、車の免許を取った妹の練習機として2年間活躍。
見るたびにあちこちこすられてボコボコになってゆくインテグラを不憫に思っていましたが、
妹が新車を購入することになり、下取り(実質的には廃車)に出されることになりました。
すっかりボロボロになったインテグラが引き取られていく様は、
何か非常に切ない気持ちになりました。
ほんとにいろいろな思い出が詰まっていたので。

車の履歴 Part2~昭和な車は手が焼ける~

2010-01-23 06:48:48 | 
さて納車!シルバーが目にまぶしいぜ!
最初にカーステレオでかける曲は、ずっと前から決めていたEaglesの「Take It Easy」。

カセットを純正カーステレオに入れてさあ出発!
と思ったら、カーステレオが動かない。壊れとる(怒)。
ちくしょー、マツダの販売員黙ってやがったな。まあ、確認しなかった自分も悪いが。

すっかり出鼻をくじかれたものの、速攻で近所のイエローハットに行ってカースレテオ選び。
1DINタイプのオートリバースデッキと今ではあまり見ないボックス型スピーカーをチョイス。
カロッツェリアのですよ。スピーカーはトノボードの上に設置。
ライトをつけるとスピーカー背面の「carrozzeria」のロゴがグリーンに光り、
ブレーキを踏むと赤に色が変わるところが、かなりお気に入りでした。
そのことを知って買ったわけではないのですが、友人に指摘されて気がつきました。
まあ、運転している自分には見えないんですけどね。

音の方は大変良かったです。自然で耳につく感じがなく、
今まで使ったカーステレオの中で一番いいかも。
スピーカーがボックス型ということが一番大きいのでしょう。
正直、ドア埋め込み型のスピーカーでまともなものを見たというか聴いた記憶がほとんどないです。
ドアのパネルをしっかりデッドニングでもしないと、まともな音は鳴らないでしょう。

そして仕切りなおしの出発!
季節は薫風の五月。晴天。イーグルスの澄み渡ったハーモニー。
爽快の一言。

インテグラには、快適装備のようなものはほとんどついてないなかったですね。
なんてったって昭和の車ですから(かなり自虐的)。
ついていたのは、辛うじてマニュアルエアコンとパワーステアリングぐらい。
窓ですか?もちろんハンドパワーウインドですよ。
ドアロックはもちろん非集中。でも、ドアは2枚しかないから大丈夫。
ラジオ用のアンテナは、ルーフでなく右のフロントピラーについていました。
もちろん伸ばすのは手動。ウインドウをくるくる下げて、
右手を窓の外に出して、格納されているアンテナを
しゅるしゅる手動で伸ばすものだったのですよ。

意外と便利だったのは、開口部の大きいハッチ。
傾斜が強く大きなガラスのハッチを開けて、リアシートを倒すと
普通の自転車が十分に積めたので、かなり自転車を積んで運びましたよ。

この時代のホンダ車らしく、エンジンは割合元気でしたが、ボディはペナペナ、
サスはヤワヤワでした。
あんまりロールするので、曲がるときステアリングをじわじわ切るくせがつきました。

暖かい頃は気づかなかったのですが、この車かなりの欠陥というか壊れているところがありまして、それはラジエーターのサーモスタット。
エンジンが冷えたときでも冷却水がラジエーターに回ってしまうので、オーバークールなのです。
インテグラに乗せた後輩に言われて気づきました。
普通、水温計の針ってエンジンが温まると水平を示す車が多いのですが、
このインテグラは高速を走っても水温計の針は、ほんのちょっと動くくらい。
別に気にも留めてなかったんですが、問題は冬。
エンジンをかけて温まるまで、赤信号とかで止まろうとブレーキを踏むとそのままエンスト。
おぃおぃ、この車オートマだろ?
仕方がないので、オートマなのに右足でアクセルを軽くあおりながら、左足ブレーキという
ラリーストもどきことをやるはめに。
車があれだと、技術が磨かれますね。

エンジンの馬力はネットで100馬力ほどでしたが、車重が1トンを切っていたので、
けっこうキビキビ走ってくれましたよ。
ただ如何せん3AT。マニュアルモードなどあろうはずもなく、
実際にDレンジと2速固定の2つしか選べなかったです。
オーバードライブがないので、高速道路だとエンジン回転数が高くなり、
うるさいやら燃費が悪くなるやらでいいことがないので、
めったに高速は使いませんでした。

キャブレターの車だったため、車載工具になんとプラグレンチが入っており、
ときどきプラグを外しては、ワイヤーブラシでゴシゴシしておりました。

大雨が降ると、ドア周りのゴムパッキンが痛んでいたせいで、フロアマットの下が水浸しに。
ドアのゴムパッキンを伝ってフロアに回りこんでしまったんですねー。
初めは原因がまったく分かりませんでしたが、コイン式の高圧洗浄器で実験して判明。
パッキンを交換してもらったら直りました。

この車、中間グレードのZCで純正ではスチールホイールなのですが、
前のオーナーがアルミホイールを履かしていたので、アルミ付でした。
タイヤは減っていたので、新品タイヤをつけてもらいました。
納車されてタイヤのサイドウォールを見てみると「RIKEN」という文字。
「ん?リケン?ふえるワカメちゃんの会社でタイヤ作ってんのか?」と
最初はマジボケをかましておりましたが、
調べてみると「リケン」ではなく「ライケン」と読むことが判明。
作っているのはふえるワカメちゃんで有名な理研食品ではなく、
ゴム製品で有名なオカモトという会社であることも知りました。
小さなゴムを作っていることは知ってましたが、
こんな大きなゴムを作っているとは知りませんでした。
「ライケン」というのはタイヤのブランド名でした。
やはり私のように「リケン」と読んでしまう人が多かったらしく、
その後は「RIKEN」と表記した後に【raiken】と発音記号を併記していました。
なんともトホホな感じ。
ブリヂストン、ダンロップ、ヨコハマ、トーヨー、オーツの次というタイヤメーカーとしては
国内最小だったのでほとんど知られていなかったと思います。

まあそこそこ走ってくれましたよ、オカモトのタイヤは。
冬タイヤとしてマツダのディーラーが用意したのは、今度はオーツのエスピアです。
しかもサイズが165SR13という普通車とは思えない細さのタイヤ。
完全に値段だけで選んだな、マツダ!
トレッドがモーレツにグニャグニャなので、4人乗りで交差点を曲がっただけで、
タイヤがヨレてドアンダーになるという素敵な仕様になっておりました。

まあ、スタッドレスタイヤ自体はまあ普通だったのですが、
問題はスタッドレスタイヤについていたスチールホイール。
どこぞからかき集めてきたものらしく、オフセットが合っていなかったため、
春になってタイヤ交換しようと思ったらホイールがブレーキに干渉して外れない!
やむなくホンダのディーラー(今は無きベルノ)に行って外してもらいました。
そうしたらベルノの人が言うことには、ホイールスペーサーというものが売られているから
それを使ってオフセットを調整すればよいと。みんなそうして使っているんだと。
ふーん、そんなもんかと思い、イエローハットに行ってみると確かに売っていました。

翌年の冬は、そのホイールスペーサーをホイールとハブの間に挟んで
スタッドレスタイヤを取り付けました。
でも、ベルノの人は重要なことを私に言わなかったのです。
それを知るのにそう時間はかかりませんでした。

(つづく。次回は「転がる」。)

車の履歴 Part1~始まりはMT嫌い~

2010-01-18 22:34:27 | 
プロフィールに「音楽と車が好き」と書いておきながら、
ずーっとオーディオのこと(音楽のことも少々)のことばかり書いてきたので、
そろそろ車のことを書いてみたいと思います。

車の免許を取ったのは、はるか昔、大学1年生の春休みのことでした。
かなり金銭的に恵まれていた時代でもあり、
その当時予備校の寮に住み込みで夜のみ働いていたのですが、
寮の先輩はたいてい車を持っていましたし、
その予備校の寮が市街地から離れていて少々不便だったことも手伝って
車の免許を取ることにしました。

運良く、歩いて15分ほどの所に教習所があったのでそこに通いました。
まあ、普通は公道でないところでオヤジの車なんかを借りて練習するものでしょうが、
当然そういう環境にもなく、昔ながらの教習所であるため、
かなり強面も中年男性教官しかいなかったので、
実地教習のときは毎回かなりの緊張を強いられていました。
特に半クラッチの加減が分からず、いつエンストするか気が気でなかったので
余計に緊張していました。

教習車はギャランのセダン、しかもディーゼルエンジン。
今では到底考えられない仕様の教習車ですが、
今思うとディーゼルで低回転域でのトルクはあるので
発進はガソリン車よりもやりやすかったはずなんですがねー(遠い目)。

教官で思い出されるのが、工藤という教官のこと。
見るからに怖そうなのですが、青森出身らしく、
津軽弁がきつくて何をしゃべっているのか7割方理解できないこと。
助手席であれこれ指示されるのですが、右左ぐらいは分かるものの、
何かミスをしてしまった場合、怒られているということ自体は口調で分かるものの、
何を怒られているかその内容が分からない。
指示に内容が分からないので、あたふたしていると
結果的に指示に従わないことになり、ますます怒られる、
という理不尽な悪循環に陥るわけです。

今のように教官を教習生が指名するなんてことは考えもつかない時代のこと、
教習所に行って実地教習が始まる直前になって、その日の教官が分かるのですが、
その工藤さんに当たった日は、内心「あぁ・・・今日の運勢サイアク」と毎回思ったものでした。

そんな私もなんとか8時間オーバーで卒業できまして、免許取得のため免許センターへ。
春休みだったのでかなりごった返していました。
そして筆記試験。
大学入学前に原付の免許を取得していたこともあり、一発合格。
めでたく免許を春休み中に取得することができました。

さあ、初めての車選びです。
何か新しいものを買ったりする時ってワクワクする感じがありますが、車の場合は別格ですね。
友人がすでに前の年の夏休みに免許を取得して、カローラⅡを乗り回していたので、
車の雑誌を見て、あれがいいな、これがいいなと半年も初めての車選びを楽しんでいました。

そこで問題。免許は取ったものの、車を買う時点ではつくづくマニュアル車が嫌になってました。
まあ、自分の車で乗りなれればなんてことはなかったと思うのですが、
とにかくマニュアルが嫌で、オートマ限定で車選びをすることに。
新車はやはり金銭面できつかったので、自ずと中古車になります。

別にこれといってこだわりがあったわけではなかったのですが、
やはり若かったのでセダンは避けて、ハッチバックがいいなとは思ってました。
そして、マツダのディーラーで見つけたのが、これ。

クイント・インテグラZC3ドア(写真はGSi)。色は写真と同じシルバーでした。
昭和60年式なので、約5年落ちでした。
1.6LのDOHCシングルキャブ(!)仕様。しかも3ATだ。まいったか!
デュアルキャブだったような記憶があったのですが、勘違いのようです。
デュアルキャブになったのはそのあとのクイントのつかないインテグラでした。

さすが昭和時代の車。キャブの車のエアクリーナーって丸いドーナツ型をしていて、
エアクリーナーボックスがエンジンルームの中央、エンジンの真上についていたんですよ。
今はというかだいぶ前からインジェクター、エアクリーナーは板状ですもんね。
そして懐かしのリトラクタブルライト!
一時期のホンダの車って、みんなリトラクタブルライトだったもんな。
セダンのアコードまでリトラクタブルにしてたもの。
ところで、現行の車種でリトラクタブルライトの車ってあるんでしょうか?

その当時は、中古車にオートマ車が少なく、走行距離も少なめだったこともあり、
けっこうすんなりと決まりました。
車選びについてきてくれた叔父さんの強引な交渉の結果、
スタッドレスタイヤもつけてもらえることに。
しかし、このタイヤが後日事件の引き金になろうとはこの時点では想像すらできませんでした。

(つづく。納車してからいろいろありましてなー。)


Pure or AV? Part7~発想の転換~

2010-01-14 21:54:45 | オーディオ
私が高校生だったときになくて、今あるもの。
それは、電源関係のアクセサリー。
昔から電線関係のアクセサリーというのは存在したわけですが、
それは専ら音の信号が乗るライン、RCAケーブルやスピーカーケーブルのことだったわけです。
しかし、今はどうでしょう。昨年久しぶりにオーディオ雑誌を買ってびっくりです。
電源ケーブルに関する記事や広告の多いこと!しかも、1mで10万円を超えるものがごろごろしている。

昔は、アンプの電源でもすべて機器に直付け、しかもかなり細いというか、
ほかの電化製品と変わらないものがついていたような気がします。
手持ちの機器だと、DVDプレーヤー(2001年発売)になると、
直付けは変わりませんが、ケーブル自体がかなり太くなっています。
そして現在は、ケーブル直付けの機器は見当たらず、すべて取り外しのできるインレット式。
付属の電源ケーブルもかなり太いものが付いているものが当たり前になっています。

そうなると試してみたくなるのが人情です。
そこで我がシステムの電源周りを見てみると、PC機器用の安いテーブルタップを流用したまま。
コンセントの数が足りなかったことあったので、電源タップの購入を検討することにしました。

しかし、住まいは賃貸アパート。当然壁コンセントは2Pです。
オーディオ用のタップについているプラグはほとんどが3P。
さらにラック周りにスペースがあまりないので、コンセントが一列に並んでいるタイプでないと少々厳しい。
ということで、数少ない候補の中からオーディオテクニカのAT-PT505/1.8を選びました。

今思うと左のスピーカースタンドの後ろに通常の電源タップも何とかおけるスペースもあるし、
壁コンセントの件は、3Pプラグを2Pプラグに変換するアダプタがあるので、それを使えばよかったかなと。
まあ、AV用なのでこれでよしとしていますが。

通販で購入して実際に送られてくると、入っている段ボール箱が重い。
確認したら重さは1kg超。箱から出してみると、やはりずっしりと重い。
直付けのケーブルはこれまた太いです。結構取り回しが厳しそう。
メタリックブルーの筐体がなかなかキレイです。

ともかくAV関係の機器の電源はこのタップからとることにして、つなぎ換えました。
その結果ですか?
いや、確かに聴感上のS/N比っていうんですかね、ざわざわした感じが少なくなった気がする。
3日ぐらい使用すると変化することがあるらしい、というので1週間ほど経ってから確認しましたが、
特に変化なし。
以前にも書きました。「~した気がする。」とか言っている場合は、実は何も変わっていない。
そういうこと言っている時点で負け組だと。
「ていうか、これってうまく乗せられた典型的な負け組のパターン?」という言葉が頭をよぎりましたが、
コンセントも足りなかったことだし、少々高価なタップを買ったと思えば・・・
と典型的な合理化でごまかすことにしました。

さて、そんなある日夜にCDが聞きたくなり、当然ながらヘッドホンで聞くことに。
使っているヘッドホンは、これまたオーディオテクニカのATH-AD7という機種です。

もう8年ぐらい使ってます。値段と使用感がよさそうだという理由だけで選んでます。
比較的長時間使っても疲れにくいところは気に入っているのですが、
肝心の音の方は、あまりレンジが広いとは言えず、分解能もいまふたつぐらい。
刺激的な疲れるような音は出ないので、映画とか見るときはいいんですがね。

そのATH-AD7で、イースタンユースの最新作「太陽と歩幅」を聴き始めました。

夏にリリースされていたのですが、出ていたのに気づかず半年遅れての購入となりました。
知らない方ために、このバンドは、「泣きコア」のスリーピースバンドで
かなりの爆音系です(最近はそうでもないですけど。)。
スリーピースなので、ギターとベースとドラムス、そしてボーカルの音しか基本的には入っていないのですが、
それぞれのパートが分離しないで音が固まっている感じの録音です。
爆音系なので仕方がない面がありますが、特にボーカルが前に出ないで楽器の音に埋もれがちになる傾向が強いです。

聞き始めてすぐに気がつきました。
なんかいつもと違う。
聴感上のS/N比が確実に良くなっている。
いつも固まって団子状になる楽器の音がけっこう分離してよく聞こえる。
はじめは気のせいかと思いましたが、これはさすがに気のせいではない。
スピーカーで鳴らしたときはあまり差がないと思ったんですが、
ヘッドホンでじっくり聞くと変化が分かります。
一応実感できるぐらいの効果はあったようで。よかった、よかった。

こんな感じでオーディオ関係の見直しを始めたのですが、いろいろと自分で気づいたこと多くあります。
まず、結婚して以来音楽をじっくり聴く環境になかったこと。
これは、住居スペースの関係でAVシステムのまとめてしまったのが一番の原因です。

GX100を買ってから再認識したことは、
音楽好きの自分にとっては間違いなくPureオーディオの方が重要であるということです。
AVの方も映画ではなく、音楽DVDが中心ですから。
そして、音楽はヘッドホンではなくスピーカーで聞きたいということ。

これを解消する方法は、発想を変えてしまえば意外と簡単でした。
AとVを分けてしまえばいいのです。
AVシステムですべてをまかなおうとするからうまくいかないんですから。
このシリーズは「Pure or AV?」とつけましたが、
その答えは「Pure and AV」です。

これを実現するために欠かせないものは、そうPureオーディオ用のリスニングルームです。
今住んでいる2LDKのアパートでは少々厳しいですが、
近々転勤する可能性がないわけではないので、当面このままで行きたいと思ってます。
引っ越すときは、「Pure and AV」が実現できるような物件を選ぶこととしましょう。
それまでは、今のシステムをチマチマといじっていくことにしたいと思います。


Pure or AV? Part6~WE恐るべし!~

2010-01-11 18:02:27 | オーディオ
しばらく様子を見てきたAVアンプTA-DA3400ESで鳴らすGX100ですが、
ちゃんと鳴らしだして50時間ぐらい過ぎると、だいぶ落ち着いてきたものの、
やはりボーカルが引っこんだ感じは解消しません。
アンプとスピーカーを換えるわけにもいかないので、ほかのところでなんとかならないか考えてみました。

このシステムになる前から気になってはいたのに、ほったらかしていたものがあります。
スピーカーケーブルです。
メインのGX100のケーブルは、前のスピーカーSX-LC3の付属品、
センターとサラウンドも同様で付属品ですが、センターはよくある赤黒の最もベーシックなもの、
リアに至っては、極細なのでいつ断線するかと心配していたくらいの代物です。
スピーカーケーブルでそれほど音が変化するとは思っていなかったのですが、
とにかく適正な太さのケーブルにしたいと思って換えてみることにしました。

どの程度効果があるか分からないものにお金をかけたくなかったので、
センターとサラウンドについてはメーター500円ぐらいを目安に候補を選びました。
安いということだとカナレの4S8Gなのですが(200円/m程度)、
4芯構造なのでちょっと太すぎるんです。

サラウンド用のスピーカーNS-10MMTは、専用のスタンドに乗せてあるんですが、
スタンドの支柱がパイプ状になっていて、支柱の中にスピーカーケーブルを通すことが出来るようになっているのです。
そうしないとスピーカーケーブルが、すっかり垂れ下がる形になってしまって見栄えが良くないので、
ちょっとそれは避けたいなと。
ということでベルデンの8470にしました。
2芯で白黒で撚ってある例のこれです。

190円/mで買いました。
実際スピーカーにセットしてみると、なんとかスタンドの支柱の中を通すことが出来ました。
導線がメッキ線(スズメッキ)のケーブルを使うのは初めてなので、
皮膜をむいて銅色ではない導線が出てくると、なんかちょっと違和感があります。
導線は初めから撚った状態で皮膜がかぶせてあるので、
皮膜をむいて中の線をヨリヨリ、といういつもの作業は必要ありませんでした。

さて問題のメインスピーカーGX100です。
何にしようかいろいろ調べているうちに気づいたことがあります。
SX-LC3の付属品だったケーブルは、どうもベルデンの9708らしいということです。

透明の皮膜で、片チャンネルがメッキなし、もう一方がメッキ(おそらくスズメッキ)というものなので、
値段からいっても付属品に採用されてもおかしくはありません。
これが良いものなのかどうかは分かりませんが、とにかく換えてみることに。
そして選んだのが、WE(ウエスタンエレクトリック)のWE16GAです。

アメリカ製、ヴィンテージ物。現在生産はされておらず、デッドストックのみのようです。
ただ、ちょっと前までは比較的入手しやすかったようですが、
最近は入手できるところが少なくなったとともに、価格も上昇傾向にあるようです。
ヤフオクで新品を入手することが出来ました。1200円/mです。

なんでこんなものを、しかも当初の予定をオーバーして(といても大したことはありませんが)買ったのかというと、
さるブログでこのケーブルを使って音が劇変したという記事を見つけたからでした。
なにせデッドストックしかないものなので、今手に入れないと入手できなくなりそうだったので、
値段もそう高いものでもないので、試しに買ってみることにしました。

送られてきたWE16GAの印象は、とくかく「細い」。
いままで使っていたベルデンの9708らしきケーブルよりさらに細い。
しかもやっかいなことに皮膜がプラスティックではなく、綿布で出来ている。
普通のケーブルの皮膜むきはなれたものですが、これは初めてだったので、
芯出しのときに力の加減が分からず、中の芯線を切ってしまってやりなおしました。

5本のケーブルの左右両チャンネルの両端の芯出しをしたので、合計20回。
さらに狭いアンプの裏を手繰って、ケーブルの接続。結構疲れました。
そして、早速音のチェック。
まずは問題のGX100、フロント2チャンネルのチェックをしました。
GX100から音が出た途端「うゎ!」と声を上げてしまいました。
まさに激変です。
以前書いたようにスピーカーケーブルを変えたところでほとんど音なんて変わらないと思ってました。
この日までは。反省しました。変わります。
具体的にいうと、中低域がドッカンドッカン出るようになりました。
中域が出るようになったのはいいのですが、低域が出すぎて、
音の輪郭がぼやけてしまうぐらいなのです。

GX100に関する記事とか感想の中でときどき「低音の量感が相当出る」といったものがあったのですが、
多くの記事や感想は「低音は良く伸びるが、とても引き締まっている」となっており、
個人的にも同様の感想でした。この日までは。
ああ、こういうことだったのかと納得。
そして、高音は、ドッカン出るようになった中低音のせいか、伸びを欠いて詰まったような感じに・・・

例えて言うなら、
 非常の優秀だが、真面目すぎてちょっと面白みに欠ける奴(GX100)に
 酒(WE16GA)を飲ましてみたら、ほろ酔い加減で結構面白い感じになったのだが、
 いつもの真面目さがちょっと欠けて行動が荒っぽくなった・・・

という感じでしょうか。
オーディオというか音楽にほとんど興味を示さない妻にも分かるぐらいの変化で、
妻曰く「音が荒っぽくなった」。
おっしゃるとおりです。
よく言えば、躍動感が出た(確かに問題の歌ものはいい感じになりました)、
悪く言うと、音が雑で荒っぽくなった。
もしかしてWE16GAとGX100って相性悪いかも(涙)。

しばらくこのままで使ってみたところ、単に耳が慣れてきたせいなのかもしれませんが、
最初感じたほどの音の荒っぽさはなくなってきたような感じになってきましたが、
高音の詰まり感、低音のぼやけ感は解消されないまま。
レコーダーの録画した5.1チャンネル放送の映画をみましたら、もうすでにサブウーハーいらず状態。
もともと自分は、高音よりも低音(しかも振動に近いごく低い音)に敏感らしく、
映画に入っているごく低い音を聞くと、不安感を覚えるので低音の量感は重視していないのですが、
床鳴りがひどくなったような気がします。

中域の引っ込み感の解消という目的は一応達成したものの、副作用も強かったです。
うーむ、この年になってはじめて知るオーディオの奥深さ。
GX100がそれだけ敏感に反応するということなので、いじる楽しみがあることはあるのですが。
とりあえずは、そのままWE16GAを使い続けております。

センターとサラウンドのケーブルも換えたので、5.1チャンネルで音を出してみると、
明らかにサラウンドとセンターのスピーカーの音量が大きいので、
オートキャブリレーションをやり直しました。
その結果、センターは-5dB、サラウンドは-10dBで調整されてしまいました。
そりゃー音でかいはずだわ(苦笑)。
スピーカーケーブルの選択は重要です。
特に太さは、ケーブルを引っ張る長さに応じて適切なものを選びましょう。
太ければいいってモノでもないらしいです。
ま、細すぎてもダメなんですが。

(つづく。次回は電源です。)