夜の翼

オーディオ、音楽、車、ケータイなど好きなことを気ままに綴るブログです。

Qobuzその後~DIFFと芸能山城組とHD6XX~

2023-04-16 04:44:44 | オーディオ

先日アナウンスのあったQobuzの正式サービスインを心待ちにしているが、その関連でe-onkyo musicに動きがあった。

 

【重要なお知らせ】2023/04/05

WAV、MQA、MQA Studio、DIFF、MLP (Dolby TrueHD)、32bit音源の配信終了につきまして

 

平素よりe-onkyo musicをご利用いただき誠にありがとうございます。

 現在e-onkyo musicは、新サービス「Qobuz(コバズ)」へのサービス切り替えの準備を進めております。

その準備の一環としまして、サービスの切り替えに先行して、下記フォーマットの配信を終了いたします。

 

配信終了フォーマット:WAV、MQA、MQA Studio、DIFF、MLP (Dolby TrueHD)、32bit音源

配信終了予定日:4/25(火)

 

当サイトにて該当のフォーマットをご購入いただいておりますお客様には大変ご不便をおかけしますが、何卒ご理解の程よろしくお願い申し上げます。

 

 

おや、Qobuzの正式サービスインに向けて、配信しているファイル形式の整理ですね。

Qobuzのハイレゾストリーミングサービスはflac形式のはずなので、ほかのファイル形式を整理するということのようだ。

こうしてみると現在のe-onkyo musicは配信元の都合なのか、ハイレゾといってもファイル形式がバラバラで統一性がなかったので、この際PCM系はflacに統一するのはいいことかもしれない。

 

ただ、128kbps/24bitを超えるビットレートの配信はやめるようなので、そこはちょっと残念だが、これ以上の超ハイビットレートはファイル容量が大きくなるばかりで音質に差を感じられないから、実質的には問題はないだろう。

 

一方、DSD系はというとDSD自体を取りやめるということはなく、DIFF形式はやめてDSF形式に統一されるようだ。

検索してみると、DSFファイルで配信されているタイトルが680タイトルあるのに対し、DIFF形式で配信されているのはわずか14タイトル。そのうち8タイトルが山城祥二がらみだ。

DSFではなくわざわざDIFFにしているのは山城祥二のこだわりなのか。

問題は、DIFF形式のみで配信されている楽曲が今後DSF形式で配信されるのかどうかということである。

このままDSD系の配信は終了となっては、DSD派の自分としては少々困る。

特に芸能山城組はDSD系で聴きたいが、愛聴盤の「輪廻交響楽」はまだハイレゾを購入していない。

 

ということで急遽「輪廻交響楽」をDIFF形式で購入することにした。

DIFF形式でも5.6MHzと11.2MHzの2種類があるが、ここは奮発して巨大な11.2MHzの方を購入した。

ファイル容量は実に7.5GBある。

 

早速Diretta経由で聴いてみようとしたら、曲がスキップされて再生できない。

PCを再起動してもだめだったので、とりあえずMusic CONVERTERでSACD並のDSD64(2.8MHz)にダウンコンバートして再生しようとしたが、やはりダメ。

 

ここは落ち着いてもう一度PCを再起動し、flacファイルが再生できるのを確認してから、ダウンコンバートしたDSD64ファイルを再生したら、無事再生できた。

 

その音は、とにかく音場が広大。

ヘッドフォンというか、頭の周りに音が張りつかない。

これまでのヘッドフォン環境とは比較にならないレベルだ。

これがH6XX+ZEN CAN Signature 6XXの実力か。

しかし、音そのものはあっさり目というか、悪い意味ではなく「軽い」と感じた。

非常に聴きやすいのだが、ちょっと物足り何感じ。

 

そこで、ファイルをDSD256(11.2MHz)にスイッチすると、どうだ。

音場の広さはそのままで、音の情報量が圧倒的に多い。

音場が広いので音が「濃い」というのとは違うが、音が軽い感じはなくなった。

解像度が高いというのともちょっと異なり、「音の情報量が多い」という表現がぴったりくる。

例えば、「散華」で床を踏みしめて、床が「ギィー」と鳴る音が収められているのだが、これが床に足を乗せて、体重をかけていくと床がたわみ、音が鳴り出すという映像が想像できてしまうほどの情報量の多さである。

非常に立体的、映像的に音が響く。

特に低音は過剰なぐらい響く。

これはHD6XXの特性だと思うが、やはり低音が厚すぎて、音の輪郭が若干滲んでしまう。

それ以外では、音抜けの良さは特筆すべきで、音が詰まったようなストレスを感じないので、音色的には若干暗めのはずなのだが、今まで最も音が明るく感じる。

もうこれだけで、HD6XXにした甲斐があるというものだ。

 

オーディオ的に過剰な演出はほぼ感じられないので、純粋に音楽に浸ることができる。

その意味でHD6XXはモニター的というよりは、やはりリスニング向けということになるんだろう。

 

今後e-onkyo musicでどのクオリティのDSFファイルが配信されるかは不明だが、是非DSD256での配信を継続してもらいたい。

 


結局HD6XXになりました(その3)

2023-04-09 04:44:44 | オーディオ

○バランス接続はいかに

 

HD6XX用というかHD650用のバランスケーブルは各種あるが、アンプ側のプラグが4.4mm4極というのは選択肢が少ない。

結局ORBのClear force HD650にしたが、これには長さが2種類ある。

長いと持て余すので、短い方の1.2mにしたが、実際に使っているときはいいのだが、ヘッドフォンハンガーにかけた状態だとちょっと短かった。

取り回しを工夫したのでなんとかなったが、ケーブルが硬めなので長さには余裕があった方がいいかもしれない。

 

早速音を出してみたら、なぜか音量が大きい。

同じアンプでボリュームの位置も同じなのに、明らかにバランス接続の方が音量が大きい。

理由は分からないが、これぐらい音量が取れるなら、ゲインは0dbで十分だ。

音質の方は、ソフトさがさらに後退し、ハッキリくっきりのHi-Fi傾向で、音がより前に出るように感じる。

ボーカルもよりクッキリした感じになったが、サ行がきつく感じほどまでには至らず。

全体的に高域がより出るようになったのが、ソフトさが後退したように感じる要因かもしれない。

低音には特に変化は感じない。

もう少し低音がタイトになることを期待したが、低音過多で輪郭が滲む傾向は変わらなかった。

ORBのケーブルでなければ音の傾向が変わったかもしれないが、ORBのケーブルは音のカラーリングは少なめで使いにくいということはないと思う。

 

もう少し劇的に変わるかと思ったが、自分の環境では大幅な変化は感じられなかった。

HD6XXにどのような傾向を求めるかによるが、ソフトな感じを求めるならアンバランスでもいいかもしれない。

バランス接続にしても、低音過多の傾向は変わらないので、低音の多い音源や打ち込みが多い音源ならATH-A2000Zの方がいいかもしれない。

低音が少なめで、ボーカル物ならやはりHD6XXだろうか。

音の解像「感」をより感じるのはATH-A2000Zだが、細かい音はHD6XXの方がバックの音に埋もれず拾う。

音場の広がりはHD6XXの方が勝るが、ATH-A2000Zとそれほど差があるわけではない。

ただ、ATH-A2000Zの方が耳の近くで音が鳴っている感じになるので、HD6XXの方が長時間聴いても疲れないと思う。

 

ヘッドフォンを2台体制にしようと思いHD6XXを追加したわけだが、2台体制にするならもう少し音の傾向が違った方がよかったかもしれない。

バランス接続でのHD6XXがメインでATH-A2000Zがサブという体制になりそうだが、どちらか1つに絞れと言われれば、やはりHD6XXだろうか。

HD6XXの低音がもう少しタイトなら自分にとって理想的だが、新しいHD660S2はどうなんだろう。ちょっと気になる。

 

しばらくHD6XXを使わずにいて、しばらくしてから聴いたら、以前ほどクッキリした感じが感じられず、ややソフト目になってアンバランス接続の時の音に近づいたような気がする。

こちらの方が聴きやすいのは間違いないが、さらにエージングが進んだと考えるべきか、エージング用音源で時短エージングを行った効果が薄れてきたのか、それはもうちょっと時間をかけて聴き込んでみないと分からない。

 

先日BABYMETALがTHE FIRST TAKEに出て、新しいアルバムに収録されている「Monochrome」をアコースティックアレンジのピアノバージョンで披露した。

 

THE FIRST TAKEに出たこと自体が驚きだったが、これをHD6XXとATH-A2000Zで聴き比べてみたが、これはもう圧倒的にHD6XXの方が相性がいい。

気になる音が全く出ず、SU-METALのボーカルを堪能できる。

ただ映像の方は4Kまで準備されており、これを大画面の4Kテレビで見ると、ほんとうに美しい。

スマホで見るのは本当にもったいない。

しかし、問題はその音質。

音の方はYOU TUBE標準のOPUSになっていて、AAC256kbps程度に圧縮されている。

SU-METALのボーカル、特に高音の伸びに物足りなさを若干感じてしまったのはこの音声仕様にあると思っている。

ただ、SU-METALが使っているマイクがスタジオ収録定番のNEUMANNではなく(MOAMETALのマイクはNEUMANNのTLM49)、TELEFUNKENのマイク。

ELA M251Eというビンテージマイクの復刻モデルと言われているが、ケーブルコネクターの形状、色がM251Eとは異なるので、ビンテージマイクの復刻モデルではないTF-51の方かもしれない。

このマイク、コンデンサーマイクなのだが真空管が組み合わせられているモデルらしい。

音の特徴を調べてみたら、中域が厚くなめらかな音らしい。

THE FIRST TAKEで使われているマイクについてはTHE FIRST TAKE側でセレクトしているようだが、このTELEFUNKENのマイクを使っている歌手はそれほど多くない。

MISHAの時も使われているが、何らかの条件の時に使われるのだろう。

普段聴き慣れているBABYMETALのライブ音源だと、使われているのはライブ現場では定番のSHUREのワイヤレス。

このマイクは高域のややピークがあるので、高域が不足気味の歌手には好まれるという話を聞いたことがあるが、SU-METALの場合は逆で高域が出すぎるのにSHUREのマイクを使っているので、ライブ現場でときどきケロケロ声に聞こえてしまうことがある。

BABYMETALのライブ音源のSU-METALの声に慣れている自分が、THE FIRST TAKEでのSU-METALのボーカルの高音の伸びに物足りなさを感じてしまったのは、このマイクにも一因があるような気がする。

 

ともかくHD6XXで聴くSU-METALのボーカルの聴き心地は最高である。

わずかにエコーがかけてあるようだが、ビブラートやしゃくりなどの歌がうまく聞こえるテクニックもほぼ封印し、あまり前半はメロディーに起伏がなく、サビでかなりのハイトーンの連続というかなり難しい歌をこのアレンジで歌うというのは、歌がうまく聞こえる要素があまりに少ない。

しかし、そこはSU-METALなのだ。

この条件にして、あの仕上がり。

この音源をもっといい音質で聴きたいと思うのは自分だけだろうか。

THE FIRST TAKEという企画はいいのに、YOU TUBEのチャンネルであるが故に音質という点では非常にもったいないと思う。

 

○HD6XXにしてよかった

 

ヘッドフォン以外のところにコストはかかったが、このHD6XX、音質と使い心地、そしてコストのバランスが非常に優れていて、もととなったモデルHD650が名器と呼ばれているのも納得がいく。

ただ、音の作りとしては、現代的とまでは言えずやや古めかしいところはあるが、それを補って余りある魅力がある。

現状ではATH-A2000Zを含めて、他のヘッドフォンを使おうという気が起きない(HD6XXの方が側圧が弱いということも大きいが)。

 

これ以上となれば、ヘッドフォンのハイエンド領域に完全に踏み込むことを意味するので、かかるコストも比較にならなくなる。

HD6XX+ZEN CAN Signature 6XXという組み合わせに不満が出てくれば、その次を考えなくてはいけないと思うが、それは当分先にことになりそうだ。