夜の翼

オーディオ、音楽、車、ケータイなど好きなことを気ままに綴るブログです。

BABYMETAL LEGEND-S-洗礼の儀- 参戦記 その5

2018-01-11 02:23:43 | ライブ
NRNRのあとなかなか曲が始まらない。
青山さんのところへスタッフが駆け寄る。青山さんがスタッフに何やら話をしている。
スタッフの動きがあわただしくなる。
おそらくはイヤモニのトラブル。神バンドの方にもトラブルが出ていたようだ。
ギミチョコの時にハウリングがひどかったという話を後から知った。
スタンド側のPAでは感じられなかったが、マイクのあるピット側のPAに発生していたらしい。
会場が広いうえに初めて使う会場、さらにマイクの位置が常に移動しているような状態だったから
無線のトラブルを抱えたまま中盤まで演奏していたことになる。

かなり長い沈黙からの三三七拍子。
4の歌。
これまたMOAMETALがひとりで登場。
もう歌うしかないでしょ。YUIMETALの代わりに俺たちが歌ったる!
会場全体がそんな気持ちになっていたと思う。
曲調が明るいだけに一人だけの舞台がホントにさみしく感じる。
肩を組む振り付けで肩を組む相手がいない。
MOAMETALは本当に健気に頑張る。

そこからはメギツネ→KARATE→ROR→ヘドバンとメイト殺しの鬼セトリ。
自分もそうだったが、会場全体が変なテンションになっている。
ピットが猛烈に激しくなってきた。

メギツネジャンプの煽りはやはり英語だったが、SU-METALの口から「Hiroshima!」という言葉が聴けたのはやはり感慨深い。
手に持つキツネのお面はいつもの白ではなく金色だ。今回の特別仕様。
今回のライブでは金色がXX、黄金時代の象徴として扱われている。
KARATEの間奏部分での倒れてからの抱き起し。
やはり二人だとさみしいな。
RORのサークルは6つぐらいできてましたよ。その前のWALL OF DEATHもかなり激しめ。
自然と声が大きくなっていたらしく、もうこの時点ではWOW WOWであまり声でなかったが、頑張って声出しました。

ヘドバンはマイクスタンドなし。マイクも小さなテーブルが置かれてそこからSU-METALがマイクを取っていた。
移動ステージに合わせてアレンジされている。
間奏になったら、ピットは土下座しまくり。あ、土下座ヘドバンのことね。
東京ドームの最前列で大写しになった半泣き土下座ヘドバンメイトの影響か、
今年のライブはこの曲で土下座ヘドバンをする人が増えたような気がする。
間奏後の「一五(いちご)の夜を忘れはなしない」のところを
「二十歳(はたち)の夜を忘れはなしない」に歌詞を変えてきた。
メイトさんたちの「ゥオーーーー!!」という歓声がいまだに耳に残ってますよ。
こういうふうにライブで歌詞をアレンジするのも初めてかな。
歌詞間違わなくてよかったね。
ほんのちょっとだけSU-METALの声に照れが感じられたが、またそれもよし。

ここで紙芝居。

希望、絶望、待望
3つの望みの三位一体(Trinity)
死からの新たな生
世界を照らす新たな光
新たな女神の復活

ここでBMD DEATH!。
パイロの炎焚きすぎ。スタンドでもこれだけ熱いんだから、神バンドはどれだけ熱いのか?

自分の名前を言うセリフの部分。
ここだけはいないはずのYUIMETALのセリフがあった。
SU-METALとMOAMETALがふたりで「YUIMETAL DEATH」と言っていたようだった。
ライブ中YUIMETALのパートは基本的にサイレントだったのに、ここだけは2人がカバーしてくれた。
三位一体。やはり3人じゃないとね。

間奏でフードをかぶった黒司祭登場。
やっぱりきたかー。LEGENDだもんな。LEGEND1997のセルフオマージュ。
SU-METALはペンダントと同じ意匠の十字架(?)に磔にされる。
家族の前で磔にされて火あぶりになるSU-METAL。
突然SU-METALの目が覚めてのスクリームもLEGEND1997と同じ。
いつの間にか十字架に磔にされていたSU-METALの姿がない。
そして、曲が終わる。

そこからかなり長い紙芝居。

メシアの女神としての復活
メシアが歌う理由 選ばれし者の天命 運命 宿命
そしてアオギリが比喩として使われる。
歌うのはSU-METAL、この場所はヒロシマ。
SU-METALの生地であることを最後まで強く意識している。

ピアノのイントロが流れ出す。
おっと、これはTHE ONEのUnfinished versionじゃないか。
NHKの番組では客なしでのスタジオライブを披露したことがあるが、普通のライブでは初めて。
ああ、LEGENDだもんな。LEGEND1997では紅月のUnfinished versionだった。
円盤で見ただけだが、あの紅月も素晴らしかった。
金と黒のドレスと金の冠を身にまとったSU-METALが姿が見えた。
オープニングの演出といいちょっとエジプト風というか古代風の意匠だと感じた。
SU-METALの歌に耳を澄ます。
バックの音がピアノのみなので、ナチュラルにかかるSU-METALのビブラートがはっきり聴こえる。
いい意味で少し力が抜けているというか力みがなくなって、声がきれいに響く。
すっかり忘れていたが、マスクの第三の目が白く光りだす。
至福の時。SU-METALの歌を独占できる。
いつものチュチュではない、ドレスの衣装って武道館のBlackNightの最後だけだったような気がするが、
その時は冠とマスクでSU-METALとYUIMETAL、MOAMETALとの違いをつけていたが、今回は見る限り全く同じ衣装だ。
個人的には少しデザインを変えてほしかったと思うが、衣装のデザインが同じというところに意味があるのだろう。

曲が終わるかと思ったら、爆音で神バントがEnglishバージョンのTHE ONEを演奏しだした。
いきなりだったでびっくりした。
そういえば入場前に、会場の中からリハーサルの音漏れが聞こえてきて、
通常のTHE ONEを演奏していたのを忘れてた。


同じ曲のアレンジ違いをライブで1曲として演奏するというのを以前聴いたことがある。
シングルがバンドアレンジ、アルバムがアコースティックアレンジというパターンだったが、
アコースティックアレンジで始まり、曲の途中でバンドアレンジに徐々に切り替わるという感じだった。
とても印象的で大好きなシーンだが、それがBABYMETALで聴けるとは。
この静から動へのダイナミックな切り替えもBABYMETALらしい。
間奏になったら、正面ステージ側からMOAMETALがSU-METALと同じ衣装で登場。
移動ステージの上でSU-METALと一緒に歌う。

この演出はかなりエモーショナルで、これにやられて泣いちゃった人が多かったみたい。
神バンドの衣装は特別仕様の黒。
このライブでの神バンドはソロもなく、文字どおり黒子に徹していた感じ。
位置的に大村さんがよく見えたが、いつも通りヘドバン、煽りまくりでした。
スタンドの方もよく視線を送ってくれて、嫁メタルに「大村さんと目があった(キュン)」といったら、冷たく「気のせい」と一蹴されたw
ギターの方もVシェイプのE-ⅡArrowsもいつもの赤黒ではなく、真っ黒の飾りリベット仕様だったらしいが、会場では暗くてよく見えんかった。

開演前の予想通り正面ステージのセットは左右に分かれ、そこから光が差し込む。
SU-METALとMOAMETALがそこに上っていく。

そう、ここは黄金の三角形が描かれるはずだった。
YUIMETALの場所は空けてある。
三角形って頂点を1つでも欠くと面じゃなくて線になっちゃうんだな。

How I wish, How I wish you were here

ロジャー・ウォーターズがシド・バレットのことを思って作ったピンクフロイドの古い歌の歌詞を思い出した。
こう思っていたのは自分だけではなく、SU-METALとMOAMETALのふたりが一番強く思っていたのだろう。
MOAMETALは本当に健気だったな。

SU-METALとMOAMETALが光に包まれて、ライブは終了した。

最後の短い紙芝居
ここから新たな伝説が始まる、と。
SU-METALのサイン初めて見たわ。

感情が錐もみ状態のままライブは終わった。

このライブは素晴らしいものだった。
本当に素晴らしかった。
何もかもが特別だった。
そして、YUIMETALがいなかったのがつくづく残念だった。
それでも、このライブは記録に残すべきだと思う。
残るのは2日目の方だろうな。
2日目は音響トラブルもなかったようだし、SU-METALもSU-METALらしかったという話だし。
とすると、1日目のあのSU-METALの表情は当日会場にいた人の記憶にしか残らないってことか。
そう思うと本当に貴重なライブに立ち会うことができた。
だって、SU-METALじゃなくて中元すず香のNRNRを聴くことができたんだもの。

彼女の歌い方はなんというか、ロックらしい感じが薄れていて、クリーンな印象がした。
曲にもよるが、無駄な力が抜け、力む感じがなく、透明でのびやかだった。
五大キツネ祭りや巨大キツネ祭りの印象とはかなり異なる。
音源で聴けばその差はさらにはっきりすると思う。

12月の広島の夜は、思っていたより冷え込む。
不思議な浮遊感の中で帰途につく。

次のステージへ。次の高みへ。
BABYMETAL、そしてSU-METALはもっと高く飛翔する。
そして、BABYMETALは3人でなくてはならない。
それを確信した広島の夜。
(おわり)

追記

1月8日に投稿した記事にこんなことを書いた。

明日は今日の続きとは限らない。
昨日まで当たり前にあったものが、目が覚めてみたらなくなっていることがあるということを。
身近にいる人がある日突然この世からいなくなってしまうことがあることを。
自分の力ではどうしようもない摂理のゆえに。

その翌日に突然の訃報が届く。
まさか、この広島のライブが最後になるとは。
注文した五大と巨大のBDはどんな気持ちで見ればいいのだろう?
いや、またあなたのギターを弾く姿が見られる、そう思えばいい。
もうライブで聴くことはできないけど、映像の中ではいつでも会える。

二度と会えないわけじゃない。
忘れるわけなんかない。

ギターの神、藤岡幹大さん ありがとう
合掌


BABYMETAL LEGEND-S-洗礼の儀- 参戦記 その4

2018-01-08 06:16:12 | ライブ
いよいよライブが始まった。
スタンドなので全然立つ必要ないのだがもちろん起立して、真横のスクリーンを見つめる。
SU-METAL流暢な英語のナレーション。
巨大キツネ祭で予告された内容


希望
絶望
救世主
新たな時代
女神降臨

期待は高まる。

そうすると後方にあるあの巨大なキツネ様の口が開き、黒いローブを纏った暗黒の司祭が登場した。

キツネさんの口開くんかい!

冗談で考えていた展開が現実となっている。
最初ダミーかと思った黒いベールをまとった司祭は、背格好からしてどうもSU-METALのようだ。
爪先を引きずるようにして円形のステージに降り立つ。手に持った杖をで地面をトントンすると6匹のキツネさんが花道に登場。円形ステージを引っ張り出した。

キツネさんたち、ステージ引っ張るんかい!
っていうか、あのステージ移動式なんかい!


花道の脇に敷かれていたレールはこのステージ移動用であった。
会場のどよめき。ステージは花道に沿ってゆっくりと進む。あまりにもゆっくりなので人力で動かしているのかと思ったら、やはり電動だった模様。
キツネさんたちが足を踏み締めるのに合わせ、手拍子が起こる。
6つのキツネの顔を持つステージを6匹のキツネさんたちが引っ張る。
忘れちゃいないですよ。LEGEND-Sと題されたこのライブはメタルレジスタンス第6章の外伝だってことを。おそらくは新曲の披露があることも。
移動ステージが正面側にたどり着いた。SU-METALはくるっと振り向いて観客の方を見渡す。
杖を振るうと、円形ステージを囲む6匹のキツネさんの目から赤いレーザー発射。そのあとにマスクの第3の目が赤く光り出した。
おっと早くも点灯だ。始まる前の注意事項紙芝居で演出の合図があったらマスク着用という指示があったとを思い出し、頭の上に乗せていたマスクを慌てて着用。
しかし、周りはそのことを忘れているのか、ほとんどが頭の上に乗せたままだ。
会場が赤い眼の光で溢れる。SU-METALが杖の先端を後方に向けると天井に一線の火花が後方に向けて走り、巨大キツネさんのあたりで火薬炸裂。
びっくりしたが、会場大盛り上がり。
と同時に聞き慣れない曲が始まる。プリミティブなドラム。
ステージ上にはさっきまでステージを引っ張っていた6匹のキツネさんたちがドラムを叩いていた。

キツネさんたち、ドラムも叩くんかーい!

このためのドラムセットであったか!
神バンドも演奏を始めている。暗くてよく見えないが、衣装が黒い?
BOHさんの頭だけが白く目立つ。

曲中デスボで何かつぶやいているが聞き取れない。
断片的にDARKかDEATHというのだけが聞き取れる。
後で分かったことだがこの曲が新曲だったようだ。
新曲はこの曲のみ。かなり不気味な感じだが、これにメロディーがのるとどうなるのか、想像がつかない。BMDに代わるオープニング曲になるのだろうか?
いつの間にかSU-METALの姿がない。曲が終わろうとしている。少し呆気に取られたメイトたちから拍手が上がる。

新曲に続けてIDZのイントロ。
ステージセンターにはローブを脱いだSU-MEALが腕をクロスしている。ステージが近くてパイロの炎が熱い。これで会場のテンションが上がらないわけがない。
上手側にはMOAMETALがいつものようにクラウチングスタートの構え。

だが、ここで現実に引き戻される。
視線をステージ下手にやると、そこには誰もいない。SU-MEALのスクリームに合わせてMOAMETALが走り出す。
交差するはずのYUIMETALの姿はなく、2人だけのステージが始まった。
ピットは早くもテンションマックス。サークルも始まっている。
でも、こんな切ないIDZはない。
IDZが1曲目というのはおそらく初めてだと思う。2人は全力で踊り、歌う。
3人いるはずのステージに2人しかいないというのはこれほど寂しいものか。
3人が指を付き合わせるセリフのシーン、YUIMETALのセリフだけがサイレント。
そのあとの間奏の戦闘シーン。MOAMETALがひとりでエア戦闘。
もうすでに見ていられない状態。切なすぎる。

2人だけのIDZを見て何も感じないメイトさんはいなかったと思う。
1日目はTHE ONE限定だけあって、メイトの皆さん合いの手もほぼ完璧。
いつにも増してメイトの声が大きい。
ギミチョコ、ドキモと比較的ポップなナンバーが続く。
ピットの動きも非常に激しい。
YUIMETALのパートはメイトがカバーするように声を張り上げる。
2人は移動ステージでのパフォーマンスが多かった。
意外と正面のステージ側にいる機会は少なく、2人の背中を見ている時間が長かった。
いつにも増してMOAMETALの動きがダイナミックに感じたのは気のせいだろうか。

ギミチョコの時に気づいた。2人の動きのずれが大きい。
BABYMETALの場合、ダンスについては完璧なシンクロというのは求められていないような気がするが、それにしてもずれが大きすぎる。
もしかして、同期がとれていない?
同期をとるためのクリック音がどちらかのイヤーモニターから流れていない可能性があると思わざるを得ないずれ。
気づかなかった人も多かったが、同じような指摘がライブの後に確認できたから、気のせいでもなかったようだ。
どうもSU-METALの動きがいつもより少し遅い。イヤーモニターの不調なのか。
もしそうだとすれば、その中で歌って踊っているSU-METALとさすがといわざるを得ない。
6匹のキツネさんに囲まれた移動ステージは、キツネさんがスモークを吐いて、眼から紅いレーザーを出しながら移動する。
ステージ自体が上下したり、曲によっては回転したり。
全方向に向けて見えるよう、2人がステージ上を移動しながらのパフォーマンスも多かった。

紅月につながるインストゥルメンタルが流れてきた。
2DAYのライブのとき、武道館、横浜アリーナ、そして東京ドーム、ああ巨大キツネ祭りもそうだ。紅月はいつも2日目に披露されてきた。
ちょっと意外だと思ったが、これで今回は2日間とも同じセットリストだろうとも思った。
ふと右側のディスプレイに映し出されたSU-METALの表情を見て驚く。
こんな表情をしたSU-METALは見たことがない。
そんなに多く見たわけではないがライブのときも、繰り返し見ている映像作品でも、さらにインターネットに溢れているファンカムの映像でも、こんな表情は見たことがない。
思わず隣にいる嫁メタルを肘でつつき、「表情がいつもと全然違う」とささやいてしまった。
いつものように歌い出すが、歌い方もこれまでと違う。聴き手を圧倒するような歌い方ではない。初期の歌い方に近いというか真っ直ぐな歌い方。
表情と歌い方に違和感を感じながら曲は進む。嫁メタルの反対側の隣の席は、今日が初ライブという話が聞こえてきた女性メイトさん。
もうすでに涙を流している。
今日の紅月はとても切ない。
間奏になったら、仮面をかぶったもう一人のSU-METALが舞台上に現れた。
SU-METALはもう一人のSU-METALと格闘を始める。
赤いスカートをはいたかつての自分。
どこかで見たことがあるようなと思ったら、そうか今日はLEGENDだった。
LEGEND Zのセルフオマージュ。
普段と違う動きをした後での歌はちょっと息が切れて苦しそうな感じを受けた。

次はGJ!のイントロ。
ちょっと緊張した。もしかするとYUIMETALの代わりにSU-METALがMOAMETALと二人で歌うかもしれないかと思っていたからだ。
しかし、現れたのはMOAMETALひとり。ひとりぼっちのGJ!
MOAMETALはいつものように笑みを浮かべながら全力で歌う。
見ているこっちはもう泣きそうだったが、MOAMETALの懸命な姿にこちらの声も大きくなる。
基本YMYな嫁メタルも「もあちゃあーーーん!!」と思わず声援を送るほどだった。

シンコペーション、メタ太郎と曲が続く。
メタ太郎ではすっかり恒例となったメイトによる大合唱の声が一段と大きい。
もう自然と大きくなってしまう。

そして紙芝居。

一筋の「閃光」が人々から希望を奪う
止まない雨が天を「黒く」染める

次の曲は東京ドームに続き3回目のNRNRのようだ。
この曲は特別なライブの時だけ歌われる。
もともと歌詞は抽象的で、いかようにも捉えられる。
「二度と会えないけど忘れないでいたい」のは恋人なのか、友人なのか、それとも家族なのか。
抽象的な歌詞は聴き手のイマジネーションに依存する。
それに訴えかけるのは歌い手としては相当難しいことだ。

この紙芝居があることで、NRNRは具体的な意味が与えられる。
この歌の作り手が想像もしなかったような意味。
広島出身の歌い手が、その生地ヒロシマでこの歌を歌う。
「悲しみの向こう側の喜び」「希望の光の訪れを願って」
鎮魂の歌

そう、そうなるはずだった。それだけのはずだった。
それだけでも十分特別なNRNRのはずだった。
でも、違う。SU-METALの歌声を聴いただけではたぶんわからないだろう。
スクリーンに映し出されたSU-METALの表情。
オープニングから感じていた違和感をさらに決定づける。
これを何と表現すればいいのだろう。
もしも、このシチュエーションがドラマになり、名優がSU-METALを演じたとしても
この表情は作れないと思う。
いくつもの感情が入り混じった非常に複雑な表情。
突然訪れた困難に対するとまどいもあっただろう。
でも、いつものSU-METALと決定的に異なる印象を与えた要素はおそらく「不安」だと思う。

SU-METALは鋼鉄の心、メタルハートの持ち主と言われてきた。
アウェイであればあるほど燃えるタイプ。
ラウドパークでのギラギラした眼差し。
ソニスフィアでの伝説のニヤリ。
「ライブは闘い」が信条。
ちょっと常識では考えられないほどのメンタリティ、それがSU-METALだった。
舞台上ではSU-METALになりきっている。
ステージ上では不安などとは無縁。
それがQUEENと呼ばれる所以。

だが、この日、このときは違った。
初めて2人でBABYMETALのライブをやらなきゃならない。
それも広島凱旋の特別なライブで。
なんとか2日間やり切れるだろうか、当然そういう気持ちもあったと思う。
メタルハートに微かに見える感情の揺らぎ。

でもね、あの表情はそれだけでは生まれないと思う。
もっと深いところからきているように思えた。
BABYMETALとしてすでに7年。出会ってからだともう少し長い。
多感な10代を共に過ごし、ともに道なき道を切り拓てきた。
その中で築かれた関係性というのは、自分のようなものが想像できるものではないんだろう。
でも、あえて想像してみる。
例えるなら、いつものように左手でマイクを持とうとしたらマイクが握れない。
自分の手を見てみると、左手の指がない。
驚いて右手でマイクを持つ。
右手でもマイクは握れる。歌は歌える。
でも。

そんな感覚なんだろうか。
ライブの時は3人いて当たり前。3人で支えあいながら乗り切ってきた。
その1人が突然ライブにいないことになった。
SU-METALはそんな状況を想像したことがあっただろうか。

自分くらいの年齢になればわかってくる。
明日は今日の続きとは限らない。
昨日まで当たり前にあったものが、目が覚めてみたらなくなっていることがあるということを。
身近にいる人がある日突然この世からいなくなってしまうことがあることを。
自分の力ではどうしようもない摂理のゆえに。
考えてみれば自分が10代のころには考えてもみなかった。
自分の身近にいる人たちは、あしたもあさっても自分のそばにいてくれることを疑いもしなかった。
SU-METALもそうなんだろう。
抽象的には分かっている。頭では理解している。
でも、実際にいつもいてくれると思っていた人がいなくなるという経験は初めてだったんじゃないだろうか。

この日はSU-METALの御両親、そしてSU-METALとともに歩んできた芸能の道を離れることになった実の姉が見にきていたという。

想像したんじゃないだろうか。
自分を応援してくれてきた大切な家族が、いつかいなくなってしまう日のことを。

「いらない何も 明日さえも 君がいない未来」
「本当はただそばにいてほしかった」

SU-METALにとって抽象的だった歌詞が突然具体性を持つ。自分のことになる。

自分の生まれ故郷で72年前に突然奪われた命。
それは過去のこと。
突然隣にいないことになった、ライブという「闘い」をいつも共に闘ってきた盟友。
それは今日と明日のこと。
そして、ある日突然いなくなってしまうかもしれない大切な家族。
それは不確かな未来のこと。

そうか、あの日あの舞台でNRNRを歌っていたのはSU-METALではなく、中元すず香だったんだ。
「SU-METALなら何でもできる気がする」といっていた彼女。
あの日だけは、3人姉妹の末っ子、「歌をとったら私には何も残らない」広島のすうちゃんだったんだ。

生まれ故郷はやはり特別だ。
歌に思いがのる。
広島という土地が彼女の思いをさらに特別なものにしている。
自分のこの思いを伝えようとしている。
SU-METALとしての圧倒的な存在感は消え、透明になる。
ただそこにあるのは、間もなく二十歳になる1人の歌い手の歌。
彼女の歌だけがそこにはあった。
ひたすらまっすぐな歌。
彼女が大切にしている人に対して本当に大切に思っているよと伝えようとする歌。
そんな歌に聞こえた。

ピアノと弦楽器を演奏するフードをかぶった人物が舞台上にあった。
しげしげと見ていたが、実際に演奏はしているようだったが楽器の音を拾うにマイクが見当たらない。
モニターから出てきている音も聞きなれたいつもの音だ。
あのピアノやストリングスからは、会場に音は出ていなかったようだ。

曲が終わった。深い余韻が残る。
忘れられないNRNRになった。
(つづく)

BABYMETAL LEGEND-S-洗礼の儀- 参戦記 その3

2018-01-07 08:38:44 | ライブ
BYMETALのOfficialからLINEメッセージを見て目が点。

YUIMETALが病欠!!!

BABYMETALとして活動してすでに7年。
170回を超えるライブが行われて1度もなかったことが今日に限って、この特別な日に起こってしまった。
今日だけでなく明日もYUIMETALの姿は見られない。ライブは2人だけで行われるとのこと。
なんか頭が真っ白。なんだ、この虚無感は。
嫁メタルともども基本YMYな夫婦のがっかり感ときたら。



足取り重く会場につくといつもどおり真っ黒なメイトさんたち。
でも何か雰囲気が違う。いつもはもっと華やかな、ウキウキした雰囲気があるが今日は違う。
みんなもう知ってるんだよね。
とりあえず物販へいってみたが、時間が遅かったせいもありガラガラ。
そうかTシャツはBIG TEEしかないんだった。デザインも微妙だったが記念にとTシャツのみ購入。

入場口のほうへ整列場所の確認に行ってみた。
スタンドは2000番以降整列場所はすでに案内があったが、1000番台までは特に指示なし。
入場口の前に、先ほどLINEで見たお知らせが印刷されて掲示してある。
じっと見つめるメイトさん。写真に収める人もいた。
やはりこれは現実なのね。
入場口を正面に見て、左方向に整列させられるらしい。
右方向は金キツネと親子キツネの待機列場所。
することもなくなったので、三種の神器を受け取りに行くことにした。

三種の神器配布場所はそれなりの行列。
注意書きといっしょに三種の神器を受け取る。
あ、入れる袋とかはもらえないのね。陽が傾きだし、さらに冷え込んできた。
ライブ会場となっている大アリーナの向かいにある小アリーナのロビーに入れたので室内待機。
そこはもうメイトさんでいっぱい。すでに三種の神器を身に着けた人が多い。
ここで三種の神器の装着にかかる。ローブがなかなかしっくりこないが、Tシャツの上になんとか羽織る。
ペンダントは大きいうえに結構重い。重さからしてアルミ合金かな。
XXをデザインしている。嫁メタルは重いから直前で着けるという。
最後にマスクだが、ラバー製でかなりしっかりしたもの。
額中央はライトが仕込まれているらしく光るみたいだ。
マスクの裏からみると何か装置が入っている。
顔の大きい自分にはちょうどいいサイズだが、顔が小さい嫁メタルには大きすぎて似合わない。
ベルトをかなりきつめに調整しないとずり落ちてしまう。
このマスクのためにコンタクトにしてきたが、眼鏡のメイトさんも多くどうやってつけるんだ?
今のところキャッチャーマスクみたいにあまたの上に乗っけているメイトさんが多い。
一応装着完了したが、やはり布1枚のローブだけでは寒いのでその上からコートを羽織った。
それからは小アリーナのロビーでひたすら待機。
トイレも自動販売機もあるので待機場所としてはなかなか良い場所だが、
三種の神器を身に着けたオッサンが屯するという非日常的な光景になっております。
待っているメイトさんを眺めていると今回は男性が特に多いうえに、年齢層がいつにも増して高いような印象。
今まで見たことがなかったが、オッサンを通り越しもうおじいちゃんと呼んだほうがいい方の姿もちらほら。
もちろん三種の神器をしっかりと身に着けていらっしゃいます。
在日なのか、はるばるこのために海を渡ってきたのかわかりませんが、海外のメイトさんの姿も目に付く。かなりテンション高め。
そうしていると中年の男性メイトさんたちの会話が耳に入ってきた。

メイトさんA「なんか元気ないね。朝ニコニコだったのに」
メイトさんB「だってさ…」
メイトさんA「ああ、ゆいちゃんお休みだからね。」

メイトさんBはYMYらしい。その背中はほんとにしょんぼりしている。
BABYMETALはオッサンを14歳にしてしまうと言われている。
YUIMETALが病欠でがっかりしている中年メイトさんのその姿は、好きな子が急に修学旅行に行けなくなったことを当日に知った中学生みたい。
分かりますよ、その気持ち。
BABYMETALの冬のライブは初めて。特に今日は冷え込んでいることもあり、気分が上がらない。

整列開始時間になったが整列のアナウンスはなし。
とりあえず外に出てみる。入場口前はかなり込み合ってきているが、まだ整列が始まる様子はない。
15分ほど過ぎたころにようやく整列の声が。
予想通り入場口から左方向へ4列に整列してくださいとのこと。
嫁メタルとともにさっと15番目ぐらいに並ぶ。この冷え込みの中屋外での入場待機待ちの時間は短くしたい。
反対側の金キツネ、親子キツネの列は予想通り数えるほど、とまではいかないがかなり少ないというか列が極端に短い。
入場開始時間になったが、入場は始まらない。
スタッフは出入りしているが、発券機の準備も始まっていない。
整列場所の階が違うので様子が分からないが、ピットの入場が先なのかもしれない。
20分ほど遅れてようやく入場開始。
あっさりしたバックチェックの後、東京ドームと同様にチケットのバーコードを読み込ませて発券が行われる。
今回違うのは、バーコードを読み込ませると発券機の画面にTHE ONEに登録した自分の写真が表示されること。
一応スマホの画面チェックもしていたが、これならスマホがなくても大丈夫なんじゃないかな。
そのあとに金属チェック。ベルトのバックルが反応してしまい、ローブとTシャツをめくってベルトを見せる。
そして、発券された座席指定のブロックは「J」。
さて、と勢い込んで入場口の正面の壁に貼ってあった案内を見ると

←B~G A→

とある。あれ、Jは?
とりあえず左に行くとやはりGで行き止まり。
戻ってスタッフに聞くと入場口の右だという。入場口付近のスタッフに聞いても要領を得ない。Aゲートの向こうは立入禁止のロープが張ってある。
グリーンアリーナのシート位置をよく確認しておかなかったのが悪かったのだが、仕方なくAゲートから入場。
いつものように客入れSEが聴こえてくる。薄暗い上に照明が赤なので赤い文字が見えづらい。
とりあえずAゲートを右手に入ると、やはりAの表示しかないない。
と思ったら、その奥にJブロック発見!
グリーンアリーナのスタンドのブロックはAからJまであります。
ブロックごとにゲートがあるんですが、この日は正面ステージがあるH、I、Jブロックは基本的に使われていません。
しかし、AとGに隣接する一番正面ステージ寄りのJとHの一部は座席が指定されている状態でした。
発券ミスでシートがないのかと思って心配しちゃいましたよ。
通路より上側の中段に自分のシートを発見して一安心。列番号が赤文字だったので、赤い照明だとマジ見えないオッサンは悲しい。
とりあえず自分のシートに座って改めて会場を見渡す。

「ここは神席か」



目に入ってきた光景を見たとき思い出したのは、横浜アリーナのときに追加で販売された見切れ席。
写真で見ただけだが、それにそっくりだった。正面ステージほぼ真横。
上手側なので、すでにドラムセットが置いてあるのが見えたが、近い!正面ステージが俯瞰でまる見えです!
正面ステージのセットは、洗礼の儀の祭壇となっている。
もちろん上手側は見切れているが、左右対称のはずなので何も問題なし。
そしてほぼ真横に映像ディスプレイを独占状態。このアリーナにしては小さめで、反対側からだと小さくて見づらいと思いますが、自分の席からだと大画面を独占状態です。
あー素晴らしい。チケットが当たっただけでもついていると思っていたのに、席まで最高じゃないか。ZEPP名古屋の一番後ろからみているのと大して変わらない感覚。
キツネ様ありがとうございます。

正面ステージの反対側の向正面を見ると、なんじゃあれは。



巨大な狼みたいなキツネの頭のセット。とにかく大きい。
その前には6つのキツネが取り囲んだ円形のステージがある。
そして、そのステージと正面ステージを花道が繋いでいる。花道がアリーナを中央で縦に分断している状態。
なるほどこれならどの位置でも近くで見られるよね。巨大キツネ祭の巨大ディスプレイといい、東京ドームのときの反省が生かされていると思った。
そもそも横浜アリーナより一回り小さい広島グリーンアリーナ。かなり2人(3人じゃないのがつくづく残念)を近くに感じられるはず。
アリーナ中央の花道の両側がかなり広く空いており、アリーナ全体の1/3は花道エリアになっている。
その両脇にピットが配置されていて、それぞれ3ブロックずつに仕切られている。下
手側のピットからすでに入場が始まっているが、今回もまたかなりの詰め込まれ具合。
花道のすぐ脇にレールがあるのに気づいた。この時点では撮影用のクレーンのレールだと思ってました。普通そう思いますよね。
でも、実際は違っていたわけで。よく考えるとその位置だと撮影用としては近すぎる。よく見るとピットの前に撮影クレーン様のレールがありました。
しかし、向正面のキツネセットがでかい。高さ何メートルあるだろう。口の中から人が出てきたりしてね(果たしてそれは現実となる)。
自分の席のよさとステージセットの豪華さにかなりホクホク状態。
コートと荷物をシートの下に入れて、ゆっくりと開演を待つ。

正面ステージのセットを改めてみると、洗礼の儀の祭壇をかなり忠実に再現している。
一番奥中央のパネルが2枚に別れているのに気づいた。多分ここが左右に開いてSU-METALが登場するのかな。
ステージ上に見慣れないものがあった。ドラムというか、太鼓というかパーカッションのセット。
もちろん青山さんのではない。左右に別れて複数置いてある。一番外側のものは高さ2mぐらいはあるだろうか。見るからにセットというかフェイクだが何に使うんだ?
メインステージは意外と狭い。幅はあるが奥行きがない。ベビメタライブ初めての上手側。
YUIMETALがいるときはいつも下手側だったのに、いない今日は上手側。大村さんのケンパーの位置が近い。
暗くて青山さんのドラムセットははっきり見えないが、そのドラミングがはっきり見えるだろう位置。
さすがBOHさんのところまでは遠いがなんとか姿は見えそう。藤岡さんまでは無理かな。
大村さんのさらに上手側はマニピュレーターさんとかの裏方さんが控えている位置。
PAスピーカーはラインアレイがほぼ目の前にぶら下がっている。
大型はピットに向けられており、かなり小型のものがスタンドを向いている。客入れSEの音量がとても小さい。
ここもかなり反響音が大きいようだ。これだけ小さいとハウリング対策かな。音質的には低音が被らずかなり良好。イヤープラグは全く必要ない。
向こう側のスタンドを見ると客席がかなりバラバラに埋まっている。整理番号は席位置には関係ないようだ。入場は整理番号順だけどね。
そのうちに下手側のピットの入場も始まった。皆さんダッシュで柵にしがみつき最前列を確保。
入場がなかなか進まない。開演予定時間の19時にはどうも間に合わないペース。
ここのスタンドの席はやはり分かりづらいようで、スタッフに席位置を案内されているメイトさん多数。何せ照明が暗く過ぎる。

19時を過ぎてピットは概ね埋まったものの、スタンドの空席が少々目立つ。まだ入場が進んでいない様だ。
待ちきれないピットからBABYMETALコールが上がる。曲が終わると次こそ始まるかと拍手が起きるが、次の曲が続きなかなか始まらない。
と思ったら、曲の途中でいきなり客電が落ち紙芝居が始まった。いよいよだ!

BABYMETAL LEGEND-S-洗礼の儀- 参戦記 その2

2018-01-06 07:53:41 | ライブ
仕事が忙しかったこともあり、宿と交通手段を確保したらなんか安心してしまって、あまり洗礼の儀のことを考えることはなかった。
直前の金曜日になって仕事も一段落したら、俄然気持ちが高まってきた。
明日の広島の天気はBABYMETALのライブにしては珍しく晴れ。

いよいよ当日、旅程は始発の新幹線で行って、最終の新幹線で帰る。
まだ真っ暗な地元の駅を後に新幹線に乗った。
広島に行くのは大学生の時以来20数年ぶり。その時は同期の友人の引越しの手伝いのため車で行ったが、広島市内は全く見ていない。
新幹線の中では暇を持て余していたので、広島の情報をひたすら調べる。
新幹線の社内ではすでにメイトさんの姿がちらほら。こちらはまだメイトの姿はしていない仮の姿のまま。
昼過ぎにようやく広島駅に到着。天気予報どおりいい天気。だがかなり寒い。
これから人生初の路面電車でホテルへ向かう。
路面電車の車両はクラシックなタイプではなく、近代的な新型車両が来た。
車内はかなり混み合っており、降りるのに苦労した。

ホテルのチェックインまで時間があるため、ホテルへ行く途中にタワーレコードに寄る。
Perfumeのステージ衣装の隣にそれはあった。BABYMETALのポスター。すでにメイトさんが写真を撮っている。

メッセージボードがあったので、上さん、じゃなかった、嫁メタルがSU-METALのイラストを描いてくれた。

イラストが少なかったからかなり目立つ。店内にはもちろんBABYMETALの曲が流れている。
いよいよという気分。

そのあとは遅めの昼食。もちろんあの店でお好み焼き。
お好み村はすでにメイトさんの行列。厳島のある3階に行ったらもう大行列。
席にはベビTを着たメイトさんしかいない。とてもいつになったら食べられるかわからないので、例のサインを写真に収めて別な店で食事。
入った別の店もメイトさんしかいない。中年メイトさんの集団らしくビールを飲みながらの食事。
普通の豚玉を注文しましたが、美味しかったですよ。麺というかそばが入っているのでかなりお腹いっぱい。
せっかくなので厳島で食べたかったが、やむなし。

食事をしたらチェックインにちょうどいい時間となり、平和大通り沿いのホテルのチェックイン。
ホテルの部屋に入ってネットをチェックすると、既に三種の神器の情報が上がっており、その詳細が判明。
マスクにローブにペンダント。メイトさんが三種の神器を身につけている写真を見て思わず笑ってしまった。
ベビメタだもん、こうじゃなくちゃ。
しかし一つ問題が。今日はスタンドなので眼鏡で行こうと思っていたら、マスクですか。
仕方ないので名古屋銀のときに設えた遠く専用のコンタクトレンズを装着。遠くは良く見えるが、近くにピントが合わないベビメタライブ専用。
名古屋の時はこのコンタクトレンズのおかげでゆいちゃ、でなくてYUIMETALのぷにぷにが良く見えました。
ロングTの上にベビTをレイヤーして準備完了。寒いのでそのうえにコートを羽織っていざ出陣!
このホテルからグリーンアリーナまでアクセスが悪いので、もう歩いて行っちゃうことにした。

平和大通りをひたすら西へ。コートを着ていてもかなり寒いが、天気は雲一つない快晴。
橋を渡ると遠くに原爆ドームが見えてきた。
いつかは行ってみたいと思っていながら、この年になるまで来ることのなかったこの場所。
BABYMETAL、それも広島出身のSU-METALの洗礼の儀のために訪れることになるとは不思議な気分。
橋の向こうには平和記念館が見える。本館は工事中なので東館のみの見学。
ホールに入ると土曜日とはいえ12月だというのに本当に人がたくさん。特に外国人の姿が目立つ。もちろんメイトさんの姿もあり。
実は改装された東館の様子をテレビで紹介されていたのを見ていた。
入ってすぐの原爆投下前の広島の様子と原爆投下後の焼け野原。この対比が強烈に印象に残る。
あるはずだった物がすっかりなくなってしまった猛烈な違和感。
東日本大震災のあと海沿いの地区に行った。昔行ったことのある場所。
津波で何もなくなったその場所に行って、世界の底に落ちてしまったような感覚に襲われたのを思い出す。
LITTLE BOY
「小さな男の子」が広島に与えた傷はあまりにも大きい。
展示物に向き合う外国人の真剣な顔が目に付く。
この事実を知って何も感じない人はいないだろう。
人類は広島に落とされた「小さな男の子」の3300倍の「皇帝」をも生み出した。

外に出ると空の青さが目に染みる。
記念公園へと向かう。
何度もテレビでは見ていたこの場所。何か厳かな雰囲気がする。
モニュメントの前に立ち初めて気づいた。モニュメントの向こうにちょうど原爆ドームが見えること。
現場に来てみなければ分からないことある。
その後原爆ドームに向かった。多くの人がボランティアの説明に耳を傾けている。
近くに着てみると原爆ドームはかなり大きな建物だった。
管理がしっかりしているためか、70年以上経っているとは思えないほどしっかりしている。
不思議な気分だ。何とも言えない不思議な気分だ。
日本人なら一度は来るべき場所だと思っていた。
それが叶った今、広島の空は快晴。とても穏やかな雰囲気。
そこからいよいよグリーンアリーナへ向かっている途中でLINEのメッセージが来ていることに気づいた。
BABYMETALのOfficialから。
もうすでに時間は3時を回っている。ちょっといやな感じ。
(つづく)

BABYMETAL LEGEND-S-洗礼の儀- 参戦記 その1

2018-01-03 15:02:37 | ライブ
話は巨大キツネ祭りSSA2日目から続く。
年内最後のライブは広島というのは分かったものの、その時点では日程が確定していなかった。
12月2日、3日の2DAYSというのが有力だったが、12月23日という線も捨てきれず、メイトさんたちが右往左往。
詳細が分からないままホテルを予約するメイトさんも現れ出す。
まあ、チケットが取れなきゃどうしようもないのでかなり悶々とするものの大阪の巨大キツネ祭りを待つしかない状態になりました。

日程は大阪1日目の紙芝居で明らかにされた。
やはり12月2日、3日の2DAYSだった。土日だ。少なくとも12月2日は行けそうだ。
しかもSSAではTHE ONE限定とアナウンスされていたが、12月3日は一般もあることが分かった。
これは3日のチケットを取るのは厳しいな。日曜日だし、一般もあるということはTHE ONEの割り当てが少なくなる。
しかし、場所はまだ明らかにされていない。広島グリーンアリーナというのが大方の予想。
土日とはいえ12月の広島で1万規模の会場の2DAYSとはなかなかハードルが高い。

大阪2日目の結果を待つ。
LEGEND-S -洗礼の儀- 開催!
場所は広島グリーンアリーナ!
あとで大阪2日目の紙芝居を見た。
あーゾクゾクする。SU-METALの故郷広島凱旋!しかも本人がやってみたいといっていたグリーンアリーナで2DAYS!
しかし、公演の詳細を見てさらに驚く。
に、にまんえん?
いやね、20000円の公演って1度見たことがあるんですよ。
洗礼の儀みたいにお土産なしで。その時もプラチナチケットでしたが、まあ舞台装置には金がかかってた。
舞台上に滝を作るなんて序の口で、最終的には舞台上が海になって水が奥から客席側にドンブラコ流れてきやがった。
数分後にはきれいに水が流れ切って、さっきまで海だったところで歌を歌うというとんでもない舞台だった。

今度はどうなるんだろう。
これは絶対に見たい。絶対に見るしかない。
会場のキャパからして、1公演あたり10000人が限界か。
1日目はTHE ONE限定とはいえ土曜日。全国のメイトのチケット争奪戦になる。
THE ONE1次先行を外したら、ほぼ復活の目はない。
どうにかして1次先行で当てるしかない。

チケットの取り方も問題だった。上さんと一緒なので最初からシート狙いだったが、
シートは一人2枚までとれるものの、同伴者もTHE ONE会員ではなくてはならない。
そうか、ついに上さんを嫁METALにする日が来たようだ。
しかーし、1次先行の申込期間が短い。今からアスマートで例のBIG TEEを注文して間に合うのか? 
巨大キツネ祭りでBIG TEEを売ってたのはこういうことだったのか。
会場で買っておけばと思っても後の祭り。ソッコーでアスマートで注文した。

今回ばかりはアスマートのおじいちゃんの仕事は早かった。
1次先行の期限に余裕で間に合ってBIG TEEが届いた。
上さんのメタルネームを頂戴し、晴れて申込み。
2日は自分の名前で申し込み、3日は嫁メタルの名前で申し込んだ。
3日が当たってしまったら12月だというのに平日休みを取らなくてはならないが、
その時はその時!ベビメタのライブの時の自分はとても大胆になる。

別にクリスチャンでもないが、十字を切ってその時を待った。
通知のメールが届いた。
結果は、2日当選! 3日落選!
すうちゃん!これで広島行けるよ!
東京ドームの時もうれしかったが、今回は格別。
特別な夜になるに決まっているから。
もう2度とない特別な夜になるに決まっているから。
3日は落選して正直ほっとした。2日連続だとさすがにチケット代が…
クソ忙しい12月の平日に休みを取らなきゃいけなくなるし。
1泊2日では交通費がちょっともったいない気もするが、これでよかったんだよ。

チケットは確保した。あとは広島までの足だ。
選択肢は新幹線か飛行機。事前に調べていたものの実質の移動時間は大差なし。
飛行機は欠航が怖い。何せBABYMETALのライブである。12月に台風が来てもおかしくないが、現実的には大雪で欠航の確率が高い。
飛行場に行ってから欠航が分かって、新幹線に乗り換えても間に合わない可能性がある。
ここは便数が多く、運休の可能性が少ない新幹線を選択した。
ここからは何とか交通費を抑える検討にかかる。
広島までの1泊2日の強行日程。新幹線往路始発、復路最終で確定。
早割が取れる列車は抑えた。しかし、肝腎の東海道新幹線の早割はあまりお得でない。
最終的にはJR東海ツアーズのパックにした。宿泊費込だとだいぶ総額を圧縮できる。
なかなか3日の帰りの新幹線がうまくとれなかったが、なんとか最終の1本前の列車を確保できた。
よーし、宿も新幹線も確保できたよ。すーちゃん待っててね!

(つづく)